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「雛乃……さ、なんか物凄い勢いで上手くなってない?」
ようやくひと息ついてほっとした龍麻は、
まだ彼女に何もしていないのに自分だけ果てそうになっている悔しさから、軽く嫌味を飛ばす。
「それは、わたくしも一生懸命学んでいますから」
雛乃はそんな嫌味など歯牙にもかけない事を示すように軽く髪をかきあげると余裕の笑みを浮かべた。
どこで学んでいるのか──他の男と学んでいるとは考えもしなかったし、実際そうなのだが──
気になった龍麻は聞いてみたく思ったが、答えてくれるとも思えなかったので尋ねなかった。
代わりにズボンの裾を握っている手を軽く覆ってやると、
雛乃は嬉しそうにその手を握った後、悪戯っぽく囁く。
「もう少し、いたしましょうか?」
「もういいよ……ありがとう」
龍麻が手櫛を入れて充分に高まった事を告げると、
立ちあがった雛乃は今まで咥えていた物を下腹に押し当てた。
龍麻は彼女の片足を持ち上げて挿入しやすい体勢にさせると、
しかしすぐには挿入せず、先端を膣口でそよがせる。
「やっ、龍麻様……いじわる……しないでください……」
ここまで来て焦らされ、雛乃はたまらず龍麻の身体にしがみついた。
期待通りの反応に幸福を覚えながら、彼女の黒髪をそっと撫でる。
「さっきのお返し。……それじゃ、いくよ」
先端を軽く押し込むと、熱い滴が降りかかり、蕩けきった膣肉が門を開いた。
「っ…………あっ、ぅ……」
雛乃の手が龍麻の頭を掴み、挿入に耐えようと力がこもる。
龍麻がたっぷりと時間をかけて根元まで沈めきると、感極まったように雛乃が唇を近づけてきた。
口を大きく開けて、はしたなさも忘れて舌を奪い合う。
「んふっ、んんん……んむっ……! んぁ……ん……」
試すように腰を一度抜き差しすると、雛乃は辛そうに呻いたが、なおキスは止めようとしなかった。
龍麻もそれは同じだったから、動かす量を微調整しながら雛乃を優しく犯す。
いくら今日はまだマシと言ってもこたつが出ているほどの季節、
外が寒くない訳は無かったが、触れ合う唇と交わる局部が二人にそんな物を感じさせはしなかった。
龍麻は襦袢の内側に腕を潜り込ませて、せめて手だけでも素肌を抱き締めながら雛乃の身体を貫く。
この格好ではさして大きく動く事は出来なかったが、それだけに密着感はいやまし、
二人はしっかりと抱きあったままお互いを感じる。
「……龍麻様……の、熱い……」
「雛乃のも……気持ち、いいよ……」
「嬉しゅう、ぅあ、ござい……んっ……ます……」
細い顎を反らせ、眉をたわめながら快感を口にする雛乃に、龍麻は渾身の力で楔を打ちこんだ。
突かれる度に片足で支えるだけの身体は踵が浮き上がって大きく揺れ、
奥深くまで男根を埋められた膣が悦びに震えて激しく締まる。
「はぁぁ……っ、すごい、です、こんな……深くて……」
「はぁ、はぁ、雛乃……ちゃんと掴まってて」
持ち上げられている足を腰に絡めてきた雛乃に、龍麻は思いきってもう片方の足も抱え上げた。
雛乃は小さく悲鳴をあげたが、すぐに意図を理解すると全身の力を腕に込めてしがみつく。
「ふあぁ……っ! こんな、の……初めて、です……あぁ……気持ち……いい、いい……です……」
足が宙に浮いたまま貫かれるという未知の感覚に心は戸惑いつつも、
身体は貪欲に快感を受け入れて雛乃を悶えさせる。
自分が由緒ある神社の巫女であり、その本殿の陰で男と睦んでいる背徳も忘れ、
ただ自分を貫く男根にのみ囚われて、身も心も委ねていた。
龍麻も、もう声を抑えようともしない雛乃を止めるどころか、
より大きな声を上げさせようと大きく腰を突き上げる。
雛乃の身体を突き離すように腰を動かすと、
彼女の火照った、形良く膨らんだ乳房がシャツ越しにぶつかってきて、
完全に形を整えた乳首が自分のそれと擦れて甘い痺れが広がり、龍麻の理性を崩していった。
はじめは気遣いながら行っていた抽送も、次第に本能のままに、可能な限りの激しさで行い、
やがてそれに雛乃の喘ぎがついていけなくなり、短く、途切れたものになっていき、
それさえもが間に合わなくなった時、終局が訪れた。
「龍麻様、わたくし……っ、あぁ、ああ……っ!!」
頭に回された指が食い込み、媚肉がびくびくと収縮して、雛乃が果てた事を伝える。
それに少しだけ遅れて、龍麻も彼女の中で精を放つ。
無論人工の薄皮を隔てての事だったが、いつになく激しい射精感に包まれて、
龍麻はしばらく声も出せなかった。
ぐったりと力を失っていく雛乃の身体を支えながら、
龍麻もしばらく射精の余韻に浸ろうとしたが、鼓膜をつんざくような叫び声がそれを許さなかった。
「おッ……お前ら、何してんだッ!!」
「あら姉様。何って……何ですわ」
下半身を剥き出しにしたまま、来るのが遅い、と言わんばかりの雛乃の態度に、
顔から湯気が噴き出るのではないかと龍麻が思わず心配するくらい怒気を漲らせた雪乃だったが、
次の瞬間そのままの格好で後ろに倒れてしまった。
「お、おい雪乃!」
「あら姉様、少し怒りすぎて頭に血が上ってしまわれたようですわね」
まともに頭から倒れた雪乃を龍麻は慌てて抱き起こす。
気は失っているものの、息は正常だし、出血も無かったので、大した事はないのだろう。
それにしても、心配はしているのだろうが、落ち着き払って実況する雛乃に、
さすがに少し可哀想になって龍麻は無言のまま雪乃の肩を抱き締めた。
差袴を履き直した雛乃はやや微妙な表情をしたが、それも一瞬の事ですぐに龍麻に指示を出す。
「龍麻様、姉様をわたくしの部屋に連れていきましょう」
「なんで雪乃の部屋じゃないんだ?」
雪乃を抱きかかえて立ちあがった龍麻は、雛乃が殊更にわたくしの部屋、
と言ったのが気にかかって疑問を口にした。
しかし雛乃はすぐには答えず、数歩歩いたところで立ち止まって振りかえる。
「ついでですから、姉様もわたくし達と一緒に遊んでいただきましょう」
「……もしかしてさ、雛乃、最初からそれを狙ってた?」
「……姉様も龍麻様のことをお慕いしている様子ですから、きっと喜んで頂けると思いますわ」
「……雛乃には、叶わないな」
姉に降りかかった災難を鮮やかに利用する雛乃に、
龍麻はいっそあっぱれな気がして半ば本気で賞賛する。
軽やかな足取りで新たな遊戯の為に家に向かう雛乃に少し遅れてついていく龍麻だったが、
不意に雛乃の言葉が引っかかって立ち止まった。
「ん? ……も? 今雛乃、姉様『も』って言わなかった?」
「ふふっ、さあ、どうでしょう。それより早く家の中に入りませんと、
姉様が風邪を引いてしまいます」
それまでの雛乃の言動からするとそれも計算づくなのか、
それとも本心がつい出てしまったのかはもう判断できなかったが、
龍麻は良い方に考える事にして、さっさと家の中に入ろうとする雛乃に慌ててついていった。



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