僕の名前はウィル。
スライムバスターになってから忙しい毎日だ。
一昨日まではパートナーのライムと共にとっても寒い地方に遠征をしてきた。
今回は有名な勇者からの指名で、パーティーの臨時メンバーとして参加させてもらった。
僕の役目は寒い地方にいながら炎を吐く「ドラゴスライム」を倒し、仲間に加えるということだった。
とても強い敵だったけれど、仲間になったあとのドラゴスライムは頼もしい戦力となった。
北国の道案内役も勤め、夜は暖房器具として・・・想像以上の活躍を見せてくれた。
とにかく僕は与えられたミッションを無事にクリアした。
パーティーのリーダーからも感謝されて報酬額も大幅に上乗せされた。
そして今日からしばらくお休みだ。
お金もけっこうもらえた。
しばらくのんびりしたいな。
しかし旅が終わって緊張の糸が切れたライムは風邪を引いてしまった。
「私はだいじょうぶよ、気にせずにほっといて」
……といいつつ、コホコホと咳き込む彼女。
僕はライムを元気にするために薬を買いにいってきたところだ。
彼女のことについて少し話そう。
ライムはスライムと人間のハーフで、僕にはもったいないくらいきれいな恋人(少なくとも僕はそう思っている)だ。
最近では長くなった髪を少し切って、毎日着ている服も露出が少なくなって、全体的な「お姉さん度」がかなりアップした。
でも、夜になって抱き合うときは以前よりも体の相性が良くなっている気がする。
彼女と行う模擬戦のおかげで、僕自身もスライムバスターとしてかなりレベルアップしていると思う。
ある事情があって、彼女の体には4つの魂が宿っている。
主たる人格であるライムは、元々は僕の敵だった。
その時の職業はリップス。
舌技の達人だ。そしてなにより、彼女の性格は勝気でクールな女王様タイプだ。
はっきりいって、ライムは強い。
淫魔としてのレベルは上級クラスだろう。
かつての僕は全力で戦いを挑み……ギリギリで彼女に勝つことが出来た。
その代わり、大事なスライムの魂が宿る特殊アイテムを失った。
アイテムに封印されていた3人のスライムの力を爆発させて、ライムの精神を乗っ取るという荒技で勝負を制したのだ。
封印されていた3人のスライムたちの名前は、ルル・ミリア・メタリカという。
ルルは僕にとっては完全に妹のような存在。
一番僕の言うことを聞いてくれるし、本当の兄のように僕を慕ってくれている。
成熟したライムの身体にルルの可愛いしゃべり方は、絶妙なミスマッチで……けっこう僕も好きだ。
ルルの得意技は、対戦相手の耳にキスをして性的嗜好を読み取ること。
ミリアはルルのお母さんにあたる人。
彼女が僕と接するときは大人の女性として、常に僕をリードしてくれる。僕も遠慮なく甘えてしまう……。
ちなみに、僕はバトルファックでミリアに勝った事は……恥ずかしながら一度もない。
もし彼女がライムの身体でなかったとしても、経験豊富な彼女には勝てる気がしない。
彼女の得意技は、数秒先の未来を予測できること。
メタリカはルルと同い年くらいの女の子。
元々「はぐれメタル」だったので、一人で行動することが多かった。
だからとっても寂しがり屋さん。でも、にぎやかな彼女が出てくる夜は、僕にとってライムは純粋に楽しめる友人に変わるんだ。
バトルファックになると、彼女は陽気に僕を責め立てる。
特にライムの身体と相性が良いらしく、多彩な技で僕を翻弄する。
彼女の得意技は、素早い動きと鉄壁の防御。
そんなわけで、ライムは多重人格者だ。
彼女自身も最初は戸惑っていて、自分が彼女たちに乗っ取られてしまうのではないかと警戒していたが、他の3人と仲良くやっているようで今のところ問題はない。
さて、きょうは僕の妹……ルルが、ライムの体を預かる当番のはずだ。
歩きながら僕の家が見えてきた。中からシチューのにおいがする♪
「ただいま~、ルル。 それ、いい匂いだねっ! 今日のご飯はなんだぃ?」
テーブルの上に並べられたのはクリームシチュー、野菜の丸揚げ、何か入った玉子焼き……などなど、おいしそうだ。
さっそく食べ始めてみると、全ての料理に精力剤が入っていることがわかった。
「うわ……すごいね、これ。 いつものルルの料理じゃないみたいだ!」
僕が彼女のほうに微笑みかけると、彼女も笑い返してくれた。
「ふふっ、残念だけど……ウィル、きょうの相手は私よ! ルルちゃんには眠ってもらってるの」
スプーンの動きをピタリと止める僕……な、なぜ! このしゃべり方はライム本人だ!!
「え、ええぇ~~~~~~~~! ルルはどうした!! ルル、でてこいよ~~」
「ええぃ、うるさいっ! このロリ!! わたし、あなたにご立腹なのよ」
ルルの名前を連呼する僕をしかりつけるライム。
「こないだの遠征で『北国のペンギンを生け捕りにしてくる』といったのに連れて来てないし、あなたのせいで私は風邪引くし! 全部あなたのせいよ!!」
めちゃくちゃだ……僕のせいじゃないのに……
「そんなこといわれても困るよ。だって、こっちじゃペンギン生きていけないしさ」
「うるさいっ、問答無用よ。あなたも男なら、私への慰謝料をその体で払いなさいよ!」
こうなると彼女をとめることは出来ない。
僕は恐る恐る聞き返す。
「……で、ぼくはどうすりゃいいの?」
「服を脱ぎなさい。その根性を叩きなおしてあげる」
緊張した雰囲気の食事が終わると、僕はしぶしぶ服を脱ぎ始めた。
「それと、私の気が済むまで何回も搾り取ってやるわ。手を抜いたらタダじゃおかないわよ! 本気でかかってきなさい」
今夜はライムとバトルか……このところ6連敗中だよ。
勝てるかなぁ?
今日の彼女はワインレッドの下着を身につけていた。
少しざらざらとした生地で、肩紐はなく首の後ろで布を交差させて胸だけをうっすらと覆い隠している。
背中のほうがどうやって結ばれているのかはわからないけど、パンティにあたる部分も同じ布が使われている。
そしてチャイナドレスのように前掛けというか……腰布がついている。
思いっきり僕好みの衣装だ。
ライムにはお姉さん系の衣装が良く似合う。
「なぁに?ウィル。 そんなに見つめないでよ。恥ずかしいわ」
僕のわかりやすい反応に満足そうな彼女。
下着の視覚効果で僕を高めて、イカせやすくしようというのか。
すでに僕と彼女のバトルは始まっているようだ。
ライムの言葉に思わずハッとする僕。
気を取り直して彼女と向き合い、身構える。
しかし彼女、こんなにエロい服をいつの間に手に入れていたんだろ……?
「さっそくはじめようか、ライム」
「やる気はじゅうぶんみたいね。 すぐにとろとろにしてあげるわ。 ……いくわよ♪」
いきなりライムが低い位置から僕に飛び掛ってきた。
飛び込んでくる彼女を迎え撃つために素早く腰を落とそうとした僕だが、体がまったく動かせない!
次の瞬間、なんと彼女はすでに僕の背後に回りこんでいた。
そして右腕を僕の腰に腕を巻きつけ、左手を僕のわきの下に通していた。
僕はライムにがっちりと固定されている。
動けないはずだ……
「うふっ、おどろいた? メタリカの能力を少し借りたの。実際にタックルしたように見えたでしょう? でもそれは残像……」
僕は彼女に先制攻撃を許してしまう。
うぅっ、彼女の下着の感触が気持ちいいや。
「立ったままで気持ちよくしてあげる」
ライムは僕が倒れないように右足で僕のお尻を支えたまま、胸板や腰周りを愛撫し始める。
うっすらと手にローションをにじませながら、おへその中をクリクリしたり、乳首の周辺を円を描きながら撫で回す。
「うっ! くあぁぁぁっ!! ずるい、ずるいぞライム~~」
思わず身もだえする僕を、さらに激しく指先で責め立てる彼女。
彼女の指がしっとりしてくるに連れて、僕の快感もどんどん跳ね上がる。
「バトルに卑怯もなにもないわ。勝てばいいのよ! 悔しかったら反撃してご覧なさいよ」
そ、そうだ……力が入る今のうちに、後ろから伸びる彼女の手から逃れなくては!
身体をひねって僕が拘束から逃れようとしたその時、お尻を支えていた彼女の膝が外された。
つま先立ちだったところに支えを失い、カクンと膝からベッドに崩れ落ちる僕。
「甘いわ……あなたが逃げようとするのはわかってるもん。膝立ちにさせるのが目的だったの♪」
ライムも僕と一緒に腰を落とし、背中から僕を抱きしめたまま今度は膝立ちの体勢で愛撫を再開する。
後ろからの抱きしめは、ジワリジワリと相手の抵抗力を奪う効果がある。
続いて彼女は自分のあごを僕の右肩に乗せて、左手はわきの下を通したまま乳首をなでる……そして、とうとう彼女の右手が僕のペニスを捕らえた!
「ねえ、ウィル? この体位、思い出せるかしら……いつかあなたが私にしてくれた『4点責め』の体位を!」
彼女が耳元で甘くささやきながら、乳首とペニスをすべすべと指先でもてあそぶ。
ライムの左右の手が交互に僕の感じるところを責めて、時折両手で僕のペニスを包んで絞り上げる。
尿道の先の辺りを細かくチョンチョンされたり、裏筋をなめらかな人差し指で弾かれるたびに前に倒れそうになるほどの快感が僕を襲う!
「うっ……!」
情けなく小さくうめいてしまう僕。
そして僕の背中には、彼女の形のいいバストがぴたりと押し当てられている。
生地の上からでも彼女の乳首の感触をたまに感じる……うあぁっ、彼女にコリコリってされるたびに僕の背中に小さな穴があけられているようだ。
「背中もかんじちゃうでしょう? あなたって、やらしい~~~~ ふふっ♪」
前のめりになりそうな僕を再び引き起こし、背中の密着度を高める彼女。特に教えたわけではないのに、4点責めのツボを心得ているから恐ろしい。
チュ♪……プチュ、ピチュ、レロ~~~ ちゅちゅちゅっ!!
さらに彼女は僕の肩から首筋、耳を激しくキスしてくる。
リップスとして舌技を極めた彼女の愛撫は、僕なんかと比較にならないような攻撃力があるんだ。
「そ、そんなぁ……! あああああああぁっ、やばいっ!!」
僕の首筋や喉元を彼女が舐めまわすと同時に、彼女の柔らかい髪が僕の体を包むように撫でまわす。
思わぬ追加攻撃もあって、ぼくはどんどん高められていく。
「そろそろ一番絞りをしてあげようかな」
僕の両腕がだらん、と脱力しているのを見て彼女が4点責めを止める。
そして僕の前に回り、膝立ちのまま僕と向き合う。
「ウィル……んんっ♪」
ライムは左手で僕の後頭部を抑え、右手は全ての指をペニスに絡みつかせる。
小指で亀頭をなでなでしながら、僕の口の中に自分の舌を滑り込ませる!
「くすっ♪ もっと感じてね。 うふっ♪……ちゅる……んっ、ぅんっ♪」
ライムの舌が僕の口の中をクチュクチュと荒らし、僕の思考力を麻痺させる。
脳みそまで痺れさせるような甘く長いキスのあと、彼女はベッドの外へ手を伸ばす。
近くにあったタオルで僕の両手を背中に回して縛った。
彼女に向かって膝立ちのまま腰を突き出したような格好の僕……こんな体勢、やばすぎる。
「さぁて……と」
彼女の両手が正面からふんわりと僕のペニスを包み込む。
「じゃあ、私の全力の指技でイカせてあげるわね。噴水みたいに射精しちゃいなさいっ」
グシュッ、クリュクリュ……シュッシュッシュ……くにくにくにっ!!
彼女の指が根元から亀頭に向かって、踊るように僕の快感ポイントを刺激する。
特にカリの付近で彼女の指がくるんくるん、と巻きついてくる感触が僕を喜ばせた
「うわっ、ちょ……まって!!」
ライムの容赦ない愛撫に、ぼくの脱力していた腕にも力が入る。
しかし両手は動かせない!
しかも腰を引こうとして前のめりになっても彼女の手が追いかけてくる!!
そのうち腰も動かせないくらい、僕のガマンする力が彼女に削り取られていく。
だめだっ、逃げられない……
「うわあああああああああああ!!」
僕のペニスが今までにないくらいパンパンになり、絶頂が近いことを彼女に知らせる。
いつもならここから寸止めされたり、意地悪をされるんだが……今日の彼女は違った。
迷わずにトドメの言葉を僕にささやいた。
「好きよ、ウィル♪ 」
「うわっ、だめ! でちゃうよ~~~っ!!」
きゅうううううう……っと、ライムの指先が僕のペニスを一気に絞り上げる。
どぴゅぴゅぴゅ、ぶぴゅぴゅ~~~~~~
耳元でのささやきと、激しい手コキに僕は完敗してしまった。
「弱いわね、ウィル。 まずは一回戦は私の勝ちね、うふふっ」
ライムは盛大に敗北の証を吹き上げる僕をしばらく抱きしめていた。
いつもは聞けないライムからの愛の言葉のせいで僕のガマンは一瞬で決壊した。
脳内を駆け巡るあまりの快感に、ベッドにそのままバタンと倒れこんでしまう。
あんなの反則だよ。
耐えられるわけないじゃん!!
くそぅ……でも、このままじゃ終わらないぞ。
僕のイキっぷりをみてコロコロと笑っている彼女を見ながら、僕は反撃を決意した!
30分間程度の休憩のあと、僕は彼女と再び向かい合う。
「まだまだ! 勝負はこれからだ。 二回戦は僕がもらうからねっ」
色っぽい微笑を浮かべながら、何かをたくらんでいるライム。
「いいのかしら? 二回戦をはじめても。 とりあえず、さっきの立位からの攻撃は成功だったわね。 次はどういう風にイカせてほしいの? ウィル」
調子に乗ってられるのも今のうちだけさ……僕はライムの声を無視して彼女に正面から挑んでいった。
彼女ほどの相手に小細工は無用だ。
抵抗されても一気に押し倒して挿入してやる!
しかし僕の予想に反して、彼女は成すがままに横になった。
素早く彼女の両手を、彼女のお尻の下敷きにして動けなくする。ちょっと拍子抜けだな……下になった彼女が僕に向かって語りかける。
「ふふっ、マウント取れば私に勝てるとでも……あっ……思ってるのかしら……くぅぅん!!」
僕の指が生意気な彼女のクリトリスを撫で上げ、胸を揉みまわす。
程よい弾力を保ったままグニグニと形を変えるライムのバスト。
彼女の股間がモジモジと少しだけ開く。これはチャンスだ!!
ずぷぅっ。
「ひゃあぁぁっ!! そんな、いきなりだなんて……」
僕は濡れているかどうかも確認せず、挿入した。
どうやら奇襲は成功したようだ。
彼女のあそこもそれなりに濡れている。
それよりも、彼女の上ずった声が僕をその気にさせた。
「うおおおおおっ! 食らえ、ライム」
僕は渾身の力でピストン運動を始めた。
ここまでの流れ……あまりにもスムーズに挿入できたことを僕は全く疑っていなかった。
僕の背中が激しいピストン運動のせいで、すぐに汗でいっぱいになる。
今までの経験で、ライムは挿入になれていない上にスタミナもそれほどないはずだから一気に勝負をつけられる……
そんなあせる僕の心を見透かしたライムの罠に僕はどっぷりとハマっていた。
なかなか絶頂に達しないライムに、僕はいらだっていた。
(なぜだ……こっ、こんなはずでは…………早く!!)
喘ぎながらも彼女のクールな視線が僕に突き刺さる。
余裕たっぷりにニコリと微笑む彼女。僕の中で何かが切れた。
勝負を焦って雑なピストンをしてしまった瞬間、彼女の中がキツくしまった!
とたんに身動きが出来なくなる僕。
あ、ありえない……この体勢で反撃なんて。
「なかなか相手がイカないからってイライラしちゃだめよ? 脚奴隷さん♪」
脚奴隷だと?? 僕の脳裏に嫌な予感が走り、彼女とつながっている股間に目をやると……
「ば、ばかな!! なんだよ、これっ……」
僕のペニスは彼女の膣口と彼女の手のひらに挟まれていた。
「やっと気づいてくれた? あなたが挿入しようとした瞬間、わたしが少しだけお尻を上にずらしたのがわからなかったみたいね」
僕は挿入していなかっただけでなく、お尻側から回された彼女の手のひらに愛撫されていたのだ。。
今までの責め疲れが一気に僕に襲い掛かってくる。逆に元気になるライム。
「あなたは私のお尻に力いっぱいスリスリしちゃってたのよ。 私はそれを手のひらでサポートしてあげてたの……なかなか気持ちよかったわ、ウィル」
ライムは僕の体を自分の右横に転がした。
「そういえば私の素股は初めてだっけ? ふふっ」
そして僕のおなかの辺りを左脚で抑えつける。
「さっきのお礼に、きょうはこういう責めを試してあげるわ」
「な、なんだ……まさか膝で!?」
ライムの左足が僕のペニスを跨いだ。
そして、膝を「く」の字に折り曲げて僕のペニスを膝の裏側で挟み込んだ。
「あなたは私の脚責めが好きだったわよね? それならこういう攻撃も有効かなって思ったの。 どう? ステキでしょう?」
彼女の左足の膝で挟まれた僕のペニスの先っぽが、少しだけ見え隠れする。
ライムはその部分を優しくツルン、と左手の指で撫でてきた。
「あっ……甘く見るなよ。こ、こんなの……耐えてやるさ!」
彼女の左足が優しく僕を締め付け、想像以上の快感を僕に送り込んでくる。
「まあ、がんばってみて。私の脚が大好きなあなたには無理だと思うけど!」
ニチュッ、ニチュッ、チュクチュクチュッ、ニチュッ、チュクチュク
ニチュッ、ニチュッ、チュクチュク……
僕のペニスはライムの膝に囚われたままだ。
ローションの滑りを利用して何度か脱出を試みたけれど、ことごとく彼女にブロックされて失敗に終わっている。
「そんな逃げ方じゃ私の責めは外せないわよ。それとも、逃げる気力もなくなっちゃったのかしら?」
ライムは僕に頬擦りをすると、ニュル……っと耳の中に舌を挿入してきた!
まさか、この技は!!……僕の嫌な予感が的中していなければいいのだが……
しばらくして、ちゅるんっと彼女が舌を元に戻してからこういった。
「ふ~ん、そうなんだぁ! ルルちゃんの能力ってすごいわ。ウィルの隠れた願望までわかっちゃうなんて!!」
……やはりそうだったか。
ライムはルルの能力を借りて、僕の性的嗜好を読み取ってしまったらしい。
最近僕が気になっていることと言えば……だめだ!想像したら負けだ。
「ねえ、ウィル? ずばり、こうして欲しかったんでしょ!! うふふっ♪」
ライムは僕の上体をいったん起こして、正面から僕を抱きしめる。
ぎゅうううっと抱きしめられると、それだけでもボーっとしてしまう……しかも相手は僕の恋人……ライムだから効果は絶大だ。
そして、座ったままの状態で「二人羽織」の逆バージョン……対面座位の姿勢で、僕の顔を胸で押しつぶし、ペニスを足の指でコチョコチョと責めてくる。
「こんなことを考えているなんて、さすがスライムバスター様だわ!!」
これが僕の隠れた願望だったのか。
回避できないほど甘く痺れるような快感に身もだえする僕。
「今からあなたをコントロールしてあげるわ♪」
僕の股間を見てもいないのにクニュクニュと器用にうごめく彼女の足指。
僕は彼女に抱きしめられながら、胸に顔をうずめているから思いっきり淫らな想像をしてしまうのだ。
「あっ、あっ……ライム! やばいよ……うますぎ!!」
腰をガクガクさせたくても、完璧に押さえ込まれているから身動きが取れない。
そして、拘束されている分だけ快感が上乗せされる。
僕の願望どおりの……いや、それ以上に甘美な攻撃に僕の思考能力はどんどん薄くなっていった。
「ほらほらっ、私の脚で今夜もすりおろされちゃうよ? いいの??」
このままでは反撃する気力さえも快感で押しつぶされてしまう。
しかし僕を絶頂に誘うように、彼女の言葉責めが続く。
「私の膣に入れるまでもなく、ドピュドピュしちゃいそうね!」
耳元でささやかれるたびに、彼女の言葉どおりに身体が調教されていくようで怖い……
「あなたのペニスがぴくぴくしながら喜んでるわよ? 本当にマゾだわ、あなた……」
苦し紛れに僕は彼女の顔をちらりと見た。
すると、ライムはとても幸せそうな表情で僕を見つめている気がした。
しかしそれは僕が見たことのない表情だった。
うまくいえないけど……いつもと違って、温かみのあるような笑顔だった。
僕の頭に生まれた違和感……彼女の表情が、快感の泥沼に身を沈める寸前の僕に思考力を与えた。
彼女の顔をもう一度ジーっと見つめる。
「な、なによ。 見つめないでよ……」
僕の目に理性の光が戻ったことを敏感に察知したライムが、少し驚いたように問いかける。
「ライム、ごめんな。 さっきまで一人にさせちゃったよね? 僕が薬を買いに行っている間、さみしかった?」
彼女の性格からして、今夜不機嫌だった理由はそれだ。 間違いない!
そうでなければ、ルルを眠らせてまで僕に八つ当たりバトルを挑む理由はない。
心の奥を突かれて驚く彼女を、空いていた左手で僕はぎゅううっと抱きしめる。
「何でいつも言わないんだ? 一緒にいて欲しい……って」
彼女の頭にコツンと軽く自分のおでこをぶつける。ちょびっといいムードになってきたかな?
ライムは黙ったまま下を向いている。
ここぞとばかりに僕もライムに向かって語りかける。
「他の3人が自分の中に入ってきて、自分の居場所がなくなっちゃうと思ったの?」
彼女は気丈に振る舞っているけど、実は甘えん坊の寂しがり屋なのかも知れない。
「……ぅん。だって私、四日に一度しかあなたに会えないんだよ?」
「バカだな、ライム」
少し強めに彼女を抱きしめる僕。
「バカっていわないでよ! あなたは他の3人のことは誉めるけど、私のことは誉めてくれないじゃない!!」
か、かわいい! こんなライムを僕は見たことがなかった。
「いっぱい感じさせてあげる。君の事だけ考えて、君が望むことをしてあげるから……一緒にイこう!」
僕の言葉を聞いてライムが顔を上げた。
少し瞳をうるうるさせながら、彼女はちょこっとだけ脚を広げた。
それからのことはあんまり覚えてないけれど、僕は彼女の中で何回もイった。
彼女も口には出さなかったけど、僕と同じくらいの回数はイってるはずだ。
もはや二人には勝ち負けは関係なかった。
最後の最後で彼女は失神した。
僕は彼女を絶頂に導いて、心の底から溶かしてあげることが出来たと思う。
「ハァ、ハァ……つ、つよいじゃない」
息を弾ませながら、彼女が僕に微笑む。
そして、ベッドの下から小さな箱を取り出して僕に押し付けた。
「私をイカせたご褒美よ……はい、これ! ウィルにあげるわ」
箱の中には、小さな青い指輪が入っていた。
そういえば、かつての僕とのバトルでスライムリングが消えちゃったことを、ライムは密かに気にしていた。
何度も何度も僕に「私を恨んでない?」と聞かれた夜もあった。
「これ、ありがとう。ライムみたいにきれいな色だね……大事にするよ」
僕は隣で恥ずかしそうにしている彼女の頭にポン、と手を乗せて優しく微笑んだ。
「いつも素直じゃないけど本当はとても優しいライムが、誰よりも好きだよ!」
「ば、ばばば、ばかっ! 急に何を言い出すのよっ! 黙って指にはめてくれれば……いいの……♪」
ライムは少し照れたように微笑むと、僕に強く抱きついて優しくキスをした。
END