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しな子の指先がペニスの先端に触れた時、拓也の身体がびくっと跳ねた。
「っ! ……ぅ、ぁ……」
「ご、ごめんね、痛かった?」
しな子は謝りながらも、握る手は離さない。
先端はまだ全てが露出している訳では無かったが、
その多くはない露出している部分に触れてしまったらしい。
「ね、あたしのも、触って……」
申し訳無く思ったしな子はお詫び、とばかりに拓也の手を取ると、自分の股間へと導いた。
されるがままにしな子の秘所へ導かれた拓也の指先が湿り気を感じる。
「すごく……濡れているでしょ。女の子は、好きな人とこうしていると、こんな風に濡れてくるのよ」
言いながら、全く反応しない拓也の手を掴んで動かす。
「ここが、女の子の大事な所……拓也君の……が、入るところよ」
周辺部をたどらせた後、拓也の中指を中心部へと埋めた。
「!……っ、榎木君、お願い、少し、指……動か、して……」
状況の異常さに思考が止まってしまったのか、
拓也は、言われるままに中指をしな子の中へと動かす。
「ぁ、そこ……そう、榎木君、上手……」
拓也の指が自分に触れている。
そう考えただけでしな子は、身体が熱くなって新しい蜜が溢れるのを感じる。
しな子の秘所は、初めて侵入してきた物に対しても本能に従って締め付けを始める。
「う……ぁ、深谷さん……すごい、指、締ま……る……よ……」
目の前で口を薄く開けて快感に酔いしれている切なげな顔と、
今指を締めつけている場所の持ち主が同じ人間とは。
ごくわずかに残った拓也の理性がそう思った時、先端から熱い液が垂れた。
しな子は、まだ生えていない自分の茂みに落ちた拓也の液を掬いとって興味深げに見る。
「男の子も、濡れるんだ……初めて知ったわ」
少し粘り気のある透明な色をしたそれを、しな子はそっと口に含んでみた。
「榎木君の、味……」
「ふっ深谷さん、そんなの汚いよ!」
自分の身体から出たそれが、なんなのかも判らないまま拓也は恥ずかしがる。
そんな拓也の表情を見て、しな子はわざと見せつけるようにゆっくりと指を口に含んだ。
「榎木君も……気持ち、いいのね……嬉しいわ」
「ね、そろそろ……」
再び拓也のペニスを手に取ったしな子は、膣口にほんのわずか先端が触れる位置まで導いた。
「で、でも、どうすればいいのか、僕、全然わからないよ」
うろたえる拓也に微笑みながら、身体をずらしてペニスを押し当てる。
「ここ……だから、お願い、榎木君……」
「う……うん」
加減の判らない拓也はほとんど一気に奥まで突き入れてしまい、
しな子の中に想像を絶する異物感と痛みが走りぬけた。
(!! 痛い……痛いよ、でも、痛がったら、拓也君が怯えちゃう……)
必死に声を抑えるしな子は、無意識に拓也の背中にしがみついて爪を立てる。
「痛っ……!」
突然背中に感じた痛みに拓也は驚くが、それよりも、しな子に挿入した自分自身から、
これまでに無い気持ちよさが身体中に爆発的に弾けていく。
指を差し入れた時の感じとは比べ物にならない、直接的な、柔らかく熱い肉壁。
二人はお互いに抱き合ったまま、しばらく動けないでいた。
ようやく最初の痛みが去ったしな子は、改めて自分と拓也が遂に繋がった事を認識する。
まだ頭は大半が鈍い痛みに思考を奪われているが、
それでも、胸のほうから込み上げてくる物に徐々に全身を満たされていった。
(あたし、榎木君と、ついに……ひとつに、なれたんだ……)
しな子の頬を一筋の涙が零れ落ちる。
「あ、あの、深谷さん、だいじょうぶ……?」
心配げに尋ねる拓也に、しな子は痛みをこらえて笑ってみせた。
「うん、だいじょうぶ……だから、え……榎木君、動いて…」
瞳に涙を浮かべながら、ほのかに顔を赤く染めるしな子に拓也は不意に胸が高鳴る。
しかし、湧きあがった自分の想いを相手に伝える言葉がまだ無い拓也は、
結局何も言えずに動き始めた。
拓也は自らの物を締めつけ、呑み込もうとするしな子の肉壁に翻弄され、
相手の事など考える余裕も無く、ただ腰を動かす。
「ぅ……あ……っ……」
自分の身体に収まった拓也の物が位置を変えるたびに、
おさまりかけた鈍い痛みがしな子を突き上げる。
一つの痛みがおさまる前に、容赦無く次の痛みが波のように寄せてくる。
しかし、その痛みもそれほど長い間は続かなかった。
「深谷さん、何か、来る…よ」
既にしな子は痛みでほとんど何も考えられない状態だったが、それでもとっさに叫んだ。
「お願い、外で、外で、出して……っ!」
しな子の哀願が届いたか否か、拓也は反射的に自分のペニスを引きぬく。
それと殆ど同時に先端から白い液が放たれて、しな子の腹にかかった。
「はぁ、ぁぁ、はぁ、はぁ……っ」
拓也は生まれて初めての射精が強烈すぎて声も出せず、
そのまま力が抜けてしな子の上にくずれ落ちてしまう。
「えのき……君……」
無意識に拓也の名前を呟いたしな子は、頭を抱きかかえて行為の余韻に浸っていった。

しばらくして気が付いた拓也は、
しな子の上に乗っていた事に気がつくと慌てて起きあがる。
「あ、あの……ごめんね、深谷さん」
「ううん……謝らないで。あたしの方が誘ったんだし」
「で、でも……」
「拓也君は、あたしに謝らないといけないことした、って思ってるの?」
しな子は女の子らしい、巧みな意地の悪さで拓也を返答につまらせる。
「そ、そんなこと……ないけど……」
「良かった。あたしこそ、ごめんなさい……でも、ありがとう」
うつむいて、一語一語絞りだすように話すしな子に、
拓也の、さっきも感じていた情感が溢れ出した。
「あ、あの……深谷さん。あの、その、こんなことしちゃったのは良くないと思うけど、
でも、その、深谷さんとまた遊べたら、いいなって」
「……嬉しいけど、責任を感じて……とかだったら、あたし、あたし……」
しな子はまだ感情が高ぶっているのか、言葉を詰まらせて涙を浮かべる。
「ううん、そんなんじゃないよ。その、何て言ったらいいか、さっきとか、
深谷さんのこと、かわいいって思えて」
「……普段はかわいくなかったってこと?」
嬉しさが限界を超えてしまって、つい憎まれ口を叩いてしまう。
「えっ? ううん、違う、違うよ……その……」
「う、そ」
しどろもどろになっている拓也に抱きつくしな子。
「嬉しい……嬉しいわ、拓也君」
拓也は今度はしっかりとしな子を受け止めた。
「うん……これからも、よろしくね、深谷さん」
二人は自然と見つめあい、唇が近づく。
「に〜ちゃぁぁぁ〜」
「お〜い拓也、何やってんだ〜!」
実と藤井の声が重なるように二人の耳に飛び込んでくる。
いつまでたっても来ない拓也にしびれを切らし、戻ってきてしまったのだ。
「大変、みんな戻ってきちゃった!」
「うわぁ、早く服着ないと!」
慌てて身支度を整えた拓也は、立ちあがって、ちょっとためらった後、しな子に手を差し出す。
「行こう、深谷さん」
「……うん!」
二人は遠慮がちに手を繋ぐと、玄関に向かって歩き出した。
二人の夏休みが、今、始まる。



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