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『努めて冷静であれ。』
それが日本代表・御柱が先代主将から授けられた最後のアドバイスだった。
頭の中でその意味を反芻しながら御柱は悩んでいた。
手元にあるオーダー(参加選手)表をじっと見る。
二戦目が終わった時にあちらから提案があり、この先の戦いは残ったカードを同時に審判に提出することに決めた。
つまり誰が出てくるのかお互いにわからない。
イレギュラーに対応できるメンタルを養いませんか、というクロエの言葉を否定できる材料もなかった。
御柱にとって開幕からの二連敗は想定外だった。
この時点でイーブンに持ち込めると予測していた。
最終的に相手に勝ち越すことでチーム全体に自信をつけさせる筈だったのに追い詰められている。
江ノ島も伊賀も決してコンディションは悪くなかった。
豪州女子の実力が彼の想定を上回っていたのだ。
すでに戦いを終えた女子ふたりのうち片方は素人同然の体捌きだった。
それでも勝ちを拾えなかったのは不運だけが原因ではあるまい。
フィジカル以上にセックスに対する認識が根本的に違うのではないかと御柱は考えている。
(俺たちには勝ち負け以前に足りないものがある……どうしたものか)
頭では冷静に理解している。
記録に残らない親善試合に負けるのは大した問題ではない。
だがもう一人の自分が勝ち負けに拘泥していた。
主将として結果を無視すべきではないと。
(くそ、やはり次は自分が出るしかない。仲間に示しがつかないじゃないか)
そう判断して彼が立ち上がろうとした時だった。
「キャプテン、次は自分に行かせてもらえないスか」
「朝霞……」
その声で本当の意味での冷静さを取り戻す御柱。
全て自分ひとりが背負わなくてもいいのだ。
日本代表には頼りになる仲間がいるということを彼は思い出した。
「ふっ、そうだな。それがいい」
「はい?」
「なんでもない。ただの独り言だ」
冷えた頭で考える。次の相手はおそらくクロエ。豪州女子の主将だ。
あちらはおそらく御柱が出てくると予測してるだろう。
そして引き分けで終わらせて残りの二戦のうち片方を確実に勝ちに来るはず。
クロエが自分以上に勝ち負けに拘る性格だと御柱は分析していた。
「文字通り相手に胸を借りるつもりで行くッス!」
「ああ、そうしろ。ただし――」
勝ち負けよりも内容重視。
相手の手の内をすべて出させろと指示を出す。
たった一つの条件をつけて朝霞に三戦目を任せることに決めたのだった。
一方、豪州女子のベンチは少々揉めていた。
「次はあたし! あーたーしっ! 順番は決めてたでしょっ」
「そんなに怒らないでよオリヴィアちゃん。ここはお姉さんに任せなさいってば」
ぴょんぴょん跳ねながら不満を撒き散らしているのはオリヴィア。
チーム内で一番年齢も身長も低い美少女だった。
「ねえ、なんで? 今日に限っていつもみたいに譲ってくれないなんておかしいよクロエちゃん」
「じゃあ説明しようかな。あのね、たぶんあっちにいるサムライたちはこう考えてるの……」
練習とは言え勝敗の行方が決まる三戦目。
小さな勝ち負けに拘る日本人は必ず最強の選手を出してくる。
それを打ち砕いてしまえば来週に控えた本番でも試合を有利に進められるはずとクロエは理由を説明した。
「だからここで私が念入りに彼らの心を完全にへし折っておきたいの。オーケイ?」
「うわぁ、性格悪っ! もういいよ。貸しひとつだからねっ」
やる気満々のクロエに気圧されたオリヴィアは自分を納得させつつ椅子に座り込んだ。
その数分後、日本男子と豪州女子のもとにレフェリーがやってきた。
双方のオーダー表を回収した後に名前を確認、進行係へと手渡す。
コールされた男女がリングへ上がる。運命の三戦目が始まろうとしていた。
朝霞を送り出した御柱はリングに躍り出た豪州女子選手を見て息を呑む。
「まさか本当に彼女が出てくるとは……」
自分の予想が的中したというのに御柱の表情はすぐれなかった。
プロ五年目の朝霞は確かな実力者である。
挿入戦に持ち込んだ時は代表内でも屈指の勝率を誇る彼だが、対戦相手のクロエには誘惑技がある。
(しかもクロエは朝霞が好む容姿、どストライクじゃないか……)
熟女やメスガキタイプにはめっぽう強い朝霞。
しかしクロエは端正な顔立ちで巨乳、そして淫乱な性格だと元豪州代表男子の知人から聞かされている。
直接向かい合わずとも感じる彼女の妖艶さを朝霞が克服できるかどうかが最初の課題だろう。
(あらら、サムライキャプテンは思ったより冷静だったのね)
リングの上で朝霞と向き合いながらクロエは考える。
ここで必ず御柱がリングに上がると思っていたのに肩透かしを食らってしまった。
朝霞についてのデータも把握しているが御柱に比べれば凡庸であり、自分と肌を合わせることは想定していなかった。
まあいいか、と意識を朝霞に戻すクロエ。
肩にかかった長いブロンドの髪をかきあげると自慢の巨乳がぷるんと大きく揺れた。
(で、でかい……ッス!)
朝霞はすでにクロエの胸元に視線を落としていた。
しかもチラ見ではなくガン見である。
クロエはにっこり笑うと、自分から彼に向かって右手を出した。
「いい試合にしましょう、アサカサン」
「ああ、こちらこそ。全力でいかせてもらうッス!」
胸元にあった視線を戻した朝霞の目が闘志に燃えていた。
バストに目を奪われ魅了されているのかと思っていたクロエは少しだけ驚く。
(意外。そしてチラ見よりもガン見する選手のほうが強いのは確実。彼はきっとメンタルが強い人ね)
握手で感じる強さも申し分ない。彼が試合前に動じていないことがよくわかる。
クロエは朝霞の闘志を肌で感じて気持ちを引き締めた。
笑顔のまま早くもリング中央で火花を散らすふたり。
そのままどちらともなく離れ、コーナーに戻る。
一分後、試合開始の合図が鳴り響く。彼らの試合は静かな幕開けとなった。
ゆっくりとサークリングしながらお互いに動きを見つめ合う。
「隙のない構えですネ」
「クロエさんこそ……とんでもないッス……」
互いの距離は2メートル以内。
相手の間合いを気にしつつ、ファイティングポーズのまま半周したころでクロエは足を止めた。
「カモン、ボーイ」
わずかに口元を歪め、クロエが手のひらを自分の方へ向けて手招きする。
明らかな挑発だが朝霞の表情は変わらない。
(だがここは行かせてもらうッス!!)
クロエの呼吸を盗み、彼女が息を吐いた瞬間に朝霞が一気に距離を詰める!
前傾姿勢になり膝を落とすと同時に猛然とタックルを仕掛けた。
(うまい! テイクダウン取れるぞ朝霞!)
キャプテンの御柱から見ても完璧なタイミング。
朝霞の狙いはクロエの右胸と左脇のあたりだ。
しかし……
「ウフフ、ヤアアアァァッ!」
「うおおおっ!?」
朝霞の左手が先にバストを捉えたと思ったが、クロエは冷静に彼をいなす。
左脇へ伸びてきた腕をパシッとつかみ、ひねりながら朝霞の右足へローキック。
掴まれたバストを支点にして彼は右肩からマットに転がり落ちてしまう。
パイ落とし――胸への防御は無視して相手の姿勢を崩す技。
「なにか格闘技を?」
右方向へ一回転しながら受け身を取って素早く立ち上がる朝霞。
クロエの追撃はない。
「いろいろやってマース」
「上等ッス!」
再び襲いかかる朝霞だが、今のやり取りで彼のリーチを見きったクロエはリング中央でステップを刻みながら回避を続けてゆく。
エミリーのサイドステップに似た動きに対応できないまま朝霞は愚直に攻め続けるのだが、
「ここで勝負しませんカ」
クロエは余裕の表情で、人差し指で自分の唇をスゥッとなぞってみせた。
「サムライボーイはキッスは苦手ですカ?」
「な、なにっ」
「それとも、私が怖いですカ?」
ギリリと唇を噛む朝霞。だが彼にとっては好都合でもある。
なかなか捕まえられない相手が自分から止まってくれるというのだから。
「受けて立つッス」
朝霞が構えを解くとクロエは両手を広げてウィンクした。
「プリーズ……」
ゆっくりと距離が近づき、二人の体が重なり合う。
数多の男性を虜にした巨乳がプニッと胸に押し付けられた朝霞は息を止め、クロエの美しい顔に手を添えた。
(くそ、余裕ぶりやがって……! 自分から仕掛けてこないつもりッスか)
目の前で静かに瞳を閉じたままクロエは動かない。
ぷるんとした色っぽい唇は男からの接触を待ちわびているようにも見えた。
焦らすように朝霞は彼女の頬や耳に口づけする。
「オゥ……ンウゥ……プリーズ、キスミィ……」
クロエが甘い声を漏らすのを確認してから、朝霞はそっと唇を重ねた。
ちゅっ
「っ!!」
その柔らかさに驚く。見た目よりずっと甘く、優しいムードに満ちたキス。
朝霞が触れる瞬間を狙ってわずかにクロエから唇を突き出したのだ。
それは対戦者同士にしかわからない高度なカウンター技だった。
朝霞は微妙な悔しさを覚えつつそのキスを繰り返す。
「フフフ」
「……くっ、こいつ……このっ!」
何回やっても先手が取れないもどかしさ。
それが如実にクロエと朝霞のキステクニックの差を表していた。
いつの間にか彼女の腕は朝霞の太い首に回されており、ちょこんと背伸びするような姿勢でキスを繰り返していた。
(ま、ずい、いったん距離を――んぐぅっ!?)
本能的に危険を察知した朝霞が仕切り直そうとするのをクロエは許さない。
無言のまま彼を抱き寄せ自ら舌先を唇の隙間に忍び込ませてきた!
「ンチュ、レロン、プチュッ、チュプ……アハッ♪」
首に回していた腕を彼の腰へ回し、顔を小刻みに動かしながらあらゆる角度で彼の唇を貪り始めるクロエ。
当然バストを擦りつけ、彼を惑わすことも忘れていない。
(これ、が、オージー女のキス、なのか……日本人と、なにか違うッス……)
ニュルニュルと自在に蠢く舌先に翻弄され朝霞の膝がわずかに落ちる。
立位のまま二分近く唇を吸われ続け、呼吸の代わりにクロエの吐息を味わわされていくうちに朝霞は自分の意識が軽く遠のいていくのを感じていた。
彼にとって未体験の長い、長すぎるキス。
競泳出身のクロエだからこそ可能にできるディープなスィートキスが毒のように朝霞の心身を麻痺させてゆく。
ちゅ、ぽ……
「ぷはっ、はぁ、はぁっ、はぁ!」
「どうしましたカ? フフッ」
十分に彼を弱らせてからクロエが唇を解放した。
彼女は自分のキスを受けた男性がどれくらいの時間で立ち直れるのかを経験則で知っていた。
ゆえに反撃の隙など与えず速やかに次の行動へ移っていた。
スリ……
「あ……が……はぁ……ンンンンーーーッ!?」
ちゅううっ!
立ち尽くしたまま肩で息をする彼の股間へ左手を向かわせる。
同時に再び甘いキスを施し、思考能力を鈍らせる。
「ジュルッ、プチュチュ、チュウゥゥ~~~……ンフッ、かわいい、デス♪」
朝霞は両膝をマットに付いていた。
クロエは中腰で彼に覆いかぶさるようにしながらキスを続ける。
上を向いたペニスの尖端を優しく撫で続け、同時に後頭部へ回した手のひらで彼を上向きにさせる。
すりっ……すりっ……ちゅう、ちゅううぅぅ……すりすりすり……
「んうううっ、ぶっ、うあ、ううううっ!?」
朝霞の目に映るのは女神のような瞳で自分を見つめるクロエ。
そして全身を駆け巡るのはもどかしくて甘いペニスへの優しい愛撫。
開始から数分で完全にクロエが主導権を掌握しつつあった。
膝立ちで体を震わせる彼の顔をバストで包み込み、ゆっくりと沈めてゆくクロエ。
手足に力が入らなくされた朝霞は抗うことができず両肩をマットに預けてしまう。
プロレスならこのままフォールして終りとなるがこれはバトルファック。
決着まではまだ遠い。
やがて大の字になった彼の胸板に腰を下ろしたクロエは、パフパフで意識が朦朧となった彼の顔を解放して微笑みかけた。
とろんとした表情を見せる朝霞から目をそらさず、後ろ手でガチガチに凝り固まった肉棒をふんわりと包み込んだ。
「ずいぶん大きくて立派なペニスですネ……それに……」
クリュンッ、クニクニ、クニュッ!
豪州女子屈指のキスと手コキとパフパフで念入りに弛緩させられた手足の筋肉。
それとは真逆にギンギンになった朝霞の急所に女神の指先が舞い降りる。
壊れやすいものを大切に包み込むように上品に亀頭をつまみ、指先でこね回すテクニックによってさらに一回り膨らんだ先端から透明な粘液が溢れだす。
(や、やばいっ、うますぎッス……ああああっ、性感を制御できないッ!)
体の一部しか触れられていないはずなのに、朝霞は全身を天使の羽でくすぐられたように感じてしまう。
「センシティブでラブリー……フフ、こんなに硬いペニスは久しぶりデース」
甘く疼いて勝手に暴れだすペニスをいたわり、さらに柔らかく握り込んで焦らすように指先で裏筋を弾く。
クロエの手のひらの中で強制的に武装解除されていく朝霞の剛直はすでに発射寸前まで追い込まれていた。
「……このままイきたいですカ?」
静かに問いかけるクロエ。穏やかな降伏勧告だった。
「い、あっ、ノ、ノオオォォー!」
しかし朝霞は霧散しそうな反抗心を懸命にかき集めそれを拒絶する。
この状態で射精してしまえば連射は確実。
快感に悶えながら数秒で気絶してしまうかも知れない。
「本当ですカ?」
試すようにクロエはペニスを逆手で握り直し、小刻みに刺激を加えた。
クチュクチュクチュクチュッ!
カリ首を捕らえた親指と人差指。
わずか数ミリのピストンの繰り返しが、決意を固めた日本男子のメンタルを急激に削り取ってゆく。
「ぐああああああああああっーーーー!」
ガクガク震え始めた朝霞の肉体を満足気に眺め、不意に彼女は手を離す。
極限の寸止め状態にされた朝霞の全身から大量の汗が吹き出している。
「グッド。まだ頑張れそうですネ。ところでアサカサン、水泳は得意ですカ?」
「え……」
そっと立ち上がるクロエ。
リング中央で汗まみれになった彼の体を見つめたまま騎乗位に……ならず、天を仰いでヒクヒクと震える剛直を太ももで挟み込み、再び朝霞の胸に巨乳を押し付けた。
「クスッ、まだ動けませんよネ?」
「ぐっ……!」
一瞬悔しそうな表情を見せる朝霞だが、未だ全身を痺れさせている快感と目の前にある彼女のきれいな顔立ちに目を奪われ言い返せない。
さらに上半身は大きすぎるバストで抑え込まれ、自慢のペニスは太ももに閉じ込められているのだからどうしようもなかった。
「では……レッツ、スイミング♪」
クロエは一度ウィンクしてから朝霞の両脇に腕を通し上半身を安定させた。
静かに腰から下を波打たせ、硬さを確認するように太ももの内側で彼自身を味わう。
「ひぎっ、があああーーーっ!?」
吸い付くような彼女の肌の質感に朝霞は声を上げてしまう。上質な筋肉のかたまりであるクロエの太ももが肉棒を左右から擦り上げ、グニュグニュともみほぐしていた。
(あっ、あああああーーーー! 太ももが、柔らかいッ……)
大の字になったまま悶絶する朝霞。
手足の指先をピクピクさせながら快感に抗おうとするも、クロエの抱擁がそれを許さない。
顔中を包み込む甘酸っぱい汗と髪の香り、さらに頬ずりされればスベスベした彼女の顔と体温にドキドキさせられてしまう。
柔らかい巨乳の感触も厄介だ。
そして太ももに挟み込まれたペニスはこのまま精を吐き出してしまってもおかしくないほど高まっている。
実際、クロエはこのスマタだけで精力が豊富な豪州男子を病院送りにしたことだって何度もあるのだ。
「な、なぜこんな、ことを……ッ!?」
「オゥ、それはあなたの硬いペニス、そのままインサートしたら、私がぜんぜん我慢できないかも知れませんネ?」
それは嘘だ、と朝霞は思う。セックス本番でも彼女は強い。
ここまで披露されたクロエのテクニックがそれを裏付けていた。
「だから柔らかくしマース。オーケイ?」
「お、オーケーじゃな……あううぅっ……!?」
ちゅっちゅっ、ちゅううぅぅ……
反論すらキスで封じられてしまう。
スタミナをごっそり奪われ、感度が上がって疲弊した朝霞にとってクロエのキスは先ほどより甘く感じられた。
「アサカサン、大人しくしててくだサイ」
「あ、ふぅ……」
「ではいただきますネ」
ペニスが太ももから解放される。その直後、
ずにゅうううぅぅぅ!
朝霞の剛直がクロエの膣内へ招かれた。
「ふあああっ、んっ、んあっ、あっ、あああああーーーー!」
全身が泡立つような快感が襲いかかり朝霞は思わず絶叫する。
挿入した瞬間、処女のように狭い膣口がペニスを搾りあげた。
だがそれは終わりではなく始まりに過ぎない。
入口を通過したペニスを待っていたのは……
「フフフ、どうしましたカ?」
ニュプニュプッ、ニュルルル……
「ふあっ、な、なんで、これっ、動いてるッス!?」
「さあ、なんのことでしょうネ? ウフフフ」
妖しく笑うクロエ。未知の快感に戸惑う朝霞の頬に軽いキスを施し、彼女は下腹部に力を込めた。
「あっ、ああ、ま、まってくれッス!」
朝霞の手がクロエの腰を掴む。
しかし彼女は彼に抱きついたまま、ピッタリと腰をつけて動かない。
それなのに、膣内ではペニスが激しく責められていた。
手コキよりも明確に棹をしごかれ、フェラよりも甘く先端が舐めとかされていくような感覚……
クロエの名器は内部で肉棒を自在に責めることができる。
動かないままでも男を射精させることなど彼女にとって難しいことではないのだ。
「フィールミー、私を感じさせてくだサイ……」
膣内で彼のカタチを覚えたクロエがゆっくりと腰を動かし始める。
数秒間かけて肉棒を引き抜き、亀頭のみを咥えこんだ状態をキープ。
「あ、ああああ、抜けないいいいいっ!」
「アハッ、わかりますカ?」
ギリギリ抜けない程度に挿入したまま膣口を締め上げ、裏筋周辺のみを巧みに刺激するクロエ。
そのまま一気に根本まで飲み込むように腰を落とす。
バチュンッ!
「んあああああああーーーーっ!」
「ストローク、ゆっくりのほうが感じますカ?」
クロエはいたずらっぽく笑いながら悶絶する朝霞を膣奥で亀頭を弄び、肉棒の中央部分と根本を強めに締め上げる。
そしてまた腰を浮かせ、今度は半分くらいから腰を落とす。
「うっ、あああっ……くうううぅぅぅ……!」
クロエの細い腰にブルブルとしがみつく朝霞の手。
自分の下に敷いた日本男子の粘り強さにクロエはヒュウッと口を慣らす。
この段階で射精しないだけでも驚嘆に値する。
賞賛を与える代わりにゆらゆらと左右に腰をくねらせ始める。
「それともこうですカ?」
「ち、ちがっ、ああああああああーーーーっ!」
強烈な上下のピストンではなく穏やかな左右のグラインド。
彼の上で8の字を描くそれは朝霞の剛直を大いに喜ばせ、彼の意志に関わらず大量の我慢汁を膣内で吐き出す結果となった。
「グッド。ゆっくりにしましょう……アサカボーイ」
魅惑の腰使いを続けるクロエ。
潤滑剤となった我慢汁のせいもあり、グチュグチュと卑猥な音を立てながらペニスが膣内で蹂躙される。
(くっ、くそ! このままでは……だめッス、きもちよすぎるううう!)
数分前のパフパフ手コキのほうがまだましな状況だった。
外部への射精ならば果てた瞬間にダウンを申告すれば仕切り直しできる。
しかしセックスの場合、それができない。
クロエはおそらく膣内射精しか考えていないからだ。
さらに彼女の膣圧はキツすぎて、膣内で射精してもレフェリーが判断できない。
射精判定されるまでクロエはキスで自分の口を封じてくるだろう。
その間に何回射精させられてしまうのか……焦る朝霞の指先に力がこもる。
だが不意に彼を悩ませる快感が途切れた。
ニュポッ……
クロエがペニスを自ら引き抜いたのだ。
(た、たすか、った……もしかして諦めた……?)
稀にそういうケースも有るのだ。責めきれず他の手を考える選手もいる。
朝霞はほんの少しだけ淡い期待を抱いたがそうではなかった。
「フフッ、今度はアサカサンから、お好きにどうぞデス」
クロエは彼を抱き起こして向かい合いリングに腰を下ろした。
長い脚を大きく開いて彼を誘惑している。
真っ白な美脚の先ではピンク色をした襞が小さく震えていた。
「これはどういうつもりスか……?」
「フェアプレイ、これは親善試合ですからネ」
圧倒的に有利だった密着騎乗位を捨て、自ら正常位での対決を望むクロエに対して豪州女子チーム(主にオリヴィア)からブーイングの声も上がっていた。
「礼は言わないッス」
「イエス。カモン……」
余裕たっぷりな彼女を見て朝霞は震えた。
純粋な怒り、自分を侮っている豪州女子のエースに対する憤りだった。
「わかった。お望み通りヒイヒイ言わせてやるッス!」
全身の筋肉に活を入れて膝立ちになりクロエに近づく朝霞。
名器に骨抜きにされかけていた肉棒も落ち着きを取り戻している。
憎らしいほど穏やかな表情の彼女の膝に手をかけ、朝霞は覆いかぶさる。
ずぷっ!
僅かな水音とともに彼らの第二幕、正常位対決が始まった。
荒ぶる心を抑えながら丁寧に朝霞は責める。
思わず抱きつきたくなるようなクロエのバストからは距離を保ち、剛直を浅く深く、時には亀頭でクリトリスをいじりながら彼女を喜ばせにかかっていた。
「ど、どうッスか!」
「アハァァァッ、すごく、いいデス……ハァッ、ハァァ!」
今のところ抵抗らしい抵抗を見せないクロエ。
大きな胸が自分のピストンで弾む様子をうかがいながら朝霞は腰の動きを加速させる!
ずちゅっ、ぐぷっ、ずりゅっ、どちゅっ!
傍目には一方的な凌辱。
男性優位の体勢で試合は進んでゆくが、やがて均衡が崩れ始める。
(な、なんだこれ……おかしいッス、俺が攻めてるはずなのに)
朝霞の額に玉のような汗が滲み出す。
クロエは確実に性感を高め、自分には有利なはずなのに彼に余裕はなかった。
出し入れするたびに擦れ合う粘膜が心地よく、膣口を通過するたびに刻み込まれる甘い感触が彼の心を覆い尽くしていくようだった。
「はぁっ、くそ、こっちが有利、なのに、どうして……ハッ!」
クロエは両手を頭の後ろに組んで朝霞を見つめていた。
完全な舐めプ状態に気づいた朝霞は激昂する。
そしてがむしゃらに腰を振り続けるのだがそれが逆に自分を追い詰める結果となる。
「フフ♪ アサカサン、これはバック……背泳ぎデス」
「えっ」
「レッツ、スイミング……私、こう見えても競泳選手だったデス。バックのタイトルホルダー、だから男の人を乗せるの得意デス」
クロエの手が伸びてゆっくりと彼の顔を挟み込む。
自分でも知らないうちに朝霞は前のめりになっていた。
ぐいっ!
「うぶうううっ!」
力強かった彼のピストン運動が完全に止まる。
抱きしめられた朝霞は動けない。
どこか待ち望んでいた柔らかさに安堵するようにクロエの胸に抱かれることを拒めなかった。
「このまま私の膣内で泳いでみますカ?」
耳に流し込まれた甘い誘惑。
リングの上に自分にしかわからないささやきに朝霞は小さくうなずいてしまった。
朝霞が有利な正常位に間違いないはずなのに、動きはクロエが完全にコントロールしていた。
そして今、クロエは彼の心まで掌握しようとしている。
「ではこれで最後デース……アサカボーイを天国にお連れしマス」
広げたままだった美脚がゆっくりと閉じてゆく。
しっとりと汗に濡れたクロエのふくらはぎが朝霞の腰に絡みつき、引き寄せながらしっかりと足の先を交差させる。
女体という魅惑の繭の中に包み込まれた朝霞は小さく呻き、クロエは腰の位置を調整してから静かに大きく息を吸った。
「すううぅぅぅ、ハァァァァ……♪ オマンコの奥で、食べてあげマス」
抱き合いながら耳元で感じる彼女の声に朝霞はドキドキしてしまう。
チュクッ……チュ、チュッ、クニュクニュ……
クロエの膣内が本格的にペニスを貪り始めた。
(あ、あっ、なんだこれ……腰が、勝手にっ)
正常位のまま抑え込まれ、身動きできないはずの自分の体が揺れ始めていることに朝霞は気づく。
それが膣内のうねりによるものだと理解するまで数秒を要した。
「クスッ♪ 私、男の子に吸い付いたらけっして離しまセン」
根本まで深々と突き刺さった剛直が膣内で歓喜していた。
クロエの最奥、子宮口が朝霞の亀頭を咥えこむように収縮し、無数の襞が射精を促すように表面でざわついていた。
「うあっ、あああ、きもちいいっ、きもちよすぎるうううう!」
気づけば彼は自分からクロエを求めていた。
マットに広がる長い髪に顔を埋め、香りに酔いながらキスを求める。
切なげな表情で彼女を見つめれば優しく口づけされ、膣内のペニスの感度がさらに上がってしまう。
「フフ、かわいいデス。もっと良くしてあげますネ?」
クニュクニュクニュッ、ジュプッ、ズプッ、ジュプッ!
「うああああああああーーーーっ……」
彼の喘ぎに応えるように膣内が蠕動する。
裏筋あたりを刺激するように波打たせ、時々強く締め付ける。
朝霞にとって初めての体験。クロエは自分の名器を自在に操ることができるのだ。
「そろそろフィニッシュしたいですカ?」
自分の膣内で限界まで膨れ上がったであろうペニスを感じながらクロエは問う。
「いっ、いくっ、イかせてえええええ!」
「では……とびきりメロウに搾ってあげますネ……んっ、ヤアァッ!」
クロエは淫らに微笑み、彼の全身を強く抱きしめる。
当然のように膣内も彼を激しく抱きしめ、根元から先端へ向けて快感のウェーブを送り込む!
ぐちゅぐちゅぐちゅぐちゅっ、ぐちゅうううう!
「うあああああああああっ、で、でるうううううう!!」
ビュクビュクビュクビュクウウウウウウッ!!
勝負は一瞬で決まった。
強く締め上げる膣口のせいで快感の逃げ場がない。
意図的に奥の方を柔らかくして亀頭を解放、射精へと導いたクロエは、彼が激しく爆ぜるのを確認しながら内部をさざめかせ、肉棒にあった精液をすべて絞り尽くす!
「アハッ、いっぱいでてますネ……でもまだイかせてあげマース」
クニュウウッ、クニュクニュクニュクニュ……
「ひっ、あ、あああっ、なんで、中が動き続けて……ングウウゥゥ!?」
ちゅううぅぅ……
朝霞にとって予想していた追撃のキスだが何も考えられなくさせられてしまう。
クロエを求め、彼女にたっぷり甘やかされたせいでダウンの申告すらできない。
玉袋の奥に隠されていた精液まで吸い上げられ彼は悶える。
柔らかな肉檻の中で何度も果てながら豪州エースを全身で味わうこと数分……
「ウフッ、いい思い出になりましたカ?」
「あ、え、くろ、え……クロエ、きもち、いい……」
うわ言のように自分の名を呼ぶ彼を見てクロエは笑う。
(なかなかの持ち物だったけど、私の手にかかればこんなものね。親善試合で奥の手を見せずに済んでよかったわ)
完全に動かなくなった朝霞を優しく押しのけ、クロエはレフェリーに彼のダウンを宣告するのだった。
第3話 ~ 朝霞VSクロエ戦 ~(了)
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