「何故あの娘は働かないのか」 番外編

何故今年のクリスマスは騒がしいのか




【人物紹介】

夏海颯……主人公(あなた)。お人好しでお節介、趣味は人助けという大学生。
時乃ひな(CV:大山チロル)……イラストレーター。気性が荒い。AAAカップではない。
遠野かな子(CV:椎那天)……アパートの隣人。同い年。何を考えてるのかわからない。
矢野ななみ(CV:餅よもぎ)……年下。人見知りが激しい。手芸が得意。主人公以外の男性とはおしゃべりできない。







ここは僕の部屋。冬虫夏荘というアパートの一室。

大学も年内の講義が全て終了して一段落。昨日は少し早いけど大掃除をした。
そして今日は自分の部屋でのんびりしているわけなんだが。

「はぁ……そろそろクリスマスなんだよね……」

乾いた風が吹きすさぶ窓の外を眺める。物悲しさで心が満ち溢れてゆく。
恋人がほしいというか、賑やかに過ごせる仲間がほしいというか。
誰だってそんな気持ちになる日があるとは思うんだ。

「今年のイブは実家ですごそうかな。元々クリスマスはそういうものだって言うし」

ケータイに手を伸ばし、実家へ電話しようと考えたが思いとどまる。
そういえば僕の両親は二十日すぎから旅行だと言ってたような気がする。

「……あの三人のうち誰かを誘ってあげようかな」

あの三人というのはニート……じゃなかった、この夏に知り合った女の子たちのこと。

一人は引きこもりでダンボール好きの手芸の先生、矢野ななみちゃん。

もう一人は可愛い顔なのにキレやすく孤高の絵描きさん、時乃ひな。

そしてもう一人は正体不明の隣室の住人……遠野かな子。


「一番手っ取り早いのは隣人……遠野さんだけど、どうせネトゲで廃プレイなうだろうし」

クリスマス限定のイベントが有るとかはしゃいでいたような気がする。
楽しみがある人の邪魔をするのは気が引ける。



ガチャッ

「うわおおぉっ、ひな!?」



「勘違いしないで。アンタに選択権はないの!」

「っ!?」

突然部屋のドアが空いたと思ったら、ひなさんが目の前に現れた。
なにかキラキラした紙袋を手に持ってるけど……

「それってもしかして僕へのプレゼントとか――」

「うぬぼれないで。これは皆で食べるの」

メッチャ鋭い目で睨みつけられた。この人、黙って微笑んでればほんとうに可愛いと思うんだけど、クリスマスイブでもキャラがブレないなぁ。

「あっそ…………皆?」

イマイチ何をしに来たのかわからない彼女を見つめていたら、その背後にまた人影が現れた。


ガチャッ

「おじゃまします。しました」

「かな子! 毎度のことだけどチャイム鳴らさないで入ってくるのはやめてくれよ」


「仕方ない、鳴らすか。チッ……」

「態度悪いぞ」

これがさっき言ってた遠野かな子。いつもどおりの黄色い髪留めをしてる。ある意味一番クリスマスとか無縁なタイプ。

その背後に隠れるようにもう一人……

「おにいちゃーん!」

彼女は矢野ななみちゃん。今日はダンボールをかぶってない。
寒さのせいか頬を赤く染めてる。
かわいいな……。

「ななみちゃんまで!? 三人揃ってどうしたんだい、今日は」


「白々しい……これを見よ」

微妙に表情を曇らせた遠野さんが何か小さくて黒い装置を取り出した。


「なにこれ?」

「スイッチオン!」

ポチッ


彼女がボタンを押した装置はボイスレコーダーだった。

『……あの三人のうち誰かを誘ってあげようかな』

ついさっき僕が口にした独り言がはっきりと聞き取れる。一体この部屋の何処に隠しマイクを設置したんだろう。


「おいっ、勝手に盗聴とか盗撮するなよ! しかもいつの間にこんなものを仕掛けたんだ!?」

「それについては黙秘します」


「くそっ……」

僕が歯ぎしりする様子を見てニヤニヤしてる。なんてやつだ!

そして遠野さんと僕の脇に、ななみちゃんがチョコンと割り込んできた。


「ひなちゃんひなちゃん、これは有罪だよね~」

「当然でしょ。なんで三人のうちの誰かなのよ! この浮気者」

ななみちゃんの言葉を受けたひなさんに罵られる。

睨まれただけで小動物ならショック死してしまいそうな目で思い切り睨まれてる……。


「「えっ!? 有罪って……どゆこと? だっていきなり三人を誘うわけには……」


「そこで私、遠野かな子。そんなつまらない言い訳を潰すために会場は抑えてきた。とあるヒルズのレストラン貸し切り。お酒は二十歳になってから」

「行動はやっ!」

いい忘れたけど、遠野さんはとってもお金持ちみたいだ。なんでこんなアパートに住んでるのかよくわからないけど。


「カナのおかげでクリスマス当日の心配はもうこれでいらないよね~」

コロコロと笑いながらひなさんが言う。


「ははは……良かったよ。ホントにね……」


「はぁ? なに勝手に安心しちゃってんの。アンタが浮気しようとした罪は残ったままなのよ!」

「あの……ひなさん、目が怖いんですけど」

ひなさんの言葉にななみちゃんも遠野さんもコクコウと首を縦に振っている。


「そうだよ、おにいちゃん。許されないんだからね?」

「な、なにかな……ななみちゃん……」


「夏海颯がこれから処刑されることは必至。三人のうち一人を選ぶという行為は浮気未遂。しかもダブルで」

「かな子! なんですかその物騒な理屈は」

「呼び捨てはちょっと嬉しい……」

(そこは照れるところなのか!?)

しかしこの雰囲気は駄目だ。僕にとって恐ろしいことが起きるに違いない……よし、逃げよう!

そう考えてみたものの、この部屋の入口は完全にふさがれている。


「おにいちゃん、逃げようとしたって無駄なんだよ?」

「何故わかった! い、いや……ななみちゃんまで裁判官!? 僕に弁護人はいないのか」



「そんなのはじめからいないわ。……というわけで、覚悟して? ナナ、カナ、こいつを抑えてちょーだい!」

「御意」


ひなさんとかな子の二人がジリジリと僕との距離を縮めてくる。後ずさりしてみたものの、逃げ場はない。

「お兄ちゃんゴメンネ?」

そこへななみちゃんが思い切り体当りしてきた!


「い、いやだああああああああああああああああぁぁぁぁぁ!!」


あっという間に僕は押し倒されてしまった……。








ベッドの上に尻餅をついた僕のズボンを、ひなさんがさっさと脱がせてしまった。

そして――!



「なにこれ? もう硬いんですけど」

おもむろにペニスが掴まれる。
ひなさんの柔らかな指先が仮首から先端までを何往復かした。

「やめろおおおおおおっ! なんでこんな……あはああぁぁっ」

あっという間に滲みだす粘液を指先に絡め、ひなさんが無言でペニスを弄ぶ。

「本当だよおにいちゃん……誰を思ってこんなになっちゃったの?」

その様子をじっと見つめながらななみちゃんがつぶやいた。
大きな目でじっと見つめられると、ますます恥ずかしくなってしまう。

唇が触れそうな距離まで近づいて、ななみちゃんが僕自身を観察している。
その脇でひなさんがそっと舌の先を伸ばした。

「返答次第では……折るわよ?」

れろっ……

「ふああぁうう!!」

ピンク色の彼女の舌が裏筋をえぐる。

「颯はね、あたしの口でイかされちゃえばいいのよ!」

ピチュ……ピチュチュ……レル……チュルッ

言葉とは真逆の優しい舌使いに体がよじれてしまう。
相変わらずななみちゃんは真っ赤に腫れ上がったペニスをじっと見つめてる!

「おにいちゃん……ひどいよ、ひなちゃんにこんなに反応してるぅ!!」

(そんなことを言われましても!!)


だが言い訳するまもなく、ななみちゃんが突然服を脱ぎ捨てた。

そして静観していたはずのかな子まで――!




「今度は私の番。颯くん、さっさとイけばいい」

ふるんっ♪

目の前に現れた巨乳が、そっとペニスを隠す。
さらに……

「おにいちゃん、私のおっぱいもあるヨ?」

「ななみ、呼吸を合わせて一緒に……」


「うん、じゃあ……ぎゅううううううう~~~♪」

かな子に勝るとも劣らない大きさのななみちゃんのバストが、残された僅かな隙間をぴっちりと埋めてきた。
微かにペニスの先端のみが見え隠れする状況で、僕は何度も彼女たちに押しつぶされる!

ぱちゅっ! ぱちゅっ! ぱちゅっ!

「ああっ、うあああぁぁぁっ!」

極上の柔らかさと弾力に挟まれ、ひなさんに事前にしごかれていたおかげで抵抗力がなくなっていたペニスが瞬時に弾ける。


ドピュウウウウウウウウ!!

圧迫されたままの状態で搾り出された白い液体が彼女たちを濡らした。

「相変わらずおっぱいに弱い夏海颯。マザコン」

「はぁ、はぁっ……誰がマザコンかっ!」


「でもおっぱい好きだよね? おにいちゃん♪」

くにゅんっ♪

「ああ、駄目ええええ…………」

ななみちゃんが笑顔で追撃。射精直後のペニスへの容赦無い快感攻撃のおかげで完全に腰が砕けてしまった。




「ちょっと! なんで勝手に出してるの?」

「ふぇっ……!?」

まだ呼吸が整わない僕に不満をぶつけるひなさん。

「一人だけ気持ちよさそうな顔してるんじゃないわよ!!」

「で、でも何故…………あっ……」

そうか、かな子とななみちゃんに手柄を横取りされたからそれで……!

僕を射精させて満足そうなかな子が口を挟む。


「ひなは今夜もご機嫌斜め」

「当たり前でしょ、ムカついてるわ! だいたい何よアンタたち……その胸、大きすぎるのよ!」

「八つ当たり反対」

「はんたーい!」

ひなも決して貧乳というわけではないけど、この二人と比較するのは酷な話だ。


「ムキイイイイィィ!……全部颯が悪いんだからね。その乳首、ふやけるまでしゃぶってあげるっ」

「はひいいいっ!!」



ひなは僕に覆いかぶさると、右の乳首をそっと口に含んだ。

「うぁっ……ひな、上手い……!」

「ふふふ……♪」

ひなの舌先が僕を優しく転がす。

普段ならどうってことないのに、今日はなぜか感じやすくなってる。

「じゃあ私も舐めちゃうね……ひなちゃん…………プチュッ」

「あうっ!」

今度は左の乳首がななみちゃんに責められる。でもこちらは明らかにぎこちない。これなら我慢できそう。

「ふ、ふんっ! 好きにすれば?」

少しむっとした様子でひながななみちゃんに告げると、今度は下半身にすべすべした肌が押し当てられた。


「その隙に私は本丸を狙う」

クニュッ……

「ちょ、ちょっと! かな子、待ってえええええ」

「却下。私が待つわけない」


急に下半身が快感で痺れる。ペニスをそっと持ち上げたかな子は、その先端を自分の秘所に当ててクリクリと腰を使い始めた。


――は、入っちゃううううぅぅぅぅ!!

ズリュウウウッ

「あんっ……今日も硬いね、颯くん♪」

難なく挿入されてしまった。しかもかな子の内部は既にしっとりと心地よく僕を締めあげてくる。

なんだかいつもよりザラついてて、すごくヌルヌルになってて……!

「ああああぁぁっ!」


ドピュウウッ!


考えるより早く体が屈服してしまった。
体を震わせて射精している間、ずっとかな子のアソコは僕自身をチュクチュクと舐めまわしていた……。



「この早漏! ホントにあっけないわね? 今夜はあと9回くらいは持つかしら」

「殺す気か!」

呆れたようにひなに罵られる。


「多分大丈夫。こう見えても颯くんは絶倫」

「じゃあ私のおっぱいで挟み込んじゃおうかな~?」

かな子とななみちゃんが指先で睾丸のあたりをプニプニと弄んでる。
そのくすぐったさに身悶えすると、ひなが僕におでこをぶつけながら恨めしそうにささやいてきた。


「わかってるよね、颯? またおっぱいにブチまけたら承知しないから!」

「ひいいっ!」


そのあと、僕は彼女たちにそれぞれ2回ずつ精液を抜き取られてしまった……。







「あの……今日はもう打ち止めっす……」

「あー、すっきりした!」

清々しい表情でひなが背伸びをしている。


「ちょっとやりすぎ……というくらいでちょうどいい責め加減」

「ふざけんなー! 三連発とか悪魔の所業……う、全然手足が動かねえ……覚えてろよ。ひなとかな子……それに……!」


「おにいちゃん大丈夫? もっとパフパフする?」

ななみちゃんがニコニコしながら自分の胸を持ち上げてみせた。
こんなに優しい顔をしてるのに、とんでもなくエッチなんだよ……。


「いやいやいやいや! 元気ですよ、僕は!」

無理やり体を起こしてふらついた僕を彼女が支えてくれた。

「ねえねえ、クリスマスは私……おにいちゃんと一緒のダンボールがいいな!」

(それって密室に拉致られる!?)

「おにいちゃ~ん……ななみの言うこと、聞いてくれるよね?」

「う、うん……そうだね……」

甘い雰囲気に流されそうになった所で、かな子が割り込んできた。


「ストップ! フランシス、独占は良くない。みんなで仲良く切り分けるべき」

「僕はケーキか!」


「颯はケーキよりトナカイでしょ。鞭でビシバシ引っ叩いてあげるから、さっさとアンタの家まであたしたちを引っ張って行きなさいよ」

「まさか三人まとめてですか!?」


「……それは個別対応でいいわっ」

「ひな、何故照れてるのか」

そのまま黙りこむひなに、かな子が尋ねかけるけど、ひなはじっと下を向いたままだった。


「お兄ちゃんのおうち行ってみたーい!」

ななみちゃんが無邪気に言う。


「でもなぁ……」

「いやいや、ここはひとつ男の甲斐性ってやつをご両親に見せるべき。日替わりということで」

「そっちのほうが無理だよ!」

口ごもる僕をかな子が畳み掛けてくる。



「夏海颯のハーレム体質をアピールするチャンス」

「そんなの親に向かってアピールしません!」


「思った以上に保守的……今夜も堅実なオトコ……」

「なんでそんなフナムシを見るような目で僕を見るんだ」

こうして今年の聖夜は賑やかに過ぎてゆく。
とりあえず朝までゆっくり寝たい。

4人一緒でもいいから……







(了)









◆ 18禁恋愛ゲーム『何故あの娘は働かないのか』のシナリオを担当させて頂きました。
何故あの娘は働かないのか