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口淫を繰り返すうち、肉竿が剥がれた口紅で深紅に染まり、
例えようも無く淫靡に飾り立てられていった。
舌を動かすのも苦労するほど大きな肉の塊を、息苦しささえも恍惚に変えて、マリアは懸命に愛しむ。
龍麻の鼓動を感じ取るのが嬉しくて、夢中で舌を這わせていると、
突然怒張が一回り大きくなり、喉の奥に熱く、絡みつくものが貼りついて来た。
龍麻は己を引き抜こうともせず、そのまま口の中に全ての精気を放ち、
マリアは濃い、粘りつく白濁に喉元を塞がれ、せきこんでしまう。
龍麻が放ったばかりなのにまるで衰える気配も見せない屹立を
触れるか触れないかの位置で晒している為に、精液が橋をかけ、
深紅の美麗な唇は見る影も無く汚れてしまっていた。
「やっぱりマリア先生、こういうの好きなんですよね。
僕のをしゃぶっている時の顔、見せてあげたいくらいいやらしかったですよ」
口の中に残る精液を吐き出すかどうか迷い、結局嚥下しながら、
龍麻の言葉をマリアはそうなのかもしれない、と思っていた。
喉を落ちていく龍の精が腹に溜まり、体内で息づく。
それを確かに感じ取ったマリアは、一層強い疼きを覚えて龍麻の顔を見上げた。
強固な意思を持った蒼氷の輝きは既に失せ、より柔らかで、
そして淫らな色を放ちながら自分を誘う瞳に、龍麻は再び乱暴にマリアを押し倒し、
スカートを剥ぎ取ると、両足を掴んで思いきり開かせる。
熱を孕んだ下腹が一気に冷やされ、マリアの理性も回復するが、
大きく足を開いて男を迎え入れようとする自分の格好にすぐにまた肉悦が目覚め、
一際蜜を溢れさせながら、腰をひくつかせて貫かれる時を待ちうけた。
しかし、龍麻は切っ先を淫口に押し当てて、軽く表面を滑らせるだけで一向に挿入しようとしない。
堪えきれなくなったマリアはとうとう叫んでいた。
「ど、どう……して……」
口にしてから自分が焦らされている事に気付くが、
もう極限まで昂ぶった淫欲に歯止めなどかけられなかった。
学生服の袖を掴み、逆光で表情が見えない龍麻に懇願する。
「お願い……焦らさ、ないで……」
「マリア先生……そんなに、欲しいんですか?」
「ほ、欲しい……わ……」
「それじゃね、一つ約束して欲しいことがあるんです。先生……僕のものに、なってくれませんか?」
思っても見なかった言葉に、マリアは双の瞳を大きく見開いた。
「龍……麻……?」
「卑怯なのは解っています。でも、僕は……」
躰を掻き毟りたくなる程の性欲に蝕まれながら、マリアは龍麻の頬に手を添え、ゆっくりと撫で上げる。
本能と本心の狭間で苦悩する少年を、自分の全てで受け止めてやりたいと思った。
額に汗を滲ませた龍麻の顔を引き寄せ、この日初めてのキスをする。
龍麻の貪るようなキスに、マリアの抑えていた情欲が弾けた。
「わかった……わ…あなたの……ものに、なるわ……なるから……」
「なるから、なんですか?」
「お願いッ、あなたのを頂戴ッ! 私、もう、駄目、我慢できない……」
「ずっと、ですよ? ずっと……僕がこの学校を卒業しても、僕のものになるんですよ?」
「なるわ……なる……から、お願い、早く……」
「……解りました。それじゃ、僕が挿れやすいように、自分で広げてもらえませんか?」
今更恥らう理由など無かった。
それどころか、場末の娼婦のように大きく足を広げ、
両の指で思いきり淫口を開いて肉棒を待ち焦がれる。
隠されていた秘部が外気に触れ、
それだけで感じてしまった淫唇から溜まっていた蜜がこぼれ、床を濡らす。
龍麻は軽く狙いを定めると、一気に最奥まで彼女を貫いた。
「かッ……はぁッ!」
稲妻のような快楽が背筋を疾り、頭の中を白く犯す。
マリアは性欲がそれほど強い方ではなく、セックスの経験も多い訳では無かったが、
それにしても挿れられただけで達してしまったのは初めてだった。
体内を満たす熱い塊をもっと感じようと足を絡め、膣を締め上げる。
龍麻の物は、今まで受け入れたどれよりも大きなペニスだった。
それだけでも歓喜をもたらすのに充分なのに、
回されたチャクラによって何倍にも増幅された性感がマリアを狂わせ、
龍麻が具合を確かめる為に小さく腰を揺すっただけで媚肉が精を搾り取ろうと蠢動してしまう。
「た……つま……」
薄れていく意識の中で、マリアは男の名前を呼んだ。
そう呟けた事で満足したのか、目を閉じ、下腹を満たす感覚に身を委ねる。
龍麻は腕の中にいる女が名前を呼んだのを聞き逃さなかった。
それはごく小さな呟きだったにも関わらず、
初めて触れている女の肌よりも甘い官能を頭の奥に注ぎ込んできたが、
しかし、身体はマリアを愛そうとはせず、ただ精を放とうと激しく下腹を抉り立てる。
暴れ回る龍の氣は、龍穴へと導かれた事で更に活性化し、
マリアと同様、もう意思で抑える事は叶わなくなっていたのだ。
マリアの腰を抱え込んで逃げられなくしてから、思う存分深々と挿入する。
今までに感じた事の無い場所まで入り込んで来たペニスに、マリアは涙を流して叫ぶ。
「あぁッ……龍麻、もっと……! アナタを……アナタを感じさせて頂戴ッ!!」
龍麻は腰の動きを早め、思ったまま淫らな欲望を口にするマリアに応えた。
最奥まで貫こうと龍根を撃ち込み、襞の動きを余す所無く味わおうと縦横に腰を振り立てる。
「龍麻、そこ……ッ! そこ、いい……のッ!」
遂げられた想いと与えられた愉悦の深さに、マリアは我を忘れて叫んでいた。
龍麻がより深く撃ち込む為に屹立を身体から抜くのさえ我慢できず、腰を浮かせて追いかけると、
浮き上がった所を一気に貫かれ、瞼の裏に火花が散り、凄絶なまでの悦楽に身体が硬直する。
涎を吐き散らして悶えるマリアに、龍麻は容赦無く抽送を繰り返し、果てへと追い詰めていった。
肉と肉がぶつかり、粘質の液体が混ざる猥雑な音が静かな空間に満ち、
二人は立場も、関係も忘れ、ただの獣と化してお互いを求めあっていたが、終わりが唐突に訪れる。
「龍麻……あぁッ、いやァ、私………だ、め……はぁぁあァッッ!!」
「マリア……先…生…………ッ!」
ほとんど痙攣のように激しい収縮を始めた肉襞に、
龍麻はあっけなく限界を迎えさせられてしまい、そのまま彼女の中で果てた。
普通の男性の倍以上の量の精液が、マリアの胎内を穢す。
濃い、などと一言では表現しきれないそれは、
それ自体が意思を持っているかと錯覚してしまうほどねっとりと染み込んでいき、
長い余韻にマリアを浸した。
力尽きて床に頭を預けたマリアが視界の端に満月を映しながらゆっくりと目を閉じると、
ほどなく全ての精を放ち終わった龍麻の身体がのしかかる。
それは、心地良い重みだった。

二人ともが本意ではあったが、望んではいなかったセックスが終わった。
龍麻は謝らなかったし、マリアも謝ってもらおうなどとは露ほども思わなかった。
ぎこちなく立ち上がった龍麻は、マリアの下腹に手をあてがって開いたチャクラを元に戻すと、
かすかに身じろぎしたマリアから逃げるように、やや慌てて衣服を整えて踵を返す。
「それじゃ、僕は行きますから……やっぱり、さっきの約束は忘れてくれていいです」
「……待って」
龍麻の姿が闇に消えようとする寸前、マリアはようやく自分の思い通りに声帯を動かす事が出来た。
立ち止まった男の背に、少しためらった後、不意に感情を爆発させる。
「お願い……、必ず、還ってきて……お願い……!」
最後は嗚咽が混じっていたその言葉に龍麻はわずかに顔を横に向けたが、
結局マリアの方は振り向かずに姿を消した。
しかしマリアの瞳は龍麻の顔が、髪の毛数本分動いたのを確かに捉えていた。
だからマリアは確信出来た。
龍麻は必ず還ってきて、再び自分を抱いてくれる事を。
そしてその時こそ、自分が本当に解放される日なのだという事を。



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