『休日の兄妹』





 ここは俺の部屋。窓の外は明るい。
 お出かけ日和というやつだが、残念ながらそんな気分ではない。
 部屋の天井、右隅を見つめながらつぶやく。

「ネタがない」

 今日だけでなく昨日もつぶやいた定番ワード。
 ギシッと椅子がきしむ。俺の趣味は小説を書くこと。
 同じ趣味を持つ仲間たちも定期的に似たようなことをボヤくわけだが、せっかくの休みだから何か話の一つも書いておきたいと思っている。

(うーん、エロはやめとくか……吐き出すだけでなく心に栄養を与えねば)

 エロ小説は楽しい。まず作り手が少ない。
 自分の思ったことをかけばいいだけなのに。
 そして歪んだ性癖に沿って一定の読者さんがついてきてくれるのが嬉しい。

 だがしかし、

「ネタが、ない……」

 ああ、またつぶやいてしまった。
 もしかしたらこれが俺のルーティンなのだろうか。
 つぶやいた後は必ず新作を投下しているような気がする。
 じゃあこのあと確実に作品が生まれるな。
 そんなことを考えながらボソボソつぶやいていると、部屋のドアが突然開いた。

「ちょっとアニキ! 何時間同じ事ばかりつぶやいてんのよ、動かしなさいよ! 手を! 話を! やる気はそのあとについてくるのよ」

 振り返れば外はねの黒髪ショートがプンスカ怒ってる。
 俺はため息をついた。

「お前なぁ、勝手に入ってくるんじゃねー」
「入るわよ! アンタの独り言、メチャうっさいもん」

 まったく怯まずに言い返してくるこいつは妹のルリ。
 二つ年下で生意気な存在。

「創作は大変なのだ」
「知ってる!」
「ガキのくせにわかったようなことを言いやがって……」
「わかるわよ! 少なくともアニキよりは」

 俺は内心舌打ちをする。
 目の前にいるこいつは、ある一点において俺より確実に上なのだから。

「俺は今から書こうとしていたんだ」
「じゃあさっさと書きなさいよ! 時速3000文字で!」
「さんぜ……いや無理無理無理っ」
「言い訳すんなー!」

 人差し指を俺に突き付けながら妹は言う。
 むかつくけど言い返せない。
 だってこいつはすでに作家デビューを果たしているのだから。

 俺が趣味で小説を書いていることを知ったルリは、真似するように自分でも漫画を書き始めた。それが悔しいことに結構面白くて、しかも行動力の塊であるこいつはいろんなところに投稿してあっという間に注目を浴びてデビュー。
 初めての原稿料でパソコンを買い替えたと自慢していた。俺も欲しいわ。

「ったく、連休が終わろうとしてるのに作品の一つも残せなくてよく自称クリエイターとか言ってられるわねッ」

 得意げにカカカッと笑いながら妹は胸をそらしている。
 ここまで言われっぱなしだとさすがにこたえる。

「ルリ……お前は今、逆鱗に触れた」
「は?」

 俺は立ち上がり、妹へ振り向く。無言で詰め寄る。

「ちょ、ちょっとアニキ、やめてよ……怖いんだけど!」

 一歩、また一歩、妹に近づきながら威嚇する。
 さすがにまずいと思ったのだろう。ルリの表情がどんどん固くなっていく。

「お前に小説のネタをやる。俺も共有する」
「い、いやっ! そういうのいらないからっ」
「ダメだ。もう決めた」
「はわわ、言い過ぎたのは悪かったからさ、少し冷静になろ? ね?」

 許せるはずがない。
 いや、それはお前だってわかっていただろう?
 俺の性格を知りつくしている妹なのだから。

 右手を妹の左肩に置く。
 ビクッと震えるルリが逃げないように素早く部屋に鍵をかけた。

「こういうシチュだと生意気な女の子はどうなる?」
「わからせ、られちゃう系?」
「正解だ。この部屋の主が誰なのかをわからせてやらないとなっ!」

 そのままグイっと引き寄せ、やつをベッドのほうへ投げ飛ばす。
 ルリの体重はそれほど重くはない。

「きゃああああああああああああっ!」

 叫びながらベッドに転がる妹に覆いかぶさる。今日のコーデは袖の辺りにフリフリがついたチュニックと白いショーパンか……脱がせにくいのが難点だがかまわない。
 これがただのいたずらかどうかは今からお前が判断すればいい。


 それから少し揉みあいながら時間が過ぎた。

「お、おかーさんとおとーさんに言いつけてやるんだからねっ!」

 なけなしの抵抗を試みる妹。だが甘い。
 顔も全然泣いてないし反抗的だ。
 そんなことで怒れる兄の心が揺さぶられるものか。

「大丈夫だ、うちの親は放任主義でなぁ!」

 さすがにビリビリと服を破くことはできないので適当に加減しながら妹の身体を剥いていく。チュニックは半分脱がせた。なかなか抵抗が激しい。

 生意気でどうしようもない奴だが数少ない取り柄がある。
 ひいき目なしで顔立ちが可愛いのと、スタイルも悪くないということだ。性格はアレなのに黒髪だけは毎日綺麗に整えてるし、肌もつるつるしてて気持ちいい。そして何よりバストが最近大きくなってきた。よき。

「ふあ、お、おっぱい触るなぁ~~!!」
「すまん。まだ服の上からなので却下だ」
「拒否るなバカァ! う、ううううっ、こうなったら!」

 ルリが体をよじる。
 いつまでも受け身でいる妹ではなかった。
 そして俺は失念していた。
 こいつは相手が襲い掛かってきたら背を向けて逃げるのではなく、逆に飛び込んで反撃してくるタイプだということを。

「やあっ!」
「ッ!?」

 ルリは衣類を脱がせながらおっぱいを堪能することに気を割いていた俺の顔を両手で包み込み、グイっと引き寄せる。さらに、恥ずかしそうに、少し怒ったような顔で唇を重ねてきた!

ちゅうううぅぅぅっ……

 唇が触れ合う寸前の妹の顔を目に焼き付けたまま呼吸が奪われる。
 照れたような、恥ずかしそうな表情で反撃してくるのが可愛くてたまらなかった。

 その柔らかさに俺の手が止まる。
 ルリの服を脱がせることを忘れ、その感触に酔う。
 さらにキスされる。あたまがぼんやりと霞んでくる。

(あ、こいつ、ずるい……)

 先ほども言ったように妹の容姿は整いすぎている。
 身内であることを忘れてしまう程度には。

ちゅ、ぱ……

「ふっ、これで形勢逆転ね」

 すっかり抵抗しなくなった俺を感じてルリは唇を離す。
 正面から見つめられた俺はすでにドキドキが止まらない状態だった。
 まっすぐ見つめ返すことも難しいほど興奮してしまってる。
 逆に妹の表情は自信たっぷりだった。

(今のキス、すごいテクニックだった……)

 頭の中はずっと蕩けて何も考えられなくされていた。強引に割り込んできた妹の熱い舌が俺の口内をかき回し、意識を乱すように蹂躙し続けたのだから。

「なーに気持ちよさそうにしてるのよっ!」
「ぅあ……」

ぎゅ……

 動けない俺を抱きしめ、ルリは手のひらで俺の顔や首を撫でまわし、わきの下に腕を通して引き寄せてきた。それだけで多幸感に包まれる。密着した体勢で背中や腕まで愛撫されてしまう。

「ほーら、だいすきなおっぱいだよー?」

ふにゅっ、ふにゅふにゅふにゅっ♪

「ああああああああああーーーーーっ!!」

 恥ずかしく喘いでしまう。気づけば妹が俺の上に覆いかぶさっていた。
 体全体を抱きしめられたまま揺らされ、強制的に柔らかい塊を味わい続ける。

 さらに口内蹂躙というおまけ付きのキスが銀色の糸を引いて剝がされる頃には、俺の手足は指先まで快感でしびれきっていた。

「ふぅ……こんなもんかな?」
「う、ううっ、くそ……」
「いつまで調子に乗ってられると思ってたの? アンタの弱点なんて全部把握してるんだからね」

 フフンと鼻を鳴らし、俺の顎を食いっと持ち上げる妹。
 その黒くて大きな瞳に吸い込まれそうになりながら息を弾ませる俺。

「まだ歯向かう気?」
「……」
「まあいいわ。全部溶かしてあげるから」

 俺を見下しつつ、ルリが左手をそっと下腹部へ伸ばす。

「あぐぅ、や、やめ……」
「バァーカ。やめるわけないじゃん!」

 しっかりと俺を見つめたまま左手の先がペニスに触れた。
 ビクンと反応すれば妹はニヤリと笑う。
 感じやすい場所を知り尽くした指先がペニスの先端をしっかり捉えた。

「捕まえたわよー。覚悟しなよ、アニキ♪」

クリュッ

「んっ、ああああーーーっ!」
「はいはい、叫ばないの。最初は優しくしてあげて~」

 ペニスの先をう妹の指が這い回る。
 手首をクリクリと返しながら楽しげに俺を指先でもてあそぶ。

「見つけた。ここ弄られるの好きだよね~」
「あっ、あっ、あっ……!」

 先端を何度もかすめるような指使い。
 中指と人差し指が自転車を漕ぐように何度も入れ替わる。
 亀頭が、裏筋が、優しくしごかれる。
 軽く弾かれ、つままれ、なぶられ続ける。

「感じ過ぎじゃないの?」
「だ、だって……!」
「じゃあ、ときどき意地悪に、キュッ♪」

グピュッ

「んはあああああっ!」

 二本の指が強めに俺自身をつまむと、反射的に喘ぎ声が喉から溢れ出た。
 ピンポン玉を指の間に挟むようにしてルリが絶妙な加減で亀頭を弄んでいる。

 気持ち良すぎる……我慢汁があふれ出し妹の指を濡らしてるのがわかる。
 恥ずかしさに目をつぶろうとした瞬間、まぶたにキスをされた。

「あ……」

 じわりと染み込んでくるような安心感。そっと目を開いてしまう。

「ちゃんと見てて」

 ルリの表情が優しく見えた。心が少し溶ける。

(う、ううっ、くそ……)

 そしてまたキスをされる。今度はおでこと頬に。

「アニキってこういうムードに弱いからさ」
「ふあ……」
「クスッ、見てなさい。おちんちんをまたやわらか~く、優しく撫でてあげれば」

さわさわさわ……

 妹の手が伸びてしっかりとペニスを掴む。
 今度は手の指すべてを使っての愛撫だった。

ビクッ!

 踊るような指先が俺を惑わせる。
 裏筋をなで上げ、丁寧に伸ばすようにしながら我慢汁を指に絡ませる。

 クチュクチュという響きが恥ずかしさを煽り、興奮を一段階あげる。
 妹に性感を支配されていると思うと悔しすぎるが逆らえない。

「こうするとすぐにおとなしくなっちゃうねー? アニキ♪」

ちゅ……

 軽く合わせるだけのキス。
 だけど気持ちいい……

 言葉責めとキス、それに片手だけで俺を制圧する妹。
 手のひらに顎をつかまれているせいで目をそらせない。
 そして見つめられていると興奮が収まらない。
 魔性の悪循環だった。

「アニキはさぁ……妹にやられっぱなしでいいのかな? それともぉ、やられっぱなしのほうがいいのかなー? フフフフ」

 やられっぱなしでいいはずがない。
 だがこの責めは気持ち良すぎる。

「くそっ、お、おまえなんかに……」
「そんなこと言っちゃっていいのかなー?」

くにゅんっ!

「あはあああっ!」

 投げかけられる言葉よりも断然優しくて、いつまでも絡みつくような指使いがたまらなかった。
 今も心地よいところだけをあぶりだし、チョロチョロと裏筋を指先で引っかかれる。
 そのたびに情けないくらい声を張り上げたくなる。

 抗う気持ちが快感でねじ伏せられていた。ペニスはパンパンに膨らみ、次の刺激を求めている。それをわかっているように妹はじわじわと快感を積み重ね、俺を従順な獲物のまま変化させないでいるのだ。

「おちんちんすごいね、あいかわらず」
「ううううぅぅ……!」
「どうしてほしいの? 教えて、アニキ♪」

 ちらりと一瞬だけ視線を落とすルリ。
 そのあと、淫らな目で見つめられるとどうしようもなかった。

「ふふっ、このままいじり続けて悶絶させてもいいけど、そろそろわからせてあげないといけないよねぇ」
「な、なに、を……」
「アニキよりも妹のほうが立場が上ってことをね!」

 ルリが一旦離れる。
 そして目の前でゆっくりと服を脱ぎ始めた。

「特別に見てていいよ」

 真っ白で長い足をくぐるショーツを見せつけられ、ごくりと息をのむ。
 それを見た妹がちらりとこちらを見て笑う。

「妹で興奮してるんだ? この変態」
「ふざけ……ブフッ! ングウウウウウ!?」

 言葉を遮るように口の中にルリの手が突っ込まれた。

「変態アニキは妹のパンツでも食べてなさいって」
「ッ!?」

 そして妹が指を引き抜いた後に残されたのは、先ほどまで彼女が履いていたショーツだった。もちろん布だから味などないのだが、なぜかしょっぱく感じた……。

「シックスナインしよっか?」

 妹の尻が近づいてくる。
 両膝を俺の顔の脇についたままの顔面騎乗。

(る、ルリのあそこが……濡れてる)

 つるつるでピンク色をしたきれいな秘所。
 もちろん見たことないわけじゃないけど興奮してしまう。

 それが顔の近くまで降りてきた時、ペニスに快感が走った。

「んふ、アニキ、隙だらけだよぉ?」

レロォ、ペロペロペロ……ッ!

「んあっ、うぷっ……はぁ、はぁっ、ああああ!!」

 見えないせいでますます興奮してしまう。
 ジュルジュルと音を立てながらルリが容赦ないフェラをしてきた。

ちゅっちゅっちゅっちゅ……

 下から聞こえる淫らな音。それと同時にやってくる快感。
 それが何度も繰り返される。
 回数を追うごとに全身がほてり、痺れ、ドキドキが増えていく。
 目の前にいるのは下半身を丸出しにした妹。
 こちらから責めることも可能だが、気持ちよすぎて動けない。

 ルリはすでに下半身は全裸になっており、残るはブラとソックスだけだった。

(エロい……これだって立派に着エロでは?)

 半裸、ほとんど全裸の妹に犯されている。
 そう感じるのに十分なシチュ。
 しかもシックスナインで、自分からは手を出せずにただひたすら興奮させられるのみ。
「届かない……」
「んふふふ、一方的でしょ」

 ポジショニングの妙だ。
 ルリはペニスを触れるが、俺はギリギリ舐められない距離。
 指で膣口に触れることはできそうだがやわらかな太ももに顔を挟まれている。
 その感触もまた気持ちいい。抵抗力が巧みに削がれている。

「このまま誘惑に屈しちゃうのが今までのパターンだけど、それでいいの? アニキには男らしさってやつがないのかな……妹にエッチで負けちゃうなんて恥ずかしいと思うけど」

 ニヤニヤ笑いながらルリが言う。
 薄々感じていたことを指摘されて、俺は急に恥ずかしくなった。

 妹は俺を煽るのがうまい。そのせいでいつも俺はこいつに負けてしまう。
 だからその煽りに乗せられてはいけない。
 頭でわかっていても実際に攻撃されると回避できなかった。

「く、くそおおおっ!」

 歯を食いしばり妹の拘束をほどこうとした。
 だが太ももはしっかり食い込んで動かない。

(ここで反撃しないと負ける……一矢報いなきゃ男がすたる!)

 俺は最初の勢いを思い出しながら腕を伸ばす。
 手のひらが妹の足の付根に触れようとしたその時だった。

ぱしっ!

「はい釣れたー」

 俺の手首が掴まれた。しかしフェラは続いている。

「んっんっんっ♪」
「なっ……うわっ、あっ、あああああ!」

 俺の両手を封じたままノーハンドフェラを続けるルリ。
 そのまま一分以上しゃぶられた俺は腕に力が入らなくなっていた。

「じゃ、仕上げいこうか」

 妹はシックスナインをほどき、正面から俺を見つめてきた。
 そして全身愛撫。
 滑らかな肌をたっぷり俺に擦り付けながら宣言する。

「おまちかねの場所へ連れて行ってあげる」

 ニヤリと笑うルリ。
 そして上体をぐいっと持ち上げ、両手を俺の顔の脇につく。

(あ……)

 桃色の乳首がちらりと見えた後で視界が真っ暗になった。

むにゅううっ!

「~~~~~~~~~~~っ!!」
「ふふっ、今日もアニキは妹ちゃんの柔らかオッパイにつかまっちゃいましたー」

 頭の上からそう言われた。
 そのままグイグイと肌を押し付けられる。
 苦しさはある。だが逆らえない。

 甘酸っぱい汗の香りと窒息感。
 柔らかさに包まれ意識が遠くなる。

(い、いいにおい……でも、このままじゃ、だめだ! くやしい……)

 もがいて逃げだそうとする俺を軽々といなし、赤ん坊をあやすような口調で妹がささやいてくる。

「あばれちゃダメでしゅよー? アニキは今日もあっけなくイかされちゃうの」
「んぷっ、う、い、いや、だあああ!」

むにゅむにゅむにゅんっ!

「大好きな妹のオッパイを味わいながら、ミルクいっぱい出しちゃお?」
「そ、それは……」

ふにゅっ、むにゅううっ!

「あっ……」
「ふふふふふ、なぁに? ちゃんといってくれないとわかんないよ」

 耳に流し込まれる囁きで気が遠くなりそうだった。
 甘ったるい声で耳を犯され、実際に柔らかさをじゅうぶんに味わい、そして何もできない俺のペニスも優しくクニクニといじられていた。

(こ、こいつ、おれをだきしめながらチンコの先をかりかりして、うあ、あああ、ゆび、気持ちいい……爪の先でこすられてッ)

 もがいてみてもおっぱいに抱きしめられているから逃げられず、快感で痺れた手を動かせず、射精感だけが膨れ上がっていく。
 ベッドの上で俺は妹に捕獲され、全身で快楽を味わうことを強制されている。

「そろそろ限界だよね? トドメをさしてあげる」
「え……」

 やがて、頃合いと見た妹が俺の顔をぎゅっと抱きしめてきた。
 ペニスをしごく手の動きも止まる。

「大好きだよ、おにいちゃん♪」
「っ!?」
「ルリのおっぱいを感じながらイって?」

 甘い声でささやかれると、心の奥で抵抗していたものがあっさり崩されていく。
 体の奥がじわりと溶け出して何も考えられなくなってしまう。

「あ……だ、これ……」
「ううん、このまま出して? おにいちゃん」

(だめだ、でちゃうっ、でる……妹の手のひらに全部、持っていかれるううう!)

 びくびく震え始めた俺をやさしく抱きしめ、再び愛撫を始める妹。
 今度は手のひらだけでペニスの先をもてあそび、ニュルニュルと磨き上げてくる。

「ほーら、イクイクイクイク♪」
「ああ、だめだよっ、だめえええええ!」
「いいんだよ、おにいちゃん……負けちゃお?」

 指先の繊細なくすぐりではなく、手のひらのくぼみを使ってすりおろすようなルリのテクニックに俺は屈服してしまった。

ビュルルルルルッ! ビクンビクンッ!!

 視界はおっぱいで塞がれて真っ暗なまま、頭の中は真っ白に染められる。
 溶けるように、すごい勢いで射精しているのがわかる。
 でも足りない。
 いっぱい焦らされたせいで先端だけの愛撫では物足りないのだ。

「ふふっ、もっと出せそうだね。今度は指。ほら、またキちゃうでしょ?」

クニュクニュクニュクニュ……

 数本の指がカリをしっかり挟み、回転させるように愛撫しはじめる。
 待ち望んでいた刺激だった。
 その動きにつられて俺も腰をよじらせる。

ビュルッ!

 そして二回目の射精。
 あっさり連続射精に追い込まれ、体が快感に蝕まれる。

 妹は俺を抱きしめながら手のひらに感じた射精に満足していた。

「もう、かわいいなぁアニキ……休みのたびに妹にイかされるのが癖になっちゃったんじゃないのー」
「ああ、ルリ、ルリィ……!」
「んふふふ、もっとしよっか?」

シュルルルルル……

 さらにそこから優しい手つきで俺を追い込んでくる。
 指先を揃えて、竿を中心にゆっくりと長めのストロークで俺を喜ばせてくる。
 三度目の射精なんて出せるわけないと思っていたのに、

ピュ……クンッ……

「あ、また出たよ。私の手が気持ちいいんだ?」
「いいっ、すごく、いい……けど」
「もっといじられて焦らされたいんだよね、アニキ」
「ち、ちが……!」
「クスッ、素直になればいいのに」
「すなおに……?」
「そうだよー。もっとおちんちんをくすぐって、我慢できなくしてあげる」

 凶悪なパフパフ手コキによってさらに数回搾り取られ、完全に逆らえなくなった俺を寝かしつけてから妹は部屋を出て行った。


 意識を手放す寸前まで俺は考えていた。

 妹は全然わかっていない。
 こいつの優しさのせい俺は今日も素直になれなかったのだ。

 やがて目覚めた俺は、体験談をベースに今夜もエロ小説を書いてしまうのだった。





『休日の兄妹』(了)