しきさんのサイト! イラスト:しき様(画像クリックで拡大)
誠樹ふぁん さんのサイト。彼女は「黒髪の誘惑#01 絵筆」に出演しております 声の出演:誠樹ふぁん様






階段を登る。
ドキドキしながらドアノブを回す。
やはり鍵はかかっていなかった。

「あら、こんにちは。お久しぶりね。最近は元気にしてた?」

「あ、絢さん……どうもです」

僕を待ち構えていたのは柔らかな笑顔。
近所の幼馴染、絢(あや)さんだった。

腰まで伸びた黒髪、穏やかな性格、そしてあいかわらず凶悪な主張をするバスト……


「こ~らっ、今どこ見てたの~~! もうっ……しょうがないなぁ」

「はぅっ! スンマセン……」

「この服って体の線が出るから恥ずかしいの……生地は柔らかくて気に入ってるんだけどね。キミが来るとわかってたら別の服を着てたと思うわ……」

「いいえ、むしろその……たてセタのままのほうが僕はいいと思いますっ!」

「ぅん? たてセタのままでいい……? たてセタってなに……?」

キョトンとした表情で僕を見つめる彼女の服を指さす。


「そっか、この服って世間ではそう呼ばれてるのね。勉強になるわ」

「ははは……僕だけかもしれませんけど」

絢さんがネットで「たてセタ」を検索しないように祈るばかりだ。
けしからん画像ばかり溢れだしてくる危険性がある。

「と、とっても似合ってますよ絢さん」

「ありがとね。素直に褒め言葉と受け取っておくわ。男の子の眼から見て合格なら、着替える必要もなさそうね」

苦し紛れの褒め言葉を聞いて、彼女は少し安心した様子だ。


「あっ、そうそう……あのね、私の胸……また少し大きくなったみたい」

(言われなくてもわかります!)


「あとで見てみる? 見るだけじゃなくて……キミ、その先も期待してるでしょ……?」

慌てて首を横に振る僕。
この人ってたまにとんでもないことを言い出す。

思い切りからかわれてるのはわかってるんだけど……逆らえない。


「プッ! あはっ、冗談よ、冗談! とにかくこちらへいらっしゃい。ちょうど紅茶を入れようと思っていたの。良かったら一緒に飲んでいかない?」

「あ、それは是非……」

「くせのないダージリンだからキミにも気に入ってもらえると思うわ」

絢さんはいそいそと僕のぶんのティーカップを用意し始めた。
ちょっとかわいい。







「……それで、どうしたの?」

「えっ」

「さっきからモジモジしてるけど。もしかして悩み事? お姉さんに話してご覧なさい」

「悩みってほどじゃないんですけど……相談というかお願いというか」

「え、そうじゃなくて……お願い? なになに、興味あるなぁ……遠慮無く言ってみて。私にできることなら協力してあげる♪」


ああ、そんな満面の笑みで……

「その、ですね……」

僕は恐る恐る願いを口にする。



「お願いって……耳かき? 普通の耳かきよね? 私にして欲しいってこと?」

「はい。自分でするとどうにもうまくないというか……」


「ふむふむ……って、それは当たり前でしょ。中が見えてないんだから。いいわ、私がしてあげる。こう見えても結構器用なのよ、私」

(それも知ってます!)

昔から絢さんは不得意な事のほうが少ないというか、学校の宿題だけでなく困ったときも幾度と無く僕を助けてくれている。
つまり僕は絢さんに頭が上がらないのだ。


「じゃあ最初に明るい所で中をしっかり見ておかないといけないわね! あ、キミはそのままじっとしてていいわ。私が横に回るから」

そう言いながら彼女は僕に寄り添ってきた。

緊張するぞ……


「ちゃんとペンライトも用意して……んっ……この位置だとよく見えないわ。もうちょっと近くに……」

「うわわわっ!」

急に接近され、肩を掴まれた。
彼女の髪の香りにクラクラしてしまったせいなのか、思わず体重を預けてしまう。

「きゃああっ! ちょっ、急に動いちゃ駄目じゃない! お願いだからじっとしててね。あんまり動くようだと、後ろから抱きしめちゃうよ~?」

「そ、それは……是非ともお願いしたいというか……」

もちろん小声だ。


「え、抱きしめて欲しいって……ちょっと! それだと普通の耳かきじゃなくなっちゃうでしょ? でも……体勢的には悪くないかも」

少し考え事をする彼女。

「いいわ、そのまま私に背中を預けて。ちょっと胸があたっちゃうけど気にしないで」

ふにっ♪

「うん……よく見える。自分でやったあと、皮がめくれちゃってる」

「か、皮が……」

いかん、けしからんこと考えそうだ。絢さんに皮をむかれたい……とか。


「ずいぶん乱暴にかき回したみたいね……って、ちゃんと聞いてるの~!?」

「ふ、ふぁいっ!?」

「まだ始めてないのに、なんでそんなにうっとりしてるの……? あ……もしかして、私に抱きしめられて気持ちよくなっちゃったの」

「いや、あの……はぃ……」

もはや逆らえない。隠しても無駄だ。

「お姉さんの体に包まれて動けなくなっちゃったんだ……? 背中におっぱいが当たったくらいで、何か良からぬことを考えちゃったんでしょ」

「ごめんなさぃ……」

どんどん声が小さくなってゆく。


「甘えん坊でエッチな子……キミも普通の男の子だったんだね」

「いいえ、僕は!」


「ふふっ、あはっ、今のは冗談よ。キミに限ってそんなこと考えるわけが…………」

「もう少し甘えたいです……あっ!」

「えええええ、本当にそうなの!?」

絶妙なタイミングで会話の歯車が狂ってしまった。
これもきっと絢さんに魅了されたせいなのだ。


「……もう、そんな事ばかり考えてちゃ駄目よ! 今日は私に耳かきして欲しいんでしょ? もっと煩悩を捨ててから、こっちにいらっしゃい。そしたら膝枕、してあげる」

チョンチョンと自分の膝を指さす絢さん。

(このふとももを見て煩悩まみれにならないほうが不思議なんですけど!)

しかもパンツ見えてます。
これは黙っておくけど。






「気持ちは落ち着いたかしら? じゃあ……おいでなさい」

(全然落ち着いてないです……)

大きく深呼吸をしてから魅惑の太ももに頭を乗せる。
だめだこりゃ、やわらかすぎる……!

「私は左利きだから、キミが私の左に来て……そう、そのままひざに頭を乗せて。

「は、はいっ……うプッ!」

無理やり首を捻られた。


「こらーっ、あっち向いちゃ駄目よ? 私の体の方に顔を向けて」

「で、でもこれはっ」

柔らかなたてセタと、その下にある絢さんの体に思い切り抱きしめられてるううぅぅ!!


「お顔が抱きしめられちゃうみたいで恥ずかしい? ふふっ、そうね……一人で照れてなさい。じゃあ、左の耳からキレイにしましょう?」

しかし絢さんご本人は全くお構いなしで耳かき棒を突っ込んできた。ゴソゴソした音が頭に響く。


「んふ……人の耳を掃除するのって緊張するわね。でもすごくやりがいありそう」

(そんなに汚いですかね……でも気持いいや……)

彼女に身を委ねる。
痛みはど全く感じない。代わりに眠気を感じてきた。


「じっとしててくれれば気持よくしてあげる。キミも眠くなったら寝ちゃっていいからね……」

「ふぁい……」

無意識に体がびくっと跳ね上がる。

「あっ、動いちゃ駄目でしょ……いうこと聞いてくれないと、私の髪をお耳の中に入れちゃうよ? そんなことされたらくすぐったくて発狂しちゃうかもしれないね。うふふふ♪」

無邪気に笑う絢さん。
でもくすぐりフェチの傾向がある僕にとってはゾクゾクする一言。

(それ、違う意味で発狂してみたいです……)


「今からちょっと深いところをコリコリするから、本当にじっとしてて? 痛い時はもちろん言って欲しいけど、それ以外でじっとしてられない時は私に抱きついてもいいから……って、この体勢じゃ無理だよね」

「……」

ささやきながら自己解決してしまったようである。


「じゃあいくよ。奥のほうをカリカリしてあげる」

メリッ、という音。何かが剥がされたみたいな……。

「指先になにか感じるけど、痛い? 痛くないならこのまま引っ張りだしてあげる……」

ゴリリ、という大きめの音が続く。
不思議と痛みはない。この辺りはテクニックだろうか。


「わっ、すごい……大きいっていうか、爪の先くらいのやつがとれたよ! ほら……こんなのが入ってたんじゃ気になるわよね~」

【これは大きな!」

本当にこれが入っていたというのか。
耳の穴より大きいんじゃないか?

「少しはスッキリした?」

にっこり微笑む彼女の言葉に僕は大きく頷いた。






「じゃあ反対側をやりましょう。その前に、フーフーしておく?」

「ぅえっ!?」

「お耳の中を優しく吹いてあげるの。ちょっとくすぐったいかもしれないけど、私はけっこう好きよ?キミが望むならしてあげたいな……」

上目遣いの絢さん。
そんな目で見つめられたら断れないです。


「ふふ、そっか。じゃあしよーね? ふうううううぅぅぅぅぅ……んふふ、体がビクビクしちゃってる。ちょっと強すぎた?」

「は、はいいいぃぃ!」

違う意味で刺激が強すぎて困惑する僕。


「あっ、違うんだ……もう一度して欲しいのね。じゃあ……ふううううぅぅぅぅぅぅ♪」

「うああっ、あっ!」

「あはっ、そんなにジタバタしなくてもいいのに。大げさね? 気に入ってくれたのなら、反対側も最後にしてあげる」

甘い誘惑にも似た発言に思わず肩が反応してしまう。

「じゃあ今度は私の右側に来て?」

言われるがままに移動する。

再び彼女に膝枕してもらうと、なんとなく違和感が……。

「ちょっと位置が高いかなって……思います」


「クスッ、注文の多い患者さんね。看護師さんを困らせないで? それなら足を伸ばすわ。これでいいかしら?」

真っ白な絢さんの脚がゆっくり伸びてきた。


「あ、こらっ! 勝手に脚を触っちゃ駄目。私がくすぐったいでしょ……うふふ」

「ごめんなさいっ」

ペコペコ謝る僕の頭を彼女が抑えつける。


「じゃあ、そろそろはじめるね……こっちは綺麗に見えるけど……やっぱり奥の方に何かありそう」

ガリッ

「いぎいぃぃ!」

「こらっ、動いちゃ駄目って言ったでしょ! そんなに痛いの~?」


「だ、だって急にそんな深いところまでッ」

「じたばたするのも駄目ー! 大げさなんだから、もうっ!」


「あああ、絢さん! 体が勝手に反応しちゃいます!」

「じゃあ……私が抑えこんであげる……えいっ」

その途端、暴れ続けていた僕の手足が脱力した。
ものすごく柔らかいもので顔を潰され、目の前が真っ暗になった。

(いい匂い……これって、もしかして……)

「ちょっと息苦しい? でも柔らかくて気持ちいいでしょ……キミの好きなたてセタの感触を味わいながら、少しだけ我慢してて」

味わっているのはたてセタじゃなくて、その下にあるお、おっぱいの感触では!?

「すぐに終わらせてあげるから」

ガリリッ

「ッ!」

「ふふっ、急にいい子になっちゃったね……私の胸の下でそのままじっとしてて……さっきと同じくらい気持ちよくなれるわ」

体は暴れだしたいのに、首から下が動かせない感覚。
絢さんのバストの破壊力は僕の抵抗力さえ奪い取るのだ。


「でも、耳かきって不思議よね。ほんの少ししか手元を動かさないのに、されてるほうは体をピクピクさせて感じまくっちゃうんだもん」

(気持ちよすぎて何も考えられません……)


「私もそうだけど、お耳の中って敏感だもんね……キミは特に感じやすいみたいだけど♪ あ、ほら……そろそろ取れそうよ」

ひときわ大きな音が耳中に響く。

「あうっ!」

「ふふっ、まだ我慢してなきゃダーメ。いま少し体が震えたよね。痛かった?」

「ら、らいじょぶですぅ……」



「へぇ、大丈夫なんだ……そっか。えらいえらい♪ 頭なでなでしてあげる……」

「ぅ……」

優しく頭を撫でられ、なんだかとても恥ずかしくなる。


「あらっ、我慢しすぎてキミのお顔が真っ赤になってるみたい。それに少しよだれも垂らしちゃって……恥ずかしいけど可愛らしいお顔になってきたね?」

絢さんはそう言いながらじっと僕を見つめてきた。


「……っ!!」

「お耳の中にくっついてるものを剥がされてしまうのだから、トロトロになってしまうのも仕方ないわ……もう少し優しくいじってあげる」

「あああぁぁ……」

再び耳の中をくすぐられる。痛みはない。
でも恥ずかしい気持ちでいっぱいだ。

「もっと強くかいて欲しいところある? 教えてくれればしてあげるわよ」

「じゃ、じゃあ……もっと手前を」

「ふふっ、入口付近がムズムズするんだ? じゃあしてあげる……」

絢さんの手が動く。


(すごい……もうこのまま眠っちゃいたい気分)

「気持ちよさそう……お顔がさっきよりも緩んでるよ。体の力も抜けちゃって、うっとりしてるみたい」

まさにそのとおりだった。
絢さんの耳かきテクニックですっかり骨抜きにされた僕は脱力しきっている。


「このままリラックスしてていいからね……もっともっと夢中になっちゃお? じっとしててくれるなら、お耳の深いところまでお掃除してあげる……」


絢さんが楽しそうに;奥のほうをツンツンしてきた。

「はうっ!」

本能的に身を硬くする僕。


「あはっ、すっごく敏感! 今のが一番奥かもね? 体がゾワゾワしちゃったでしょ……」

無言で頷くことしか出来ない。
耳かきは恐らく本当に一番奥の部分に到達しているはず。

「ここを傷つけないように、しっかりお掃除してあげたいな。できれば先っぽを湿らせた綿棒とかでチョンチョンって……考えただけでも気持ちよさそうでしょ?」

「は、はひ……」

小さく頷くと、彼女はささやいてきた。


「し・て・ほ・し・い・の?」

「ひっ……」


「ふふっ、そんなに何度もうなずかなくてもいいのに。いいわ。リクエストに応えてあげる……」

絢さんは綿棒を取り出すと、ペロリと先端を舐めあげた。

(絢さんの唾液が僕の耳の奥に……いいぃぃっ!?)

しっとりした感触が耳に差し込まれる。

じゃあいくね……ほら、ひんやりするでしょ……お耳の一番奥、熱いところがジワ~~~ってなっちゃう?」

「あっ、あっ、あぁぁ」

彼女に間接キスされてる! 耳の奥がピチャって――


「これっ、ェ、エロいです……ぁやさん……」

「うん? 私がエッチ? クスクスッ♪ そうかもね……私に抱かれてるキミの体が、ピクンピクンって反応するのが可愛くて、ついつい言葉責めしちゃいそう。キミがこういうの苦手ならやめるけど、どうする?」

(すでにたっぷりされてる気分ですぅ!!)

絢さんに抱かれたまま、僕は体を硬くしてじっとこらえた。


「何も言わないってことは、私の好きにしていいんだよね? じゃあ少しいたずらしてあげる」

「えっ……あああぁぁっ!」

彼女が突然耳の奥をくすぐりながら、フーフーしてきた。


「うふふふっ、怖い? キミにとっては刺激が強すぎて、おかしくなっちゃうかもしれないけど……やっちゃうね」

さらに吐息が吹き込まれる。


「ふううううぅぅぅぅ……あはっ、すごーい! 今までで一番ビクビクしてる!」

「ああぁ、絢さん、もうダメです……」


「ごめんね、私……キミに対しては少しだけSになっちゃいそう。もう一度やってみよ……ふううぅぅぅぅぅぅ~~~♪」

「あああぁぁ~~~~~!!」


「ふふふ、ホントにいい反応するわね。そんな顔されたら、私が病みつきになっちゃうじゃない……さあ、もう一度……♪」

絢さんは楽しそうに何度も熱い吐息を吹きかける。

そのたびに僕は……意識が溶かされてゆく。









「はい、これで右も左もお掃除おわり。最後はこの梵天で、両方のお耳をコチョコチョしてあげる……」

絢さんの声がすごく遠くに聞こえる。

「って、やだ……気持ちよさそうに寝ちゃってる! しかも熟睡してるっぽい……全然起きなさそう……」

いいえ、起きてます。
でも全然動けそうに……ないです……。

彼女の言葉に反応できない。
僕は無防備な体勢で伸びてしまったままだ。

「それにしても……うふふっ、可愛いお顔を見せてくれるのね。ちょっとエッチな耳かき、そんなに良かった?」

「ぅ……」

ピクッと指先を動かすので精一杯だった。
もちろん彼女はそれには気づいていないみたいだけど。


「私も充分楽しませてもらったから、キミが起きるまでは、このまま膝枕しててあげる。せっかくだから一緒に添い寝しちゃおうかな?」

(えっ……!)

僕が気絶していると思って絢さんが大胆な言葉を口にした。


「キミが起きた時、私が隣で寝ていたらちょっと楽しいことになるかも……もっと色々いたずらしたいけど、妹のフミにばれたら何か言われちゃうかしら……?」

(ま、まずいです!)

こんな姿を文ちゃんに見られたら……どうなるんだろうか?
ちょっと興味あるけど、ものすごく叱られそうな気はする。


「でもまあいいわ。今は私が可愛がってあげる。キミの好きなたてセタとおっぱいで優しく包み込んであげる……。

絢さんは僕を撫でながら優しくつぶやく。
この人に触れられていると心がすぐに裸にされてしまうようで心地よい……。

「またいつでもこの部屋へいらっしゃい。キミのお耳の中、私がいつでもキレイにしてあげるから」

絢さんはふわりと僕の手を握りながら、にこやかに微笑むのだった。



(了)