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「こっちに来いよ」
俺の言葉にも昂然と胸を張り、視線を逸らさずに歩み寄ってくる。
手の届く距離まで近づいてきた彼女の、
俺はまるでそうされる為にあるかのようにくびれている腰に腕を回すと、不意に唇を奪った。
抵抗するように腕の中で暴れたが、翼の付け根を優しく撫でてやると
一度身体を大きく震わせておとなしくなった。
餌を与える親鳥のように舌を差し込んで、ゆっくりと彼女の舌に絡めていく。
多分、今まで手に入れた男達には、することはあってもさせることは無かったのだろう。
彼女の舌はまるで少女のようにぎこちなく、
おかげで俺は存分に彼女の舌に快感を植え付け、その感触を楽しめた。
俺が口を離しても、モリーアンはしばらく気付いていないようだった。
焦点の合わない瞳で俺を見ていたが、
我にかえると恥ずかしそうに目元を朱に染める。
「あ……随分と上手い……じゃないか……」
「気に入ってくれたか?」
俺の問いに彼女は答えなかったが、態度を見れば一目瞭然だった。
「次は…奉仕してもらおうか」
彼女はもう睨みつけることもなく俺の服をはだけさせると、
所々に唇を押し当てながら俺の下腹部を目指していく。
その仕種に思わず俺はまるで鳥がついばむようだ、
と笑い出しそうになるのを慌てて堪える。
膝立ちの格好で俺のペニスを正面から見据えたモリーアンは
ほとんどためらい無くひと息に咥えると、すぐに激しい口技を使いはじめた。
舌に唾液を乗せてまぶすように絡め、軽く吸い上げる。
顔にかかる髪を時々かきあげながら、音を立てて顏を前後させると、
それがもたらす快感に、彼女の温かな口の中で俺の怒張が一層膨れ上がる。
それでも彼女はわずかに苦しそうな呻きを漏らしただけで放そうとはせず、
それどころか奥深くまで飲みこんだかと思うと、先端をねっとりと舐め回し、
裏側を執拗に責め立て、喉の粘膜に触れさせて刺激を与えてくる。
ただ棒を舐めるだけだと言うのに、彼女は驚くほど様々な技を駆使していた。
俺も色事に自信が無い訳では無かったが、
こちらの方では彼女の方がレベルが高いようだった。
形勢不利と見た俺は、やや惜しかったが彼女を立ちあがらせると、
足の間に手を割り込ませる。
咥えている内に感じていたのか、そこははっきりと判るほど潤っていた。
これなら前戯をしてやる必要もないだろう。
「どうしたのさ。まさかもうイきそうになったのかい?」
余裕を取り戻したのか、モリーアンは挑発的に身体を押し付け、
俺の屹立を足に挟んで軽く前後に振ってみせる。
「まだまだ…これからさ」
俺は虚勢を張ると、彼女がそれ以上何か言う前にモリーアンの片足を抱え上げて挿入した。
「うっ……ぁ……」
いきなり奥深くまで貫かれて、彼女の細く尖った顎が仰け反る。
その声には普通の愉悦に加えて、蹂躙される悦びめいた物が混じっているようにも聞こえた。
興奮した俺はすぐに抽送を始めようと思ったが、この姿勢ではほとんど動くことが出来ない。
そこで俺は、唯一彼女の身体を支えている足も抱え上げた。
彼女も心得たもので、羽ばたきの音がして、俺の腕にかかる力が軽くなる。
おかげで俺は普段と同じ調子で腰を動かす事が出来るようになった。
「人間に、しては、中々、やる……じゃないか……」
彼女は所々で声を途切らせながらも、まだ余裕の表情で足を俺の腰に巻きつけて
蜜壷を締め上げてくる。
目の前で小刻みに揺れる乳房に欲望をそそられた俺は、
腰の動きをやや抑え気味にすると硬い尖りに唇を寄せた。
唇の柔らかい所で幾度か吸い、舌腹で全体を円を描くように味わう。
歯で乳首を挟んで軽く噛みながら窪みを舌先で刺激してやると、モリーアンの手が俺の頭を掴む。
「あ、ん……それ……いい……」
その声に気を良くした俺は、左手一本で彼女を支えながら右手でもう片方の乳房にも愛撫を加えた。
丁度良い大きさの膨らみが、俺の手に吸いつく。
揉みしだくと柔らかく沈みこむが、
しかし一瞬後には弾き返すような勢いで元の形に戻る乳房を、俺は何度もこねまわす。
俺と彼女の体温が程よく交じり合い、肌と肌の隙間にしっとりと汗を生じさせる。
それは更なる快感を呼び、俺の身体を挟む足の力が強くなった。
腰が少し痛みを感じるほどの締め付けに、
俺は彼女よりも先に精を搾り取られる気がして再び腰を動かした。
彼女の身体を地面と平行になるくらい倒して、肉壁の上側に擦りつける。
「あっ、あ……いい……いい……」
そのまま数回、ゆっくりとした動きで味わせてやると
そこが余程気持ち良いのか、彼女は自ら身体を更に倒して
俺の張っている部分をより強く肉壁に押しつけてきた。
「すごい……うぁっ、……ん、ん、そこ、もっと……」
足の力が緩んだのを感じた俺は、左足の太腿を抱え上げて、肩に乗せる。
目の前のしなやかに張っている膝の裏に軽く舌を這わせると、
繋がったまま一気に彼女の身体を回転させた。
人間ではおよそ不可能な動きだが、彼女は翼を動かしてバランスを巧みに取ってくれた。
「あっ、あっ……! こんな……こんなの……」
彼女もこんな動きは初めてなのだろう、さっきまでの余裕も完全に失い、
俺の突き上げるリズムに合わせて喘ぐのが精一杯になっていた。
俺も自分の中で爆発的な高まりが近いのを感じて、最後の攻めに出た。
彼女の胸を鷲掴みにすると、小刻みに、何度も身体を貫く。
「もう、だめ、だめ……うぁぁっ!!」
一際激しい叫び声と共に肉襞が激しく締まり、俺の肉棒を吸い上げる。
俺も彼女の絶頂に合わせるようにとどめの一撃を奥深くまで打ちこんだ後、
そのまま彼女の中に欲望を解き放った。
大きく背中を反らせたモリーアンは、反動で深く身体を折るように崩れ落ちる。
手の中に戻ってきた彼女の重みを感じながら、
俺はその身体を抱きかかえてしばらく休憩しようとその場にあぐらをかいた。
「あんた……顔に似合わずすごいことするねぇ」
少し回復したモリーアンは俺の首に腕を回しながら、色を帯びた声で囁く。
「だけど、悪くなかっただろう?」
「ああ……良かったよ。イカされちまったもんねぇ」
その時の快感を思い出したのか、彼女は軽く身を震わせると楽しそうに笑った。
俺は手元に落ちていた彼女の剣を拾うと、鞘に収めて返してやる。
「どうする? 一緒に来てくれるか?」
「当たり前だろう? 今度こそあたしがイカせてやらないとねぇ」
俺も笑って彼女の身体を軽く抱き締めると、街を探す為に立ちあがった。
街に着いたら最初に、俺と彼女が今日泊まる場所を確保しないとな、と思いながら。
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