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 人間の男性に備わっているものなら、力を失って萎えているはずの茎は、
萎えるどころか射精する前と変わらぬ偉容でそそり立っていた。
 白濁と唾液で醜くも淫らに濡れ、獲物が足りぬとばかりに脈打つ白い槍に、亜柚子は喉を鳴らす。
口淫でも萎れさせることができないのなら、残る手段はひとつしかない。
そう――明日香を救うためには、この方法しかないのだ。
「せんせー……」
 四つん這いになって下から見上げる担任教師を見る明日香の目は、異様な輝きに満たされていた。
亜柚子の口に何かを注ぎこんでから――明日香自身は見ていないが、亜柚子の口の周りに付いている、
白い液体がそうなのだろう――身体の火照りは収まるどころか増す一方だ。
もう一度亜柚子に咥えてほしいという欲望が、未だ衰えぬ肉茎から鼓動のように脳を苛んでいた。
「大丈夫よ、八千穂さん……必ず、治してあげるわ」
 亜柚子は口の周りに付いた樹液を舐めて言った。
親しみやすい教師の、見たことのない表情に、明日香は怯え、誘われる。
少女の手を取り、眼前に突きだされた肉槍に視線を移して亜柚子は言った。
「だから……横になって」
 明日香はおとなしく指示に従った。
制服は着たまま、スカートを捲りあげている姿は、地上でいくばくかの金と引き替えに身体を売る少女達の誰よりも淫らだ。
この年頃の少女特有の張りのある太股は、同性である亜柚子をも惹きつけてやまない。
その先にはやはり少女らしい、柔らかそうな恥毛がもっとも大切な部分を慎み深く護っていたが、
今、そこには草原の中央に立つ大木のように、彼女の肌の色をした茸状の器官が雄々しくそびえ立っていた。
男と女の、通常ではありえない取り合わせは、強烈な印象を見る者に与える。
指を三本ほども束ねた太さの柱に、焦げるかというくらいの眼差しを注いでいた亜柚子は、
意識して視線を外すと、スカートのホックを外した。
これを脱いでしまったら、もう戻れなくなる――そんな考えが瞬間、心をよぎる。
しかし後戻りするにはすでに遅すぎ、素裸の少女の柔らかそうな下半身と、
まだ射精の跡も生々しい、筋張った肉柱を目にしてしまえば、
理性など湿った下着同様、何の役にも立たない邪魔な薄衣でしかなかった。
 ひといきに下着も脱ぎ捨てた亜柚子は、明日香の上に跨った。
「せんせー……」
 明日香の声は怯えている。
だが、瞳には期待が浮かんでいるように、亜柚子には見えた。
それが真実か否かは、どちらでも構わなかった。
亜柚子はただ、信じたかったのだ。
彼女も――未知の植物の花粉を浴びて、哀れにもペニスを生やした少女も、
自分と同じく快楽を求めるようになってしまったのだと。
異形の存在に成り果てた恐怖より、それがもたらす禁断の悦びを知ってみたいのだと。
 明日香のペニスを握った亜柚子は、その切っ先を自分の膣穴に向ける。
尻の位置を微調整し、亀頭を、蜜したたる溝に触れさせると、息を止め、膝を広げていって、少しずつ挿入していった。
「くぅ……ン……ッ……!」
 熱い杭が肉を灼く衝撃に、白い喉が反り返る。
久方ぶりの肉の悦びは、これほどだったかというほど激しく、大粒の涙があふれた。
「うぁッ、なに、これ……凄い、よ、せん、せ……っ……!」
 肉の悦びは、下にいる明日香も享受していた。
亜柚子の膣内に挿った部分が、神経を宿したかのように激しい感覚を伝えてくる。
柔肉の温かさと圧力、それにどろどろの愛蜜が混然となってもたらす、口淫を上回る快感に、
明日香は少女らしい顔立ちを醜く歪ませた。
「あたし……の……おちんちん……どうしよ、せんせー……凄い、気持ちいいよ……!」
 明日香の呟きは亜柚子に向けられたものではなく、亜柚子も、教え子の呟きに耳を傾けていなかった。
「んッ……ああ……こんな、深く……私のなかに、挿って……!」
 腹を裂くような太さの男根を収めても、痛みはない。
頭の奥を直接小突かれているような目もくらむ快感に、亜柚子は年齢の割に幼いと言われる顔を蕩かせて、
さらに奥までペニスを咥えようと尻を下げた。
「んはァァツ、ああ、いい、わ……気持ち、いいっ……!」
 蛙のように足を開き、喉を鳴らす。
せりあがる解放感に身を任せる亜柚子は、わななきながらもやはり顔を蕩かせている明日香と目を合わせ、
同じ輝きを見いだした。
「せんせー……」
「明日香さん……」
 もどかしく手を握りあい、くちづけを交わす。
柔らかな唇を吸い、舌を絡める行為に愛情はなく、ただ劣情に支配されているだけだ。
そして、その爛れたくちづけの最中にさえ、亜柚子は腰を揺らし、快楽を貪っていた。
「んふっ、ん、ぷ……」
 鼻息を漏らしつつ闇雲に明日香の顔を舐めまわす。
口腔だけでなく、顎や鼻にまで舌先は及んだが、明日香に嫌がる様子はなく、
彼女の方も亜柚子の唇の裏側や、歯茎に至るまで、欲望のままに舌を這わせた。
「あう、へんへ、へんへえっ」
「あふゅかひゃん、あひゅかひゃんっ」
 おびただしい唾液がろれつさえ怪しくさせるが、二人は気にも留めずに泡立った唇を開閉させる。
下腹の快楽に息が続かなくなるとその時だけ口を離し、呼吸を回復させてまた舌を啜りあった。
「はぁ、ぷあ、はぁっ、んっ……」
「ああ……はぁっ、んっ、んううっ」
 二人とも明らかに正気ではなかった。
明日香に寄生した疑似男性器から、樹液が放たれたとき、
放った明日香も浴びた亜柚子も一気に理性のたがが弾けとんだのは、異常な状況によるものだけではなく、
樹液そのものに何らかの性的な興奮を促進させる成分が含まれていたのだ。
明日香が花粉を浴びた植物が、どのような生物的意図でこのような生態を獲得したのかは知る由もない。
仮に解ったとしても、脳髄にまで達している淫楽への渇望は、二人を離さなかっただろう。
「えへへっ、せんせーのおっぱい、おっきくてやわらかい」
「うふふ、明日香さんのだって……とっても素敵よ」
 お互いの服の内側に忍ばせた手を妖しく動かし、淫蕩に微笑んでくちづけを交わす。
それだけでは飽きたらず、亜柚子は服をたくし上げると、自分の乳房を掴んで明日香のそれに擦りつけた。
「ああっ、明日香さんの乳首……硬くて気持ちいいわ」
「せんせーのもこりこりしてる」
 数分前までは彼女達の思考の片隅にさえ居場所がなかったであろう淫らな言葉を嬉々として口にし、
それが本心からであると証明するかのように、言葉を紡いだ舌そのもので快楽を生みだす。
「あッ、あッ、あぁンッ……! 明日香さんの、おちんちん……太くて……あぁッ、凄いィッ」
「せんせーの……せんせーのも……ぎゅって締まって……ぇぇ」
 明日香の手を握ってバランスを取りながら、亜柚子は腰を振る。
膝を割って大きく晒した陰部を前後左右、あるいは上下に、地上で彼女がまとっていた淑やかさなど微塵も感じさせない、
ふしだらを美徳とする女悪魔のように、肉の悦びに耽って。
 彼女と手を繋ぐ明日香も、少女らしい愛らしさなどすっかり蒸発してしまった顔で、
禁断のペニスがもたらす堕淫の果実をあさましく貪っている。
自分と亜柚子の結合部から響く、卑猥な打音と粘液の不協和音に陶然とし、
腰の上で顔全体の筋肉を緩ませて髪を振り乱す亜柚子を見て艶然とする。
その笑みに知性はなく、ただひたすらに快楽を欲するだけの存在に成り果てていた。
「あァ、こんなの初めてッ……おく、奥まで届いてっ」
 間の抜けた空気の音が響くのも厭わず、亜柚子が肉の筒を上下させる。
それを明日香が手助けし、二人で尽きぬ快楽を汲みあげる。
全身に満ちる多幸感に、二人はほぼ同時に叫んだ。
「せんせー……あたし、またさっきの、出そう」
「あァッ、イク……! イクイクぅっっ……!」
 ひときわ固く手を握りあった亜柚子と明日香は、快楽の果てを求めて肉をぶつけあった。
 亜柚子が尻を持ちあげ、乱暴に落とす。
それまでよりも奥の、初めて経験する部分への刺激に、亜柚子の身体が一気にのけぞった。
「あっ、かッ――!」
 もはや叫び声にすらなっていない、気の塊を中空に吐きだして、亜柚子は絶頂を迎えた。
「あッ、あァッ――!」
 一秒も間を置かず、明日香の絶叫が響き渡る。
男性の平均を遥かに上回る量の精液が、ペニス自体を揺らすほどの激しさで噴出した。
その振動は当然、ペニスが挿さっている膣穴に伝わり、すでに昇りつめている亜柚子をさらに上へと押しあげた。
「んゥぅッ――!」
 熱い飛沫に膣内を満たされて、白目を剥くほどのアクメに達した亜柚子は、痙攣し、崩れ落ちる。
過去に経験のないほど凄まじい絶頂に、理性の全てを押し流されて、呆けた顔で明日香にしがみついたまま、
腰だけが未だ余韻の醒めやらぬ様子でひくついているさまは、天使が堕天した直後のようだった。
 亜柚子の下にいる明日香も、状況においては大差ない。
女性の絶頂を上回る男性のそれに、頭の芯まで痺れてしまっていて、口をだらしなく開いたまま、
焦点の合っていない目で地下遺跡の暗闇を見ている。
ときおり瞼が痙攣するのが哀れにも見えるが、彼女の頭の中全ては未だ快感が満ちたままだった。
男性の射精快感に引きずられるように女性の快感も絶頂に達しており、
亜柚子よりも深く長い絶頂の波が、巨大な鐘を鳴らしたときのように身体中に響いていた。
亜柚子を腹の上に乗せたまま、気怠さに身を任せる。
亜柚子の膣内に収まっている器官は、未だ収まらぬ猛ったままだった。
 明日香の腹の上で、亜柚子は何かに抗うように両腕をかき抱いていた。
 何かが来る。
その正体を知らぬまま、また、絶頂の余韻で確かめる気力も湧かないまま、急速に迫るそれを、亜柚子は半ば待ち受けていた。
 地下で二人が待っていても、九龍は驚かなかった。
入り口である墓石がずれていたのは気づいていたから、どちらか一人は確実に居ると判っていたのだ。
ただ、明日香は今日休んでいたし、亜柚子は連絡なしで下りることはないはずで、その点が不思議ではあったが、
たまたま連絡を忘れたのだろうと、それほど深く考えもしなかった。
彼女達はあくまでも探索の付属物で、彼の心は未知の探索にほとんど全て捧げられていたのだ。
「あれ、早いな。上は別に雪も槍も降ってねぇけど」
 冗談を飛ばしながら九龍は、縄ばしごから少し離れたところに居る二人に近づく。
二人は九龍に気がついたようだが、声をかけるどころか手も挙げず、顔だけを動かして見るだけだった。
普段の彼女たちとはほど遠い態度に不審を感じた九龍が、その不審を増幅させたのは、
彼女たちから五歩ほどの位置まで近づいたときだった。
薄暗いので気づかなかったが、床にへたりこんでいる亜柚子と明日香は、二人とも下に何も履いていなかった。
「……!! お、おい、何かあったのかよ。まさか……」
 女性が下半身を露出して放心している。
それが何を意味するのか、そういったことに疎い九龍でも想像はついた。
この迷宮に存在する人ならざる化け物、あるいはこの迷宮を護ろうとする学校の関係者。
卑劣な犯罪の実行者を、九龍は辺りを見渡して探した。
「くそッ、誰にやられたんだよッ、顔は見てないのか!?」
 義憤に駆られて九龍は叫んだが、被害者である彼女達の反応は至って鈍かった。
九龍をぼんやりと見上げるだけで、返事さえしない。
「人間か人間じゃないかくらい、わかるだろ?」
 ショックの大きさを思えば仕方ないと同情しつつ、仇だけでも取ってやりたいと九龍は急いた。
漂う異臭に眉をひそめながら、亜柚子の前に膝をつく。
その時になって初めて、九龍は彼女の素裸の下半身に、あってはならないものが生えているのに気づいた。
「お、おい……なんだよ、それ……」
これまで底の見えない谷や無数の毒蛇が待つ洞窟、その他あらゆる危険に遭遇しても取り乱したりはしなかった、
まだ十八歳ながら宝探し屋としての素質を充分に持つ九龍が、声を詰まらせ、狼狽していた。
威嚇する蛇のようにこちらを向く亀頭に、思わず目を逸らす。
「うふふ……九龍さんも……気持ちいいこと、しましょう」
 毒蜂の蜜のような甘くもおぞましい粘り気を孕んだ声に、冒険の知識は豊富でも、
異性に関しては素人同然の九龍は、縛られて動けなくなってしまう。
その肩を、いつの間に忍び寄っていたのか、明日香に掴まれた。
「うん……あたし達と一緒に、気持ちよくなろ……」
 亜柚子と同種の毒を含んだ声に、九龍の恐怖は限界に達した。
「くッ……離せ、近寄るなッ!」
 とにかく一度彼女達と距離を置いて、態勢を立て直すべきだ。
本能に従って出された命令は、だがわずかに遅かった。
上半身をひねって明日香の手をふりほどきつつ立ち上がろうとした九龍の頬に、熱く不快な湿り気を帯びた何かが当たる。
その正体を見極めるよりも早く、それは口の中に押しこまれていた。
「……ッ!! んぐぐッ!!」
「えへへッ、歯を立てちゃダメだよ」
 不意を突かれた九龍は、なすすべなく明日香のペニスを咥えさせられてしまう。
なりふり構わず突き飛ばそうとすると、亜柚子に抱きすくめられた。
「じっとしてて……うふふ、九龍さんのは本物なのよね」
 九龍の股間をまさぐった亜柚子は、彼の尻に同じものを擦りつける。
世界を飛び回り、不法行為をものともせず、数多の機関と渡り合って秘宝を求める若き冒険者が、
たった二人の女性に心底から怯えていた。
「九ちゃんの口の中……あったかくて、気持ちいい……」
 根本まで肉柱を九龍の口に押しこんだ明日香は、彼の頭を掴んで前後させる。
それはつい今し方亜柚子から教わった、この肉棒で気持ちよくなるための方法だった。
「いっぱい、出してあげるね……あたしのせーえき」
 もはやそれが最初から備わっていた器官であるかのように、明日香は快楽を蓄えていく。
 そして、明日香から樹液を受け取ったことで、自身にもペニスを生やした亜柚子が、
九龍の足の間から、勃起させた九龍のペニスと自分のそれとを当てていた。
「九龍さんのおちんちんも……とっても硬くて美味しそうね」
 淫欲に憑かれた瞳で教え子を見下ろす亜柚子は、男性の下半身に備わるたったひとつの孔に目をつける。
その場所ですることもあるという知識は、思いだした瞬間に欲望と直結した。
「九龍さんのはじめて……先生が貰うわね」
 明日香のそれとおさおさ変わらぬ巨大な肉柱を、躊躇なく彼の孔にこじ入れる。
禁断の孔をこじ開けられた九龍の口から悲鳴が漏れたが、亜柚子には新たな快感の味つけが加わっただけだった。
軋む門を力づくで拡げていき、生えたばかりの男根に伝わる強烈な刺激によだれさえ垂らして酔いしれる。
「ああッ、凄いわ……ぎちぎちに締まって、すぐにイッてしまいそう」
「いいなーせんせー。あたしも九ちゃんとしたい」
「うふふ、それじゃ後で交代しましょうね、明日香さん」
「うん、あたしもうすぐイキそうだから、そしたら交代しよ」
 亜柚子と軽いくちづけを交わした明日香は、抽送を早める。
三度目となる、腰が砕けそうな快感の予兆を感じて、自然と頬がほころんだ。
「いくよ、九ちゃん……!」
 明日香の宣告に、亜柚子の宣告が重なる。
「九龍さん、いくわよ……!」
 語尾が消え去らぬうちに、女たちは牡の液体を男の体内に注いだ。
「あぁッッ……!!」
「んくウッッ!!」
 感極まった二人の叫びを、もはや九龍は聞いていなかった。
否、上と下から熱い樹液を注がれた瞬間から、彼は葉佩九龍である一切を喪失していた。
踏破すべき迷宮も、見つけるべき秘宝も、全てが遠くに消え、代わって白い粘液が頭の内側にべとべとと貼りついていく。
だが、それは彼にとって幸福だったのかもしれない。
なぜなら、命を燃やすような刺激と興奮に満ちた冒険の日々は、もう必要ないからだ。
 崩れ落ちた九龍の背後に回った明日香が、勃起の収まる気配もないペニスを、
まだ亜柚子の放ったザーメンが生々しく垂れる尻の孔に挿入する。
その刺激に気を失っていた九龍が目を開けると、亜柚子が優しく微笑んでいた。
「さあ、九龍さん……私のおちんちんを舐めてくれる?」
 臭気を放つ肉柱を虚ろに眺めた九龍は、やがて口を開く。
亜柚子のペニスが挿入されると、言われたとおりに舐めはじめた……



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