第二十四話『さくら出番あまり無しのシャオラン時間』



のどかの告白やキス争奪戦等があった修学旅行二日目、その日は全くシャオラン達
や天草千草による敵襲がなかった。
なぜシャオラン達や天草千草が奇襲を仕掛けてこなかった二日目にはシャオラン達
はこんな行動をしていた。
話は時間を戻してネギや桜達との戦闘から撤退した後、シャオラン達は小太郎達が
今居るアジトの場所へと走って向っていた。

「で・・・これからどうするんだ小僧?」
「そうだね・・・今回は桜ちゃんが敵に回ってしまったし難しいよ、乱暴なことできないし、しかもあの桜ちゃんの魔力はオレの魔力を大きく凌駕していたし、 あの
魔力で攻撃魔法なんて使われたらオレ達ひとたまりもないよ」
「そんなに大きな魔力だったんですかファイさん?」
「うん・・・オレが今まで見てきた魔術師達の誰よりも大きな魔力だったよ。さす
が違う世界でも桜ちゃんは桜ちゃんだね」
「そうですか・・・」

ファイの言葉により無口になるシャオラン、そしてこの後会話もないまま千草と合
流して小太郎達のいるアジトへとたどりついた。

「あ・・・そう言えばサクラちゃんどうする?このままあの人と会わせちゃう?」
「そうですね・・・まあ大丈夫でしょう」

するとそのまま天草千草と共にアジト内へ入っていくシャオラン達、するとやはり
サクラとモコナが出迎えた。

「あっ・・・シャオラン君お帰りなさい!」
「おかえり〜シャオラン・黒リン・ファイ!」
「あ!・・・あんさんはさっきの!?」
「???」

サクラを桜と見間違えて身構える千草、魂まで同じ存在なのだから仕方のない事だ。

「千草さん・・・この人は違いますよ・・・」
「ん・・・何どすか?・・・」

そしてシャオランはサクラと桜が違う人物だと説明する。
ただし今の所はフェイトがいるのでたまたまのそっくりさんとして・・・

「そうどすかそっくりさんなんどすか・・・本当に似ておますなこのお嬢ちゃん・・・
ウチも一瞬身構えてしもうたわ」
「あ・・・あの・・・何かあったんですか?」

今日何があったか全然知らない桜、すると千草が今日あった事を話し出した。

「いやな・・・今日敵の仲間の中にお嬢はんと同じ顔「ちょっと千草さん良いです
か?」・・・何どすかシャオランはん?」

喋っている最中にシャオランは千草をサクラから遠ざける。

「千草さん、今日あったことは秘密にしていてください」
「え・・・なんでどすか?」
「理由は後で話しましょう・・・ですから今の所は黙っていてください」
「な・・・何や分からんけど・・・わかったわ」

そして桜の事は今の所黙っていて貰う事になったシャオラン、するとモコナがシャ
オランに話しかけてきた。

「そういえばシャオラン」
「なんだいモコナ?」
「シャオラン達が出ている時モコナ遠い所で何か感じた事がある魔力の気配を感じたの」
「え・・・それは何処から!?」

シャオランはモコナの話に驚いて大声でモコナに聞く、するとモコナは話した。

「う〜んと、今はもうしないけどちょっと遠い数キロぐらい離れた所から感じたの、
後もうちょっとでこの気配が誰なのか思い出すのにそれが誰なのか思い出せない
の」
「(これってファイさん・・・)」
「(うん、今日会った桜ちゃんが関係しているんじゃないかな?)」

そして相談するファイとシャオラン、すると小太郎がシャオランに話しかけてきた。

「なあシャオラン兄ちゃん、今日戦ってきた敵で強い男おらんかったか?」
「え・・・それは(この世界のサクラ姫に気を取られていてサクラ姫以外ほとんど
見てなかったな・・・僕が少し戦ったあの二人は女の子と西洋魔術師のの男の子だ
し・・・)」

敵の強さに関してあんまり見ていなかったシャオラン、すると黒鋼が小太郎の質問
に答えた。

「小僧・・・他の奴らはどうか分からんが今日俺が戦った奴(ユエ)はかなり強かったぜ」
「お・・・ホントか黒鋼の兄ちゃん」
「俺と同じくらいの実力だったからな、この中であいつと互角にやりあえるのは俺
と・・・(あのフェイトって言う奴くらいだな)」

フェイトの名前を言いかけてしまい少し間を空ける黒鋼、すると黒鋼はドカッと壁
にもたれた。

「・・・まあ小僧、今のお前じゃ奴には逆立ちしたって勝てないぜ」
「それってどういうことや兄ちゃんワイも強いで」
「ああ・・・それは俺もわかるがお前はまだまだ子供で未熟だ。お前が普通にやり
あえたとしても大体月詠とやりあっていた娘とシャオランとやりあっていたあの魔
法を使う歳はお前くらいの小僧ともう一人の娘のどちらかだろう」
「まあオレが闘っていたあの獣みたいなのも強かったけどね」
「お前は逃げていただけだろう!!!」

いきなり話に入ってきたファイに黒鋼のツッコミが入る。

「(・・・でもあの桜ちゃんはもう一段階上だよね)」
「(ああ・・・あん時はシャオランがいて驚いたために攻撃呪文は使ってこなかった様だが・・・)」
「(ホントマジ使われたら終わりだよね)」
「(・・・・・)」

改めて桜の魔力の強さを小声で会話し認識しあう黒鋼とファイ、シャオランはその
会話を黙ってみていた。

「さ〜て今日の所はもう夜も遅い事どすので、皆はんももうそろそろ休みましょうえ」
「そうやな〜俺ももう眠いし・・・話はまた明日にしても寝よか」
「そうだね・・・」

小太郎の言葉にシャオランはすぐに返す。
そしてサクラの方をシャオランが見てみると・・・

「zzz〜〜〜」

もうすでに眠っていた。

「サクラちゃんオレ達がさっきから話している間に又眠ってしまったみたいだよ」
「そうですか・・・」
「ホンマよ〜寝るな〜この姉ちゃん」

サクラの寝顔を見ながらシャオランは自分の手をサクラの頬に置き、小太郎は長時
間眠るサクラにあきれていた。



―――そして次の日の朝・・・・
シャオランが起きてみるとシャオランの前にはまだ眠っている黒鋼・サクラともうすでに起きているモコナ・ファイ・小太郎・月詠の姿があった。
だが、千草とファイトの二人ほど姿が見えなかった。

「シャオランおっはよ〜!」
「おはようモコナ・・・あれ・・・千草さんは?」

シャオランが辺りを見回しながら聞くと月詠がゆっくりと答えた。

「千草さんは〜昨日の戦いで御札が切れたみたいなのでファイトさんと共に補給に
に出かけました〜。後今日はその事によりお休みの様です〜」
「そうですか」
「だからね〜今日はこの京都って言う町を観光しようと思って月詠ちゃんとお話し
てたんだ」
「うん・・・京都観光京都観光!」
「侑子がいる世界にも京都ってあったけどモコナ行った事が無かったんだ」
「そうなんだ」
「そうなの・・・だから今日清水寺とか映画村とか案内してくれるように月詠と交渉していたの」
「はい〜」

モコナの話に月詠はゆっくりと答える。
すると古いもの等に目がないシャオランのテンションは上がりサクラと黒鋼が起き
た後朝食を食べたらすぐに月詠・小太郎と共に京都観光に出かけた。

「な・・・なぜ俺まで出かけなきゃなんねぇんだ・・・」
「まあまあ黒リン」
「誰が黒リンだ!」

いつもの様にファイは黒鋼を黒リンと呼び黒鋼はファイに突っかかる。

「まったく・・・そういやこの世界にはマガニャンっつう漫画雑誌ねぇのか?」
「は〜マガニャンですか〜私は漫画の類にはうとくて〜」
「それよりも早く行きましょう清水寺へ」
「わ〜シャオラン君生き生きしてるね」
「ホンマ兄ちゃん古いもんが好きやねんな・・・(汗)」

いつも以上にテンションが高いシャオランは子供のようにメンバーの一番前を急い
で清水寺に急ごうとする。
すると坂道を上って清水寺へ向っているシャオラン、すると前に小学生の修学旅行
集団みたいな長い行列が現れた。
そしてシャオラン達がその行列の横を歩いていると目の前の女の子がシャオランの
目の前でいきなり躓いて倒れた。

「うわ!」
―――バターン!

いきなりシャオランの目の前でこけたお団子頭の女の子、するとシャオランは大丈夫?・・・っと話しかけた。

「痛たたた・・・大丈夫ですって・・・・」

シャオランの問いかけに答えてシャオランに顔を見せた女の子、するとその女の子
の顔が一気に赤くなり目は潤んできた。

「(か・・・カッコイイ!)」
「あの・・・お名前はなんでしょうか?」
「え・・・名前?・・・シャオランだけど・・・」
「シャオランさんか〜・・・良い名前ですね〜〜!」

いきなりシャオランに名前を聞いてきてシャオランにくっついてくる女の子、する
とその横にいた友達らしき女の子が呆れながら喋った。

「ああ・・・また始まったねどれみちゃんの病気・・・」
「ハイハイどれみ早くいくよ!」
「ああ〜ん少し待ってよはなちゃん」

そしてはなと言う女の子がどれみと言う女の子をズルズルと引きずっていく。
するとどれみはシャオランに向けて大声を放った。

「シャオランさーんまた会いましょうね〜!!!」

大声を放ちシャオランからどんどん遠ざかっていくどれみと言う女の子、するとサ
クラが「少し変な子だったね」とシャオランに話しかけた。



・・・すると

―――ガーン!

遠ざかっていくどれみにサクラの姿が見えたのか今まで元気だった声がおさまりど
れみの顔は一瞬にしてミイラのようにやつれていた。

まあそんな事はほっといて(ひど!)そのまま坂道を上がって行き清水寺に到着し
た小狼達、すると月詠が清水の舞台の説明をした。

「清水寺の本堂いわゆる『清水の舞台』です〜」
「本来は〜本尊の観音様に能や踊りを楽しんでもらう為の〜・・・」

十七話の夕映と同じように説明し始めた月詠、シャオランは月詠の話を熱心に聞くのだが、今度は小太郎がそんな訳の分からない話に付いて行けず・・・

「も〜訳分からんな〜要するにここから飛べばいいんやろ!」

・・・との勢いで月詠の話の途中で清水の舞台から本当に飛び降りた。

「あ・・・小太郎君!」

いきなり飛び降りた小太郎に続いて飛び降りるシャオラン、するとやはり月詠やモ
コナやファイ達も続いて飛び降りた。

「オレも飛び降りようかな」
「モコナも〜!」
「ウチも飛び降ります〜・・・」
「ったくしゃあねぇな」

黒鋼はサクラをお姫様抱っこして飛び降りる。
そして下へ普通に着地したシャオラン達、全員着地し終わるとシャオラン達は一般
人の方々に囲まれていた。

「え・・・この人たちは!?」
「こんな派手な事しちゃったらこうなるのも仕方がないね〜」
「そうですな〜」

もの凄い人だかりに驚くシャオラン、ファイと月詠はのんきに今の状態を分析する。

「そんなのんきな事言ってんじゃねぇ・・・早くここから立ち去るぞ!」
「わ〜い退却だ退却〜!」
「白饅頭お前は黙ってろ!」
「モコナ白饅頭じゃないも〜ん!」

黒鋼がモコナを黙らせようとしながらその場から退却するシャオラン達、そしてな
んとか人気がいない所まで逃げる事ができた。

「なんとか逃げる事ができましたね」
「小僧、お前が清水から飛び降りるからだぞ!」
「ははは・・・すまんすまん黒鋼の兄ちゃん」

小太郎に怒る黒鋼、小太郎は笑いながら黒鋼に謝る。
そしてシャオラン達が一息着くとどこからともなく女性の声が聞こえてきた。

「・・・やっと見つけましたえ月詠はん・・・」
「な・・・なんだこの声は?」
「こ・・・この声は〜・・・・ガタガタブルブルガタガタブルブル」
「ど・・・どうしたんですか月詠さん!?」

いきなり異様に震えだした月詠に驚くシャオラン、するとその声の主が姿を現した。

「あ・・・あなたは?」
「つ・・・鶴子お姉様〜ガタガタブルブルガタガタブルブル」
「お初にお目にかかります〜元神鳴流師範代青山鶴子と申す者どす〜」
「あ・・・これはどうもおれはシャオランといいます」
「私はサクラです」
「モコナはモコナ〜!・・・後黒鋼とファイだよ!」

礼儀正しく自己紹介してくる鶴子にシャオラン達は自己紹介を仕返す。

「まあまあこれはご丁寧にどすな〜・・・と月詠はん」
「依頼を受けて仕事をする・・・そこまではよろしいおますが月詠はん」
「は・・・はい〜(汗)(汗)(汗)」

鶴子の呼びかけに月詠は大量のを流しながら鶴子の顔を見る・・・
すると鶴子にまとわり付いたオーラが次第に大きくなりながら鶴子は話を続けた。

「ウチ等が守らなあかんはずの木乃香お嬢様を狙う者達になに雇われとんのや」
「で・・・でもお姉様〜お給料が〜(汗)(汗)(汗)」
「でももへったくれもない・・・月詠はん〜ここまで言ってもまだ分からない様ど
すな〜これはちょっとお灸をすえへんとな〜」

すると鶴子の発するオーラが極大にまで高くなり、そして鶴子は刀を抜いた。

「も・・・もう終わりです〜ガタガタブルブルガタガタブルブル(泣)」

もうすでに終わりを震えながら覚悟する月詠、すると黒鋼が鶴子の前に出た。

「さっきから会話を聞いていたが、要するにあいつは敵って事だな」
「だ・・・ダメどす〜黒鋼さんでも勝てるかどうか〜」
「大丈夫だ・・・俺もあの女が強え事ぐらい見ただけで分かる。ここまでオーラが
ビンビン伝わってくるからな。お前等手出しは無用だぞ」
「分かってます」
「俺は女とは戦わん主義やしな」

するとシャオラン達は後ろへ下がり黒鋼と鶴子は向き合った。

「あんさんも奴等の仲間どすか、なら手加減はしまへんえ」
「ああ・・・俺もお前が女だからって手加減なんてしねぇからな」
「あんさんもかなり強いどすやろ」
「ああ」

黒鋼が鶴子の問いかけに答えた瞬間、二人の戦闘が始まった。

「『破魔・竜王刃』」
「『奥義・斬空閃』」

二人は始まった瞬間自分の飛び技を繰り出しその技は双方の威力で相殺される。
そしてそのすきに双方ほぼ同時に間合いを詰めすれ違うと、さっきの立ち位置とは
逆の立ち位置に両方とも立った。
すると黒鋼の肩からは血が噴出した。

「黒鋼さん!」
「黒リン!」

肩から血が噴出した黒鋼にモコナとサクラが声をかける。

「大丈夫だ・・・相打ちだ」
―――ブシュッ!

黒鋼が答えた瞬間鶴子の腕から黒鋼と同じように血が噴出した。

「痛いどすなあ・・・これは両者実力はほぼ同じという事どすな」
「ああ・・・俺は今まで強え奴と戦ってきたが女でしかもこれほどまで強え奴と戦
ったのは初めてだぜ」
「お褒めの言葉ありがとうどす・・・さて・・・勝負の続き・・・」

鶴子がそう言うと黒鋼はまた構え凄い目つきで鶴子をにらみ付けた。
そして・・・




「・・・は今はやめときましょ」
―――ドカン!

いきなりそう言って刀を納める鶴子に黒鋼は刀を持って構えたままこけた。

「・・・ってなぜ今の状態で戦いを終えんだコラ!」
「だってしゃあないやろ、あんさんウチとほぼ同じくらいの実力の持ち主でしかも
まだ黒鋼はんまでとわ言わんけど仲間がまだ後ろにおるんやからここはウチの負けどす」
「だから後ろの奴には手出しはさせねえって!」
「でももうウチは現役と違いますし、あんさんほど強いのとやりあうなんて面倒
やし・・・」

迫ってくる黒鋼に理由を話す鶴子、すると黒鋼は後ろを向き地面に唾を吐き捨てた。

「けっ・・・もう勝手にしろ!」

黒鋼はそう言うとシャオラン達がいる位置まで歩いていき、鶴子もその間に退散した。


そしてその夜・・・

「なんやて・・・あんさん等よう無事やったどすな〜相手は世に聞く青山鶴子やっ
たどすのに」
「はい〜ウチはもうダメかとは思いましたが〜黒鋼さんのおかげで何とか〜」

無事だった事に感心する千草は月詠から黒鋼と鶴子が戦った事を聞く。
すると黒鋼が口を開き月詠に問いかけた。

「あの女そんなに有名なのか?」
「は・・・はい〜鶴子お姉様は〜裏の世界の京都で〜知らない人がいないくらい凄い人です〜。今はもう現役を引退してますが〜その実力は長い神鳴流の歴史の 中で
も一番と言われるほどの実力の持ち主です〜」

すごすごと鶴子の強さを答える月詠、すると黒鋼が刀を握りながら答えた。

「そこらを抜きにしてまたあいつとやりあいたいものだな」
「でも相手は女やで黒鋼の兄ちゃん」
「小僧これだけは覚えとけ、達人に女も男もねぇ。あるのはそいつが強いかどか・・・
それだけだ」
「俺にはわからんな」

小太郎は手を肩の横に置いて首を振る。
そして数秒間を空けると千草が話の中にわって入った。

「まあこの話はこれぐらいにしといて、今からはあの話をするどすえ」
「あの話・・・?」

シャオラン達は顔を変えサクラはあの話と聞き頭を?にする。
するとファイがサクラを話から遠ざけようとサクラに話しかけた。

「サクラちゃん・・・そろそろ夕飯の用意でもしようか」
「え・・・あ・・・はい」

ファイはサクラの背中に手を当てながらアジトのキッチンの方へと先導する。
そしてサクラとファイがその部屋のから出ていくと話は始まった。

「先ずは今回の標的と敵のお仲間はんの確認どす」
「標的は皆はんも分かるように関西呪術協会の長の娘の近衛木乃香お嬢様や。お嬢
様は極東最強と言われるほどの魔力を持っていて、それが今回の目的どす」
「さて、ここでウチ等に立ちはだかる敵のお仲間さんの紹介や」

千草がそういうと月詠が助手みたいにいつのまにかあった黒板にネギや桜達の写真
を紹介しながら張り始めた。

「先ずはこのネギと言う子供の西洋魔術師どす。昨日の夜からして戦闘能力とか見
てもあんまり気にかける事はないと思いますけれども、この子供はあのナギ・スプ
リングフィールドの子供と言う情報も入ってきておます」
「あの・・・千草さん」
「なんどすかシャオランはん?」
「ナギ・スプリングフィールドと言う人はいったい?」
「今は死んだと言われておますが、かつて裏の世界で英雄と言われた程の西洋魔術師どす」
「分かりやすく言うと黒鋼はんが今日戦った青山鶴子はんよりか実力は上と言う話
どす」
「へぇ・・・そんなに凄い人なんですか」

千草の話を聞いて感心するシャオラン、そして話は続いた。

「まあ話は戻りおますが、この子供と戦う時にはこのアスナと言う従者と思われる
女の子が付くと思われるどす」
「この事からこの子供の相手は小太郎はんにお任せしますえ」
「よっしゃ分かったわ、ふぬけの西洋魔術師は俺がボコッたるわ」

小太郎はガッツポーズをとりながら千草の言葉を聞き入れる。

「さて次は月詠はんと同じ神鳴流のこのお嬢はんやけど・・・」
「はい〜・・・刹那先輩とは私が戦います〜」
「・・・と言う事で月詠が担当や」

刹那の写真が上った瞬間月詠は待ってましたかの言うように名乗りを上げた。

「そして最後は(シャオランはん曰く)この世界の桜嬢はんや」
「あれ・・・千草さん後の二人は?」
「あとの二人は飛ばしていた偵察の式神が言うにはどんなに探してもおらんかった
らしいんや」
「代わりにこの桜嬢はんの周りには変なぬいぐるみがとんどったけどなあ」

ここに来て変なぬいぐるみ扱いをされるケロちゃん、するとフェイトが桜の横に移
っている人物に気づいた。

「千草さんこの人は?」
「なんやフェイトはん、そのお嬢はんは桜嬢ちゃんの横にたまたま写っただけのお
嬢はんどすぇ」

写真説明をする千草にフェイトが気づいたある人物、その人物と言うのは(分かりきっていると思うけど)・・・



「吸血鬼の真祖、闇の福音ですよ」
「な・・・なんやて!・・・このお嬢はんがかの有名な闇の福音やて!?」
「はい」

やはりある人物はエヴァの事であり、その事を聞いた千草は慌て始めた。
するとエヴァの事を全く知らないシャオランは千草に質問した。

「あ・・・あの・・・その女の子がどうかしたんですか?」
「あ・・・シャオランはん達は知らへんのどすな、闇の福音といえば元裏の世界で
6億円もの賞金をかけられた賞金首で、他に人形使いや不死の魔法使いとも言われ
る最強クラスの魔法使いどす」
「外見は十歳くらいのお嬢はんの姿をしてるけれども、実際は数百歳を超える吸血
鬼の真祖どす」
「・・・で彼女は十五年前風の噂でサウザンドマスターに敗れたと言う噂が流れ魔法協会の賞金首リストから除外されていたんだけどまさかこんな所にいるなん て・・・」
「これは作戦を新ためて立て直す必要がありますね」

フェイトがそう言うと、シャオランは千草に話しかけた。

「あの・・・おれに良い作戦があるんですけど良いですか?」
「シャオランはん良い考えとはなんどすか?」
「それでは話しましょう」

するとシャオランは自分の考えた作戦を話し始めた。






・・・そしてシャオランの作戦の話は置いておいて、キス争奪戦が終わった後の次の日の朝・・・

「ちょっとどーすんのよネギ! こーんなにいっぱいカード作っちゃっていったい
どう責任とるつもりなのよ!?」
「えうっ!?・・・僕ですか!?」

今回ネギは被害者みたいな形なのにやっぽりアスナに怒られているネギ、アスナは
両手にネギ相手のスカカード5枚と知世とのどかの成立カード2枚を持っている。

「アスナさん、今回ネギ君は悪くありません悪いのは朝倉さんとカモさんですよ」
「「は・・・はい・・・もうこのような事はいたしません・・・」」

アスナに怒られているネギをかばう桜、横で朝倉とカモが夜の桜のお仕置きがきつ
かったのか半分魂の抜けた状態で答える。

「まあ・・・桜ちゃんが言うなら・・・でも本屋ちゃんは一般人なんだから厄介ご
とには巻き込めないでしょ。イベントの景品らしいからカードの複製渡したのは仕
方ないけどマスターカードは使っちゃダメよ」
「魔法使いと言う事もバラさない方が良いでしょうね」
「アスナさんも一般人なんじゃ・・・」
「今さら私にそういうこと言うわけ・・・それに知世ちゃんも魔力を持ってないし
私よりかかよわい女の子よ」
「アスナ姉ちゃんかよわかったんか!?」
「なによケロちゃん・・・まあ当たってるけど・・・」

ケロちゃんの言葉に言い返そうとしたアスナであったが、本当の事なので言い返せ
ないアスナ、するとカモが知世とアスナに複製カードを手渡し始めた。

「姐さん・・・知世嬢ちゃん・・・二人にもカードの複製を渡しとくっすよ」
「ありがとうございますカモミールさん」
「え〜いらないわよどーセ通信できるだけでしょ」

知世は素直に受け取りアスナは拒否をする。
するとカモはカードについて説明した。

「出し方はこう持って“来れ(アデアット)”って言うんだ」
「え〜やだなあ〜」
「アスナさん恥かしがっていたら何もできませんわ」
「仕方がないな〜『アデアット』」

するとアスナの持っているカード光だし、ハリセン形態のハマノツルギに変化した。

「わっ・・・本当に出た・・・手品に使える!」
「ちゃんと使ってくれよぉ!」
「次は私がやってみますわ『アデアット』」

すると次は知世の持っていた複製カードが光だし、ビデオカメラに変化した。

「まあ・・・これはこれは良いものが手に入りましたわ」
「なんか私のとかなり違うみたいなんだけど?」
「道具はその人の特性にあった物がでてくるんっすよ」

そしていきなり出てきたビデオカメラで桜を撮影し始めた知世、すると知世は普通
のビデオカメラにはないボタンが目に入った。

「何かしらこのボタン・・・」
「知世嬢ちゃんまだどんな物なのかわからねぇうちにそんなにさわらねえでくださいよ!」
―――ポチ!

そしてボタンを押した知世、すると桜の服装が瞬く間にヒラヒラな服に変わった。

「ほぇ〜!!!・・・これどうなってるの〜!?」
「ねえ・・・なんなのこれ?・・・」
「さ・・・さあ・・・」

着ている服が変わって驚く桜、アスナはカモにどんな物か聞くがカモにもさっぱりだ。
すると知世がふるふる震えてその瞬間知世は目を星に変えて喋りだした。

「これは私が今桜ちゃんに一番着せたかった服装ですわ〜!」
「え・・・そうなの・・・」
「これは本当に良い能力ですわ〜これで衣装を着て頂ける暇がないときでも一瞬で
魔法少女に早代わり・・・ふぅ・・・」

そして知世はあまりの嬉しさにおでこに手の甲を当ててよろめく。

「これはやくにたたねえ能力だな・・・」
「そうね・・・」
「いいえ・・・これは大いにやくだちますわ〜〜〜〜〜♪♪♪」
「と・・・知世ちゃん・・・(汗)」

戦闘には全くやくに立ちそうもない知世のアーキファクト、皆やくに立たないアイ
テムだと言うが、知世はかなり使えると歓喜の声を上げるのであった。
そのおしゃべり現場をのどかに見られているとも知らずに・・・

<第二十四話終>



『ケロちゃんの次回予告コーナー』

「こにゃにゃちわ〜!」

「近頃だんだん暑くなってきてだらけるもんもでできとるけど」

「そんなんすっ飛ばしてケロちゃんのの次回予告コーナーがやってきたで〜!」

「さて今回のゲストは・・・」

「今回ネギ坊主のキス争奪戦の敗者の一人、明石裕奈姉ちゃんや!」

「前回に引き続いてまだ言うか!」

「でも今回負けたのはホンマの事やろ」

「しかも上のセリフあきらかに前回のコピペだし!」

「まあまあそんな細かい事気にすんなや今に始まった事やないんやし」

「それ以前の問題は今回わいのセリフが一言しかなかった事や」

「うわっ・・・またそんな事気にしてるよケロちゃん、私なんか全く出張んなかったのに」

「そりゃあそうやろなんたってわいはこの小説のマスコットキャラクターやねんから」

「でも今回はケロちゃんの変わりにモコナがマスコットになってたけどね〜」

「うぉ〜〜〜モコナなんかにマスコットキャラの地位を取られてたまるか〜(燃)」

「うわ〜ケロちゃん燃えてるね〜」

「さて時間もなくなってきた頃やしそろそろ次回予告するか」

「ケロちゃんそんなにコロコロテンション変えないでね・・・」

「そんじゃあ次回予告行くでー」

「さて次回のタイトルは・・・」

「『さくらと始まった三日目の戦い』ね」

「パル姉ちゃんたちの目を盗んで関西呪術協会の本山へ向った坊主たち」

「そして坊主たちの前に現れた犬耳の小僧ともう一人の人物」

「さてその小僧と一緒に現れたのは〜!」

「が次回の見所ね♪」

「あ・・・そやそや、そういや今回も別作品からキャラクターが出てきとったけど、

前にも言うたようにホンマこの小説においていつ別作品のキャラクターが出てくる

か分からんから皆も注意してこの小説をみるんやで」

「後、感想版に感想と共に出してほしいキャラクターを書くのOKや」

「まあ書いたキャラクターがホンマに出て来るとは限らんねんけどな」

「ほなそろそろいつも好例の最後のキメいこか〜!」

「裕奈姉ちゃんも読者の皆も一緒に〜」

「ほなな〜」「さようなら〜」

<終>


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