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「あてが違っちゃったね」
エリーの囁きにもアイゼルは答えず、口を薄く開いたままじっと室内を眺め続けている。
エリーもそれ以上は何も言わず、初めて見る他人の交愛を良く見ようとアイゼルと肩を並べた。
もちろん部屋の中の声は聞こえなかったが、
二人の白い身体が艶かしく絡み合う様子ははっきりと見える。
それは自分たちがしている事よりも遥かに激しく、淫靡さに満ちていた。
昨日の事を思い出してしまったエリーは、身体の中心が熱くなるのを感じて足をすり合わせる。
(すごい……)
そっと足の間に手を触れさせると、すぐに心地よい痺れが全身に広がっていった。
手首から先を内腿で挟みこんで、
アイゼルに気付かれないように指先を軽く曲げて服越しに割れ目をそっとこする。
もどかしい感触がかえって気持ち良くて、
やがて指先に下着が受け止めきれなくなった熱い滴りがまとわりつく。
豊かな胸を揺らし、大きく足を開いて腰を動かすマリーとシアの媚態に
自分とアイゼルを重ねて、エリーの指は自然と激しさを増していった。
その時突然、自慰にすっかり夢中になってしまっていたエリーのお尻に何かが触れる。
「……っ!」
不意をつかれてエリーは思わず声を上げそうになったが、
素早くその口も柔らかい何かで塞がれてしまった。
お尻に触れた手の持ち主はエリーも驚くほど強い力で乱暴に腕を掴み、
そのまま身体を抱きかかえる。
口をこじ開けるように入ってきて中で暴れ回る舌の動きが、
アイゼルも自分と同じ位興奮しているのを伝えていた。
いつもより長く激しいキスが終わり、
呼吸が苦しくなったエリーが一息つこうとした所に間髪をいれずアイゼルの指が蠢き始める。
「っぁ、アイ、ゼル……こんな……所で、止め、よう……よ……」
エリーはそう言ったものの、忙しく這い回る手を積極的に止めはせず、
むしろ身体をアイゼルに押しつけるようにして更なる愛撫を求める。
「駄目よ。一ヶ月も我慢していたんだから。
……それにそんな事言って、あなたもうこんなに濡らしているじゃない」
身体を二つに折って感じ始めるエリーに、アイゼルは息を荒げて言葉で嬲る。
「アイゼルだって……同じじゃない」
エリーが手を後に伸ばしてスカートの内側に潜り込ませると、
アイゼルは耐えかねたようにエリーの顎を掴んで自分の方にねじ向かせ、唇を貪った。
口の中に入ってきた舌に絡めようとエリーが自らの舌を伸ばすと、
アイゼルは巧みに唇で挟みこんで動きを封じてしまう。
動きの止まったエリーの身体を強く抱き締めると、
アイゼルは太腿を彼女の足の間に割り込ませて押し上げた。
柔らかくほぐれ始めた秘所を刺激されて、エリーの頭の中に白いもやがかかっていく。
「あなたの方が濡れてるわよ」
さんざんねぶった後、ようやく舌を解放してやったアイゼルはエリーの耳を甘く噛みながら囁く。
「そんな事……ないってば」
「嘘」
否定するエリーの言葉を一蹴すると、
アイゼルは膝頭をエリーの股間に押しつけて、ぐりぐりと刺激した。
ほんの入り口だけに触れる、浅く、広い快感では全然物足りず、
エリーは少しでも強い刺激を求めて腰を軽く揺する。
「ほら。こんなにいやらしいじゃない」
「あ……ん……だ……って……」
アイゼルの言葉通り、
彼女が身体を離すとエリーは膝から先に力が入らなくなってその場に崩れ落ちてしまった。
それでもアイゼルは離れようとせず、エリーの上から覆い被さるように身体を抑えこんだ。
一ヶ月ぶりのアイゼルの指先がもたらす快感に身を委ねていたエリーは、
突然足の方から大きな音が聞こえてきて驚く。
それはアイゼルが、彼女の邪魔をするタイツを破いた音だった。
「ちょっと……破いちゃったの? ひどいなぁ」
「後でちゃんと買って返してあげるわよ」
エリーの嘆きも興奮したアイゼルには通用しなかった。
確かにアイゼルはこうやって破いた後は必ず新しいのを買ってくれたが、
品質がどうとか言って自分で取り寄せた物で無いと渡してくれなかった為、
どうしても幾日か後になってしまい、それまでの数日は表を歩けない。
またそれを良い事にアイゼルが泊まりに来て、
さすがのエリーもうんざりするほど離れようとせず、一日中でもベッドに居ようとするのだ。
その事を考えて、エリーは破かれる度に出てしまう、もう何度目か判らないため息をついた。
エリーの悩みをよそに、アイゼルは破いたタイツの裂け目から手を滑りこませると素肌を撫で上げる。
冷たい手で敏感な所を触れられて、エリーのため息も甘い吐息に変わっていった。
昂ぶってきたエリーは、自分もアイゼルに触れたくなって頼んでみる。
「ね、アイゼル……私にもさせてよ……」
「駄目」
アイゼルは答える手間も惜しい、とばかりに短く返事をすると、
それ以上の反論を封じるようにエリーの秘唇に指を差しこんだ。
「やっ、あっ……ん……」
挿入た指をしばらく留めてエリーの身体に落ちつく時間を与えてやる。
頃合いを見てゆっくりと指を動かすと、エリーの腰が妖しくくねり始めた。
「もう……そんなに腰動かさないでよ。はしたない」
「だって……」
途中で言葉を切ったエリーだったが、アイゼルは彼女が言おうとした事を正確に理解していた。
無言のまま、出し入れさせている指に時折肉壁を抉るような動きを交える。
「うぁ……やっ、アイゼル、それ……」
「あなた、ここ弱いでしょう」
指を目一杯まで埋めて、ねじるように回す。
しっとりと湿った膣の内側が収縮しながらまとわりついてくると、
アイゼルの胸の内が恋人を犯している実感で満たされてきた。
それに一ヶ月もの間自分を置いて旅に出た怒りと寂しさ、
一ヶ月ぶりに再確認した想いと欲望が加わって、
アイゼルの秘唇もエリーと同じ位熱くぬれそぼり始めていた。
太腿を滴が伝うのがくすぐったくて、もじもじと擦り合わせたものの、
今はエリーを少しでも長い時間触っていたくて自分で触れようとはしない。
その代わりにもっとエリーに身体を押しつけると、胸を乱暴に掴んだ。
「は、ぅ……うん……そこ、もっと……うくっ、あぅ……」
アイゼルは激しくしているつもりだったが、エリーはまだ物足りないのか、
誘うように腰を振って更にせがんでくる。
身体の中をかき回されるような強烈な快感にエリーは顎を仰け反らせ、
滲み出した愛液でアイゼルの指が熱くまみれる。
「アイゼル……お願い、私、もう……だめ、だよ……」
切なそうに高まりを訴えるエリーの声に、アイゼルは指の動きを一段と激しくした。
「やっ、だめ、イッ……ちゃう……!」
アイゼルが指を目一杯彼女の中に埋め、前後から上下の動きに変えた時、
エリーの蜜壷が強く収縮する。
「アイ……ゼルぅ……!」
エリーは小さくアイゼルの名を呼ぶと、地面に倒れこんだ。
アイゼルがエリーの中に埋めた指を抜くと、熱い滴が一緒にあふれ出る。
アイゼルはその蜜を掬い取ると、大事そうに口に含んだ。
じっくりと自分の指をねぶりあげると、感極まったように身体を震わせる。
達したばかりで少し温かくなっているエリーの身体にそっと触れながら、
アイゼルは彼女が起きるまで隣に座って待つ事にした。
火照った身体をひんやりとした地面で冷ましていたエリーが
気だるげに身体を起こすと、アイゼルが手を引っ張ってくれた。
そのまま胸元に引き寄せられて軽く唇が触れる。
「……帰りましょうか」
「……うん」
二人とも声に出さずにアイゼルの部屋で続きをしようと決めると、
最初の目的もすっかり忘れて家路に就くことにした。
「きゃっ、きゃぁぁ!」
エリーに少し遅れて歩きはじめたアイゼルが、突然悲鳴を上げる。
驚いたエリーが振り返ると、彼女の身体に蛇のような物が巻き付いていた。
「これ……!」
解こうと掴んだエリーはそれが何か思い当たったが、その答えを口にする前に
エリーの足元にも別のそれが絡みつき、あっという間に身体を縛り上げられてしまった。
しっかりと縛られてしまった二人は、否応無しにそれが引っ張って行く方向へ歩かされる。
ぐるりと家の周りを一周して何故か開いている工房の玄関をくぐり寝室に着くと、
そこにはマリーとシアが裸のまま淫蕩な笑みを浮かべて二人を待ち構えていた。
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