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よくあるファンタジー物<エルクとウラル その2>

(5)1週間ぶりの魔力補充

 そのあと、念のため魔力探知で周囲をチェックし、ほかにモンスターがいないことを確認した俺たちは、撤収を始めた。
「よし、帰ろう!」
「だね!」
「うん」
「はい。エルク様」
 思わぬ強敵との戦闘だったが、それだけに満足感もひとしおだ。
 みんな頷き、意気揚々と踵を返そうとしたとき、リアが「あっ!」と声をあげた。
「ゴメン待って! その前に……」
 リアがクリスタルゴーレムの残骸に駆け寄る。
「戦利品! 何か持って帰れないかな?」
「そうか。確かにこれを放っておく手はないな」
 あれだけ硬質なクリスタルだ。良い値段で売れるに違いない。俺としたことが、激闘すぎて倒しただけで満足してしまっていた。
「私の熱線魔法にあれだけ耐えたクリスタル。興味ありますね」
「魔道具に使えるかも」
 ミレとウラルも戦利品漁りに参加する。そんな中、リアが目を付けたのはひと際巨大な胴体部分の塊だった。
「いやー、流石にこのおっきいのは持って帰れないよね?」
「無理だろ。いくらなんでもデカすぎる」
「だよねー」
「欲張りすぎだろー」
 ワハハこいつめ、と笑い合いつつ、何気なく塊を蹴飛ばした、その時。
 バヂッと塊に紫電が走った。
「は?」
 紫電はバチバチと徐々に大きくなっていき、やがて塊全体を覆い始める。
「ちょ、ちょっとエルク何したの!?」
「何もしてないぞ!」
 後ずさる俺たち。何か分からないが、明らかにヤバいことが起きる前兆ということだけは分かる。
「ねえこれ、まさか復活するとか言わないよね!?」
「……ううん、これ魔力じゃない」
「じゃあ一体……」
「こういう場合、爆発でしょうか」
 ウラルのセリフに、みんなが顔を合わせる。
「逃げるぞ!!」
「私に掴まってください」
 みんなしてウラルに掴まり、飛翔魔法で宙に浮く。
「飛ばしますから、みなさん手を離さないでくださいね」
 一気に加速し、たちまち斜面に到達。そのまま斜面を滑るように上昇し、穴から脱出した。
 直後。
 背後からすさまじい爆発音が響き、飛んでいる俺たちまで衝撃に揺さぶられる。
 爆発は連続で続いている。胴体の爆発に巻き込まれて、ほかの塊も誘爆しているようだ。
 ふらつきながらも無事に着地。
「あっぶな……! 間一髪だったな」
 振り返ると、穴の中に砂煙がもうもうと立ち込めており、爆発の規模を物語っている。
「あのまま走って逃げていたら怪我じゃ済まなかったかもな……」
「だね……。ウラルさん、ありがとう!」
「いえ。どういたしまし……て?」
 ギシッと、ウラルが静止する。おい、このパターンは……。
「まさか、さっきので魔力切れか!?」
「いえ、そんなはずは……。飛翔魔法なんてさして魔力使いませんし、さっきまでもっと余裕があったのですが、なぜか急に魔力が……」
「あ」
 ミレがきょとんとする。
「支援魔法、魔力の量もブーストしたよ?」
「あ」
 思わず顔を見合わせる俺とウラル。
「つまり今、ウラルに掛かっていた支援魔法の効果が切れて、ブーストされてた分の魔力も切れた、と?」
「その、ようです……。すみません、エルク様……。ああ、補充が……。1週間ぶりの、補充が……!」
 心底悲しそうに呻く。1週間ぶりの補充を楽しみにしていただけに、気の毒なくらい悲痛な顔をしてる。
 ……正直、これからのことを考えると憂鬱すぎるが、ウラルの無念さを思うとあまり俺が暗い顔をするわけにはいかないだろう。
 俺は彼女を心配させないよう、努めて明るく言った。
「大丈夫だから、そんな顔するな」
「エルク……様……」
 安心したように表情を緩め、ウラルが意識を失った。

 * * * * *

 またしてもウラルは昏睡状態になってしまったが、俺は冷静だった。
 昏睡からの回復を急ぐあまり、いきなりリアとミレの前で性行為をするわけにもいかない。
「俺たちはここで少し休んでから街に戻るから、先に行っててくれ」
 魔力枯渇による昏睡は、通常なら安静にすれば回復する。ウラルの体質を知らない二人ならばそれで納得するだろう。
 二人を帰してからまずはウラルの目を覚まさせ、そのあと何食わぬ顔で街に戻る。

 と、いつもならそういう手段に出るところだが、俺には予感があった。
 さっきの爆発の音は、きっと街まで達している。
 ということは、街の衛兵らが何事かと様子を見に来るだろう。
 その時、昏睡しているウラルに俺が性行為をしているところが目撃される、という流れが出来上がる。
 見つかりにくい場所に隠れてヤレばいいと思うが、自慢じゃないが俺の間の悪さは折り紙付きだ。きっと見つかる。そんな予感をビンビンに感じる。
 変態冒険者の名を着せられ、夜逃げのように街を発つのはもうこりごりだ。

「ミレ、俺にまた支援魔法を掛けてくれないか?」
「支援魔法を?」
「出来るだけ早く街に行って、ウラルを宿のベッドに寝かせてやりたいんだ」
 ミレの支援魔法をもらってウラルを担いで宿までダッシュで戻り、事に及ぶ。これが最適解だ。
 支援魔法込みならば宿までは四半刻とかからないだろう。そのくらいならば昏睡状態のままでも問題ない。
「うん。分かった」
「ありがとう。助かるよ」
 ウラルを背負い、ミレの支援魔法を受ける。
 リアが「こういうときはお姫様抱っこでしょー!」などとダメ出しをしてくるが、そんな抱え方じゃ走りにくくてかなわん。仕方のないことだが、この獣人娘は事の重大さを分かっていない。出来ることなら、俺の内心の焦りを教えてやりたいものだ。
「支援魔法、2度目だから、前よりうまく掛けられたよ」
「おお、マジか。ありがとな!」
 確かに、さっき受けた時よりも力が湧き上がってくる気がする。
「じゃ、先行くぞ! 二人とも気を付けてな」
「うん! またねー!」
 二人と手を振って別れ、俺は駆け出した。

 * * * * *

 結論から言うと、俺の計画はうまく行った。
 加えて、思わぬ副産物を俺にもたらしていた。

「エルク様ぁ……」
 ウラルが発情しきった様子で俺に覆いかぶさってくる。
「たくさん、していただける約束でしたよね……?」
 蕩けた顔で微笑み、俺のペニスを愛おしそうに撫でまわす。
「ああ。もういらないってくらい、してやるよ」
「ふふっ。楽しみです……」
 慣れたもので(慣れたくないが)、昏睡状態からの回復はスムーズに行えた。枯渇状態を脱した後は、そのまま続けて魔力補充だ。
「言っとくけど、俺だって1週間ぶりなんだからな」
「きゃっ」
 言い返し、がばっとウラルを押し倒す。
「あッ……!」
 ガチガチになった肉銛の先端を、ウラルの秘所に押し当てる。それだけでウラルがピクンと反応する。
 ふぅふぅと荒い息をつき、ウラルが俺のものを凝視している。待ちきれないかのように、腰をはしたなく浮かせてもじもじと揺らす。いやらしくヒクついている割れ目からは蜜がとろとろと溢れ、お尻を伝ってシーツに染みを作る。
「あのっ、エルク様……、はやく……!」
 可愛い顔を切なげに歪ませ、泣きそうになりながら懇願してくる。
 喉がヒリつくような興奮を堪えつつ、俺はウラルに覆いかぶさった。
「1週間分、全部注ぎこんでやるから、しっかり受け止めろよ」
「はいっ、はいッ!」
 ウラルは狂ったようにコクコク頷く。
「エルク様の、全部ください! 私のナカに全部っ、エルク様の……ッあああぁッ……!!!」
 いきなり奥まで挿入した。ゆっくり動いたつもりだったが、まるで串刺しにするかのように俺の肉棒が彼女の最奥を突く。
「あッ、ああぁぁああ……ッ!!」
 ビクビクと可愛らしく震えながら、華奢な喉を反らす。
「くっ……!」
 お湯のように温かく、ゼリーのようにとろとろしつつも、ギュウギュウと締め付けるウラルの膣内の感触に、声が漏れる。
「エルクさまも、きもちいいですか……?」
 はふはふと唇を震わし、蕩けて舌足らずな調子で、嬉しそうに顔を綻ばせる。
「ああ。動くぞ、ウラル」
 俺は意識して、そろそろとピストンを開始する。
「あッ、やッ! そんな、激しッ、ああんッ!」
 だが俺の身体は意識とは裏腹に、激しくウラルを責め立てる。
「やぁッ! これ、すご……ッ! あッ、ああッ、いきなり、こんな……ッ! あああッ!!」
 ギシギシとベッドがきしみ、激しい責めにウラルがかぶりを振って悶える。
 これが、思わぬ副産物だった。
 俺の身体には、まだミレの支援魔法の効果が残っているのだ。
 つまり、支援魔法でブーストされた筋力によって、手加減しているつもりでも激しい動きになってしまう。
「ああーーッ! ああーーッ! エルクさま、えるくさまぁッ!」
 激しく喘ぎながら、ウラルが俺の首に腕を回し、抱きしめてくる。最奥まで突き刺したところで一旦抽送を止め、至近距離で見つめ合う。
「えるくさま、きもちいいです、えるくさまぁ……。んぅ、ちゅっ、んっ、んっ、ちゅ……んぅ、はぁ……!」
 ウラルは甘えるように何度もキスを繰り返し、お互いの舌を絡める。
「えるくさま、わたし、嬉しい、です。 こんなに、はげしく、はぁ……、求めていただけて……」
 快感に身体を震わせながらウラルが上気した顔で微笑む。それが本当に嬉しそうで、ぞくぞくと腰が震える。
「まだまだこれからだぞ。このまま最後まで止めないからな」
「はい、はいっ! たくさん突いて、たくさん出してください……!」
 彼女の期待に応えるように、俺は全力でピストン運動を始めた。
「あッ、ああッ!? やあああッ!!」
 支援魔法によってブーストされた筋力を総動員して腰を振る。
 バチュッ、バチュッと結合部から水音が響き、しぶきとなって飛び散る。
「ああーーッ! ああーーッ! ああーーッ! やあッ! これ、だめッ! これッ、ああああッ!!」
 甲高い嬌声をあげ、ウラルが乱れに乱れる。
「きもちいッ、あああッ! だめ、だめ、こんな、もう、あッ、きもちいぃ……!!」
 安ベッドが壊れそうな勢いでガタガタと揺れ、ギギッ、ギギッとベッドの脚と床が擦れる音までしだす。
「ああだめ、イキそ、イキそぉ……! あああくるくるきちゃう、ああだめだめだめぇッ!」
 ハートマークがついているような甘い嬌声でウラルが絶頂が間近に迫っていることを伝えてくる。
「イクッ、イクッ、もっ、イク……! ああッ、やあ、だめイク、イクッ、イクッ」
「いいぞ、俺も出る……ッ」
「ああ……ッ! だして、だしてッ! えるくさまのせいえきっ、わたしに、わたしにっ」
 とろとろに蕩けた顔で「せいえき、せいえき」と繰り返す。俺は堪らず解き放った。
「あッ! イ……ッ! ああああーーーッ!!」
 同時にウラルも絶頂に仰け反る。
 ビューッ! ビューッ! と熱い精液が迸り、バチャバチャとウラルの子宮に浴びせるのが聞こえてくるかのような、とんでもない射精感。
「ああーーーッ!! ああーーーッ!! ああーーーッ!! ああーーーッ!!」
 ガクガクと痙攣し、仰け反り、よじらせ、ウラルは全身で絶頂を表現する。
 膣内がギュウギュウと閉まるが、俺の肉棒はそれに反発し、こじ開けるようにビグンビグンと跳ねまわる。そのたびにビュルルッビュルルッと精が吐き出される。
「あああ……ッ! えるくさまの、すごい、こんなに、ああ……ッ!」
 昏睡状態から回復させるときにも出したので二回目だが、1週間分貯めたせいか、ものすごい量の精液が吐き出され続けている。
「ああ……、せいえき、たくさん、ああああ……ッ!」
 潤んだ瞳からは涙すら流し、ウラルが幸せそうに精液が注ぎ込まれている下腹部を撫でる。
「えるくさま、えるくさまぁ……」
 甘えるようなあどけない口調。俺はたまらなくなって覆いかぶさるように抱きしめた。


 無論、それだけで終わるわけもなく。
「もっと、もっと……。壊れちゃうくらい激しくしてもいいですから、もっとエルク様のください……!」
 その願い通り、俺は何度もウラルのナカに放ち、ウラルも何度も登り詰めた。

「あッ! あッ! やッ! あンッ!」
 ウラルの嬌声が部屋に響く。彼女の甲高く気持ちよさげな喘ぎ声は、いままで何度も聞いてるが、そのたびに思うことがある。
 正直、めちゃくちゃ可愛い。もう何度も出しているのに、彼女の可愛い喘ぎ声を聞いてるだけでまた射精しそうになる。興奮が止まらない。
 俺は彼女の細い腰を鷲掴みにして、腰を振り続ける。
「きもちいっ、ああ、きもちいいです……!」
 いつものしれっとした表情からは想像もつかない淫靡な笑顔で、もっともっととねだるように、俺の腰に脚を絡ませてくる。
 俺はそれに応えるように、速度を上げた。
「あッ! やあッ! あああーーッ! あ、んッ! ああッ、ああああ……ッ!! えるくさま、わたし、また……!」
 イッていいぞ、という許可の代わりに、ウラルの下腹部を手のひらでグリグリと刺激してやる。
「あッ、あああッ! やああイクぅううッ!」
 ビクビクと可愛らしく身体を震わせ、ウラルが本日何度目かの絶頂に達する。
 釣られるように俺も精を吐き出す。
「ああ……ッ! またきたぁ! えるくさまのせいえき、また、ああ……ッ!」
 心の底から嬉しそうに、ドクンドクンと精を注ぎ込まれている下腹部を見る。
 その様子に、射精して萎えかけているペニスがまた力を取り戻す。
「ウラル、このまま続けるぞ」
 俺は答えを待たずに腰を振り出した。

 * * * * *

「あッ、ひッ、ん、あッ、んぃいいぃ……!」
 一体どのくらい経っただろうか。俺たちはまだ繋がったままだった。
 ベッドのシーツはお互いの汗と涎と愛液と精液でべちょべちょになっている。
「えるくさま、またイク、イクッ、いぅううう!!」
 脚をピンと伸ばし、折れそうになるほど背中を反らせてウラルが絶頂する。
「くッ!」
 一体何度目かの射精か、もう覚えていない。それなのに俺のペニスはビュルビュルと元気に精を吐き出し、ウラルを悦ばせる。最初のころに比べたら衰えたと言え、この量は異常だ。
「これすき、すき……! えるくさまのせいえきすきぃ……」
 絶頂の余韻に身体を震わせながら、トロンとした顔でうわ言のようにウラルが「すき、すき」と繰り返す。
 ムクムクと肉棒が再起。いくらなんでもこれは異常だ。
 間違いない。支援魔法の影響だと思う。1週間溜めた精力がブーストされ、このとんでもない絶倫さを生み出しているのかもしれない。
 勃起したままなのはツラいが、このあたりで止めておいたほうが良さそうだ。そう思ったが……。
「まだシテいただけるのですか? えるくさま……」
 ウラルがさまざまな体液でどろどろになってる顔で、夢見るような無垢な笑顔を向けてくる。
「……もういやだってくらいシテやるって言ったろ?」
 その後、寝落ちするまで俺たちの情事は続いた。

(6)その2 エピローグ につづく





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