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既にたっぷりと水分を含んでいる下着はほとんどその意味を持たず、
さやかの指はあっさりと沈みこんでいく。
「やっ、……あ、ぅあ……」
狭い入り口を押し広げるように指を回し、下着の上から爪で引掻くと、
新たな蜜が下着から染み出してきてさやかの指を濡らした。
一旦指を離し、淫らに光る指先を満足げに眺めたさやかは何かを思い出したようにベッドを降りる。
「ちょっと待っててくださいね」
そう言い残して愛撫を中断したさやかは、何やらごそごそと物音をさせると、すぐに戻ってきた。
何事かと不安に駆られていた雪乃は、
突然、堅く、丸い物を下着越しに感じて思わず身体を起こした。
「そ、それって……」
初めて見る卵形の道具。
話くらいは聞いた事が無いでも無かったが、
それがどのような形で、どんな風に使うのかは全く知らなかった。
思わずしげしげと眺めてしまい、
さやかは自分の身体を見られているような恥ずかしさを憶えて手で覆ってしまう。
「初めてみたぜ……これって、その……お前の、だよな」
そんな事を聞かれて素直に答えられる訳もなく、さやかはますます恥ずかしそうに俯いてしまった。
「使ったことあるって……ことか?」
「もうッ、雪乃さんひどいですッ」
「だ……だってよ、興味あるじゃねぇか」
「だめですッ。私、ちょっと怒りました」
あまりに無遠慮な質問に、さすがに羞恥の限界を超えたさやかは
下着の上からいきなり最も敏感な場所にローターを押し当てると、
慌てて弁解する雪乃を無視してスイッチを入れた。
「ぅぁッ、ちょ、ちょっと待て、待ってくれ!」
小刻みな振動は下着越しでも充分すぎるほどの刺激を与え、
あっと言う間に雪乃を淫楽の波がさらっていく。
「あっ……はっ、ぅあ、すご……」
「気持ちいいですか? 今度は、直接当ててあげますね」
さやかは下着の横から手を滑りこませると、襞を指で押し分けてローターを埋め込む。
仕上げ、とばかりに思いきり下着を引っ張ってくっきりと卵の形を透けさせると、
スイッチを最大にした。
「っっ、あっ、は……あぁ、んっ、んっ、んあぁ!」
容赦の無い快感に呼吸がついていけず、短くかすれた喘ぎが雪乃の口を衝く。
「もう、イキそうですか?」
頭の中に響き渡るさやかの声に頷くのが精一杯で、あとは爆発的な法悦が満ちていく。
「いいですよ……イって、ください」
その言葉を待っていたかのように、雪乃の中で何かが弾けた。
「さ、やか……オレ……も……イ……く……っ、っぅあぁああっ!!」
両手と両足でさやかの手を強く挟みこみながら、絶頂を迎える。
薄れていく意識の中で、さやかが寄り添って手を握るのがおぼろげに感じられた。

荒かった雪乃の呼吸が、徐々に緩やかなものになっていく。
耳の横でさやかに握られている自分の手に、
幼い頃母親にこうしてもらっていた記憶が甦って、
雪乃はなんとなくくすぐったい気持ちになった。
「大丈夫、ですか?」
さやかの、少し気遣うような声に雪乃はすぐには返事せず、
納得したようなしていないような、微妙な表情で顔を右に傾ける。
「どうしました?」
「……なんか、不公平じゃねぇか?」
「不公平、ですか?」
自分の物言いを明らかに面白がっているさやかに、雪乃はますます駄々っ子めいた感情を募らせる。
「だってよ、結局オレばっかりだったじゃねぇか」
「……ふふッ、そういえばそうでしたね。……いいですよ、それじゃ、次は雪乃さんの番です」
さやかは雪乃の腰を抱きかかえると、ふわり、と自分の上に乗せた。
耳の辺りから手櫛を入れ、肩口まで梳いてやると、先端をくるくると巻きとって遊ぶ。
「い、いや、何も今日しようって言ってるんじゃ……」
「だって、下着洗わないといけませんよね」
あからさまに誘われてうろたえる雪乃に、
とっておきの悪戯を思いついたような顔をして答えたさやかはにっこりと笑うとさっさと目を閉じた。
「……わかったよ、すりゃいいんだろすりゃ!」
雪乃は観念したように首を振ると、目を閉じたまま嬉しそうに頷くさやかに顔を寄せていった。



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