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感覚が無くなってしまうほどの長い時間──実際には五分ほどでしかなかったが、
ずっと乳首を吸われ続けて、雛乃はぼんやりとした意識の中に身を置いていた。
意識を失うほどでもなく、無視できるわけでもない快感が持続した状態がずっと続いて、
頭の中はもう淫欲に染め上げられてしまっている。
「……なの」
薄い、もやのかかったような意識の向こうから声が聞こえてくる。
「雛乃」
「は……い……」
「腰……浮かせて」
龍麻の言葉に操られたように従い、龍麻が水分の塊と化した下着を脱がせるのを手伝う。
恥ずかしい場所を晒けだすという感覚はもう無く、両膝を押し広げられても止めようとしない。
「雛乃の恥ずかしい所……見るね」
「や……ぁ……」
最も大切な場所を嬲りあげる視線に気付いた雛乃は、ようやくか細い声で抵抗を示し、
膝を閉じようとしたが、足にはまるで力が入らなかった。
うっすらと開いている雛乃の秘裂の襞に沿って、龍麻は指を這わせる。
黒々とした繊毛に覆われた秘密の入り口は、
数知れない程の蹂躙を受けても、色も形も全く損なわれていなかった。
ただ淫靡さだけを増して、蜜を深く湛える秘奥に圧倒されてしまう。
もしかしたら、自分は汚してはいけないものを汚してしまっているのではないか──
ふと抱いたそんな、畏れにも近い感情に大きく喉を鳴らした龍麻は、
自分を奮い立たせるように陰唇を広げた。
途端に中に溜まっていた淫水が行き場を失って溢れ出す。
それを丁寧に掬い取った龍麻は、そのまま一番外側の襞に口付けた。
「んあぁっ……んっ、だ、め……恥ずかしいです、止めて……ください……」
愛らしい声で必死に頼む雛乃だったが、それは完全に逆効果で、龍麻は態度で拒んだ。
両の太腿をしっかりと抱え込み、一人占めするように湧き出る泉に口を吸いつける。
「ふっ、うぅん……っ、い、や……いや……ぁ」
音を立てて中に満ちている愛液を啜りあげ、鼻先までを埋めながら、肉壁を舌でなぞりあげた。
「うっ、くっ……! ぁ、あ……ん、それ……だめ……だめ、です……」
雛乃はあまりに感じすぎてしまうことに怯えさえ抱く。
しかしそれも一瞬のことで、すぐに自分の身体の中を這い回る龍麻の舌を求めて、
自ら秘奥を捧げようと、腰をわずかに浮かせさえしてしまうのだ。
浮き上がった尻を掴んで雛乃にむしゃぶりつく龍麻は、
舌ではごく浅い入り口までしか届かないために、指での愛撫に切り替えることにした。
「ぁ……んっ」
中指を根元まで入れ、ゆっくりとかき混ぜてやると、しっとりと潤んだ粘膜が指に吸い付いてくる。
雛乃の身体の奥深くを抉っているという感覚に酔いしれ、自然と動きが荒くなっていった。
「んぅっ……!」
指先が上壁のある場所を擦った時、雛乃が激しい反応を示した。
痙攣したように身体を震わせる雛乃に、
そこが急所であることを知った龍麻はここぞとばかりに責め立てる。
「ここが……気持ちいいの?」
「は、ふっ……! あ、の……お願い……です……止め、て……」
「気持ちいいの? よくないの?」
「きっ! 気持ち、いい……です……お、ねがい……も……」
言葉とは裏腹に、もう一度高みに昇り詰める期待に雛乃の足先はピンと伸び、ふくらはぎが張り詰める。
力をたわめて歓喜の時を迎えようとした肢体は、しかし、肩透かしを食らってしまった。
あとほんのわずか触れてくれれば達することが出来たのに、突然刺激が止んでしまう。
「あ……?」
「どうしたの?」
「い……いえ、なんでも……ありま……せん……」
言ってしまえば楽になるその一言を、膝を擦り合わせて堪える。
そんな雛乃の痴情に悶える姿を愉しみながら、
指を抜いた龍麻は擦った上壁のちょうど外側にある莢に触れた。
「やっ……!」
龍麻が触れるまでは、存在さえほとんど知らなかった部分。
知ってからも、あまりに気持ちが良くなりすぎるのが怖くて、自分ではほとんど触っていない突起。
桃白色に輝く小さな秘芯を包む莢は丁寧に剥かれ、その姿を露にする。
「あっ、は……っ」
ほんの少し触られただけで、雛乃は激しい電流が襲いかかってくるのを感じた。
膣の中の急所と同じくらいの快感に思考が痺れ、
寸前で止められた官能がたちまち甦り、今度こそ解き放たれるという期待が満ちる。
しかし、龍麻の指は雛乃の欲望を読み尽くしているかのように再び寸前で逃げて距離を置いてしまい、
そして頃合いを見て再び愛撫を与えに戻ってくる。
もう雛乃は、快楽に哀れに翻弄されるしか出来なかった。
「……ぅ……ぁ……」
何度途中で止められてしまったか、数えることもできない。
美しく色づいた唇は薄く開かれ、端からは唾液がしたたっている。
今や雛乃はその清純な肢体の全てから、壊れる寸前の、危険な妖艶さを放っていた。
「お願い、です……も、我慢……出来……ません……」
これ以上焦らしてしまっては雛乃がおかしくなってしまう。
そう判断した龍麻は、雛乃に口淫してもらってからずっと勃っていた屹立を掴み、
ひくひくと雄を誘う肉の扉にあてがった。
一旦かさになっている所まで埋め、愛液をまぶしてから残りを沈める。
「あ、んっ……ぅっ」
「雛乃の中……すごい、気持ち……いいよ」
「わ、わたくし……も、龍麻さんの……感じ……ます……」
屹立を根元まで収めた龍麻は、雛乃の快楽に溺れる顔を見たいと思い、目隠しを解いてやった。
次いで手の縄も外してやると、いきなり顔を挟まれ、激しく口付けられる。
「はぁ……っ、龍麻さん……好き……好きです……」
「ひな……の……っ」
雛乃の感情の昂ぶりに、龍麻は腰を突き上げることで答えた。
雛乃はそれに歓喜を露にして龍麻の背に掌を添える。
とろとろにぬかるんだ媚穴はそれまでのお返しをするように男根を締め上げ、柔肉を吸いつかせる。
どうした神の気紛れか、男性と話すことさえ怖がる貞淑な身体には、
男を悦ばせるにこれ以上ないものが備わっていた。
奥深くまで撃ちこんだ銛を引き抜こうとすると、ねばついた愛蜜が懸命に引き止める。
それに逆らって無理やり抜き、再び淫洞の中へ躍りこませると、
それを待っていた肉襞が一斉にたわむれかかってくる。
そら恐ろしいまでの快美感に包まれた龍麻は、
自分の一挙一動に甘い喘ぎを返す少女をこの手の中に、閉じ込めたい
──そんな欲望に駆られて、雛乃の腰を抱き上げた。
「や、ぁっ……っく、ん……ぁあ……んふぅ……っ」
より深くまで楔を打ち込まれた雛乃は、龍麻の頭を抱き締め、胸の谷間に押し付けると、
男の膝の上で快感を求め腰を揺する。
卑猥な舞踊は次第に激しさを増し、龍麻から限界を奪っていく。
龍麻はそれに負けじと、雛乃が身体を沈めるのに合わせ逸物を押しこんだ。
「んんぅっ! ……ぁ……あん、ぁぁ……」
大きく揺れる乳房を捕らえ、思いきり握り締める。
美しく実った果実は、乱暴にもぎとられてもいささかも形を崩さずに再び収穫される時を待ちうける。
その極上の味覚に酔いながら、龍麻は再び雛乃を押し倒した。
先ほど指先が探り当てた秘奥を、今度は己の逸物で擦りあげる。
「あぅ……っ! っ、ぃや……ぁっ!」
たちまち裸身が乱れ、腰まである黒髪が小さな海を作り出した。
身体がぶつかる度に黒髪を彩る艶のある輝きが揺れ、夢幻の色彩に龍麻を溺れさせる。
自分の限界を感じた龍麻は最初よりも抽送の速度を速め、雛乃も追いこんでいった。
敏感な肉窟を闇雲に突かれ、雛乃の声が高く、掠れたものに変わっていく。
「だ、め……わ、たく、し……たつま……たつま、さ、ん……んぅぅ……っ!」
激しすぎる抽送に意識が途切れ途切れになった雛乃は身体を小さく折り、龍麻にしっかりとしがみつく。
身体にかかる雛乃の体重を振り払うようにして、龍麻はとどめの一撃を放った。
「あぁ……ぅあ、あっ……んっ……!」
濁った白液を体内に放たれ、それに導かれるように雛乃も絶頂を迎えた。
屹立をくるんでいた媚肉が収斂し、龍麻の精を吐き出す手助けをする。
あまりの激しさに、二人はしばらく目も合わせずに呼吸を整えるのが精一杯だった。
「ごめん、雛乃……もう一回……したい」
龍麻は雛乃の瞳を覗きこみながら、申し訳無さそうな声で頼む。
一度は収まりかけた屹立だったが、わずかに雛乃の乱れた顔が目に入った途端、
呆れるほどの早さで力を取り戻してしまったのだ。
散々に焦らして弄んでおいての言種に龍麻は自分でも腹を立てながら、それでも頼まずにはいられない。
しかし、それを聞いた雛乃の顔に、拒絶の表情は浮かばなかった。
「は、い……わたくしも……もっと、貴方を……感じたい、です……」
それどころかしっかりと足を絡め、女の壷のより深くへ導こうと自ら腰を蠢かす。
熱い吐息を至近で吐きかけあい、そのまま口付けを交わした二つの身体は、
求めて叶えられない、全きひとつになろうと重なっていった。
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