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「あ……っ」
その途端、明日香は腰を引いてしまった。
「ご、ごめんなさい、どこか引っかかった?」
「う、ううん、平気」
こうなると亜柚子も尻込みしてしまうが、このままでは何も事態が進展しない。
下着越しにも偉容を見せる部分に刺激を与えないよう、さらには見ないようにして、慎重に足首までパンティを下ろしていった。
「どう……?」
「ま、待って」
急かす明日香をなだめ、目を閉じて呼吸を整える。
深く二回息を吐いたあと、亜柚子は意を決して目を開けた。
「……っっ!」
充分に覚悟はしていても、亜柚子は低く喘がずにいられなかった。
それは想像通りの形をしていた。
明日香の身体から斜め上方に向かって生える、異形の茸。
亜柚子は男性器をまともに見たことがなく、もしかしたら細部は異なっているのかもしれない。
それでも、見た瞬間の印象は、紛うことなき人間の男性に備わっているペニスそのものだった。
女性器の上端に被さるように生えるそれは、男性器と異なり、最初から肥大した状態で上を向いている。
茎の部分は明日香の肌と同じ生白い色で、傘だけがピンク色をしていた。
根元はどのような具合によるものか、明日香の肉体と完全に癒着していて、境界線すら判別できない。
見た目だけならば元々彼女に備わっている器官とさえ見えるほどだ。
見はしたもののどうすれば良いか皆目見当がつかず、途方に暮れて亜柚子は顔を上げる。
すがる視線を向ける明日香の眼はもう涙に塗れており、幾つぶかの滴が亜柚子の手に当たった。
「あたし……九ちゃんや先生の言うこと聞かなかったからバチが当たったんだ……」
「そんなことないわ」
「でも……このまま治んなかったら……あたし……!」
「だ、大丈夫よ、きっと治るわ」
「本当?」
「ええ」
嘘をつくのは心苦しかったが、今は明日香を落ちつかせる方が重要だった。
「身体に他の変化はないの?」
「うん、なんともないよ」
「そう……」
質問をしながらも亜柚子は明日香の股間から目を離さない。
男性の股間など見たいと思ったことはないのに、教師として案じる気持ちの他に、
少女に生えた異物に、不思議なほど興味が湧いていた。
それはもしかしたら、色に一因があったかもしれない。
赤黒く、凶悪な印象が強い男性器と較べ、明日香のこれは可愛らしささえ抱かせる。
もちろん、そんな感想は決して口にしてはならないが、
瞳に穏やかならぬ興味をたたえて、亜柚子は正面、左右、そして下からつぶさに眺めた。
「先生……恥ずかしいよ」
「あ、ご、ごめんなさい」
亜柚子は顔を離して表情を取り繕った。
「ねぇ……触ってみてもいい?」
「え? う……うん」
いきなり握るのはためらいがあったので、指先で軽く、マシュマロをつまむように触れる。
それでも刺激は強かったようで、明日香は腰を引いてしまった。
「きゃ……ん……!」
「だ、大丈夫? ごめんなさい、痛かった?」
「う、ううん……平気、先生のせいじゃなくて……」
そう言うと明日香は姿勢を直した。
ただし目は固く閉じて、さらに両手で隠している。
再び目の前に現れた、天に向かって伸びる柱を、亜柚子はさらに慎重に触れた。
「あ……っ」
明日香はかすかに喘いだものの、もう逃げようとはしない。
頬に熱を感じながら、亜柚子は明日香の下腹を子細に眺めた。
軽く圧してみると、ほのかな弾力と充分な硬さが返ってくる。
わずかに温かさまであり、ますます明日香の肉体の一部としか思えなかった。
もう充分に触診したにも関わらず、手を離す気にはなれず、いびつに盛りあがった下着を見ながら訊ねる。
「八千穂さんは……自分で触ったりしてみた?」
「え? う……うん、ちょっとだけ」
「それじゃその……し、射精とか……は?」
射精と口にするだけで、亜柚子は年行かぬ少女のようにうろたえてしまった。
耳朶に熱を感じ、咳払いをして動揺を悟られないようにする。
うつむいたまま、目だけを明日香に向けると、彼女も赤面していた。
「知らない。どうやってするのかだって知らないもん」
扱いに困るくらい豊富な知識と旺盛な欲望で街を闊歩する女子校生達と、同じ歳とは信じられないほど明日香は純朴だった。
場違いな感動さえ覚えつつ、化粧っ気の全くない分、鮮やかに色づく少女の頬を、見るともなく見ながら亜柚子は言った。
「も、もしかしたら、そうしたら治るかもしれないわ」
「……せんせー、やって」
その返事は当然予想されるべきものだったにも関わらず、亜柚子の心臓は胸から飛びだしたかのように跳ね、暴れた。
思考が頭の中で煮え立ち、かけらを拾い集めることもできないくらい、ぐずぐずに溶けてしまう。
彼女の目を見ないよう視線を落とすと、狙いを定めているかのように亜柚子を向く肉茎があった。
今にも刺し貫こうとしている剛槍に、我知らず乾いた唇を擦りあわせる。
まさかこうなることを望んでいたのではないかという疑念を慌てて打ち消し、
あくまでも教え子を救うために仕方なくするのだと言い聞かせた。
亜柚子は男性経験こそあるものの、フェラチオはしたことがない。
男性が悦ぶというのは知っていて、実際に要求されたこともあるが、
排泄にも使う器官を舐めるのはやはり抵抗があったのだ。
しかし、明日香に生えたペニスを見ながら、亜柚子は生唾を飲み下す。
全く説明のつかないことながら、明日香に生えた男性と違わぬ器官を、舐めてみたくてたまらなくなっていた。
亜柚子は食べ物であれ服であれ宝石であれ、どうしても欲しいという欲望に駆られたことがなかった。
多少の背伸びをして手に入れられるのなら良し、そうでなければきっぱりと諦める。
分別があるのか、それとも元来欲望が薄いのかは亜柚子自身にもわからないが、
それほど不都合な性格とも思えず、直すつもりもなかった。
ところが、教え子に生えた未知の、おそらくは菌の一種によるものであろう男性器を摸した器官は、
こうして見ていると一秒ごとに動悸が速まり、口中に唾が湧く。
その欲望はあまりに急激に、そして強く訪れたため、疑念さえ抱く暇がなかったのだ。
激しい息遣いが聞こえる。
上と、そして下から。
自分のそれよりも明日香の方がわずかに大きいと知ったとき、亜柚子の欲望はどろりと音を立て、灼熱を伴って流れだした。
左手で少女の屹立を押さえ、先端に上唇を当てる。
そこを支点にして舌を伸ばし、小さく舐めあげると、たちまち明日香の肢体が大きく跳ねた。
「んあっ、せんせっ……!」
強烈なスマッシュのような快感が明日香を襲う。
腰が砕け、身体中の熱が亜柚子が触れた一点に集まったかのようだ。
恥じらいなど一瞬で弾けとび、恐ろしさと気持ちよさがせめぎ合って束の間均衡を保つ。
その間隙で明日香が反応を決めかねているうちに、もう一度亜柚子が舐めた。
「ひゃうっ!」
明日香は弱い拒絶を亜柚子の肩に乗せた手から伝える。
だが、いつも穏やかな笑顔を絶やさない、優しい女教師は、目を合わせようとすらせずに再度顔を近づけた。
「やだ、やだ、せんせ……っ」
押しのけようとした矢先、明日香の膝が砕けるような衝撃が走った。
亜柚子が唇を押し当てている。
ナチュラルな薄いピンク色の口紅を塗った唇が、股間に生えた異形の柱の中ほどに接していた。
「あ、ああ……」
あまりに非現実的な光景。
けれども、亜柚子の口が触れている、数センチにも満たない部分から、紛れもない現実が伝わってきた。
心臓そのものであるかのようにドクドクと鳴り、身体中の血管を意識させられる。
亜柚子は目を閉じ、首を傾げていた。
まるで恋人とキスを交わすように、唇を尖らせて。
「せんせ……い……」
明日香はうわごとのように呟いた。
止めて欲しいのか、そうでないのか自分でもわからない。
今まで経験したどんな気持ちよさも上回る快感に、慄くしかできなかった。
「ふ……ぅ……」
一度離れた亜柚子の唇から押しだされた甘くて熱い息が、肉柱を張りつめさせていく。
もどかしさを感じながら明日香は、亜柚子がまた口づけるのを待った。
亜柚子は焦らすつもりで口を離したのではない。
過剰な情感で息が続かなくなり、仕方なく一度離れただけなのだ。
その証拠に、亜柚子は軽く呼吸を整えると、明日香の反応を確かめもせずに再び肉茎に唇を押し当てた。
ただし、今度は咥えるのではなく、唇の裏側で肉棒を濡らす。
めくれた口唇は清楚な顔立ちを下品に貶めていたが、亜柚子は構わず屹立を横から堪能した。
大きさも、形も、おそらくは臭いも、本物の男性器と寸分違わぬはずだ。
なのに、今まで、といっても求められたのは一度きりだが、頑なに拒んだのが嘘の記憶と思えるほど、この肉茎がいとおしい。
口を開け、口と鼻の双方で匂いを嗅ぎ、舌で無遠慮に舐める。
そそり立つ疑似男性器を、亜柚子は存分に味わった。
握りしめる柱の熱さに酔いしれながら、何度も舌を這わせる。
はじめは小さく、ソフトクリームを舐めるような動きだったのが、
飴を転がすように舌を貼りつかせ、うねらせて舐める。
「やだ、あ、せんせ、い……!」
明日香の甘い悲鳴が迷宮に消えていく。
忌まわしいはずの器官が、切ない疼きを全身に満たす。
今まで経験したことのない、指先まで力が抜けてしまうような痺れが、優しく身体を支配していた。
通り過ぎた愛撫がもどかしくて腰がひとりでに前に出る。
亜柚子はすぐに舐めてくれるが、満たされた欲望は別の場所の欠乏を生み、際限なく膨れていった。
「せ、せんせー……さっきみたいに、ぱくってして」
ついに頭の中いっぱいに膨れあがった欲望に耐えきれず、明日香はねだった。
語句はかろうじて少女の枠内にとどまっていたが、それが意味するものは枠のはるか外側にしか存在が許されなかった。
そして、少女を枠から出さないように努力するべきであるはずの亜柚子は、明日香をたしなめようとするそぶりさえ見せなかった。
明日香の叫びに被せるように亀頭を咥える。
「んあぁああぁ……っ……!」
切羽詰まった、そのくせ奇妙に甘い悲鳴が地下遺跡に響く。
膝を寄り合わせ、亜柚子の頭に手を置くことで倒れるのをこらえた明日香は、息を荒げて女教師を見下ろした。
陽だまりのような笑顔を絶やさない、教師というよりは年上の友人のような彼女は、明日香が見たことのない顔をしていた。
愛嬌のある丸い目を細め、口を大きく開けて滑らかな頬に溝を作り、肉柱を頬張っている。
「んッ……ふゥ……」
広がった鼻の穴から漏れる息は下品に響き、明日香を戦慄させた。
「せん……せー……」
怖い。
でも、もっと怖いのは、咥えられている先端が、灼けるような快さをもたらしていて、
亜柚子を止めようとはしない自分だった。
こんなことで気持ちよくなっちゃいけないのに。
心は警告を発している。
すぐにこの、おぞましい行為を止めるべきだと。
それなのに、身体は動かない。
亜柚子の口腔に収まった肉柱の、次はどこに刺激がもたらされるか、そればかりを考えてしまい、
手も足もまるで動かせなかった。
「あッ……う、あ……」
両腕を中空にさ迷わせたまま、明日香は呆けた声を垂らす。
少し我慢すれば、きっと雛せんせーが治してくれる。
それはすでに言い訳でしかないと考える力さえ、明日香は失っていた。
肉とも植物とも判別のつかない塊を、亜柚子は深く咥えこむ。
口中に刺さるこのシャフトが何であるのかは、どうでも良くなっていた。
剛直を喉の奥にまで届かせ、その大きさを口全体で味わう。
「んッ……ふッ……」
息が苦しい。
浅い呼吸を繰り返すたび、異臭が口と鼻を苛んだ。
だが、嗅ぐに耐えない臭いは、同時に、抗えない蠱惑的な刺激となって嗅覚を苛む。
ある種の植物が異臭を放って動物や昆虫を誘い、花粉を運ばせることを亜柚子は知っている。
この臭いももしかしたら、そういった役割を持っているのかもしれない。
ぼんやりとそんなことを考えながら、亜柚子は口をすぼめ、より深く味と臭いを堪能した。
「ふあッ……!」
明日香の切なげな悲鳴が快い。
右に左に腰を振る少女の尻を掴んで押さえつけながら、亜柚子は無遠慮に屹立を舐めまわした。
口をすぼめてきつく吸い、舌をふしだらに動かし、熱い銛に唇を引っかける。
成分が何であれ、もはや亜柚子にとってそれは男性器でしかなかった。
「やだッ、せんせー、激しすぎ……っ……」
怯えの方が勝りはじめた明日香の悲鳴も耳に届かない。
顔を大きく前後させ、根本から先端へ、また根本へ、飽きることなく口淫奉仕を繰り返す。
もとよりフェラチオされるなど初めてである明日香が、このような刺激に長く耐えることなどできるわけがなかった。
「あッ……あ、何……これ、やだ、何か……くる、よ……っ……!」
亜柚子の口の中に収まっている異形の管に、何かが起こっている。
明日香にとって未知の感覚は急激に高まり、爆ぜようとしていた。
「せ、せんせ、やめてっ、やめてぇっ……!」
本人は必死に叫んだつもりだったが、亜柚子には甘い懇願としか聞こえなかった。
ペニスを吸引する口から空気の抜ける音に唾液の粘音が混じった、聞くに堪えないような淫猥な調べに、
快楽に溺れる少女の喘ぎを重ねて、ひときわ強く吸いあげる。
「やだッ、やだやだやだぁッ……!!」
ついに明日香は生まれて初めての射精を迎えた。
どんなきれいなサーブが決まった時よりも、どんな美味しいものを食べたときよりも、
比べものにならない快感が、腹の下から一気に爆発する。
膝を震わせてむせびながら、明日香は絶頂の快感が身体を巡るに任せた。
「んぐうぅッ……!」
喉の奥に度数の強いアルコールのような、しかしそれよりも遥かに癖のある粘液が吹きつけられる。
肉棒を根本まで咥えていた亜柚子は、逃れることもできずに樹液を注がれ、窒息の恐怖に慌てて顔を離した。
「かッ、はッ……」
顔を下に向け、舌の動きだけでは排出できそうにない樹液を、なんとか吐きだそうとする。
何度かえずいたあと、どうにか呼吸はできるようになったが、少なくない量を飲んでしまっていた。
「せんせー、だいじょうぶ……?」
「えっ……ええ……」
涎のついた顔を見られまいと、亜柚子はうつむいたまま答えた。
狂熱から醒め、明日香にペニスまで生やすような植物の分泌する液体を、
体内に取りこんでしまってどのような影響が現れるか。
赤らんでいた顔も蒼白にして喘いでいた亜柚子の、悪い予感は間を置かずに現実となった。
「……!?」
腹に熱の塊を感じる。
度数の高いアルコールを摂取したときのような、だがそれよりも広い範囲で強烈な、
地面が揺れるような錯覚を覚えるほどの刺激。
腹が膨張する感覚を抑えようと、口を大きく開けて呼気を吐きだすが、熱は冷めるどころか全身に満ちていった。
「はァッ、あ、あァッ……」
呼吸するだけで、唇に乾きを感じる。
舐めてみると、驚くほど気持ちよかった。
「あ……ぁ……」
増幅している快感におののき、身を震わせる。
すると、指先をかすかに動かしただけで甘い痺れが走った。
涌き起こる劣情に衝き動かされ、顔を上げた亜柚子は、そこにある逸物を凝視して、低く喘いだ。
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