・Fate/Grand Order 二次創作
・登場人物 ハサン・サッバーハ〔静謐のハサン〕
・毒、魅了などの状態異常フェチ向け
・短い





◆静謐な時間を……



 それはアズライールの聖廟へ向かう道中の出来事。

 来るべき戦いに備え、初代ハサンの力を借りるために一日中険しい道を歩き続けた一行は疲弊していた。
 生身の肉体を持つものは当然として、サーヴァントでさえも敵を退けながらの行軍は気楽なものではない。

 やがて日が暮れて、それぞれが体を休めようとした時のことだった――。

「マスター、少しだけお時間を……宜しいでしょうか」

 いつの間にか貴方の左側に細身の少女の姿をしたサーヴァントが立っていた。
 静謐のハサンと呼ばれる彼女のクラスは、アサシン。
 自らの気配を消して相手に近づく事など容易い。

 驚いた貴方の視線を感じた途端、彼女は少し俯いて頬を赤くしていた。
 そして少しだけ躊躇ってから、無言で貴方の左手の指をそっと握り締めてきた。

「貴方は、私に触れても死なないのですね。不思議です……。肉体、体液、粘膜……私を構成するすべては、毒素であるというのに……」

 触れ合って数秒後、恍惚とした様子で彼女が呟いた。
 遠慮がちだった指先が滑るように動いてしっかりと貴方の手を掴む。
 さらに細い腕を絡ませながら、ゆっくりと頬ずりまでしてきた。

 それはまるで久しぶりに現れた恋人に甘える少女のようだった。
 大胆な行動が理解できないまま、貴方は身を寄せてきた彼女の髪を撫でた。

「あっ……」

 手のひらの重みを受けて、少女の姿をしたサーヴァントは小さく声を漏らす。
 そんなに嬉しいのか、と貴方が尋ねると、静謐は赤面しながら嬉しそうに目を細めた。

「私と触れあっても死なない人と出会えるなんて夢みたいで……」

 彼女の言葉に嘘はない。
 静謐が手に触れたものは死に絶え、自分から彼女に触れたものも確実に毒の裁きを受ける。
 逆に静謐のハサンに毒は通じない。全ての毒を彼女は無効化できる。

 風上で彼女が舞えば、空気中に流れた死の香りで獲物は正気を失い、もしも粘膜での接触を試みれば確実に朽ち果てる。
 口付けと引き換えに他者の命を奪ったこともある。

 だがその凶悪な毒も、カルデアのマスターである貴方にだけは何故か通じなかったのだ。


「すべて、すべて、貴方の御心のままに。私はすべてを捧げます。この体も。この心も、すべて……」

 熱く語る彼女の髪をもう一度撫でる。
 月光を浴びて妖しく輝く褐色の肌も、青みがかった艶やかな髪も、身にまとう漆黒の衣ですらも……全てが世の男を惑わすのに充分な魅力を持っていた。

「ん……ちゅ、う……」

 小さな衣擦れの音がするのと、唇を優しく奪われるのがほぼ同時だった。
 貴方の体に、少女のしっとりとした肌が擦りつけられた。いつの間にか上半身は裸にさせられていた。
 そして彼女も同じく――、

「触れる物、全て……触れた物、全て。私の毒で……みんな、殺します。マスターの手足だって少しだけなら……」

 褐色の美脚がするりと貴方の足に絡みつく。遠慮がちに伸びたそれは、やがてゆるゆると腰全体を絡め取った。
 女性らしい柔らかさに下半身を包まれて貴方は悶絶した。

「感じてくれていますか。熱く……熱く……蕩けるように……」

 さらに彼女は両腕を背中に回して、ぎゅっと引き寄せてきた。
 自然と顔も近づいて、柔らかな胸が押し付けられて、窮屈そうに形を変える。

 魅惑的な香りと褐色の肌を感じながら、貴方は自分から唇を求めてしまう。

「んっ……んふ……」

 満足げに身をくねらせて少女はそれに応える。
 小さな舌先が口内で蠢くたびに、手足が微妙に痺れてくるのを感じる。
 全身を密着させられてるだけで絶え間なく全身が痺れ、彼女の言うとおり動きが徐々に鈍くなってゆく。

 じつは毒を無効化するために、僅かながらタイムラグが生じる。
 そのほんの少しの時間差を静謐は気づいていた。

「あなたの御心のままに……私は、世界で最も強い毒になりますね。でも、あなたのことだけは、殺さない」

 何度も重ねられる少女の唇と肌のぬくもり、じわじわと強まっていく全身の痺れにうっとりする。
 無意識に彼女の顔を見つめると、もともと大きな瞳がさらに丸く開いた。

「あまり、見ないで下さい。素顔を見られるのには……それほど、慣れて、いないのです」

チュ、ウウゥゥ……

 照れ隠しをするように再び唇が重ねられた。積極的に触れ合う粘膜は快感を呼び起こし、いつの間にか貴方は彼女に押し倒されていた。
 女性上位の体勢で、両手の指と指を絡めあいながら貪欲なキスが続けられる。
 気づけばお互いに全裸になっていた。

「私は、命を刈り取る者です……殺す者です。でも、今日という日を……貴方が生まれたことを、ただの娘のように喜びたい、と……そう、思うのです。だから、貴方の体と心を焼き尽くす。『 妄想毒身 (ザバーニーヤ)』を……」

 両手を強く握っていた指先を開いて、彼女は静かにペニスを掴む。
 そして存在を確かめるように指を這わせてきた。

クチュッ……

 小さな爪がカリ首をやさしく引っかき、裏筋をくすぐり始めると貴方は声を押し殺す事しかできなくなってしまう。
 彼女の技巧はそれほどまでに素晴らしく隙がないものであり、しかも愛らしい瞳に見つめられ続けて耐え切れるものではなかった。

 十本の指で慈しむように肉棒を捧げ持ち、絶えず表面に滲みだす粘液は指先で塗り広げられる。
 間断なく手淫を続けた後、ふいに彼女はペニスから指を離した。

 その寸止めに自然と腰が打ち震えてしまい、貴方は悶絶した。
 呼吸が乱れたまま目を見開くと、少女は自らの秘所を二本の指で大きく広げていた。

 淫らな光景に見蕩れている暇もなく、膣口が剛直に押し当てられる。
 貴方自身を飲み込もうとする媚薬入りの肉壺が、味を確かめるように何度も浅く粘膜を擦り付けて来た。

 ピンク色をした膣肉が肉棒全体を舐めまわし、何往復かした後で少女は腰を浮かせて亀頭を膣口に潜らせた。
 ちょうどカリ首だけ咥え込んだ状態で、彼女が静かに告げた。

「私の体を捧げます。だから……お願い……イってください」

グチュウウウウウウッ!!

 静謐が軽く腰を左右にくねらせると同時に、ペニスが滑るように彼女の中へと閉じ込められてしまった。
 柔らかな膣口がめくれあがり、肉棒が襞の中で悶え始める。
 粘膜同士の触れあいなどという言葉では足りないほどの快楽が貴方を包み込んだ。

 無意識に手を伸ばし、美しい褐色の肌に触れる。妖しく蠢く少女の腰使いを少しでも止めようとするのだが、

「あっ……私に、触れてくれるのですか? ありがとう、ございます……マスター」

 動きを止められないばかりか、彼女を喜ばせてしまうだけだった。

 緩急がついた膣内の蠢きは、気を抜いたら一気に精液を搾りつくされる気がした。
 その優しくて甘い刺激に貴方は歯を食いしばって耐えるしかなかった。

「もしかして抵抗してるのですか……無駄なのに」

 突然腰の動きが止まった。
 しかし肉棒は相変わらず柔肉の中で妖しく揉み解されている。

「ごめんなさい……イかせますね」

 必死で射精を堪える貴方を見つめながら、少女が両手で髪をかきあげた。
 すると、今まで感じなかった甘く妖しい香りが降り注いできた。
 体臭と混ざり合ったその香りは、彼女が男の理性を崩壊させるための常套手段だった。

「ふふっ、これで終わりです……」

キュウウウッ……

 腰の動きは止めたまま、少女は膣内を思い切り締め付けた。
 裏筋全体をヌルリとしつこく舐め回された感覚が、全ての我慢を打ち崩した。

 その上、女神のような微笑で見つめられたら耐えることなど出来るはずもない。
 ガクガクと自然に腰が震えだし、快感につられて情けない声が溢れ出す。

 もがくように宙を掴む貴方の手が優しく握られて、指と指が絡み合う。。

 その様子を少女は満足そうに眺めていた。


ビュクッ、ビュルルルッ!!

 射精に合わせて跳ね上がる腰の動きに、彼女の細い体が踊る。
 快感の放出は一度では終わらず、二度三度と貴方は断続的に気を失ってしまう。

 たっぷりと時間をかけて白濁を吐き出した後、腰を浮かせた静謐は膣口をキュッキュと締め付けて念入りに残りを搾り取った。


「これで……いいんです……ん、ちゅ♪」

クチュクチュクチュ……

 甘い吐息を流し込みがらの熱いキスと同時に行われる肉棒への愛撫は、おそらくどんな男性でも虜にしてしまうことだろう。
 膣内から吐き出されたペニスは未だ硬さを失っていない。
 少女はそれを承知で、敏感な表面を撫でるような腰使いで、快楽の余韻を長引かせる。

 蕩けきった膣肉で肉棒をなぞり、優しく何度も滑らせる。
 彼女に魅了された男性が再び膣内への挿入を求め始めるのは当然の流れだった。

「貴方に出会えて、よかった。私が触れても、死なない貴方。私に触れてくれる、貴方……。永久に、尽くします、マスター」

 ヒクヒクと震えるペニスをそっと掴み、時間をかけて内部へと招きいれる。
 先程と同じように根元まで飲み込んでから、静謐はゆらりゆらりと腰をくねらせ始めた。

 一晩中終わらない「死の舞踏」……

 たっぷりと快楽の味を染み込まされたペニスが、再び大量の精液を吐き出すまで、それほどの時間はかからなかった。




(ここまで)








次へ










※このサイトに登場するキャラクター、設定等は全て架空の存在です
【無断転載禁止】

Copyright(C) 2007 欲望の塔 All Rights Reserved.