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長いキスの後、舌が離れると、顎の端に糸を引かせたまま、愛が囁く。
「深谷さんって、キス……好きなのね」
「うん……槍溝さんは……嫌い?」
「……いいえ」
口にすると同時に、再びしな子に唇を奪われてしまった。
より激しく求めてくるしな子の舌と絡み合って音を立てる度に愛の頭の中が痺れていき、
身体から力が抜けていく。
さっきまでのキスの余韻がまだくすぶっている舌を、しな子は容赦無く吸い上げた。
愛は流石に苦しいのか、少しでもしな子の舌から逃がれようとするが、
すっかり蕩けてしまったのか、身体が言う事を聞かず、ほとんどなす術なく弄ばれる。
(ぅ……ぁ……、キ……ス、こんな……気持ち、いいなんて……)
しな子の唾液が流れ込んできて、自分のそれと混ざりあう。
(深谷さん……の……)
首筋が羞恥に粟立つのを感じながら、ゆっくりとそれを飲み下す。
その音は、しな子の耳にもはっきりと届いていた。
(今、もしかして、槍溝さん……あたしの……つば、飲みこんだ……?)
そう考えた時、しな子の頭の中で嬉しさと恥ずかしさがひとつになって一気に爆発する。
愛が息も出来なくなるほど強く舌を吸い上げると、しな子は夢中になって愛の舌を貪り続けた。
「槍溝さん……」
ようやくキスを止めたしな子は、愛の両頬に手を添えながらそっと囁く。
「……」
しな子の呼びかけに、愛は焦点の合わない瞳でしな子を見つめる。
その表情にしな子は自分でもどうしてよいか判らないほど興奮して、愛の胸元に手を置いた。
「もっと……してあげるね」
返事を待たずにパジャマの上から胸の膨らみを撫で、
微かに手触りが違う所に気が付くと、そこを集中的に責め始める。
「っん、ん……」
散々キスで感じさせられた愛は、軽く触られただけですぐに甘い声を上げてしまう。
服の上からでも硬くなり始めたのを感じ取ったしな子は、
直接見たい欲求に駆られ、二つだけボタンを外して、手を滑りこませた。
汗で湿った掌に、陶器のように滑らかな肌が吸いついてくる。
すぐに小さな頂を捉えたしな子は、爪先で軽く引掻く。
「っ……ん……」
愛が短く声を上げると、それに呼応するように乳首が硬さを増していく。
初めて触れる他人の乳首を、しな子は興味深そうに指先でつまんで弄び始めた。
「ん……………っぁ、……ぅ……」
しな子より成長が早い分、性感も発達しているのか、
胸を触られるだけでも身体中を電流のように快感が走りぬける。
「……気持ち……いいの?」
しな子は普段愛が尋ねる時のように静かに、羞恥を煽るように話そうとするが、
どうしても声は上ずってしまう。
「……ええ……」
それでも、愛は充分に恥ずかしかったのか、少し返事をためらった後に小さく答えた。
「じゃ、続き……するね……」
しな子は更にボタンを外すと、果物の皮を剥くように襟を大きくはだけさせて胸を露出させる。
肌の色に溶け込んでしまいそうな淡い桃色の乳首は、硬く尖る事でかろうじてその存在を主張していた。
呼吸に合わせて緩やかに波打つそれを、いとおしそうに撫で上げると、愛が手を重ねてくる。
しっとりとした汗を手の甲に感じながら、そっと掌で乳房全体を覆った。
気持ち良さそうに目を閉じる愛に、しな子は柔らかな愛撫を加えていく。
「あ……ん……」
もう片方の胸に顔を寄せると、舌先で乳首を突つく。
目を閉じていた愛は突然の濡れた感触に驚いて、思わずしな子の手をぎゅっと握ってしまった。
「や、んぁ、それ………」
舐めた事はあっても、舐められた事は初めての愛は快感の大きさにとまどったように声を上げる。
(すごい……気持ち良さそう……)
愛の反応に気を良くしたしな子は、口を大きく開いて愛の乳房を本格的に吸い始めた。
自分が愛にされた時の事を思い出しながら、蕾を舌で転がし、軽く歯を当てながら吸いたてる。
「……っふ…………んぁっ、や……」
愛の足の間に自分の膝を割り込ませて、股間に押しつける。
ほんの少し力を込めるだけで、しな子の膝に熱い感触が伝わってくる。
「槍溝さん……膝……熱いわ……」
愛はしな子の意地悪な言葉にも感じてしまうのか、うっとりとした目でしな子の方を見ると、
更に膝に押し付けるように腰をずらした。
しな子がパジャマを脱がせようとすると、さりげなく腰を浮かせて手助けをする。
露になった薄い桃色の下着は、しな子が恥ずかしくなってしまうほどぐっしょりと湿っていた。
下着に手をかけて、少しずつ降ろしていくと、
もう擦れるだけでも感じてしまうのか、太腿を喜びに震わせながら吐息を漏らす。
しな子は、うっすらと陰毛が生えている愛の股間に、吸い寄せられるように顔を近づけていった。
「………」
まじまじと自分の性器を見つめるしな子に愛は今更のように足を閉じようとするが、
ほとんど力は入らず、しな子に逆に両太腿を抱え込まれてしまう。
「こんな風になってるんだ……」
まだ襞も広がっていない、薄いピンク色をしたスリットは、
ときおりひくひくと蠢きながら新たな蜜を溢れさせている。
少し匂いが強くなってきたそこに、そっと舌で触れてみた。
軽く触れただけでしな子が驚くほど愛の身体は大きく跳ねて、
太腿がしな子の頭を挟みこむように内側にすぼまる。
(今……もしかして、イっちゃったのかな?)
しな子は聞いてみたかったが、愛の両足に頭を挟まれて顔を上げることができなかった。
それどころか、愛は頭を掴むと、更に強く押しつけてくる。
(もう少し、奥まで……)
しな子にも、汚い所を舐めているという感覚は無い訳では無かったが、
愛の感じているところをもっとみたいという気持ちの方が上回り、舌先をすぼめて、奥へと潜りこませる。
生暖かい感触が愛を襲う。
腰が自分の物でなくなったみたいに跳ね、ガクガクと痙攣する。
「うぁっ……! ふか……や……さん……」
ほとんどうわ言のようにしな子の名前を呼ぶのが精一杯で、
頭が急速に空白に染まり、電流が走ったように身体がうねる。
「深谷さん……も、ダメ……私……、私……やっ………やっ……!」
絶頂に達した愛は、ひときわ大きく身体を震わせると、ベッドの上にぐったりと沈みこむ。
しな子は愛の傍らに身体を横たえると、額の髪をかき分けてやりながら、
ぐったりとしている愛を幸せそうに眺めていた。
「やーりみーぞさん」
ようやく呼吸を整えた愛に、しな子はありったけの愛しさを込めて呼びかけた。
「……なに」
愛はすました顔をしようとしたが、その試みは半分ほどしか成功せず、
口元から笑みをこぼしてしまう。
「へへー……気持ちよかった?」
しな子の問いに、愛はわずかに目線を逸らせながら口をとがらせた。
「……深谷さんがこんなにエッチだなんて思わなかったわ」
「そんな事言って槍溝さん、感じてる時すっごい可愛い顔だったよ」
しな子は全てお見通し、といった風に悪戯っぽく笑うと、布団の中の愛の手を握る。
愛はその手を強く握り返しながら、今度はどうやって先手を取ってやろうか考え始めていた。
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