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やがて努力は報われ、根負けした亜里沙が口を離す。
既に外気に触れただけでも爆ぜてしまいそうなほど追い詰められていた龍麻だったが、
ベッドに上る彼女に覆い被さった。
しかし、肌に触れようとすると、押し留められる。
「あんたの舐めてたら濡れちゃったから、前戯はいいわ」
亜里沙はそう言って自ら足を開き、淫唇をくつろげてみせた。
積極的な女は嫌いではないが、さすがにここまでする女は初めてで、龍麻は圧倒される。
おまけに亜里沙は広げた足を腰に絡め、催促してくるのだ。
既に彼女の中では、決着がついているのかもしれない。
憤慨した龍麻は、是が非でも彼女を負かそうと、誘う彼女の膣へと自身をあてがった。
挿入しようとすると、またも亜里沙が挑発してくる。
「意外と普通なのね」
「最初はな」
短く答えた龍麻は、やや荒っぽく亜里沙を貫いた。
「あ……ッ」
性急さを咎めるようにも、それを悦んでいるようにも聞こえる短い悲鳴。
しっとりと濡れている隘路を、確かめるように龍麻は進んでいった。
彼女の膣は口に劣らず具合が良く、新たな虎口に飛び込んだような感覚を抱かせる。
おまけに亜里沙はそれを用いる術も充分に心得ているのは間違いなく、まだ劣勢なのは否めなかった。
男を迎えいれても亜里沙はわずかに頬を紅潮させただけで、態度に変わりはない。
それどころか龍麻の挿入を普通と揶揄したことに対する報復と思ったらしく、皮肉っぽく笑った。
「強引なだけ?」
今度は龍麻は答えず抽送を開始する。
肉壁を撫でるように優しく、ほとんど抜けてしまうまで屹立を引き抜いた。
再び彼女の膣に入れる時も、決して焦らず、じっくりと挿入する。
大抵の女ならば感じてしまう、いわば得意技とも言える動きだったが、
亜里沙の余裕が崩れることはなかった。
「さすがに上手いじゃない」
腰使いを評価してみせながら、自分から動きを合わせてくる。
それもまたツボを心得たもので、責めていたはずの龍麻は、
いつのまにか立場が逆転させられてしまっていた。
特に抜く時に締められると脊髄がふやけそうな快感が疾り、
反芻したくなって自分から腰を振ってしまう有様だ。
この魔性の女に対抗するには生半可なことではできない、と感じた龍麻は、強硬手段に出ることにした。
亜里沙の片足を肩に乗せ、身体を半回転させる。
大きく開かれた淫口に屹立を突きたてると、乳房が心地良さげに揺れた。
「あ、ン……ッ」
初めて亜里沙の口から、意識的ではない声が漏れる。
荒々しく、というより乱暴に近いあしらい方が、逆に亜里沙には新鮮なようで、
紅潮した顔にこれまでの余裕は消えていた。
そして掠れた声は想像以上にセクシーで、勢いづけられた龍麻は、
これまで翻弄されていた分のお返しとばかりに激しく彼女を突いた。
「んはッ、あッ、あんッ」
シーツを掴み、眉根を寄せる亜里沙の肉付きの良い肢体が乱れる。
奥まで熱杭を撃ちこみ、密着させた腰を猥雑に押しつけると、
亜里沙はたまらないというように喉を震わせた。
ようやく主導権を握った龍麻は、じっくりと彼女の急所を探る。
「あ、ンうあ……ッ」
年齢に似合わない老獪な手口で、亜里沙の反応が変わる部分を探り当てた龍麻は、
そこに己を擦りつけるように動いた。
「ひッ、んッ……あ、はッ、そ、こ……ッ」
どうやら亜里沙は背中側に弱点があるようで、それならば、
と一旦熱い淫壷から自身を引き抜いた龍麻は、熱気が冷める暇を与えず、今度は後背から亜里沙を貫いた。
「あぁァ……ッ」
美しい背中が獣じみて反りかえる。
牡の本能に衝かれた龍麻は豊かな臀部を掴み、渾身の力で抽送を行った。
「んゥッ、あっ、あっ、あぁっ」
抽送のリズムに合わせ、悩ましい嗚咽が弾ける。
ようやく普段のペースを取り戻した龍麻は、
彼女の弱点を中心に、単純な前後に加えて他の動きも交えて亜里沙を責めた。
「あ……ンッ、あぁ……」
深く沈め、そこから斜めに突上げるように突いてやると、亜里沙の腰がくねる。
いかにも嬉しそうなその仕種に、俄然興奮の高まった龍麻は集中してそこを擦った。
「……ッ、は……ぁっ、そ、こ……あぁ……」
すっかりとろけた声で、亜里沙は快楽をねだる。
龍麻が動きを止めると、すぐに切なそうに尻を振り、
勝気な瞳を色好く染めて流し目をくれる彼女は、数分前とはまるで別人だった。
その顔をじっくり見たくなり、龍麻は三度体位を変えた。
仰向けにさせた亜里沙の淫路に、彼女がねだるよりも先に挿入する。
足を抱え、とろとろにぬかるんだ肉の沼の中に、腰ごと浮かせて上から突きこんだ。
「んッ……!!」
彼女の両足を肩に乗せ、激しく突きこむ。
不安定な体勢は、龍麻自身にも予想のつかない動きで肉壁を抉った。
「あ、あッ、やッ、あんッ」
龍麻が腰を沈めるたび、ぶちゅ、ぐちゅという水音が、繋がっている部分から漏れる。
粘り気のある体液が混じり、陰毛に絡みついて卑猥な巣を張った。
全身をばねにして抽送を繰りかえす龍麻は、もう限界が近い。
それでも彼女より先に達するわけにはいかず、染みのように広がり始めている快感を必死に耐え、
細やかな収縮を始める媚道を何度も貫いた。
勢い良く突くと、たっぷりと盛り上がった乳房が重たげに跳ねる。
その柔らかさに比して、龍麻が抱えている足は張り詰め、快い熱気を肌に伝えてきた。
「あ、あ、あッ、あッ、あ……ッ!」
喘ぎは今や連なるほど間隔が短くなっており、亜里沙も絶頂が近いのがうかがえる。
龍麻は女を感じさせるための腰使いを止め、本能に任せて最後のスパートをかけた。
肉茎に絡みつく熱い、固体でも液体でもない秘肉は、
既に屈してしまった亜里沙に代わって最後まで抗うかのように屹立を締めあげる。
激しい快楽に苛まれながら、龍麻はひときわ奥深くまで自身を埋めた。
「あ……あッ、駄目、だめッ、イク、イク……!」
遂に亜里沙は声高く限界を叫んだ。
叫んだことでたがが外れたのか、亜里沙は髪を振り乱し、ほとんど狂乱の態で絶頂を迎えている。
その激しさは外人であり、最も積極的に絶頂を表現するマリアよりも、
ともすれば上回るかというくらいだった。
亜里沙のエクスタシーを眼下に見下ろしながら、龍麻も快感を解放する。
「んぅッ……!!」
龍麻が白濁を放つと、亜里沙は最後の痙攣をした。
二度震え、ぐったりとベッドに沈んでいく彼女を寝かせ、自分も横になる。
女を屈服させるのはそれだけで快感だったが、今回はそれが特に強かった。
感覚が失せてしまっている腰を軽く叩きながら、
強敵を倒す、というのはこういうものなのか、と思い、
それが少し場違いなことに気付いて苦笑いしかけたものの、
まぁとにかく勝ちは勝ちだから、と自分に言い聞かせた龍麻は、
しばらく幸福なまどろみを楽しむことにした。

「ん……」
満足そうな吐息と共に、亜里沙が大きく伸びをした。
隠そうともしない乳房が大きく揺れる。
それまでの挑発的な態度はどこへやら、亜里沙は親しげに身体をすり寄せてきた。
「さすがだったわね、凄かったわ、あんた」
「そりゃどうも」
こんな風に褒められるのはあまりないことで、龍麻は苦笑せずにいられなかった。
亜里沙の方こそ龍麻が今まで出会った中では最も凄い女で、内心で感嘆する。
身体を起こし、あぐらを掻く龍麻の背後から抱きついて、亜里沙はそっと囁いた。
「はじめてよ、あんなに良かったの。ね、あたし達相性いいんじゃない?」
「そうかもな」
実際龍麻もそんな風に感じていた。
今までに手中に収めた葵やマリア、絵莉とはまた異なるタイプの彼女は、
色事の新らしい、鮮やかな彩りとなってくれるに違いない。
そんなことを考えていると、大きく、柔らかな膨らみが背中に当たる。
そういえばここには触ってなかったな、と思っていると、亜里沙の手が股間に伸びてきた。
「ね、時間まだあるんだから、もう一回しましょうよ」
「……いいね」
振り向いた龍麻は亜里沙を押し倒した。
早速乳房に手を伸ばしかけて、途中で止める。
「どうしたの?」
「いや」
不思議な行動に首を傾げる亜里沙に説明はせず、改めて胸に触れた。
ふと龍麻は、恋人ならば真っ先に触れる部分にさえまだ触れていなかったことに気付き、
それはむしろ、いかにも自分達に相応しいのではないかと思ったのだ。
亜里沙の、間近で見ると意外と幼さを残している目を覗きながら、軽く唇を重ねる。
それは情愛に満ちたものではなく、宣戦布告の意味を込めてのものだった。
「覚悟しとけよ、腰が立たなくなるまでヤッてやるから」
「面白いじゃない。今までそう言った男はいるけど、皆大したことなかったわよ」
自信満々に答えた亜里沙は、自分から龍麻の顔を引き寄せ、強くキスを求めてきた。
勝気な唇は、快い弾力をもたらす。
貪るような荒いキスをしながら、龍麻は彼女にのしかかっていった。



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