『佐々木千枝ちゃんの相談相手』





 都内某所のテレビ局。
 同じ所属事務所のアイドル同士が会うこともあるわけで……

「あっ……鷹富士茄子さん!」
「あなたは佐々木千枝ちゃん、ですね?」

 黒髪の利発そうな女の子が声をかけたのは、同じく黒髪で知的な女性だった。
 名前を呼ばれて千枝の表情がにわかに明るくなった。
 宝くじのプロモーションで呼ばれることが多いアイドル、鷹富士茄子と顔を合わせることは今までなかった。

「千枝の名前知ってるんですか」
「はい。とっても可愛いなーって、以前から思っていましたので」
「嬉しいです……」

 千枝にとってそれは紛れもない本心。密かに憧れていた年上の美女から褒められたのだから、胸の奥が一気に熱くなるのも仕方のないことだった。

 そして番組本番。
 茄子は今年もラッキーガールとして選ばれたことを喜び、千枝はもしも宝くじがあたったらどうしたいかなどのインタビューに答えていた。
 ちなみに千枝の回答は「お父さんとお母さんに美味しいものをごちそうします!」というものだった。

 収録は滞り無く進みその日の撮影が終了した。

「お疲れさまでしたー」

 次は当選発表、約二週間後に集まるスケジュールになっている。
 解散となりそれぞれの控室へ戻る中、駆け足で茄子のもとへ少女がやってきた。

「あの、茄子さん!」
「千枝ちゃんお疲れ様。なんでしょう?」

 茄子は視線を下げ、頬を上気させている美少女へニッコリと微笑む。
 何度かまばたきをして呼吸を整えてから千枝が控えめに呟く。

「あの、相談に乗ってほしいことがあるんです。少しお話できませんか?」

 じっと目を見ながら時々視線をそらし、恥ずかしそうにする千枝。
 それは小動物が怯えながら何かを訴えかけてくるような様子だった。
 茄子は可愛らしい彼女を見ているだけで胸がキュンとなる。

「千枝ちゃんから頼まれたら断れませんねー」

 そして茄子は自ら彼女の手を引いて控室へと入っていった。


 部屋に入った二人は正面から向き合う。
 千枝はしばらくの間モジモジと落ち着かない様子をしていたが、やがて意を決したように口を開いた。

「じつは、変な子だと思わないでほしいんですけど……」

 穏やかな表情で茄子が静かにうなずいた。
 年上の余裕を感じて千枝がほっと一息ついた。
 茄子が醸し出す和やかな雰囲気のおかげで、少女は言葉を丁寧に紡いでいく。

 千枝の悩みとは、胸の大きさのことだった。
 同級生の中ではすでに大きくなり始めている子がいるという。
 茄子にとっては取るに足りない話にも感じたが、年頃の女の子にはよくある話なのかもしれない。

「千枝ちゃんが私と同い年になる頃には大きくなってると思いますよ?」
「そうでしょうか……」

 眉根を潜めたまま疑惑を捨てきれない千枝を見ながら、茄子は優しく笑う。
 そして千枝の小さな左手を自らの手で包み込みギュッと握った。

「ためしに少し触ってみますか」
「いいんですか?」
「ええ、同じ女の子同士ですから」

 特に気にすることはないと茄子に言われ、千枝はゆっくりと手を伸ばす。
 茄子は気を利かせたつもりなのか上着のボタンを外し、素肌を少しだけ露出させる。
 彼女のファンが見たら卒倒しかねないほど、透き通るような白さだった。
 当然、千枝もそれに目を奪われる。

 目の前に現れた茄子の体は紛れもなく大人の女性であり、高価な美術品のようだ。
 千枝の指が吸い込まれるようにして胸の谷間に触れた。

「うわぁ……きれいなおっぱい」

 しっとりと吸い付くような質感だった。

 遠慮がちだった指がしっかりと茄子の胸の形をなぞる。
 ぎこちなく触れられた茄子もそれを心地よく感じているようだ。

「そんなに驚くようなことではないと思いますけど?」

 茄子はそう言うけれど、千枝にしてみれば初めて触る他人バストだ。
 しかも極上の造形美をもつアイドルの胸……思いがけず興奮してしまう。

(大きくて、柔らかくて、でもお母さんとは違う……)
 
 いつの間にか千枝は両手で茄子の胸をしっかりと持ち上げ、揺らし、手のひらで包もうとしていた。
 しばらくの間は彼女の自由にさせていた茄子が、不意につぶやく。

「では、千枝ちゃんの胸も見せてもらいましょうか」
「えっ」

 千枝の指先がピタリと止まった。

「駄目ですか?」
「いい、ですけど……千枝、恥ずかしい……」
「私だって恥ずかしかったんですからね」
「じゃ、じゃあ見せます!」

 受け答えをする千枝の顔がトマトみたいに真っ赤になっていく。
 恥じらう彼女をいたわるように、茄子は優しく服を脱がせる。

 一枚一枚花びらをめくられていく妖精。
 茄子は千枝の体を見ながらそんな事を考えていた。

 そして控室の中で、千枝の上半身が綺麗にむき出しにされてしまった。

「真っ白ですべすべ……千枝ちゃんのおっぱいも素敵ですよ」
「~~~~~~~~~っ!!」

 茄子の指先が彼女の肩に触れた。

 千枝はまさか自分が触られるとは思っていなかった。
 いや、憧れのアイドルに裸の自分を見られるとは夢にも思わなかったのだ。

(恥ずかしい、恥ずかしいけど、茄子お姉さんに見られて、千枝……変な気持ちになっちゃうよぉ……)

 自分の正面でキュッと目をつぶる姿が健気で、茄子もドキドキしてきた。
 この美少女は完全に自分を信じ切っている。

 絶妙なバランスで羞恥心を押し殺しているのだ。
 ではそれを少し傾けたらどうなるのか……

「ちょっと触らせてもらいますね」

 肩に置いた指先を滑らせる。

「あっ……あっ! はぁん!」

 茄子の指がそろりそろりと肩から二の腕、そして脇の下を支えるようにしてバストへ、しかも左右同時に十本の指が自分を捉えていることに千枝は気づいた。

 決して乳首には触れず、茄子は千枝を焦らすように指先で胸に円を描く。
 その動きにつられて美少女の体は小刻みに震えてしまう。

「外に聞こえちゃいますよ?」
「ごめんなさい……で、でも、あっ、ひぅっ!」

 茄子の指先に翻弄された千枝は、無意識に歓喜の声で反応してしまう。

 やがて茄子は少女を抱き寄せ、胸を撫で回しながらそっと囁いた。

「敏感なお胸ですね♪」
「茄子、お姉さん……千枝、気持ちよくてフワフワしてます」
「じゃあここに横になって」

 そして千枝を優しく横たえ、添い寝するように愛撫を重ねていく。

「ゃんっ、あ、あの、茄子さんの手、すごく気持ちいい……」
「マッサージは得意なんです」

 茄子の手のひらが心臓の真上を撫でる。
 その暖かさにすっかり千枝は骨抜きにされていた。

 恍惚となった視線を送る千枝の頭を撫でる茄子。
 少女特有のサラサラの黒髪の感触が心地よい。

「千枝ちゃんの悩みがなくなるように、私の手で揉みほぐしてあげますから」

 そして再び両手を使って千枝の全身を攻略していく。

「ち、千枝、恥ずかしいけど、気持ちいいです……」
「そのままじっとしててくださいねー」

 少女に気付かれないように茄子は丁寧に衣服を脱がせてゆく。
 スカート、靴下……最後の一枚、ショーツを優しく剥ぎ取られた千枝が呻いた。

「はぅ……」

 恥ずかしそうに身を捩らせ、秘所を手で隠そうとする千枝。
 茄子はその弱々しい手を自分の手で包み込んだ。

「細くて長い手足ですね。可愛くて綺麗で、きっと千枝ちゃんは私よりも美人さんになりますよ」
「そんな、嬉しい……茄子さんみたいに、千枝もなりたいです」

 茄子に握られた手に自然と力がこもった。
 体の芯が熱くなり、両脚が勝手にモジモジと動き出す。

 千枝は茄子に対して完全に心を開いていた。

「可愛い千枝ちゃんに褒められると私も嬉しくなっちゃいますねー」

 茄子は女神のように微笑み軽く髪をかきあげた。
 そしてゆっくりと、震える少女に顔を寄せてゆく……

ちゅ、うぅっ♪

「あ……」
「嬉しい気持ちにしてくれたお礼です」

 桜の花びらみたいな千枝の唇に、茄子の唇が重なった。
 それが少女にとってのファーストキスだと知らずに。

「はぁ、はぁ、茄子お姉ちゃんと……しちゃった……」
「うふふふ、泣いちゃうほど嬉しいんですね」

 薄っすらと浮かんだ千枝の涙を茄子の舌先が舐め取った。
 そしてまた口づけする。

んちゅ……

 千枝はうっとりした表情で茄子に身を委ねた。
 軽い口づけが何度も重なり、そのたびに少女の全身から力が抜け落ちていく。

「もう全身がとろけちゃってるみたい。ここはどうですか?」

 大きく息を乱す千枝を見下ろしながら、茄子は自分の指を少女の花園へと滑らせた。

ヌチュ……

「ひゃんっ……」

 目を閉じてビクッと体を揺らす千枝。
 陰毛すらない少女の膣口を優しくこじ開けた茄子の指先がさらに奥へ伸びた。

(すごく濡れてる……)

 愛液を指先に感じながら茄子は興奮してしまう。
 何も知らない無垢な少女を自分が淫らな道へ誘っているのだ。

「千枝ちゃん、自分でおまたを触ったことあります?」

 意地悪な質問だった。
 千枝は恥ずかしそうに横に首を振る。

「いつもじゃないよ! と、時々、だもん……」
「じゃあそういうことにしておきましょうね」

 クスッと笑われて千枝の顔がまた赤くなった。

 茄子は焦らすような手付きで少女の一番敏感な場所へ指を滑り込ませる。
 再びビクッと体を震わせ、何か叫ぼうとした千枝の口をキスで塞ぐ。

 こごもった少女の喘ぎ声は茄子の口の中で消えていった。

(おかあさん、ごめんなさい……でも、茄子おねえちゃん、だいすき……)

 キスと秘所への愛撫を交互に織り交ぜられ、千枝はすっかり参ってしまった。
 呼吸は乱れたままで整わず、今まで感じたことのない感情で頭の中がぐちゃぐちゃにされてしまった。

 その数分後、快感によって脱力した千枝を茄子は優しく抱きしめていた。
 お互いに正面から向き合い見つめ合う。

「最後にお姉さんが千枝ちゃんの大切なところを揉みほぐして、このマッサージは終わりです」

 まるでおさらいをするかのように、千枝の敏感な場所だけを愛撫していく。

「あああぁぁ……」
「全身がしびれて気持ちいいでしょう?」
「はい、すごく……ふあああああっ!」

 背中をなで、髪に触れ、バストを手のひらでこね回しながらキスをした。
 空いている茄子の指は千枝の秘所を深くえぐり、淫らな音を掻き立てている。

「千枝ちゃんの体、すごく敏感になっちゃいましたね」

 違うと首を横に振ろうとしても無駄だった。
 千枝の小さな顔は茄子にキスによって制圧されているのだから。

「では最後の仕上げを」
「なにを……」
「私からのおまじないです」

 茄子は千枝をいったん解放して、お互いの胸の高さを合わせる。

(きれい……)

 ふっくらとした曲線を描くバストに思わず見とれてしまう千枝。
 女性として憧れる理想的な体型を茄子は持っていた。

「千枝ちゃんが綺麗だと言ってくれたおっぱいを、直に感じさせてあげます」

 ぷっくりと膨らんだ桃色の乳首が近づいてくる。

「えっ、あっ、あ、千枝の胸に! お姉ちゃんの……」

 千枝の控えめなつぼみを優しく押しつぶし、茄子の胸が押し当てられる。
 コリコリした乳首同士のふれあいは少女を甘く絶頂させた。

「あんっ、はああああああ~~~~~~~~~~~っ!!」

 茄子は自分と体を合わせた少女が悶える姿を見て微笑んでいた。

 じっくり時間をかけた少女への調教がようやく完成した。
 全身が性感帯にされてしまった千枝は、密着したまま何度も達してしまう。

 そのたびにキスをされ、呼吸を乱され、快感に蝕まれていく。
 茄子が千枝を解放したのはそれから数十分後だった。




「一人で立ち上がれますか?」
「大丈夫です……」

 控室を出た二人は姉妹のように仲良く手を握っていた。

 千枝のプロデューサーへの連絡は茄子がつけておいた。
 一緒に事務所へ顔を出すことになっている。

「収録は続くみたいですから、また来週会えますね」

 茄子がそう言うと、千枝は彼女の手を強く握ってきた。

「あの、茄子おねえちゃん……その時はまた……」

 語尾を濁し、チラチラと自分を見上げてくる美少女を見て茄子は優しく微笑む。

「ふふふ、いいですよ。私も楽しみです♪」

 ホッとしたように茄子を見上げる千枝。

 やがて事務所についた黒髪の美少女たちは、それぞれのプロデューサーに楽屋を一緒にしてほしいと頼み込むのだった。




(了)



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