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1
「ハイ、お弁当」
ぶっきらぼうに弁当を投げられる。
「オバサンが家出るときにあって、忘れたからもってけってさ・・・って、ねえ、近藤君、聞いてる?」
「あ、うん。サンキュ」
「コレで今月3回目!これじゃオバサンかわいそうだよ〜。近藤君昔から忘れ物多すぎ。何度私が届けたかわかんないじゃん」
そういうとチョット怒った顔をする。
「バッカ、清水は出るのが遅すぎなんだよ。遅刻女王だもんな」
ドカ!!
教室に俺が思い切り殴られるいい音が響く。あまりに日常的なので誰も振り向かない。
「ばかっ!近藤君なんて嫌い!!ベー!!」
そういうと清水は走って自分の席にいった。
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2
「・・・・・お!は!よ!う!」
そういいながら俺のほうにどかどかとやってくる清水。必死で走ってきたんだろう。汗ながして肩で息している。そして手には俺の(忘れてしまった)弁当。
「清水様、ありがとうございます・・・!」
「わ、わかってるじゃない。お弁当。ついおとといも忘れたよね・・・。」
「はい、存じ上げて降りますご主人様!」
「ご主人様が家来にお弁当届けるの?」
「じゃあご主人様ヤメ。ありがとうございます。弁当運搬女王様!女王様の運搬なので中身が心配でございます!」
言い終わるか言い終わらないかのうちに思い切り弁当の角で頭を殴られる。
「お詫びはコンビニの高いほうのアイス!近藤君ち明日借りたゲームかえしにいくついでとりいくからね!」
そういって走って席にいった。
悪い冗談はタブーという勉強代なのか?かえって高くついた・・・。ガリガリ君でごまかせないだろーか・・・。
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近藤君の場合@清水さんの場合 1
まったく。何様のつもりなのかしら。思えば思うほど腹が立つというか・・・。
・・・・
でも、約束自然に取り付けたよね?大丈夫だよね。
そんなことグルグル考えながらカチカチカチとシャープペンの芯を出す。あ、いけない、これで3本も出してた。
嫌になるほど意識し始めたら今までの慣れた関係を不自然に見せないようについ演技ぶってしまう。
「はぁ・・・・」
ため息ばかりでる。ふと彼のほうをみると気持ちよさそうに居眠りしてた。あーあ・・・もう、しらないっと・・・。
私は彼が先生に居眠りがばれませんように、とちょっとだけ願った。
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3
玄関から母親と誰かの話し声がする。「あら!愛ちゃんいらっしゃい!達也まだ寝てるわよー。上がっちゃって〜」
げ、しまった。そういや昨日清水と約束してたんだっけか・・・。ああでも、マダ眠い・・・。
動かない頭を必死で回転させてるうちに清水が部屋のドアを開けた。「近藤く〜ん・・・?マダ寝てる?」
「いや、起きたおきた。」
「おばさん、午後はお花の教室があるからいないわよだって。お昼ごはんは冷蔵庫の中の適当に食べろっていってたよ。もう〜。1時まで寝てんの?寝すぎ!」
そういうと手持ちのカバンからゲームをだす。「私じゃコレ、難しいし怖くて途中でダメだったー」といって俺に返した。
「そう?慣れたらそんなでもないけどね、清水怖がりすぎ。後俺約束のアイス買い忘れたからコンビニまでいってくるわ。ソレまでゲームなんかしてて」
俺は枕元に脱ぎ捨てといたズボンをはくと近所のコンビにまでいった。
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近藤君の場合@清水さんの場合2
ば、ばかっ!パンツで女の前にいるなあ!
ハッと気づいたときにはもう彼は部屋を出て行った後だった。あ〜あ・・・。バカ・・・。
手持ち無沙汰なので、ゲームでもするかなと電源を入れてテレビのチャンネルを合わせる。
・・・・一瞬目を疑った。
何故かソコにはゲームの画面はなく、女の人の裸が映ったからだ。
もう!ああ、どうしよう!!!焦って見るもののどうしようもない。画面は女の人がいやらしく胸を揉まれ、舐め、そして脱がされてゆく。
私はなんだかいやらしい気持ちになり彼のベッドに横たわった。ばふ!と倒れた瞬間彼のにおい。
自分が興奮していくのがわかった。
「はぁっ。はぁっ・・・・・・。」
かえってくるまで、もう少しなのに。私は手が止まらなかった。
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4
コンビニの帰り道、嫌な汗がでた。そうだ、思いだした。昨日DVDみたまんまだった。やっべェとダッシュして家まで。玄関に入り階段を駆け上がると部屋のドアを開けた。
清水ががばっと起き上がる。テレビには昨日のエロDVDが・・・・し、しまった。また清水に殴られる!
「うわ・・・ご、ごめんなさい!」
何故かとっさに謝る俺。真っ赤な顔でむくれる清水
「・・・・・」
気まずすぎる。黙っていると清水がぼそっと「みたん・・・でしょ?」と聞いた。
「あー・・・うん、まあ・・・」
たしかに昨日見ました。使いましたすいません。
大きなため息の後、最低・・・とつぶやく。
おい待て、そこまで言われるのか?と少し怒りを覚えると彼女は真っ赤な顔で目に涙が。
「・・・・私の、みられたぁぁ・・・」
え、ちょ、どういうこと?
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5
パニックになった頭を整理する。見られた?誰に?俺に?清水の何を・・・?
ああ!そうだ!きっとDVDを見てる姿だ!
そりゃ誰だって人のエロ本とかかってに見ている姿みられたらやだもんな!うん!そうだきっとそうだ
「・・・・だれにも、いっちゃダメだから・・・」
清水はうつむいたままいった。おうわかってるさ!俺は言わない。だから俺がこのエロDVDを見てたことはいわないでくれ!気分を取り直してゲームでもしようじゃないか!「わかった。じゃあ続きしようか。」そういって俺が清水の持ってきたゲームをとり、彼女を見た瞬間、彼女は泣きそうな顔になったあと強く目をつぶり「わかった・・・。わかったから、言わないで・・・」とつぶやき上着を脱ぎ自分で自分の胸を触った。
・・・・・俺はさらにパニックになった。な、なんで!?
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6
「ん・・・・っ」自分の下着の中に手をいれビクッとなる清水の姿。そしてまだパニックの俺。
ハッとしてとにかく何考えてるかわからん清水を止めた。「ちょ、まてって。ストップ。な?」
近くにあった枕をギュウと抱きしめ、真っ赤で涙目の清水。「ホント?やめて・・・いいの?」「お、おう!」
少しの無言のあと清水は「ちょ、ちょっと・・・こ、こわかった・・・・よ?」といった。
俺の脳みそにピンクの電撃が走る。なんだ!?こいつ!?か、かわいくねぇ?
ナゼか俺も真っ赤になりながら「いや、俺ほら、ゲームの続きしよっていったし!な!?」と妙なフォローをいれた。
「・・・・わ、私の勘違い?」「アハハ・・・・そ、そういうこと・・・かな?」「アハハハ・・・・・ハ・・・・」
流れる沈黙。あれ?俺まずいこといった?そう思った時はもうすでに遅かった。
「こ、近藤君のばかあああ!!ずるい!私ばっかりずるいよ!近藤君のしてるのもみせなさいよ!!」
ちょっとまって!し、清水さん!?マジですか!?
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近藤君の場合@清水さんの場合3
妙〜な沈黙。意地っ張り、その言葉って私にぴったりだと思う。
じーっと、近藤君とにらみ合う。ごめんって小さく心で思う。でもひけない・・・・。
彼が目をつぶって、大きく息をすう。
怒られるのかな。嫌われちゃったかな。そんな気持ちがちらっとかすめた。
「うーー・・・」少しうなったあと、「ぅおし!やってやらあ!!!」ってズボン下ろし始めた。
ちょ、ちょっとまってよ!ああ!もう!もう!ばか!近藤君のばかあ!
恥ずかしくて見れない!どすん!と近藤君は私の隣に腰を下ろした。や、やだぁぁ・・・!どうしよう・・・・・!私はギュっと目を瞑り、枕に顔を押し当てた。
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7
気合だけ空回りというか。勢いだけというか。流れるエロDVD虚しく緊張のあまり勃たない俺・・・。な、なさけない!健康男子なのに!ちくしょー!
やつあたりと冗談、少しの本気を込めて「おまえもやれよ!」といった。
「え、ええ・・・!?」「お互い様だろ!?」「う、うぅ〜・・・・」納得できない顔。たたかれるかなと思ったらそっと防具のようにもっていた枕を横においた。あ、あれ?
二人静かにテレビを眺める。清水の肌の暖かさがだんだん近づいている。な、なんだよ・・・暑いはずなのに妙に気持ちいいような・・・・。
チラっと見ると下唇をギュっとかんでいるが心なし息が荒い。おかしい、おかしいぞこれ。こんなかわいかったっけ。いいにおいがする。シャンプー?やっべ・・・・・。俺おかしくなったんかな・・・
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