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一度龍麻が身体を離しても、それきり見失ってしまうのを恐れているのか、
雛乃は餌を求める雛のように口を開いて龍麻を求める。
結局龍麻はその誘惑に負け、再び顔を寄せた。
それと同時に指先も再び秘部に埋め、雛乃の内側を抉る。
上壁をこすった時、口の中で雛乃の舌が震え、苦しそうな鼻息が漏れた。
それでも龍麻は唇を離さず、口内を満たす絶頂の吐息を全て飲んでからようやく解放する。
「もう……いい?」
「は、い……龍麻さんを………感じ、させて……ください……」
もう、どころではない雛乃は、両腕でしっかりと龍麻の身体を抱き、
耳に唇を押し付けて甘い啜り声を注ぎ込んだ。
その一言で腰が砕けそうになってしまった龍麻は、
可能な限りの早さで身体を起こし、雛乃の膣内に狙いを定める。
切っ先を蜜の中に浸からせ、小さく揺さぶると、耐えかねたように雛乃の腰が動いた。
「お願い……です……もう……焦らさないで……ください……」
「うん……それじゃ、いくよ」
もう充分すぎるほど潤っている雛乃の膣は、易々と龍麻を呑みこんでいく。
やんわりと締めつけてくる媚肉に、龍麻は早くも達しそうになってしまったが、
雛乃がそれを許さなかった。
大きく息をついた龍麻の頬を撫で、けしかけるように呟く。
「もっと……強く、奥まで……して…………ああぁっ、そう……そ、れ…………」
「気持ちいいの?」
「ええ……あぅうっ! いい、です……すごく、気持ち……」
龍麻が求めに答えて腰を擦りつけると、雛乃も密着させてくる。
驚いた龍麻が動きを止めると、雛乃は、ごく小さな動きながら、自分から腰を動かしていた。
感動した龍麻はしばし魅入り、そのまま射精しそうになってしまい、慌てて抽送を再開させる。
のしかかるように身体を倒し、媚肉を抉る部位を変えながら腰を叩きつけると、
雛乃の身体が意志を持たない人形のように揺れた。
「はぁっ、んんぅっ、や、ぁ、あぁっ」
間隔の短い喘ぎが絶え間無く雛乃の口を衝く。
散々に昂ぶらされた身体は、雛乃に何も考えられなくさせていた。
この瞬間龍麻のことさえも忘れ、ただ体内を貫く熱い肉の感覚と、
尻に龍麻の腰が当たるたびに響く、二人の淫液の混じるいやらしい音だけが全てだった。
雛乃が肉の愉悦に我を失っていた時、龍麻は歯を食いしばって快楽から自我を保っていた。
いつもはもう少しは長くできたのだが、今日は到底保ちそうになかった。
雛乃の両足を抱え上げ、一気にラストスパートに入る。
「だめぇ……ひっ、だめ……です……いや、いやぁ……」
奥まで屹立を押し込む度、少しずつより深く入っていくような感覚が龍麻を包む。
身体の下で雛乃の肢体が小刻みに痙攣して、同じく最後が近いことを知らせていた。
それでもなお、腰に力を込めて懸命にその時を引き伸ばしていたが、遂に限界が訪れる。
「雛、乃……っ!」
耐えきれず、強烈な解放感と共に樹液が吐き出され、雛乃の膣内を満たす。
ほとんどそれと同時に雛乃も達し、淫肉が精を残らず搾りとろうと収縮をはじめた。
「いや、いやぁ……んっ、あっ、うぁあああっ……!」
抜く暇も無く中に放ってしまってまずい、と一応は思ったものの、
途方もない快感に押し流されてしまい、
屹立を引きぬくどころか奥深くまで精を注ぎ込もうと腰を押し付ける。
雛乃もそれを咎めることなく、熱い迸りを感じながら、絶頂の余韻に浸り続けていた。
「……あの」
か細く自分を呼ぶ声に、龍麻はつかの間のまどろみから目を覚ました。
「ん?」
「目隠しを……解いて頂けますか?」
「あ……うん」
布切れひとつで激変した雛乃の乱れようを思い出しつつ、目隠しを解いてやる。
その途端、首に手が回され、きつく抱き締められた。
「雛乃……?」
「怖かった……本当に、怖かったんですよ……」
「……ごめん」
龍麻が短く、しかし万感の思いを込めて謝ると、渾身の力での抱擁が返ってきた。
何度も擦り付けてくる頬に残っている湿り気に、
調子に乗りすぎてしまったことを反省しつつも、
感情を露にした雛乃がたまらなくいとおしくなって、深く抱き返す。
しばらく何も考えずに華奢な身体を抱いていると、ぼそぼそと何か聞こえてきた。
「……でも、あの………」
「……え?」
思わず身体を起こして顔を見ようとすると、両手で後頭部を抑えつけられてしまう。
ほとんど消え入るような、けれどどこか唄うような調子で雛乃は囁いた。
「いつもよりも、龍麻さんを感じることができて、その……」
「……気持ち良かった?」
龍麻が喉の奥で笑いを堪えながら言うと、硬く目を閉じて抗議するように後ろ髪を握ってくる。
そんな何気ない仕種に情欲をかき立てられた龍麻は、
タイミングを計ってひょい、と雛乃の身体を自分の上に乗せた。
「いいよ……じゃ、もう一回、しようか」
「え? い、いえ、わたくしは、別に、今してほしいとは……」
「俺が、したくなっちゃった」
目をぱちくりとさせた雛乃は、困ったように龍麻を見た後、静かに顔を寄せてくる。
唇が触れる寸前、その口元がほころんでいるように龍麻には見えた。
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