ウィル(ウィル=コム)
1・人物と性格
本編の主人公。対淫魔戦術養成学校を卒業した魔法使いの青年。
スライム狩人(ハンター)からスライムバスターに昇格、のちにはスライムマスターと呼ばれる人物。
主に水属性(氷結系)の魔法を操る。
卒業までの間はスライムバスターであった師匠・ノキアの下でスライム狩りの修行をしていた。
しかしノキアは彼の卒業を待たずに他界。その後はスライム狩人として地道にレベル上げをしていた。
身長は170センチ程度だが頭髪の質量によって微妙に変化する。
髪型には気を配らぬ方で常に目が隠れる程度には伸びきっている。
生まれつき白銀の頭髪だが、スキンヘッドにする気はないらしい。
「敵にも情けは必要」が信条であり、むやみに殺傷行為を行わない。
相手の動きを制する魔法を主体とする戦闘スタイルもそのポリシーによるものである。
傍目にはのんびりした様子に見える時ほど何かを思い詰めていることが多い。
養成学校時代にも恋人を作ることはなく氷結魔法の習得のために全ての時間を費やした。
もともと要領良くこなせるタイプではないので魔術や淫魔との戦いには苦労している。
ある日、森のなかで出会ったライムとの一戦により大量の経験値を獲得。能力が開花。
戦士として加速度的に成長してゆく。
2・通り名や噂
ウィル自身は気に留めていないが、ライムと寝食を伴にしていることでハンター協会では「魔物使い」「人外スキー」などと呼ばれている。
しかし彼自身の功績は他の追随を許さないので表立って後ろ指を指されることはない。
レベッカを退けた「宮殿の戦い」の翌年にはハンター協会よりプラチナアワード(Sクラス討伐成績)を授与された。
ライムを取り戻しに来た精鋭部隊「LIPS」の三番手・リィナを事実上圧倒し、敵の本拠地内で弟子のマルクの窮地を救いながら淫界参謀ルシェをも改心させたことでスライムの女王・シアノに認められる。
スライム界と人間界の橋渡し役として期限付き(=毎年自動更新)とはいえ事実上の和平をもたらした。
以後、クリスタルパレス内では彼への憧れとともに「スライムマスター」「ウィル様」などと囁かれている。
参謀ルシェを筆頭にファンクラブも存在するが、ライムからの報復を恐れて表立っての行動はない。
ウィル本人が知らないうちにスライム界のアイドルになりつつあるという。
3・容姿
いわゆるメカクレ。白銀の頭髪は常に目が隠れているほど伸びている。
ライム曰く「どうみてもドMな目をしている」とのこと。真偽は定かではない。
じつは背が高くないことにコンプレックスを持っているが今のところ誰にもバレていない。
弟子のマルク(=高身長イケメン)を見て少し羨ましいと思う時もあるらしい。
体つきも凡庸で、筋力がそれほどあるわけでもないので重い甲冑を身につけることはない。
また戦闘スタイルも魔法使いのそれであり、ヒットアンドアウェイの戦術を取ることから常に軽装である。
装備品は「ミスリルナイフ」「大地のローブ」「青い指輪」など。
4・魔法や特技
氷結魔法によって相手の動きを止めるのが基本で、そのために自らの手のひらに絶対零度を生み出すことができる。
ただし絶対零度は魔力を精錬するのに時間がかかりすぎるため普段は使えない。
対スライム戦においてはいかに短い時間で敵の体表を凍結させるかが勝利の鍵となる。
スライムの体を優しく愛撫することで快楽を与え、相手を内部から無力化する術に特化している。
通常の魔物狩りでは敵なしの勇者パーティーから「スライム排除役」として招聘されることも多い。
転職の神殿での昇格以降、スライムに対しては常に優勢を保っている。
しかし二度にわたるライムとは戦いは熾烈を極め、属性有利にもかかわらず辛勝した。(しかも魅了されてしまった)
北の大地での戦いでは、弱点属性である土属性の装備をまとうことで死角をなくしている。
5・装備その他
魔道士の服→大地のローブ
「魔道士の服」は師匠であったノキアが使用していた防具。
もともとスライムを制圧する術はノキアが編み出した。防水性が高くスライムにも侵食されにくい。
「大地のローブ」は北の大地への討伐戦に赴く際、ルシェから手渡された。
水属性の攻撃力を半減させる効果がある。
ミスリルナイフ
手のひらに集めた冷気を効率よくスライムに伝導する役割を持つ道具。
よく切れるナイフでもあるが殺傷目的ではない(スライムの体は切断できない)。
氷の刃を差し込まれたスライムは少しの時間だけ動けなくなるという。
青い指輪
ライムにプレゼントしたアクセサリーと同じもの。じつは指輪の形状をした空間転移装置。
それぞれにお互いへの道標となる魔力が封じ込められていて、緊急時は瞬間移動できる。
クリスタルパレスの戦いではマルクの窮地を救うキーアイテムとなった。