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敏感な場所を責められているというだけではない波が頭の中を掻き回して、
これまでに感じたことのない愉悦に支配されていく。
ところが、そのまま押し流されたいと思ったのも束の間、
龍麻は舌を離し、意地の悪い笑みを浮かべて瞳を覗きこんできた。
心の奥底まで覗かれた気がして、下腹がずきずきと疼き出す。
「なぁ。もういいだろ?」
「な……何がよ」
「だってさ、俺、お前の手首は縛ったけど、それだけだから、腕は動かせるはずだぜ?
でもお前、ずっと頭の上から手動かさないじゃん」
「そ、それは……」
「な? こういうのなんていうか、お前知ってるだろ? 言ってみろよ」
「…………」
「どうしようか。違うんだったら、すぐ解くけど」
胸の谷間に指を滑らせながら、龍麻はそれ以上愛撫を強めようとはしない。
龍麻が言わせようとしている言葉、そして自分がそうであると認める。
そう考えた時、杏子の背中を被虐の戦慄が走りぬけた。
「違う?」
「……違わない、わ……」
小声で認めると、龍麻は胸を弄んでいた手を止め、続きを促す。
止められてしまった愛撫を求め、杏子はさっき自分を曝け出すのはまだ早い、
そう結論を出したのも忘却の彼方に追いやり、目の前の悦楽に身を委ねることにした。
「あ、あたし……縛られて……感じて……M……だと……おもう……」
言い終えた瞬間奇妙な解放感に包まれ、新たな蜜が湧き出して下着を濡らす。
ぐしゅぐしゅとした不快感に太腿をよじらせながら、顔を熟れすぎた林檎のように赤らめて尋ねた。
「ね、軽蔑したりしない? あたし、こんな……」
「なんで? 俺ね、今凄ぇ興奮してるよ。もしかしたらさ、俺ちょっとSかもしれない」
「……バカ」
色々な想いを二語に凝縮して龍麻に吹きかけると、その薄く開いた口のまま、唇を奪われた。
容赦無く、食いちぎられそうなほどきつく吸い上げられる。
躍り込んで来た舌もまるで好き勝手に口内を暴れ回り、
キスとも呼べないような代物だったが、もう、今の杏子には全てが快感だった。
「写真の続き、撮ってやる」
「い、いいわよもう撮らなくても」
「動くなよ、ブレるから」
散々に杏子の口腔を犯した龍麻は跨ったままブラをずらし、乳房と、乱れたままの顔と、
縛られている手首とを一度にカメラに収めていく。
フラッシュの光が肌を照らす度、えも言われぬ恍惚が杏子を満たす。
「乳首硬くなってるぞ。まだ触ってないのに」
「う、んッ……だって……」
杏子の言葉を遮るように龍麻はカメラを片手で構えながら、
左手を乳房の上に乗せ、形を歪ませながらシャッターを切る。
龍麻にかなり乱暴に揉みしだかれても杏子は物足りず、もう欲しくてどうしようもなかった。
「……龍麻」
「ん?」
「……お願い、もう……して、よ……」
「んー……いやらしく言いなおしたら」
「なッ……」
杏子は絶句したが、すぐに、まるでそれを望んでいたかのように頭の中で台詞を組み立て、紡ぎ出す。
「あ、あたしの……いやらしく開いた……はしたない場所に……
龍麻の、龍麻、の……そそり立ったのを、挿れて……ッ」
感心したように杏子を見た龍麻は、膝立ちになると杏子の眼前で下着を脱いだ。
自分が言った通りそそり立っているペニスを、杏子は軽く息を呑んで凝視する。
赤黒く血管の浮き上がったそれは、
いつも自分の身体の中に収まっているとは到底思えないグロテスクな面持ちだったが、
同時に焦がれもする。
龍麻が大きさを誇示するように顔に近づけると、異臭が鼻をついた。
それは心を蕩かせる匂いで、もう少しで杏子は自ら咥えてしまいそうになる。
そうしなかったのは、姿勢に無理があったから、というだけだった。
「凄ぇな、聞いてるだけで勃っちゃったよ。才能?」
「バカ……そ、んなモノ……見せないで……よ……」
そう言ってはみたものの、龍麻の表情を見れば、顔に出てしまっているのは明らかだった。
「だけど、欲しいんだろ?」
「…………」
無言のまま頷く杏子の、龍麻は下着を脱がせると、急に身体をひっくりかえす。
不意を突かれた上に手を縛られていてはどうしようもなく、簡単にうつぶせにされてしまった。
「え? ちょっと、何する気よ」
「せっかくだからさ、後ろからやってみようぜ」
「い、嫌よ、せめて手解いてから……ひぁっ、く……」
腰を抱きかかえて逃げられなくしてから、じっくりと臀部を眺める。
ボリュームのあるそこは、むしゃぶりつきたくなる、
という表現がぴったり当てはまる見事なものだった。
「嫌だってば、じろじろ見ないでよ…………何か言いなさいよ」
密かにお尻が大きいのを気にしている杏子は、それを指摘されないかと心配だったのだが、
龍麻の関心は別の所にあった。
二つの丸みの谷間に指を這わせ、そこに開いている小さな孔をスッと撫でる。
「ここ……触ってもいい?」
「きゃっ! ……だッ……バカ、駄目に決まってるでしょ!
……って、触ってから言ってるじゃない! やだ、やだってば、止め……て……」
やはり最も見られたく無い場所だけに、本気で取り乱し、尻をよじる杏子だったが、
手を縛られ、腰をがっちりと抱えられてはいいようにされるしかなかった。
龍麻はもうすっかり準備が出来ている秘唇から蜜を掬いとり、
そのまま後ろの孔に向かって指をなぞらせる。
異物が当たってひくひくと反応するそこを、指先でぐりぐりと刺激した。
「お願い、本当に止めてって……ん……っ、やぁ……」
嫌悪感は強かったが、それ以上に未知の快楽に戸惑い、力が抜けてしまう。
どうすれば良いのか判らず、侵入を阻止しようと力を込めると、
龍麻の指先は無理に入ってこようとはしない。
しかし杏子が安堵した一瞬の隙を突いて、薄く開いた柔襞の方に指が入ってきた。
「やッ……!」
完全に無防備だった所を襲われ、あっけなく昇り詰めてしまう。
しかも波は引かず、貪欲に次の高みを求めていた。
「おい、まだ挿れてないのに先にイクなって。……ほら、尻持ち上げて」
龍麻が軽く尻をスパンキングすると、ゆるゆると腰を上げる。
愛液を垂れ流しながらひくひくと雄を誘う淫唇に屹立をあてがった龍麻は、
ゆっくりと、しかし留まることなく杏子の奥まで貫いた。
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