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「あぁッ……く、龍麻の……はい、って……ッ」
「お前のなか、凄ぇな」
「あ……たしも……、龍麻の……気持ち……いい……ッ、……お願い、動い……て……ッ」
貫かれる。
正常位とはまるで違う、龍麻の姿が見えない恐怖と、獣の格好で交わるという認識は、
杏子の理性のたがを吹き飛ばす。
はしたなく声を上げ、身体をくねらせるのが、ただ気持ち良かった。
豊潤に濡れた蜜壷は、いつもよりもしっとりと包みこみ、うねる。
動きを止めたらたちまちに精を搾り取られてしまいそうな気がして、
龍麻はすぐにグラインドを始めた。
大きくカーブを描いている背中に掌を滑らせ、窪んでいる場所を撫でた時、
杏子がひときわ激しく喘ぐ。
「ふぅッ、あッ、んッ……いいのッ、龍麻……いい……ッ」
シーツをしわくちゃになるまで握り締め、声を抑えようともせず悶える杏子の、
たわわに揺れる乳房を鷲掴みにする。
「アン子……っ」
「た、つま……たつま……ッ」
もう杏子は何を言っているのか、考えることも出来なかった。
龍麻が奥まで入ってくる度、頭の中が最大級のフラッシュが焚かれたように白く染まる。
膣の中だけではない、身体全部が溶けてしまいそうな、狂おしい官能。
喉まで突き破って欲しい、そう願ってしまうほどの淫欲が、下腹を覆い尽くす。
まだ挿入されていくらも過ぎていなかったが、それ以前に高められていた性感は、
早くも限界を迎えようとしていた。
杏子が絶頂を極めそうなのを感じた龍麻は、更に高みへ押し上げようと、
小指を開いて後ろのすぼまりにこじ入れる。
「ひっ……! だ、め、そこ……おかしく……!」
強烈な締めつけに抗いながら指を埋めていく。
半分ほどが入った時、屹立を包んでいる肉の蠢きが激しくなった。
「龍麻ぁ……あ、たし……気持ち、いい……気持ち……いい……の……ッ」
「どっちが?」
「りょ、うほう……両方、うあっ、お願い、もっ、と……して……」
両方、と言われても、後ろに入れた小指の方はぎちぎちに締められて
もう動かすのは難しかったから、熱くぬかるんだ膣に埋めた屹立の方だけを、
腰を叩きつけるように犯す。
「だめッ、あたし、もう、だめ……ッ、いや、いやぁッッ……!!」
杏子はついに、咆哮する獣のように背を反らせ、髪を振り乱しながら絶頂を迎える。
逃すまいと収斂する肉襞に逆らってなおも腰を衝き動かしていた龍麻だったが、
それも限界に近づき、一際深く挿入した時に、抑えていた欲望を解き放つ。
砕けるような快感が腰を包み、放出し終わった後も中々腰を離すことができなかった。
「あ……ぁ……」
か細い声が途切れ途切れに室内に響き、終わりを告げる。
体内から何かが抜けていく感触と共に、龍麻が隣に倒れこんできた。
激しかった絶頂の余韻も大部分は引いていたが、まだ後ろの孔の異物感は消えておらず、
杏子は今更醜態を思い出し、突っ伏したまま気だるげに呟く。
「はぁーあ、あたしまだ高校生なのにこんな変なこと覚えちゃって、責任……取ってよね……」
「いいよ……尻のはじめても貰ってやる」
「バッ、バカ、そっちじゃないわよ」
「冗談だよ。んなもんいくらでも取ってやるって」
身体の向きを変えた杏子はつねろうとしてまだ縛られているのに気付き、解いてもらおうとしたが、
考えなおすとそのまま龍麻の首に腕をかけた。
「いくらでも……って、なんか適当な感じね」
「あ……ごめん。んじゃ、ちゃんと取るよ……責任」
「……本気?」
急に真面目な声でそう言った龍麻に、思わず尋ね返してしまう。
すぐ前に自分で冗談だと言ったのだし、内容も内容だから信じられないのは無理もない。
「なんだよ、適当とか言うから言いなおしてやったのに」
「だって……ごめんなさい」
それなのに、なんだか龍麻はかなり傷ついた様子でふてくされ、
どのくらい、かは判らないけれど、本気で言ったのは間違いないようだった。
胸が熱くなり、杏子は素直に謝る。
ところが龍麻は杏子が謝ると、かえって奇妙な顔をした。
「な、何よ」
「いや、アン子が俺にごめんなさいなんて言うの、はじめてじゃないか?」
「いッ、いいじゃない」
「だから、悪いなんて言ってないだろ?」
龍麻は怒ったようすもなく、むしろ開けっぴろげに親愛の情を見せて抱き着いてくる。
それはそれでまあ嬉しいことではあったが、太腿の辺りに何やら硬いものが当たっているのが気になる。
「なッ、なに固くしてんのよッ」
「あ……もう一回していい?」
「駄目よ」
「ちぇっ」
いつもの口調に戻った杏子に、今は引き時だと悟った龍麻は身体を起こそうとする。
その首ねっこを押さえ、真っ直ぐ龍麻の目を見ながら、杏子はさりげなく告げた。
「駄目よ……命令してくれなきゃ」
「…………そっか。……もう一回するぜ」
「そんなんじゃ全然興奮しないわよ……これから練習ね」
「それじゃどっちがSか解んねぇよ」
同時に笑い出した二人は、激しい口付けを交しはじめた。
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