ブレイブIII 悪事を怪傑する勇気



夕焼けが迫る麻帆良学園の近くの森の中。一軒の木で出来たログハウスが存在した。その家の中には、長い金髪の真祖であるエヴァ、メイド服を着た茶々丸、そして制服姿の真名の姿があった。

「で、私に何の依頼だ?エヴァンジェリン」

真名は茶々丸が入れた紅茶を飲みながら尋ねた。そう、真名はエヴァに依頼があると言われ呼び出されたのである。

「うむ。実はお前にある人物の調査をして欲しくてな」
「調査?一体誰のだい?」
「・・・式森和樹だ」

エヴァの言葉に一瞬驚くが、すぐにいつもの表情に戻し、エヴァに尋ねる。

「何故彼を?」
「うむ。奴が魔法使いと言うのには薄々気づいてはいた。だが、あのように魔力を一切放っておらず、内なる魔力で身体強化しかしていない魔法使いなど私は見た事がない。それに、あの屋上での事・・・・お前も覚えているだろう?」

エヴァの言葉に真名は数日前のドッチボールの事を思い出していた。

「爆薬を受けても軽傷な身体。それにあの跳躍力。魔力を微弱に放出して身体強化しなければあれほどの事は出来ん。ましてはあの反射神経。あの2−Bのバカどもの持つ科学兵器の力すら圧倒していた。」

エヴァの言葉を聞き頷く真名。自身もあの能力により救われたのでよく理解していた。

「了解した、その依頼引き受けよう。勿論報酬も払ってもらうがね」
「ふん、相変わらずの守銭奴だな・・・・いいだろう。しっかり払ってやる」
「交渉成立だな。なら、明日にでも遂行しよう」

そう言うと、真名はエヴァ邸を後にした・・・。


翌日の日曜日。真名は私服に着替えると、葵高校の男子寮の近くにいた。

「さて・・・何か行動を起こすかな・・・」

真名がそう言っていると、寮の門が開き和樹が出てきた。そして門の近くにいた黒い喪服のような服をきた女性と話だした。

「あ、おはようございます。管理人さん!」
「はい、おはようございます。今日はおでかけですか?」
「はい。ちょっと色々行くところがあるんで」
「そうですか。気をつけて行って来てくださいね」
「ありがとうございます。じゃ、行って来ます」

和樹はそう言うと、管理人と別れどこかへと歩き出した。真名はそれを確認すると、バレないように尾行を開始した。

「ふぁあ〜〜〜〜。やっぱり晴れてる日は散歩に限るね」

和樹はそう言いながらしばらく歩いていると、長身で線目の少女と、ツインテールとお団子の双子の姉妹が前方から歩いてくるのを確認した。

「あれは・・・・楓と鳴滝姉妹か・・・」

真名は物陰に隠れながら双眼鏡とマイクロ収束器(遠くの音を聞く時に使う機械)を取り出し、和樹たちに向けた。

「あ〜!和樹ちゃんだ〜♪」
「お、お姉ちゃん!!先輩にタメ口なんてダメです〜」

史香は涙目で風香に謝るよう急かしだした。それを見た和樹は苦笑すると、慌てている史香を頭を撫でた。

「ひゃう!?」
「気にしなくていいよ。別に僕はどう呼ばれても怒る気はないから」
「ほら、やっぱりオッケーじゃん♪・・・って史香、何顔赤くして固まってるのさ?」

風香の言葉でわたわたとしながら史香が動き出す。

「な、なんでもないです〜〜〜」
「あ・・・はは〜ん♪さては和樹ちゃんに惚れたな〜♪」
「はぅ・・・・・お姉ちゃんのバカ〜〜〜〜!!」

そう言うと同時に、二人は喧嘩を始めてしまった。

「あ、二人とも・・・」
「大丈夫でござるよ。こういう喧嘩は良くある事でござる。時間が経てば元に戻るでござるよ・・・それより」

楓はそう言いながら片目を開くと、和樹に尋ねた。

「・・・前のドッチでの身体能力・・・・お主、ただものではないでござるな?」
「はは・・・・バレちゃってる?」
「さすがにあの跳躍力や耐久力を見れば、常人とは思えないでござるよ。出来るなら、一度手合わせしたいでござる」
「う〜ん・・・・手合わせって言うけど、あまり僕は強くないよ。基本的に受け流しの体術しか出来ないから」
「合気道でござるか?」
「うーん・・・まぁ似たようなものかもね」

二人はその後取り留めのない話をし、別れた。それを確認した真名は道具をカバンに収め再び尾行を開始しようとしたその時、ふと後ろに気配を感じ真名は拳銃を後ろに向けた。するとそこには、先ほど和樹と話していた楓の姿があった。

「・・・楓」
「とりあえず、銃を下ろしてくれぬでござるか?」
「あ、ああ。すまない。それにしても、何故ここに?」
「いや〜なんとなく和樹殿を尾行している気配を感じ取ったので、敵かと思いここに来たのでござるよ。真名殿は和樹殿を尾行中でござるか?」
「ああ。エヴァンジェリンからの依頼でな。彼の能力を知りたいらしく私に依頼してきたんだ」
「なるほど・・・・真名殿。拙者も一緒に行っても良いでござるか?」

楓の言葉に多少ながら驚く真名。

「構わないが・・・あの双子はどうする?」
「二人には、ちょっと用事が出来たと言って抜けてきたでござるよ」
「やれやれ・・・・・じゃぁ、行くぞ」
「あいあい♪」

二人は頷くと、再び和樹を追尾するのだった・・・。


時間が経ちお昼時、和樹は空腹を感じ食堂等へと来ていた。

「ふぅ〜。ちょっとお腹減ったし、何か食べようかな」

そう言いながら、和樹はハンバーガーを数個買い、座れる所を探していた。すると・・・。

「あ、あれ先輩じゃない?」
「あ、ほんとだ♪お〜い式森先輩〜!!」

突然上がった声に和樹がその方向を向くと、裕奈・まき絵・亜子・アキラの運動部4人組の姿があった。

「あれ、君たちって・・・あの時の?」
「そうそう。前のドッチボールの時はありがとね♪」
「まき絵!先輩にそんな・・・」
「いいよ別に気にしなくて・・・えっと・・・・アキラちゃん・・・だったよね?」

覚えていないと思っていたため、アキラはそれを聞き驚きの表情になった。更にそれと同時に、わずかながら頬を赤く染めていた。

「あの時は・・・ありがとうございました」
「いいよ。あれくらい全然平気だから。あ、それを亜子ちゃん」
「な!・・・・ななななんや!?」

突如名前を呼ばれ赤くなりながら慌てる亜子。それを見ながら和樹は苦笑しつつこう言った。

「あの時適切な応急処置してくれてありがと。おかげで傷の治りも早かったよ」
「い、いえ!!別に対した事なんか・・・」
「対した事だよ!パニックになる状況であれほど素早く対応してくれたのには・・・本当に感謝してる・・・ありがとう」

そう言うと、和樹は亜子に向けて頭を下げた。

「あああ、頭を下げんでください!!」

亜子は完璧にパニックになりわたわたし出した。和樹はどうしようかと悩んだ挙句、恒例の“これ”を行った。

「ひゃう!!」

そう、亜子の頭を撫でたのだ。すると、亜子の頬は更に赤く染まったが、何故か心臓のリズムが安定し、落ち着き始めた。

「ひゃ〜、凄いね〜!パニックになった亜子を止めちゃうなんて・・・」

裕奈は感心しながらその光景を見ていた。そしてそれから数十分食事をしながら話したりし、和樹は四人と別れたのだった。

「・・・凄いでござるな和樹殿は・・・・人を落ち着かせる才能があるのかもしれんでござる」
「・・・」

楓は和樹の心の広さと素直さを素直に感心していた。しかし、横にいる真名は全く動かず、楓も不思議に思った次の瞬間・・・・・バキっという音を立てて、真名が手に持っていた携帯食品が折れていたのだ。

「・・・ん?どうした楓?」
「どうしたも・・・・手を見れば分かるでござるよ・・・」

呆れ顔の楓の言葉に真名は自身の手を見た。次の瞬間、即座に道具を片付け始めた。

「さ、さあ!追跡を続けようじゃないか」
「明らかに挙動不信でござるよ真名殿。それはどう見ても、嫉妬しているようにしか見えんでござる」
「わ、私が・・・・嫉妬?」
「そうでござるよ・・・一体どうしたでござる真名殿?お主らしくもない」
「・・・・・・・」

真名はそのまま黙り込んでしまったが、ある一言を楓に伝えると、そのまま追跡を続行した。

「昔・・・大切だった人に似てるんだ・・・・・昔のパートナーに・・・」と・・・・。


再び時間は経ち夕方。和樹は寮へ戻ろうと歩いていた。

「さて・・・・結局彼の力は出なかったか」
「まぁそうそう事件が起きる訳もござらん。今日の行動を見て十分な収穫だったと思えばいいでござるよ」
「まぁ・・・そうだな」

二人がそう言っていたその時、とある方向からバイク音が鳴り響いた。二人はそれを聞き、和樹への尾行を中止し、現場に向かった。そこには、数匹の猫と茶々丸を暴走族のような奴らが取り囲んでいたのだ。

「へへ。ロボットの嬢ちゃん。そこから離れてくれねえか?」
「・・・何故でしょうか?」
「そこにいる小汚い猫どもをいじるためだ」

男達の視線を受け震え上がる子猫たち。それを見た茶々丸は静かに立ち上がると、戦う意志を決め構える。

「へっへっへ・・・いいのか?ここで俺達と戦ったら、間違いなく停学ものだぜ!」
「・・・構いません。この子たちを守るためなら・・・」
「上等だ・・・・やっちまえ!!」

男がそう言うと、それぞれ木刀を取り出し、茶々丸に向けた。

「さすがにまずいな・・・・助太刀するか楓?」
「そうでござるな・・・・なんとか一瞬で決めれれば・・・・・ん、何の音でござる?」

そう、突如辺りを何か飛行機のようなエンジン音が響き渡ったのだ。男たちはうろたえながらその方向を見ると、なにやら赤い車にウィングのついたマシンが、ブースターを展開して飛んでいたのだ。そしてその車の運転席には・・・・全身を赤いスーツで染め、目らしき部分が黒色の赤い仮面を被った男がいた。

「せい!!!!!!!」

男が時計にムチを巻きつけると、ジャンプと同時に茶々丸たちの前に着地した。

「な・・・・なんでござるあれは!?」
「・・・・どこの変人だ?」

楓と真名はそれぞれ驚き、茶々丸自身もまた驚いていた。

「て・・・・テメエなにもんだ!!!!!!!!!」

リーダー格らしい男が仮面を被った男に叫びながら尋ねた。すると・・・。

「はっはっはっはっはっはっはっは・・・・・・・ズバっと参上!!ズバっと解決!!」

仮面の男は振り向くと、何かの構えを取って名乗りだしたのだ。

「人よんで・・・・・さすらいのヒーロー!!・・・怪傑ズバット!!!!!!!!!!!」

そう叫び、カシーンと効果音が付きそうなポーズをとった。

「か・・・怪傑ズバット!?」

男は突如現れた変人?に混乱していた。

「バイクを乗り騒音を巻き起こし、人々に迷惑をかけ・・・あまつさえ罪の無い子猫と少女を傷つけようとした・・・・僕が許さん!!」
「な、何を正義の味方を気取ってやがる!!い、いけーーーーーーー!!」

男がそう言うと、手下たちが木刀を片手に飛び掛ってきた。するとズバットは腰に付属していたムチを手にとると、手下たちの木刀を持っている手を打ち払う。

「せい!!はぁ!!」

ムチを自由自在に操り、手下たちを投げ飛ばし、なぎ払う。その姿はサーカスの猛獣使いよりも凄腕だろう。

「ち・・・・・ならこれでどうだ!!」

男はバイクに跨ると、前輪を持ち上げてウィリーを仕掛けてきた。しかしそれを和樹は跳んで避けると同時に、男の首にムチを巻きつけ引きずり下ろす。

「んげ!!」
「お前のような悪党・・・・僕が成敗する!!トォ!!」

ズバットはそう言うと、空中で二分の一捻りにより回転力を付けると、男めがけて蹴りを放った。

「ズバット・・・・・アターーーーーーーーーーック!!!!!!!」

その蹴りが男を捉えた。それを受けた男はぴくぴく痙攣すると、そのまま気絶した。

「ふぅ・・・・・・」

ズバットは肩で息をしながら、仮面の両耳の辺りのボタンを押した。すると、口の部分のマスクが解除され、目を覆っていた黒いコーティングも解除された。その時・・・ズバットを見ていた茶々丸はこう呟いた。

「・・・式森・・・・先輩」

その声にハッとなって和樹は茶々丸の方を向いた。すると全てを見られた事を悟り軽く頭を抱えた。

「ははは・・・・・・茶々丸さんに正体バレちゃったか」
「貴方が・・・・・先ほどの・・・・」
「うん。僕がズバットだよ」
「ですが・・・・・何故先輩がこのような事を・・・・・それに先輩の瞳・・・・・真紅に輝いてます」

そう、和樹の瞳はドッチボールの時とは違い、蒼色ではなく真紅だったのだ。

「あ〜・・・・・これはちょっと話せないんだ・・・・・・ごめんね」
「・・いいえ。あの・・・」
「ん?」

和樹は何?っといった表情で茶々丸に尋ねた。すると茶々丸は、ゆっくりと丁寧に頭を下げた。

「この子たちを守ってくださいまして・・・・ありがとうございます」
「いいって。僕が守りたかったんだからいいよ。この子たちも・・・・君もね」
「・・・・え?」

茶々丸がその言葉に和樹の方を見ると、和樹は子猫たちの頭を撫でていた。その表情は、とても穏やかで優しそうだった。

「この子たち・・・・・先輩に撫でられて喜んでいます」
「そうかな?」
「はい・・・・きっと・・・」

二人がそうしてほのぼのと話していると、誰かが走ってくるのが分かった。

「マズイね・・・・・・そろそろこの辺りに広域指導員が来るんだった・・・・さてと」

和樹はそう言うと懐から一枚のカードを取り出し、気絶している男に投げつけた。そして赤い車に乗り込むと、そのままどこかに走り去っていった。すると、それと同時に広域指導員の新田と高畑が駆けつけた。

「お!君は2−Aの茶々丸君ではないかね!!大丈夫か?」
「・・・はい。赤い服を着た人に助けられました」
「赤い服だって・・・・新田先生!!」
「うむ!間違いないですな」

二人は頷くと、リーダーであった男に添えられていたカードを手に取った。そしてそれを見た瞬間、二人は大声で笑い出した。よく理解していない茶々丸を見て、高畑が答えた。

「このカードを残した者はね・・・・私たち教師の中では一種のヒーローと化してるんだよ」
「ヒーロー・・・・ですか?」
「ああ。彼は僕たちの中ではこう呼ばれているよ・・・・・“真”広域指導員とね」

高畑の持っていたカードには・・・・・『この者たち・・・・・極悪暴走族』と書かれていた・・・。そしてそれを見ていた真名と楓は、先ほどの光景に固まってしまったのだった。


場所は変わりエヴァ邸。そこには、エヴァと真名の姿があった。

「ふむ・・・・それが報告か」
「ああ」
「ふむ・・・一つ気になる点は・・・・・仮面を外した時に、瞳が真紅に変わっていた点だ。魔眼にしては効力が発動しているような所は無かったんだな?」
「ああ。私が魔眼を発動している時と違い、魔力が発せられていなかった。放出系の魔力ならすぐに分かるはずだ」
「ふん・・・・・・・・・・・・・・・まさか!?」

エヴァはそう言うと、突如二階へと駆け出した。そしてとあるぶ厚い本を持ってきたのだ。そして何百とページをめくった時、とあるページで動きを止めた。

「・・・・これは?」

真名が尋ねると、そこにはなにやら難しい事が書かれていた。

「強力な呪いをかける際、使用者がリスクを背負うっていうのはお前でも分かるな?」
「ああ、大体はな」
「だが・・・・これには一つだけ特例が存在する。何かしらの強い呪いを受けた時、稀な確率で使用者がリスクを背負うか・・・・対象者が“スキル”を背負うという例が存在する」
「スキル?」

真名は聞かない単語に首をかしげた。

「特異な力でな、魔力とは関係なく強大な力を使う事が出来るのだ。しかもそのスキルは・・・・背負う人間によって別々なのだ。だが・・・・・どうやらお前の見たスキルには一つ心当たりがあってな」

エヴァはそう言うと、次のページを開いた。そこには・・・・スキル『英雄』という単語が描かれていた。

「これだ・・・・スキル“英雄”。これは、世界に存在・・・・いや、幻想に存在している英雄の力を継承する事が出来るんだ」「
幻想の存在もだと・・・・」

真名もこれには驚いた。それほど規格外の力なんて、聞いた事がないからである。

「だが・・・一つおかしい事がある。スキルを発動した者は蒼い眼に変わるとは書かれているが・・・・真紅の瞳に変わるなんてそれこそ私の持つ書物の中にすら書いてない・・・・更に報告にあった赤い仮面の男への変貌・・・式森和樹・・・・一体何者なんだ」


更に場所は変わり、アメリカのとある修道会。そこの理事長室で、一人のシスターが呼ばれた。

「さて・・・・ここに呼ばれた理由はお分かりですか?」
「いえ・・・・」
「ふむ・・・・実はですね。貴方には今から一週間後、日本に飛んでもらいます」
「え・・・・・日本・・・・・でしょうか?」
「はい。そこの麻帆良学園に、魔法生徒かつ一人のマギステル・マギ候補生の護衛をお願いしたいのです。その名前は、ネギ・スプリングフィールド」
「・・・・え!?ネギのいる学園にですか!!」
「ええ。兄弟ゆえに私情が入りかねないと心配しましたが、貴方の力を信頼して、貴方を送る事を決定しました」
「そうですか・・・・ありがとうございます。その任務、しっかりと遂行してみせます」

若いシスターの声に、理事長の顔も微笑む。

「あ、それからですね。その学園に住む魔法生徒と先生のリストです。覚えておきなさい」
「はい・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・え!?」

シスターはリストを見ていると、とある名前を見て素っ頓狂な声を上げた。そこには・・・・・式森和樹と書かれていた。

「?・・・・・どうしましたシスターネカ《ドゴン》・・・・・え?」

理事長が尋ねようとした瞬間、もうその場にシスターの姿は無く、ドアが人の形をして穴が開いていた。

「ちょ、ちょっと!!シスターネカネ!!待ちなさーーーーーーーーーーーーい!!」

これが、また魔帆良に混乱を巻き起こすとは・・・・誰も予想していなかった。


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