『ツインテールと白タイツ』



俺は放課後の生徒会室へと向かっている。
 目的は会長の妹、アズサとの再戦だ。

 今回は彼女の方から挑戦状が届いたのでそれに応える形になっている。

『私より弱っちいおにいさんへ 相手してあげるから生徒会室に来て』

 今朝、差出人の記載がないメモ書きが上履きに突っ込まれていた。
 それを見た瞬間に俺の怒りは沸点に達した。

 舐めた真似を……今日こそ分からせてやる!

 そんな思いで廊下を早足で歩く。
 駆け足は駄目だ。校則違反だ。

 それでも先を急いでしまう。
 自分が抑えきれない。
 すれ違う学園生たちもそれを察して道を譲るほどだった。


 生徒会室に入ると、予想はしていたが、アズサが会長の椅子に座っていた。
 ニヤニヤしながらこちらを見ている。

「こんにちはおにいさん。逃げずによく来たね?」

「やはりお前だったのか!」

 怒気を放つ俺にアズサは軽やかに近づき、フフンと鼻を鳴らしてこう言った。

「今日も柔道場でやろっか?」

 その余裕に俺は一瞬怯んでしまう。
 やけに自信たっぷりだ。なにか企んでいるのだろうか……

 そんな疑問をいだきつつ、俺はアズサの小さな背中についていった。


 柔道場は事前に根回しされていたらしく部員一人を除いて誰も居なかった。

「では後はよろしくお願いします」

 その彼も俺たちが入ってきたのを確認すると柔道場から退出した。

 ピーンと張り詰めた空気の中でアズサが言う。

「おにいさん、私に勝ちたい?」

「当たり前だ」

「じゃあちょうどよかったね」

 背の低い彼女はこちらを覗き込むようにしながらクスッと笑った。
 そして静かに三歩下がって一礼する。

「なんのつもりだ」

「何って、戦う前の礼儀でしょ? だからおにいさんもほら」

 仕方がないので俺も同じようにする。
 それからお互いに上着を脱いで構えを取る。

「じゃあはじめよっか。私はいつでもいいよ」

「その姿でいいのか?」

「うん。おにいさん相手ならこれでいい」

 ブラウスにスカートという姿で軽く手招きしてくるアズサ。
 悔しいが完全に見下されている。
 得意げなアズサの顔を見ているうちに先日受けた屈辱と敗北感がふつふつと込み上げてきた。

(今日こそ勝つ! でも相手のペースに飲まれるな……)

 俺は慎重に防御態勢を敷く。アズサ相手に焦りは禁物だ。
 むしろカウンターを取るくらいでいい。

 俺は両肘を軽く曲げ、1ラウンドめのボクサーのようにジリジリと左回りでアズサとの距離を詰めてゆく。

「ふぅん、そう来るんだ」

 意外そうな表情をするアズサ。だが気にしない。

 すり足でゆっくり間合いを詰める。

(もうすぐ俺の手が届く距離だ……)

 一方的に手が届く場所に足を踏み込んだ瞬間だった。

「やああっ!」

 突然アズサが身を低くして飛びかかってきた!

(は、速いッ!)

 鋭い踏み込みからの前蹴りを躱す。
 以前と違ってレーシングブルマ姿ではないので容姿に幻惑されることはないが、至近距離で見る彼女はやはり美形だった。

 ほっそりした足が吹き抜けた後、さらに連続でジャブが襲いかかってくる。

 あっさりと間合いを詰められ焦る俺。

 が、なんとかその小さな拳をさばく。
 何度か空振りさせた後でアズサが距離を取った。

「今日はしっかり守ってくるんだね」

「……」

「でもさぁ……それだと今日もサンドバッグになっちゃうんじゃないのッ」

 そしてまた踏み込んできたアズサが突きを放つ。右でフェイントを入れてからの左キック、さらに右膝蹴りからのエルボーなど多彩な技を見せてくれるが今のところ難なくさばいていられる。

 しかし攻撃の切れ間が見えない! こんなに激しく動いているのだからすぐにスタミナが切れるだろうと思っているのだが、アズサはヒットアンドアウェイを繰り返すことでこちらに反撃の機会を与えないでいる。

(くそっ、だんだん腕が痺れて……)

 ガードを固めていても威力を全てを打ち消せるわけではない。

「ほらほら、今日も負けちゃうよ?」

 体が温まってきたのかアズサがさらに攻撃を加速させようとしていた。

「うるさいっ!」

 振り払うように大ぶりの左フックを放つ。
 すると驚いたように彼女は飛び退き、微妙に足をもつれさせた。

(チャンス!)

 体制を崩したアズサにタックルを仕掛ける俺。このまま倒してしまえばあのうるさい打撃を封じることができる。

「あっ、やば……」

 焦った表情を見せるアズサの腕を俺がつかもうとした瞬間、

「なぁ~んて。おりゃっ」

 彼女の小さな体が素早く後ろに傾き、細い足が振り上げられた。

ビシィッ!

「が……はぁ……」

 スカートの中が一瞬見えたと同時に脳天が痺れ、俺は動きを止められた。

 白いソックスを履いたつま先が俺の顎を蹴り上げたのだ。

 バク転すると同時に繰り出されたアズサのサマーソルトキックに意識がとびかける。

 彼女はその直後、軽い脳震盪を起こして硬直した俺に向かって突進。

 素速く左足を刈って、タックルで俺を床に倒して俺に覆いかぶさってきた。

「これはおまけっ」

ガスッ!

「ぐふああっ、ごほごほごほっ!」

 呼吸が途切れ、その苦しさでパニックになる俺。

 倒すと同時に胸板に叩きつけられたアズサの肘が痛すぎた。

「私を投げるはずが投げられちゃったね」

 そう言いながら彼女は両手で俺の腕を掴み、引っ張りながら首と腕に太ももを絡ませながら仰向けに倒れ込んだ。

「ここから三角絞めだよっ!」

ギチッ、ギリリリリッ……

「ぎゃあああああああああああああっ!!」

 片腕と首筋を強烈に締め上げられた俺は痛みと苦しさに悶える。

 うつ伏せで見上げる視線の先には得意げなアズサの顔があった。

「あはっ、苦しそう。関節までガッチリ決められちゃってるおにいさん可哀想」

「ふざ……けっ、があああああああああーーーーー!」

「ふふふ、腕よりも足の力のほうが強いんだよ。それそれっ」

 容赦なく力を込めて締め上げてくるアズサ。
 しっとりと汗ばむ美脚は凶器であり。柔らかい感触を楽しんでいる余裕など無い。

 それなのに……

(くるし、い、くそっ、こんなこと、されてるのにどうして……!)

 俺は密かに股間が膨らんでいくのを感じていた。

 年下の生意気な、しかも生徒会長であるシズカの妹。
 そんな彼女に翻弄されている現状に何故か分からないが興奮してしまう。
 実力では姉よりも数段劣るはずなのに手も足も出ない。

「ギブする? また私に負けちゃう?」

「だ、れがぁ……!」
「じゃあ今度はこっちね!」

 アズサは完全に決まっている三角締めをあっさりと解除して、今度は逆の腕を取って同じように俺に両脚をからみつけてきた。

 慌てて腕を引っこ抜こうとするが、十秒近く痛めつけられていたせいで、反応がどうしても遅れてしまう。

「ふふ、それも計算済みだよ。私からは逃げられないってば」

ビキイイッ!

「ぎゃあああああああああああああああーーーー!」

 そしてまた同じように腕がひねられ、首筋に美脚が食い込んだ。
 容赦なく締め付けてくる足に手をかけようとするが力が入らない。
 アズサに好きなようになぶられてしまう。

(抜け出さなきゃいけないのに、どうして俺はッ……!)

 下半身に力を込められれば対処できるのに、自分でもわかるほど動きが鈍い。
 スカートの中に顔を突っ込む形になっているのが良くなかった。
 たっぷり味わわされたアズサの肌の感触や香り、それに生意気な声と可愛らしい顔のせいで体が言うことを聞かなくなっていた。

 じわじわとスタミナを奪われ、左右の腕と首を交互に三角締めで痛めつけられているうちに俺はぐったりしてしまった。


「さて、と……そろそろいいかな。試したい技があるんだぁ~」

 俺の抵抗が殆どなくなった頃、アズサがそっと離れた。

(はぁ、はぁっ、く、こ、これで、終わりなのか……)

 だがもちろん終わりではなかった。

 彼女は俺の脇腹を蹴飛ばして仰向けにさせ、脇に腕を通してきた。

「よいしょっと」

 無理やり体を起こされた俺は抵抗できない。
 アズサが俺を抱きかかえ、ろくに動かなくなった両腕を背中でクロスさせた。
 俺の左手首を彼女の左手が掴み、右手も同様に拘束されている状態。

「さすがにこうされたら動けないよね? おにいさん」

ギチッ……

「ぐああぁぁっ……!」

「うふふ、せっかくだから正面から見つめ合っちゃお?」

 そこから対面座位のような姿勢で俺の腰にまたがり、足を絡ませギュッと締め上げてくるアズサ。小さなお尻に股間が圧迫されて苦しいはずなのに息苦しさ以上に俺はアズサに興奮させられていた。

(まるで、これじゃあ……セックスしているみたいだ……)

 脳内に湧き上がる淫らな妄想。

 それを察したのか、アズサが今までにない優しい声で俺を誘惑してきた。

「おにいさん、お・い・で♪」

ぷにゅうううう……

 突然顔に押し当てられたアズサのバスト。
 技で言うならブレストスムーザーということになるのだが、その柔らかさに心臓が飛び出しそうになる。

「ぐぷううぅぅっ!」

「ふふっ、天国でしょ? しかも抵抗できないねぇ」

ふにゅっ……ぷにゅん……

 軽く体を揺らして俺に柔らかさを味わわせるアズサ。
 いたずらっぽく囁いてくる声に色気が上乗せされていた。

(あああぁぁ、きもちいい、それに、腕が、取られてるから逃げられない!)

 生意気な下級生の胸に顔面を押し付けながら俺は自分に言い訳をしていた。

「両手の自由を奪われて、お姉ちゃんよりも弱い私に抱かれちゃって恥ずかしいね」

 ブラウス越しに感じる彼女のバストのせいで股間がどんどん硬さを増してゆく。
 甘美な感触に溺れかけた俺をさらに泥沼に引きずり込むアズサのテクニック。

「ねえ、おにいさん……すっごく硬いよ?」

「っ!!」

「想像してるんじゃないの? 私のおっぱい」

 いやいやをするように首を横に振る俺。
 だがそのせいでますますアズサを深く感じてしまう。

「あんっ、おっぱい好きなんだ?」

「んんんーーーーっ!」

「ほぉら、いいこいいこ……このままイっちゃう? それともお顔を太ももで挟まれたいのかな?」

 そう言いながら胴に回した脚もギュッと締め付けてくる。

 肺の中の空気が絞り出されそうになって苦しくなり、思わず顔をあげると余裕たっぷりに微笑む彼女と目があった。

「はぁっ、はぁ……アズ……」

「抵抗しちゃって可愛い♪ 無駄なのに」

 アズサは深呼吸をしてから、自らのけぞるように体を大きくそらす。

ぎゅううううっ!

「あがっ、いぎいいいいいっ!」

 両脚による胴締めに肋骨をゴリゴリと刺激されて俺は悶える。
 同時にしっかり掴まれたままの両腕にも激痛が走る。

(駄目だ、抜け出せない……)

 前回以上の絶望感が俺の頭の中を駆け巡る。

 ごっそりと気力をすり減らし倒れに彼女は言う。

「おにいさん、気絶したら写メ撮ってあげる。それでお姉ちゃんにも送ってあげるから」
「ッ!!」

「あはっ、目の色が変わったね。どこまで我慢できるかなぁ」

 すると今度は脚の力を抜いて、アズサが小刻みに体を揺らし始めた。

スリスリクニュクニュ……

「痛いのの次は気持ちいいやつだよ。我慢できる?」

「ああああああぁぁぁ~~~~~っ!」

 散々痛めつけられていた反動が突然やってきた。
 アズサが体の具合の良さを味わわせるように動いてきたからだ。

「ね。こうすると私のお尻、柔らかいでしょ?」

 抱きしめられたまま身体を揺らされて感じる彼女のお尻、それに太ももの柔らかさはさっきまでとは違う凶悪さを発揮していた。

 男を焦らし、高め、意のままに操る……そんな意志が込められた淫らな動き。

「やめ、やめてくれっ、こんなのされたらああぁぁぁ!」

 どんどん鼓動が速くなり自制が効かなくなるのが目に見えていた。

 それでも目の前にいる美少女はペニスへの刺激を止めない。むしろ激しく、ねっとりと深く味わわせるように腰のクビレから下だけをくねらせながら甘く囁いてきた。

「ねえ、このまま出しちゃお? 私に負けちゃおうよ」

クチッ、クチッ、クチッ、クチュウウ!

「い、いやだ、だめだあああああ!」

 まるで膣内に挿入しているかのような音が耳に入ってくる。
 我慢汁でビチャビチャになった自分の股間を思い浮かべ、俺は強く目をつぶった。

 すると彼女の頬が俺の左頬に触れた。

(でもすぐに出しちゃうんだよね?
 格闘技だけじゃなくて男としても負けるの気持ちいいよね。
 年下の私におちんちんグチョグチョにされて興奮してるんでしょ。
 おにいさんって本当にザァ~コ♪ ドMで弱いザコなのに強がってるの可愛いね)

 抵抗することもできずその囁きを受けた俺は、アズサによって自分の中の何かが塗り替えられていくのを感じていた。

「いうなっ、いわないでくれええ!」

「フフッ、ほんとにそれでいいの?」

 必死で振り払おうとする俺を誘惑で包み込み、逃亡を許さないアズサの囁き。

 彼女の声を聞いているうちに何故か姉のシズカのことまで思い浮かべてしまう。

(おれは、いま、ふたりに犯されてる……)

 頭の中まで生徒会の美少女姉妹に翻弄され、否応なく興奮が高まっていく。

 汗だくになって耐える俺を見ながらアズサは両手を離し、手のひらで俺の顔をはさみ込んできた。

「あ……」

「私も興奮してきちゃった。トドメさしてあげる」

 意志が強そうなアズサの目で正面から見つめられ、俺は呼吸も忘れてその端正な顔立ちに魅了されてしまう。

 うっとりと自分を見る俺の視線に応えるように、アズサが静かに目を閉じた……

「おにいさんの悶える顔、好きだよ……」

 ゆっくり迫ってくる小さな唇から目が離せない!

 そして呼吸がわかるほど近づいてから、一瞬目を開けて微笑むアズサ。

「今日も堕ちて♪ おにいさん」

 可愛らしい舌先を見せてから、アズサが再び目を閉じた。

ちゅっ、ぺろんっ♪ ちゅううううぅぅぅぅ!!

 軽くキスをされ、舌先をねじ込まれてからの熱いキス。

 その甘い刺激が瞬時に全身へと広がり――、

ドピュウウッ、ドピュッ、ドッピュウウウウウウウウウ!!

「んうっ、んああああ、うううううううーーーーーーーー!!」

「ンフッ、チュ、チュウウッ、レロォ……♪」

 アズサの手のひらに顔を固定され、抱きしめられながらの射精。

 その気持ちよさは数回気絶してもさらに興奮が持続するほどであり、俺は力の入らなくなった両手で目の前の細い体を抱きしめながら何度もアズサの名前を呼び続けた。

「しっかりして、おにいさん。そろそろおしまいにしてあげるから」

「う、あぁ、あ……俺はまた、お前に……」

「そう、負けたの。恥ずかしいね。また負けちゃったね?」

 無邪気に笑いながら屈辱を俺にすり込んでくるアズサ。

 それでも震えながら自分の名を呼び続ける俺を見て彼女は満足そうにほほえむ。

 すっかり心と体が堕ちた俺を味わうように、アズサはねっとりと腰を動かしてさらなる射精を促す。

「きもちいい、きもちいいよおぉぉ……」

「もう私に夢中だね。いつでもリベンジしに来なよ。何度でも相手してあげるし、その都度きっちり潰してあげる」

 それから薄っすらと目を開けながら俺を押し倒し、アズサは膝の先で何度もグリグリとペニスをこね回す。

 徹底的に精液を抜き取られた俺が目覚め、最初に目にしたのは、彼女がスマホを構えて記念撮影している姿だった。




(ここまで) 
2024.02 初稿
2025.11再構成 加筆修正













※このサイトに登場するキャラクター、設定等は全て架空の存在です
【無断転載禁止】

Copyright(C) 2007 欲望の塔 All Rights Reserved.