『いつもふたりで ~新米教師の二人三脚~』
僕、久能シンジ【くのう しんじ】は我慢弱い。
これは言い訳などではなく事実だ。ちょっぴり悔しいけど。
部活を初めて四ヶ月目。進学と同時に今までの自分を乗り越えるためにバトルファック部を希望した。
この学園は少し変わってて野球部でもテニス部でも最初の一ヶ月間はバトルファック部に入ることが義務付けられている。
10日間の座学の後、14日間の実技。処女も童貞もここで均一化される。
これらは国からの指導で性教育の一部として扱われるので必修科目。
だからほとんどの生徒は2ヶ月目以降は他の部へ配属される。
そんな中、僕を含む約2割程度がバトルファック部の継続を希望した。
残った顔ぶれの中には特待生も居る。でも僕は一般入試組。
むしろセックスが得意というわけでもなかった。
ただ、やりたいだけの生徒……エッチがしたいだけの生徒はふるいに掛けられる。
入部面接で厳しく審査され、不許可の場合は男女問わず先輩たちからの洗礼。
徹底的にボコボコにされる(もちろん性的な意味で)。それによって今後の性犯罪行為を防ぐのが目的らしい。
前置きが長くなった。
本格的に入部してからの1ヶ月は基礎体力の向上に充てられた。これが想像以上に厳しくて、僕は最初の二日間で音を上げてしまった。さらに2ヶ月目から実技中心の個別指導が開始。この時に僕の担当が決まった。
「シンジくんファイトー! あと2週だよっ」
気合の入った可愛らしい声。
御田涼音【みた すずね】先生が僕の担当だ。
今年から副顧問になったという教師2年目の涼音先生はこの学園の卒業生。
長い黒髪を後ろで一つに束ね、セルフレームのメガネを掛けた一見地味な先生。
でも人当たりがよくて優しい性格なので女子からも人気がある。
「ふぁ、ふぁいいぃ……がんばります~~」
そんな先生に励まされながら僕は情けない返事しかできない。元運動部というわけでもないので他の皆と比べて基礎体力が低いのだ。そのせいで先月の新人戦では相手校の同級生に3-0の判定負けをしてしまった。
それでも僕は足を止めずに前を目指す。だってこのあとに先生との組手があるのだ。ここで力尽きて早退する訳にはいかない。
「うっ、うおおおおおーーー!」
「もっと早く走って!」
「ぬりゃあああ!」
「全然進んでないよぉー」
……こうしてなんとか僕は部活のルーティンワークをこなした。
走り込みのあとはシャワーを浴びてから修練場へ向かう。
ここは3メートル四方の区切りがあって、出入り口以外は壁のない空間。
部屋の中央に2メートル四方のBFマットが敷かれている公式戦を想定した場所だ。
もちろんエアコンは完備されている。
「毎日少しずつだけど伸びてるよ。今日も頑張ったね」
どんなときでも涼音先生は僕を励ましてくれる。
「はいっ」
「じゃあもうひと頑張りしてみようか」
そう言いつつ先生は髪留めを外してメガネをエアコン下のデスクに置いた。
(今日も涼音先生がきれいだ……)
ふたりきりで先生の素顔が見られる瞬間が僕は好きだ。
これがあるから部活が厳しくても続けていられると言っても良いくらいに。
「あのね、あんまり見つめないで……先生だって恥ずかしいんだよ」
「すみませんっ」
慌てて下を向く僕。
ジャージとハーフパンツ姿だった先生がゆっくりと服を脱ぎだす。
背中でサラサラと広がるロングヘアが美しくて見とれてしまう。それ以上にメガネを外した素顔は同級生と同じくらい童顔で、顔立ちはとても整っていた。この美貌を隠すためにいつも地味めな格好をしているのではないかと思えるほどに。
「おまたせ。今日も頑張って教えるからね」
右手で大きなバストを隠しながら柔らかく微笑む先生に僕はうなずいてみせる。
スラリとした体型なのに女性的。着痩せするタイプの鈴音先生は間違いなくスタイル抜群と言えるだろう。
(今日も僕はこの人と……)
肌を合わせる。妄想するだけで興奮してしまうのだ。
だって彼女は僕が童貞を捧げた相手なのだから。
最初の一ヶ月目の実技で生徒同士の組み合わせにはぐれ、クラスメイトの前で肩を落とす僕とペアになってくれたのが涼音先生だった。
初めての実技、修練場で他の男子たちから憐れむような声を受けつつ先生と向かい合った僕は、その数分後に同級生たちの見る目のなさを思い知る。
涼音先生の指導は的確で、細やかで、そして……気持ちよかった。
「シンジくん、いきなり相手に入れようとするのはダメよ?」
「じゃあどうすれば……」
「まずは相手の目を見るの。睨むんじゃなくて、優しく」
「はい……」
「そうよ。いい子ね……痛くしないからこっちへおいで」
がむしゃらに挿入しようする僕をあやすように導いてくれた先生。
「こうやって、手のひらを合わせて」
「こ、これ、はずかしいです……」
「私もだよ。シンジくん、目を離さないで」
大きな瞳でじっと見つめられる。
吸い込まれそうになる。
やがて目を細めた先生がひどく色っぽい声でささやいてきた。
「キスしよ? 私、あなたのことをもっと知りたいの」
「はい……」
ゆっくり近づく距離の中で僕は誘惑されることを学習した。他校との試合で、相手を今の僕と同じような気持ちにさせることができたら……そんなことを思いながら。
ちゅ……
そして唇が触れ合う。
僕の頭の中は先生で埋め尽くされてしまった。
ファーストキスだった。
「んちゅ、ちゅぷっ、キミの目、とろけちゃってるよ……」
興奮しきった頭の中に先生の声が響いた。決して激しく相手から奪うようなキスではなくて、寄り添うような……ムードを高め合うような口付け。童貞だった僕に先生は相手に敬意を持ってキスからはじめるよう指導してくれたのだ。
「じゃあ、卒業しちゃおうか?」
たっぷり時間をかけてキスを終えると、涼音先生は僕の体を抱きしめたままマットの上に倒れ込んだ。
柔らかい女性の体を全身で感じながら横たえられた僕の顔に彼女がまたがる。
「お勉強の時間だよ」
「っ!!」
僕を見下ろし、淫らに微笑む涼音先生。
股間に伸ばした二本の指で、膣口を僕に見せつけるように大きく広げた。ピンク色をした先生のオマンコの中心で、ちょこんと可愛らしく赤い蕾が震えていた。
「ここが女の子の大切なところ……どんなときでも優しく扱ってね」
「はいっ!」
「シンジくんの元気のいいところを今から包んであげる」
顔面騎乗の体勢のまま先生は膝を動かして下がってゆく。
ペニスはすでに限界まで反り返っていた。
天を仰ぐ肉棒の真上でつま先立ちになり、狙いを定めてから腰を下ろしてゆっくり慣らすように先端に口づけしてきた。膣口と触れ合うペニスの先端。
ニュルウゥッッ
「あううううっ!」
「ふふ、きもちいいでしょう?」
粘膜同士の擦れ合い。初めての感覚に戸惑う。舌の先でねっとりと舐め回すように先生はペニスを焦らしながら一周、二周と腰で円を描いた。
「入れちゃうね」
くぷっ、ずにゅ、ずちゅうううぅぅぅぅ……
「ああああああああああーーーっ、先生! センセエエエェェ!!」
「叫んじゃダメ。どんなに気持ちよくても我慢しないと、対戦相手に弱い男の子だと思われちゃうよ」
そう言ってから先生は上半身を倒して僕を抑え込んできた。
大きくて柔らかいおっぱいに押しつぶされて身動きが取れなくなる。
(先生の顔が……)
目の前には色っぽい目で僕を見つめる涼音先生のきれいな顔。
「せ、せんせぇ、好きです、好き……すきぃ……」
「うふふ、シンジくんは情熱的なのね。でも隙を見せるのは減点かな?」
悶える僕を抱きしめながら先生の唇が何度も重ねられた。
軽く、浅く、深く、長く……再びキス漬けにされた僕は両手をマットに投げ出してしまった。
「気持ちよくて力が抜けちゃった? これは試合中なら「脱力」の判定をされてしまう行為。対戦相手に1ポイントが入っちゃうから我慢できるようにしましょうね」
「ふぁ、ふぁいぃ……」
駄目だ、手足に力が入らない。
でもまた一つ学習できた。
試合中は相手に魅了されては駄目ということ。
相手のテクニックに溺れるのも駄目ということ。
しかし、すっかりメロメロになった僕に先生が追い打ちをかけてきた。
「もう一つ教えてあげる。試合中、こんなふうにされたらどうなる?」
「え……」
そして僕は生まれて初めて「名器」を味わうことになる。
ぐにゅううううぅぅぅ!
「あっ、あああああ、中が動いて!?」
「そうね。これが三段締め。そしてこれが……」
くにゅ、くにゅ、くにゅうううう!
「お、おお、奥が急に……なにこれ、きもちいい……」
「ピクピクしちゃう? これがミミズ千匹ね」
膣肉が絡みついて離れず、動かすたびに吸い付いてくるような感覚だった。
それに加えて涼音先生が繊細な腰使いで前後左右に揺らしてくる。
内部に閉じ込められた亀頭周辺が絶え間なくくすぐられ、一秒ごとに敏感にされていくみたいで気持ち良すぎる!!
「あ、あああぁぁ……せんせい、これ、だめです、おかしくなるやつ……」
「いいのよ。何度でも出しちゃいなさい。それっ」
きゅきゅううう!
みっちりとペニスが襞で締め付けられ、裏筋をくすぐられるような快感。
全身から力が吸い出されていくような感覚だった。
先生が自分の手足を僕に絡み付けながら、締め上げてきた瞬間……
「ああああああああーーーーーーーーーっ!!」
ビュクッ、ドピュウウウウウウウウウウウウウッ~~~!
「熱い……まずは一発目。このまま搾るよ?」
小刻みに体を揺らし続ける先生。そのたびに背筋に快感がサアァァァーっと駆け抜け、肉棒がうずいてたまらなくなる。
(こんなの我慢できないいいいいぃぃ!)
その甘美な刺激は童貞が耐えることなど到底不可能で、僕は何度も彼女の中で果て、復活させられては搾り取られてしまう。
僕の初体験は涼音先生に優しく、淫らに奪われたのだ。
あれから数ヶ月たった今もそれは変わらない。
「おつかれさま。今日もいいセックスだったわ」
「ありがとう、ござい……ます……」
パタリと全身が脱力してマットに横たわる僕。
これは耐久力を高める訓練。
常に限界まで搾り尽くされる特訓が日課なのだ。
「うふっ、キミはかわいいなぁ♪」
呼吸が整わない僕に膝枕をして頭を撫でてくれる先生に問う。
「先生、僕は強くなれますか?」
「もちろんよ」
即答だった。
前回の敗北は単純に相手とのフィジカルの差だけと先生は評価してくれた。
今はテクニックを磨くことよりも耐久力を優先するメニューを与えられている。
これをクリアしたら基本性技、四十八手の習得に向かうと言われていた。
だから僕は頑張れる。
明日も走り込みをたくさんして、筋トレもこなすして先生と組手をする。
おそらく搾り尽くされるだろうけど今日以上に熱意を持ってこなせるだろう。
(涼音先生といっしょなら、それだけで僕は――)
いつか彼女に認められる男になりたいと願う。
童貞を捧げた相手が毎日指導してくれるのだ。必ず報いたい。
そんな僕が来月行われる新人戦リベンジマッチで雪辱を果たすのは、また別のお話。
(了)