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一学期が終わった日。
宿題やプリント、その他持って帰らないといけないものを全部手提げ袋に詰めこんで、
忘れ物がないか確かめていた拓也の所に、深谷しな子はやってきた。
「あ……深谷さん、どうしたの」
「うん、あのね……えっと……榎木君、夏休みの最初の日曜日って、空いてる?」
「え? 多分空いてると思うけど、どうして?」
「うんとね、あたしのお母さんの別荘に遊びに行かない?」
「別荘!? 深谷さんち、凄いんだね」
「べ、別荘って行っても小さいの。場所も
「えっと……パパにも聞いてみないといけないけど、行きたいな」
「本当!?」
急に声を弾ませるしな子に少し驚きながらも、拓也は頷く。
別荘、なんてテレビに出る芸能人とかお金持ちの人しか持っていないもので、
とてもクラスの友達から出てくる言葉だと思っていなかった。
「拓也、せみとりに行こうぜ。ここだったら、カミキリムシとかもいるかもな」
「あ、うん。待ってて、支度するから」
「にーちゃ、みのもいくぅ」
「実ちゃんがいくなら一加も行くわ!」
「ぼくもいくでしゅ」
「あーもう、ここまで来ても結局こいつらのお守かよ」
いつもと変わらないにぎやかな声が、初夏の木々に吸い込まれていく。
結局しな子の誘いに応じて別荘を訪れたのは、拓也と実、
それに藤井の家から一加とマー坊まで加わった総勢六人もの大所帯だった。
「ほら実、帽子ちゃんと被って」
「あいっ」
「あとは……あ、あみとかごがないや」
実の支度を終えて、虫取り網とかごを取りに戻ろうとする拓也にしな子が声をかける。
この機会を逃しては、もうチャンスが無かった。
「あ、あの、榎木君、ちょっとお願いがあるんだけど……」
「あ、うん。ちょっと待ってて。藤井君ごめん、すぐ行くから、先に実連れて行ってくれる?」
「ああ、わかった。ほら一加、実連れてってやれ」
「実ちゃ〜ん、一緒に行きましょ」
「にいちゃぁ、にいちゃぁあ〜」
一瞬でも兄と離れ離れになるのが嫌な実はぐずっていたが、
一加に、半ば引きずられるように強引に連れて行かれる。
最後まで半べその声が蝉の声にかき消されて聞こえなくなるまで見送っていた拓也は、
ようやくしな子の方を向いた。
「それで、お願いって何?」
しかし用件を尋ねても、何故かしな子はうつむいたまま何も言わない。
「……深谷さん?」
重ねて名前を呼ぶと、突然うつむいたまま抱き着いてきて、
予想もしなかったしな子の行動を拓也は受け止めきれずに転んでしまった。
「ふ、深谷さん……どうしたの?」
「榎木君……お願い、あたしと、……して、ください」
「して……って、何を?」
周りの音にかき消されてしまいそうなしな子の声に、
拓也は何か聞き落とした言葉があるのかと思って尋ね返す。
「だから、あの、その、……え、…………えっちな、こと……」
耳まで真っ赤にしながらしな子はついに最後まで言わされてしまう。
「……!? 深谷さん、あの……」>
ようやくしな子が何を言おうとしているかを理解した拓也だったが、
理解出来ても納得出来る訳でももちろんなく、混乱は大きくなるばかりだ。
「ぼ、僕…皆の所へ行かないと……うわっ」
拓也はその場を逃げるように立ちあがろうとするが、
しな子に裾を掴まれてバランスを崩してしまい、どさり、と音を立ててしな子の上に倒れこんでしまった。
「あ、あの……ごめんね、深谷さん」
今この場では悪いのは明らかにしな子の方なのだが、人の良い拓也はつい謝ってしまう。
「お願い……お願い、榎木君。一回だけ……でいいの。だから」
それに急いで首を振ったしな子は、ぎゅっと目を閉じて必死に恥ずかしさに耐えながら言った。
「だ、だって、僕、そんなの、全然やったことないし、
それに、そういうのってもっと大人になってから……!!」
最後まで言い終える前に唇をふさがれてしまった。
拓也は呼吸をするのも忘れて、しな子を見つめる。
「〜〜!!」
至近距離で目があってしまったしな子は、思わず再びぎゅっと目を閉じる。
けれど、あまりに拓也の反応が無いので、うっすらと目を開けてみると
ずっと息を止めていた拓也は顔が真っ赤になっていた。
慌ててしな子が顔を離すと、大きく口を開けて息を吸いこむ拓也。
その形相に、思わずしな子は吹き出してしまう。
「くすっ、榎木君、別にキスしてる時に息したっていいのよ」
「え、あ、そうなの? もう少しで息止まるかと思っちゃったよ」
「……ね、榎木君も、キス、初めて……だよね?」
嬉しそうにしな子は尋ねるが、拓也の口から出た答えは予想を裏切っていた。
「僕、初めてじゃないんだ……」
「え!?」
「ちょっと前にね、近所の……お兄さんと……」
当時の忌まわしい記憶が甦ったのか、涙ぐみながら拓也は答える。
「え……お兄さん……って、男の人……?」
衝撃を受けたしな子の頭の中で、たらいを叩かれたようにぐわんぐわん音がしていた。
「うぐっ、だって、だって、いきなり、されて…」
「あ、あの……嫌なこと聞いちゃったみたいで、ごめんなさい」
「ひっく、うん、いいんだ……、あ、でも……女の子とは、今が、その……初めてだよ」
えへへ、本当? ちょっと嬉しいな。じゃ……こういうことも?」
拓也の手を取ると、自分の胸に重ねる。
「ちょ、ちょっと、深谷さん……!」
「まだ、全然大きくないけど、それでもね、榎木君のこと考えると、どきどきするの」
重ねた手に力を込めて、そっと掴ませると、薄衣越しに手の温もりが伝わってくる。
「おね、がい……直接、触って……」
キスをした辺りから、だんだんと股間がむずがゆい感覚に襲われ、
頭にもやがかかったようになってしまった拓也は言われるままに服の中へと手を忍び込ませた。
少し汗ばんでいるしな子の肌をお腹から上へと登っていくと、
やがてなだらかな曲線を感じとる。
しな子のそれは記憶の中の母の物とは確かに大きさが違ったけれど、
どこかに共通する懐かしさを感じて握り締めた。
指の腹に硬い物が当たった。
指でつまんでみるが、思わず力が入ってしまう。
「痛っ!」
いきなり敏感な所を強くつねられて、しな子は思わず顔をしかめる。
「あ、ご、ごめん……痛かった?」
「だいじょうぶ……ちょっと、刺激が強かったから……お願い、続けて」
「う、うん……」
再び乳首を弄び始める拓也。
今度は痛がらせないように、慎重に触る。
「ぅ……ぁ……榎木、君……」
まだ未発達なしな子の胸は、強く、激しく快楽を伝え、
はじめての外からの刺激に乳首は一層硬さを増し、弾けんばかりに膨れていく。
「あ……榎木君、榎木君……!」
身体を反らせながら拓也の名前を連呼するしな子。
その声には微かに甘い物が混じり、拓也の本能を刺激する。
「あ、あたしも、榎木君の、さわってみる、ね……」
しばらくしな子はされるがままになっていたが、
そう言うと手を伸ばして半ズボン越しに拓也の股間を撫で始めた。
「う……ぁ……深谷さん、そんな所、汚い、よ……」
けれど、拓也の意思とは無関係に、刺激を与えられる度に股間の物は硬さを増していく。
「榎木君の、すごい、硬い…」
まだ、自分を慰めた事の無い拓也にとっては、
しな子のぎこちない、ただ上下に擦るだけの指使いでさえも強烈な刺激になって伝わった。
「ね、深谷さん……僕、なんか変だよ……お願い、やめてよ」
拓也は目に涙を浮かべて懇願するが、それはかえってしな子の興奮をそそってしまう。
「直接、さわる、ね……」
しな子はズボンのボタンを外すと、下着ごと一気に引き降ろした。
露になった拓也の若茎をそっと握ってみる。
「熱い……これが、榎木君の……」
なんだか直接見てしまったら勇気が逃げてしまう気がして、
手探りのまま触り続ける。
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