第二十三話『さくらと偽者のネギとキスの嵐』



「それでは時間になりましたのでキス争奪戦を始めます!」

前回により今まさに始まったキス争奪戦、今回の標的は三人ネギ・桜・雪兎だ。

「ねえねえどの班が一位になると思う?」
「やっぱり委員長なんじゃないかな?」
「桜子はどの班にかけた?」
「それは内緒だよ」

テレビ画面を見ながら予想しあう3−Aの者共、やはり今回のトトカルチョ人気ナ
ンバー1は委員長在籍第三班だ。
テストのトトカルチョで驚異の大穴を当てていたかなり運が強い桜子、今回はかつ
事ができるのか?
そしてエヴァと知世、どちらが桜の唇を先にゲットするのか。

「知世・・・貴様には負けんぞ」
「エヴァンジェリンちゃん私も負けませんわ」
「(やっぱり月城先生無理かな?)」
「(ネギ君ネギ君・・・)」
「(ネギ先生の唇は誰にも渡しませんわ)」

それぞれの班の思いが交錯する中それぞれの班が全く違う場所からスタートして始
まったキス争奪戦、ルールは皆さんご存知の通りだ。

そして今回の標的である桜とネギは自分達の偽者を作っていた。
桜は『鏡』(ミラー)ネギは刹那から教えてもらった式神を出していた。

「日本語って難しいですね四回もミスってしまいました」

自分の名前のカタカナをホギやら木ギやら四回もミスってしまったらしいネギ
、元々からしてネギは外国人なんだから仕方がない事だ。

「それにしても凄いですね桜さんの『鏡』(ミラー)カード、ほとんど桜さんにしか
見えません」
「べ・・・別に私じゃなくてカードさん達がすごいんだよ(テレッ!)」
「そうでもありません桜さんの魔力で私達が動いていますから凄いのは桜さんです」
「『鏡』(ミラー)さん・・・」

ネギと『鏡』(ミラー)の言葉に照れて手を頭の後ろに置く桜、そして話も終わると
桜はネギと共に窓から外へ出た。

「クラスの皆私がいない事に気づいたら面倒な事になるから『鏡』(ミラー)さん
私の部屋に戻っておいてください」
「はい」

すると旅館街へ見回りに行く桜とネギ、『鏡』(ミラー)のカードは桜とネギが見回
りにいくと共に六班の部屋へと移動するために廊下に出た。

そうしている間にも進行しているキス争奪戦、するといきなり三・四班がバッ
タリと出くわした。

「「あ!」」
―――バサバサ!
「もっ!」「ぷっ!」

そして会うなり枕で攻撃しあうまき絵と委員長、千雨はただやる気がなくやれやれ
という感じであやかにとどめをさそうと加勢に入った裕奈の足に自分の足を引っ掛
けて転ばす。
すると直後に階段の上からやって来た古菲の二班が現れた。

「(おおっ・・・エモノたくさん発見あるね)」
「(チャイナピロートリプルアターック!)」

ただ闘いたいだけなのか古菲はあやか・裕奈・千雨三人めがけて同時に枕をぶち当てる。
そして三つ巴大乱闘になる二・三・四班、するとネギの部屋にまだ桜がいると思っ
ているエヴァと知世が現れた。

「お・・・早速やってるな(ここらで少し知世に何か仕掛けるとするか)」
「その様ですね(ちょうど楓さんもいます事ですしそろそろエヴァンジェリンちゃ
んに何か仕掛けましょう)」

目の前の大乱闘の中同じような事を考えているエヴァと知世、するとエヴァが先に
自分の人形使い(ドールマスター)のスキルを使い糸でまき絵・あやか・裕奈を操
り始めた。

「なにこれー!」
「な・・・なんですの!?・・・体が勝手に動きますわ」
「どうなってるの!?」
「???どうしたあるか?」
「くっくっく・・・やれ!」

エヴァに操られ勝手に体が動くことに驚く三人と頭を?にして動きを止める古菲、
そして三人は操られながら知世に襲い掛かったのだが知世はすぐにエヴァの攻撃だ
と気づき知世も行動にでた。

「(まき絵さんやあやかさん達を操るとはエヴァンジェリンちゃんもやりますわね)
ですが楓さん」
「分かったでござる!」

知世の一言にいつの間にか飼いならされた楓は知世をお姫様抱っこして逃げる。

「何!・・・逃げるのか知世!」
「待つあるよ楓〜!」
「それはもうエヴァンジェリンちゃんも早く逃げた方が良いですわよ!」
「なに!?」

知世の言葉を聞いてエヴァが叫んだその時、少し離れた所から新田先生の声が聞こ
えてきた。

「コラ長谷川何やっとるか―――!」
「ぎゃぴいいーーーっ!」

まるっきりやる気がなく大乱闘の現場から離れた千雨が新田先生に捕まったらしく
知世は先にこの事を察知していたようである。

「ちっ!・・・邪魔か!」
―――ダダダダダ!
―――バコーン!
「っぶわあ!!!」
「んっ・・・何か轢いたか?」

糸での操りを解いて走って逃げるエヴァ、その際四班の裕奈をぶっ飛ばして(・・
と言うか轢いて)その裕奈も新田先生に捕まってしまった。

「二人ともロビーで正座だ!」
「「びぇ〜〜〜ん!!!」」
「(月城先生たすけて〜〜〜)」

そして新田先生にロビーで正座をさせられる裕奈と千雨、裕奈は新田先生と一緒に
いた雪兎に助けを求めたのだが、雪兎は・・・

「ゴメンね・・・」

・・・と裕奈を助けなかった。

これにより戦力が半減した三班と四班、これでは体力馬鹿の二班には負けてしまう
と同盟を組んだ。
そして一番最初に新田に気づいて逃げた知世、もうすでに古菲までも従えて仲間に
してしまっていた。

「そうでござるか、さっきのいいんちょ達の行動はエヴァ殿の仕業でござったか」
「糸で人を操るとはエヴァにゃんもやるあるね」
「ふむ・・・ここはどうするでござるか知世殿?」
「やはり先ずここはエヴァンジェリンちゃんよりか先に桜ちゃんの所へ行くしかあ
りませんわ、桜ちゃんは今ネギ先生と行動しているはずですから」

そして桜はもうすでにネギの部屋にいない事も知らずに急いで向う知世達、その頃
桜(ミラー)は別ルートで六班の部屋へと廊下を歩いていた。

「(桜さんの事もありますし早く部屋に戻らないと・・・)」

あまり人に見つかるとややこしくなるので桜の姿で急いで部屋へと歩いていく桜
(ミラー)、すると桜(ミラー)の前に新田先生が現れた。

「おっ・・・木之本、話は瀬流彦先生から聞いている、学園長の隠密らしいな」
「は・・・はい」
「まあ学園長の隠密の仕事も大切だが、木之本もできるだけ早くに切り上げて自分
の班の部屋に戻るように、他の生徒へのしめしがつかんからな」
「はい」

そして顔パスで通る桜、だがその様子はバッチリとTVから他の3−Aの生徒に見
られていた。

「あれっ・・・桜ちゃん今新田先生の横を通ったのに!?」
「どうなってるの!?」
「私も知らないよ!」

桜が顔パスで新田の横を通り過ぎた事にどよめきだす3−A、だがキス争奪戦は続いた。
一方旅館外へ出ていた桜とネギ、二人でパトロールをしているとネギはのどかの告
白の事でまた桜に相談した。

「桜さん僕はあの後考えて見たんですが、やはり僕にはまだ好きとかそう言うのは
分かりません、でも今日宮崎さんには今の僕の考えを話そうと思うんですがどうで
しょうか?」
「ネギ君がしんけんに考えた末に出した答えならそれで良いんじゃないかな、私は
反対なんかしないよ」
「そうですか、それでは今から旅館に戻って宮崎さんに話します」

そして旅館へ歩き出す桜とネギ、ちょうどその頃旅館内で行われていたキス争奪戦
は先ず最初に急がば回れの様に遠回りしていた五班の夕映とのどかが最初にネギの
部屋の前へと到着していた。

「(そこの304がネギ先生の部屋です。さあのどか今のうちに)」
「(え・・・でもたしか桜さんもいるんじゃ)」
「(良いですから行くです。桜さんも私達の協力者なんですから)」

まだネギと桜が部屋に居ると思っているのどか、今部屋で眠っているのは偽者のネギだ。
そして夕映とのどかが話し合っている時、天上からはしごと思われるものがバラリ
と落ちてきた。

「(あっ・・・五班!?)」
「(しまった! やるよ史伽!!)」
「(ふーちゃん・ふみちゃん!?)」

現れたのはくのいち衣装を着た鳴滝姉妹であった。
すると姉妹は双子である特権を使って忍法になってない『分身の術』を使ってきた。

「「(忍法分身の術〜〜〜!!!)」」
「(別に分身してないです〜!)」

のどかの目の前で分身?してみせる鳴滝姉妹、のどかは別に分身していない二人に頭の中でツッコミを入れる。
そして風香が先に枕を甲賀手裏剣として投げようとするとそれよりも先に夕映が風
香に向けて枕をぶち当てた。

「もげっ!?」
「風香さん史伽さん・・・私が相手です!」

夕映は一人で鳴滝姉妹を相手にし始めた。
夕映は先ず前手に両手に枕を持ち鳴滝姉妹同時に枕攻撃をすると凶器の分厚い本二つ程出して攻撃し始めた。

「夕映吉本で殴るの反則!」
「いいえ枕の上からでは無問題です!」

そして鳴滝姉妹と奮闘する夕映、するとそこへちょうど知世と古菲と楓が姿を現した。

「あ・・・古菲に楓姉!」
「知世さんこちらに加勢するです!」
「いや楓姉史伽達にするです!」

夕映と鳴滝姉妹両方とも三人に加勢するように話しかける。

「どうするでござるか知世殿?」
「私は楽しければどちらでも良いアル」
「いえ・・・ここは双方の事は置いておいて先に304号室に入りましょう。エヴ
ァンジェリンちゃんが来ては面倒ですので」
「そうでござるか・・・あいわかったでござる」

知世達は横で戦闘している三人を置いておいて先に部屋に入ろうとネギの部屋に近
づく、だが少し遅かったのか入る前にエヴァに追いつかれた。

「知世!・・・やっと追いついたぞ!」
「エヴァンジェリンちゃん!」
「お・・・きたアルなエヴァにゃん・・・これは少しは楽しめそうアル♪」
「ハイヤー!」

エヴァに気づくなりすぐ様足の裏に枕を装着させたとび蹴りを放つ古菲、だがエヴ
ァはそれを合気柔術使い、いともたやすく古菲を投げ飛ばした。

「へっ!?・・・おわっとっと・・・本当にやるアルねエヴァにゃん、さっきのはなにアル?」

投げ飛ばされた古菲は何とか地面に着地し、エヴァに今の技に関して聞いた。

「そんなものお前に教えてやる義理はない・・・行け!・・・我がしもべたちよ!」
「わ〜なんですかこれは・・・体が勝手に動くです!」
「どうなっているですかお姉ちゃん!」
「私も分からないよ!」
「わわわわわ・・・」

そしてエヴァに操られだした夕映とのどかと鳴滝姉妹、するとエヴァに操られたこ
の4人は知世たち三人に攻撃を仕掛けだした。

「やはりエヴァ殿のこの技は凶悪でござるな知世殿」
「はい・・・それでは古菲さんはあの操られた四人を、楓さんはエヴァンジェリン
ちゃんのお相手をお願いします。そのすきに私は304号室に入ります」
「ハイな!」
「分かったでござる」

知世の指示により古菲は操られた四人、楓はその元のエヴァ本人と闘う事になり動
き出す二人、そのすきに知世がネギの部屋に入ろうとしてエヴァが止めようと動き
出すが前には楓が立ちはだかりエヴァは知世を止める事ができない。
そして知世が「エヴァンジェリンちゃんお先に・・・」とネギの部屋のドアを開けると桜の姿はなくそこにあるのは眠っているネギ(偽者)の姿だけあった。

「桜ちゃんがいませんわ!」
「なんだって!」

桜がネギの部屋にようやく気づいた知世とエヴァ、するとエヴァはすぐに四人の操
りを解きその場から退散した。

その頃モニターを見ているトトカルチョに参加している見物者達は・・・

「お・・・ようやく桜ちゃんがいない事に気づいたみたいだね」
「私達はいない事をかなり前に知っていたし」
「そう言えばなぜ桜ちゃん新田先生の横を通れたんだろ?」
「「「それだよね〜」」」

今だについさっき桜が新田の横を何も無しで通り過ぎたことを不思議がっていた。
まあそんな事は置いておいて桜がいない事に気づいた知世達、すると知世は気づき
次第その場から去ったエヴァの後をついていった。
その去り際に知世は楓に一言い残した。

「楓さん私はエヴァンジェリンちゃんを追いますので後はお任せしますわ!」
「分かったでござる!」
「あれ・・・普通に動けるようになったです」
「よし史伽・・・続きをやるよ!」
「そうでなくっちゃアル♪」
「今ですのどか部屋に入るです!」

エヴァが去った事により普通に動けるようになった四人、すると夕映は動けるよう
になった瞬間スキをついてのどかを部屋の中へ押し込んだ。



そして一方ネギの部屋前から去ったエヴァとそれを追いかける知世、知世は走りな
がら今の桜の居場所を考えて推測した。

「(ネギ先生の部屋には桜ちゃんはいませんでした。・・・とすると桜ちゃんの今い
ると思われる場所は二つ・・・私達の部屋又はネギ先生と一緒に外に見回りにいか
れたこの旅館の外・・・この二ヶ所ですわ)」
「(先ほどネギ先生のお部屋で眠っていられるネギ先生を見かけましたがあれは不
自然すぎます。今はいつあの李君やそのお仲間さん達が木乃香さんを狙ってくるの
か分からない時に本当のネギ先生でしたら絶対に眠ったりはしません。ですから桜
ちゃんが今居るだろうと推測される場所は・・・・・・・・」




「旅館の外ですわ!」

「なに!・・・旅館の外か知世!(てっきり私は私達の部屋かと思っていたぞ!)」
「あら・・・エヴァンジェリンちゃん聞いてましたのですか?」
「そりゃああんな大声で旅館の外とか言われると聞こえるにきまっているだろう」

考えついた答えを大声で口走ってエヴァに聞かれてしまった知世、この後は桜を探
しに外へ行けば良いだけのはずなのだが、ここに一つだけ今回の事における厄介な点があった。

その点とは・・・

【仮契約成功の有効範囲は魔方陣内である旅館内の中だけ】

・・・である。

この事よりたとえ桜を見つけて外で仮契約のキスをしたとしても魔方陣外である旅
館の外では仮契約は成功しない。
しかも旅館内へ連れ込むために外に出たとしても桜とすれ違ってしまう可能性だっ
てある。


・・・と言う訳でエヴァと知世は桜とネギが旅館外から中へ戻ってくるまで一時休
戦としてソファーに座りくつろぎ始めた。

「ふ〜・・・これだけ騒ぎましたから少し疲れましたわ」
「まったくだ・・・そういえば知世お前いつの間に長瀬楓を飼いならしたんだ?」
「別に飼いならして等はありませんわ。楓さんと私はお友達ですので少し手を貸し
ていただいただけです」
「本当にそうなのか・・・」

知世の言葉を全く信じられない様子のエヴァ、そうしてエヴァと知世がくつろぎな
がら話していると雪兎が現れた。

「知世ちゃん、こんな時間に何をしているのかな?」
「あ・・・月城さん、桜ちゃんを待っているのですわ」
「そうか桜ちゃんを待ってるのか、・・・でも早く自分の部屋に戻った方が良いよ。今はこの場に居ないけど新田先生に見つかるとあの二人のように朝まで正座 だか
ら」
「それはご心配ご無用ですわ、もう手はうってありますので」
「え・・・そうなの?」

その頃新田先生は・・・

「ふう・・・それにしてもさっきは一緒に居なかったが木之本と大道寺が学園長の
隠密とは・・・それにしても何の指令を学園長から受けているんだ?」

新田先生の頭の中でいつのまにか知世まで隠密という事になっていた。

そしてそのせいかもあってゆっくりとロビーでくつろいでいる知世、エヴァの場合
はもし見つかったとしても気絶させて記憶を消せば良いだけなのでエヴァまでくつ
ろいでいる。

・・・と言う事で今新田先生は戻ってきてはいけない。
なぜならそこには真祖の吸血鬼であるエヴァが居るからである。

そしてゆっくりとコーヒーを飲み始めた知世とエヴァ、するとぞろぞろと参加者達が現れ知世とエヴァの目の前に四人のネギ(偽)が現れた。

「あらあら・・・(これは偽者ですわね)」
「ん?(朝倉の用意した坊やの偽者か?)」
「わー・・・ネギ先生がいっぱい!」
「(気をつけておそらく朝倉さんの用意した偽者です!)」

いきなり現れた四人のネギ(偽)に一同(エヴァ・知世・夕映は全部偽者だと気づ
いているので抜く)は騒然となる。

そしてその騒然とした中先ず始めにどうでも良いからキスするアル〜っと言う勢い
で古菲が楓の捕まえた一人のネギ(偽)の前へ飛び出して頬にキスをした。
するとどうだろう爆音&煙と共にその場に居たネギ(偽)は爆発しミギと書かれた
紙型に戻った。

「・・・全くなぜ気づかんのだこいつら・・・この坊や達が偽者だと言う事に・・・
馬鹿か?」
「まあまあエヴァンジェリンちゃん、皆様一般人の方々何ですから・・・」
「あっコラなんだこの煙は!?」
「(まずい皆新田だよ!)」

煙が上りそうこうしている間に新田が現れ裕奈が皆に報告するがまずいのは新田だ。
今まさに新田は魔の領域に足を踏み入れたのだ。
・・・と

「面倒だから気絶させるぞ」
「がっ!」
―――バタリ

やはり新田はエヴァにより面倒と言う理由で気絶させられなおかつ今日一日の記憶を抜かれた。(新田先生アーメン)

「あ!・・・新田先生!」
「大丈夫ですわ月城さん少し眠らされて今日の記憶を消されただけですわ」
「え・・・そうなんだ・・・なら安心だね」(安心なのか?)
「ですから月城さん、新田先生を先生達の部屋に運ぶのを頼みましたわ」
「あ・・・うん」

そして雪兎は混乱の最中の中新田先生をかついで行き、他の参加者達も偽ネギを追
い回し始めた。

「さてとそれと夕映さんのどかさん・・・」
「はいなんですか知世さん?」
「ネギ先生はたぶんもうすぐ桜ちゃんと一緒にこの旅館の外から戻ってくると思わ
れますのでこの場に残ってくださいな」
「そ・・・そうですか情報ありがとうです知世さん」

そして参加者達がネギ(偽)を追いかけていく中知世の情報により一階ロビーに残
った夕映とのどか、すると案の定旅館のあちこちから爆音が聞こえてきた。

「やはりあのネギ先生達は偽者でしたね」
「ハイ・・・私のエヴァンジェリンちゃんも一目で偽者だと分かっておりましたから」
「そうですねネギ先生がこんなアホな騒ぎに参加するはずがありませんです」
「桜ちゃんもですわ♪」
「むっ!・・・桜さんとネギ先生が来ましたです!」
「あれ・・・エヴァンジェリンちゃんがおりませんわ?」

一階ロビーに桜とネギが入って来た事にいち早く気づいた夕映、すると知世はいつ
のまにかエヴァがいなくなっている事に気づいた。

「(これはなにかあるのでしょうか?・・・でもこれはチャンスですわ!)」
「ホラのどか・・・」

知世がエヴァが居ない事を少し考えている間にネギの前へのどかを出す夕映、するとネギとのどかはそれぞれの名前を呼び合った。

「み・・・宮崎さん・・・」
「せ・・・ネギ先生・・・」

なんかラブ臭と言うわけの分からない匂いを周囲に発し始めた二人、するとネギは
今回の事の答えをのどかに話した。

「宮崎さん僕にはまだ人を好きになると言う事は分かりませんし宮崎さんにちゃん
としたお返事もできないんですけど、宮崎さん」


「はい・・・」




「―――あのと・・・友達から始めませんか?」

ネギの考えた末での結論、それをのどかに言い渡すとのどかは満面の笑みを浮かべ
てネギに一言返した。

「はい」

そしてのどかの事がようやくかたづいたネギ、すると知世と夕映が後ろからのどか
をドン!っと力強く押した。

「あ!・・・」

押されたのどかはネギの方へ倒れてその勢いで二人の顔は近づき双方の唇が重なった。

―――んちゅ♪
「あっ・・・すすすすいませっ」
「いえ・・・あのこちらこそ!」

そして出てきた仮契約カード、そのカードには日本語に翻訳するとこんな事が書い
てあった。

【恥ずかしがりやの司書】

こうして仮契約を成功させたのどか、するとお次は知世の番である。

「桜ちゃん・・・私達も仮契約致しましょう!」
「え・・・知世さん・・・?」

すると知世は速攻桜の顔に自分の顔を近づけて桜と唇を重ねた。

―――んちゅ♪
―――パアアアアー

「やりましたですわ〜」
「と・・・知世さん・・・」

そして誰もが知世の勝ちを確信し、光の元に現れたカード、知世が手に取りそのカ
ードを見てみると日本語でこんな事が書かれていた。

【さくらちゃんずきおじょうさま】

「あれ・・・これはスカカードですわ!」

スカカードを持ったまま驚愕する知世、すると知世のそばに居た桜が話しかけてき
た。

「あの・・・知世さん・・・私ミラーなんですけど」
「え・・・ええーーー!!!!」

実は今まで本物の桜だと思っていた人物はさくらカード鏡(ミラー)だった。
そしてその事に気づき大声を上げる知世、なぜいつのまにかミラーとさくらの位置
が入れ替わっているのかと言うとこんな事があった。



それはネギがさくらと共に旅館へ戻ろうとしていた時であった。

「そういえば私もそろそろ眠くなってきちゃったよ」
「そうですね、もうこんなに夜も遅いことですし桜さんは先に旅館にもどって休ん
でください」
「うん、でもまだネギ君心配だからミラーさんを呼んでくるね」
「あ・・・はい」

そしてネギに待っていてもらい翔(フライ)を使い旅館の窓からミラーを呼んでき
た桜、すると桜はまたフライのカードで自分の部屋へ飛んで帰っていった。

「・・・ですから桜さんは今部屋に居るんです」
「そ・・・そんなですわ・・・私が桜さんとミラーさんを見間違うなんて・・・」

何よりもミラーと桜を見間違えてしまった事にショックを受けた知世、知世はヨロ
ヨロと気絶しそうになると足がもつれて躓いた。

「キャッ!」
「危ない知世さん!」

躓いて倒れそうになる知世の前に条件反射で出たネギ、するとどうだろうネギと知
世の顔が近づいて二人の唇は重なってしまった。

―――ンチュ!

「あら・・・すみませんネギ先生」
「こ・・・こちらこそ!」
―――パアアアアー

そしてまた出てきたカード、今度出てきた知世のカードは仮契約カードで日本語に
翻訳するとこんな事が書かれていた。



【全てを見透かす同性愛者】

こうしてネギと仮契約をしてしまった知世。こうしてキス争奪戦も終わりいつのま
にかロビーから姿を消していたエヴァはと言うと自分達の部屋へ急いで走っていた。

「知世はあれがミラーだと気づいていなかったみたいだな、あいつが魔法使いでな
い事がここで私に吉となるとわな」

エヴァは先にネギと桜(ミラー)がロビーに入ってきた時に桜がミラーだと言うこ
とに一瞬で気づいていたみたいだ。
そしてエヴァは桜が今居る自分達の部屋の前にたどりつき力いっぱいエヴァはドアを開けた。

―――バン!
「桜!」
「・・・なにエヴァちゃん?」

桜はちょうど眠っていたみたいでエヴァの大声で目が覚めて目を擦りながら身体を起こす。
エヴァはそんな桜にズカズカと近寄った。

「桜仮契約するぞ!」
「え・・・エヴァちゃん・・・?」

咄嗟の事なので何がなんだか理解できない桜、するとエヴァはいきなり桜の唇に自
分の唇を重ねた。

「え・・・エヴァちゃん(///)!?」
―――パアアアア〜
「やった!・・・桜との契約成功だ!」


そして光と共に出てきた仮契約カード、それには日本語に翻訳するとこんな事が書かれていた。





【人形達の指導者】
―――バシィィィーーーン

「なぜ私がカードに載っているんだ!」

カードを見た瞬間自分がカードに載っている事に気づきカードを地面にたたきつける。
そしてエヴァには怒りがこみ上げていきその怒りは頂点に達した。

「下等生物がーーーーーー!!!!!!!!!」

もうすでに顔が鬼と化してしまっているエヴァ、エヴァはその勢いで部屋から出て
行き一直線に朝倉とカモの居る場所に何もかもすっ飛ばして走った。

「くぉらー!・・・下等生物!」
「ひっ・・・エヴァンジェリン!」
「え・・・エヴァちゃん顔が恐いよ・・・」
「お前ら二人今から死ぬ覚悟はできているんだろうな、リク・ラク・ラ・ラック・
ライラック・・・」

喋りながらすぐに呪文を詠唱し始めたエヴァ、するとその目の前にケルベロスが現
れた。

「小娘が桜の従者になるように細工させたのはわいや」
「な・・・なに!」
「そう・・・わいはあんさんがこの朝倉の姉ちゃんとカモッちの前から去った後す
ぐに小娘が従者になるように細工させたんや、なんせ桜が従者やとわい等まで小娘
の従者と言う事になるからな」
「く・・・くそ貴様・・・」
「おっ・・・やるかー・・・やるならこいや!」
「リク・ラク・ラ・ラック・ライラック・・・」

ケルベロスは身構えエヴァは呪文をまた詠唱し始める。
するとそれを止めるかのように桜が現れ大声で二人を止めた。

「二人ともやめなさい!」
「「桜・・・」」

桜の言葉に二人とも止まり桜を見る。
するとカモと朝倉の所に歩いていき話しかけた。

「カモさんに朝倉さんですねこんな事を考えたのは?」
「「あ・・・う・・・うん」」

朝倉とカモは桜の勢いに圧倒され潔く頷いてしまう。
すると桜は『小(リトル)』のカードを使い朝倉をカモと同じくらいの大きさに、カ
モを米粒ぐらいの大きさに小さくした。

「さ・・・桜ちゃん許して〜!うわっハエでか!」
「桜嬢ちゃんこの大きさはヤバいっすよ、この大きさだと虫に食われるっすよ!」
「反省するまでそうしてなさい!」

もうすでに二人の聞く耳を持たない桜、すると桜はケルベロスとエヴァの方向をむ
いてカードを持ったままニッコリ笑った。

「これでこの二人も反省すると思うし二人も喧嘩しちゃダメだよ」
「「わ・・・わかった・・・ガタガタブルブル!」」

ニッコリ桜の異様なオーラに震えて頷く二人、すると桜は二人に話しかけた。

「それじゃあエヴァちゃんケロちゃん部屋に戻ろう」
「桜ちゃ〜ん本当にゴメンなさい〜!」
「嬢ちゃんは・・・ハエが俺っちの目の前に!」

そして小さくなったカモと朝倉を残して部屋から去っていく三人、こうして今回仮
契約を成功させたのは三人で表にまとめるとこうなった。

のどか(従者)→ネギ
知世 (従者)→ネギ
エヴァ(従者)→桜
知世 (スカ)→ミラー

ついでにトトカルチョの結果

単勝:宮崎のどか(五班) 賭けた人:椎名桜子一人
連番:宮崎のどか(五班)―大道寺知世(六班)賭けた者なし
知世VSエヴァ結果
勝者:知世(誰も本当はエヴァが勝った事に気づいていない)

またついでに今回の負傷者3人

新田先生(気絶)
朝倉和美(小人化)
アルベール・カモミール(大きさが米粒化)

裕奈と千雨は新田先生がエヴァに気絶させられた為争奪戦が終わると同時に開放さ
れたと言う。

<第二十三話終>




『ケロちゃんの次回予告コーナー』


「こにゃにゃちわ〜!」

「今回作者自身忙しすぎてこの小説の投稿遅くなったけど」

「ワイことケルベロスの次回予告コーナーがやってきたで〜!」

「さて今回のゲストは・・・」

「今回ネギ坊主のキス争奪戦の敗者の一人、委員長の姉ちゃんや!」

「ケルベロスさん!・・・そういう紹介の仕方はやめてくださいます!」

「でも今回負けたのはホンマの事やろ」

「それはそうですが・・・私もネギ先生とキスしたかったですわ・・・(ズーン)」

「まあまあ姉ちゃん落ち込むなやまだまだこの小説続くんやからまだチャンスなん

かいくらでもあるやろ」

「そ・・・そうですわね・・・次こそはネギ先生の唇を私が奪って見せますわ!」

「まあネギま!の本編でもまだできてないから無理やと思うけど」

「あああ・・・・そうなのでございましたわ・・・・ネギ先生をこれだけお慕いし

ておりますのになぜ私だけネギ先生とキスができないのでしょう・・・」

「まあまあ・・・ネギ坊主の代わりに今度ネギ坊主になったミラーにキスさせた

るさかいにまたそんなに落ち込むなや」

「いりませんわ!・・・私は本物のネギ先生がよろしいですの!」

「わかったわかったそれやったら自分自身頑張るしかないやろ」

「そろそろ次回予告せな時間がなくなるで!」

「あら・・・そうですわスミマセン」

「・・・と言うわけでそろそろ次回予告行くでー」

「さて次回のタイトルは・・・」

「『さくら出番あまり無しのシャオラン時間』ですわ」

「全く敵として小僧達がでて来なかった修学旅行二日目」

「その日は小僧達は京都観光をしていた」

「さて小僧達は京都の何処を観光していたのか〜」

「が次回の見所ですわ」

「・・・と次回予告が終わった所で名残惜しいけどそろそろ終わらなあかんじかんや」

「それでもわいのかっこえ〜姿を見たい言うんやったら今毎週木曜日の19時25

分からカードキャプターさくらの再放送やっとるからそこで見てな」

「ほなそろそろいつも好例の最後のキメいこか〜!」

「委員長の姉ちゃんも読者の皆も一緒に〜」

「ほなな〜」「さようなら」


<終>


前へ 戻る 次へ