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「んじゃ、そこに立って壁に手をついて」
「……え?」
「せっかく外なんだしさ、ちょっと変わった格好でしてみようよ」
「い、いいよ普通ので」
「そんなこと言ったって下は雪だし、俺もいいかげん冷たくなってきちゃったし」
悔しいが龍麻の言うことはもっともで、このままではどうしようもない。
だからといって龍麻の言う姿勢はあまりにもはしたなく思え、とても出来るものではなかった。
「ほら、早く」
「う……こ、こうでいい……の?」
結局この期に及んで逆らえるはずもなく、
雪乃は急かされるまま恥ずかしさを押し殺して龍麻に背を向けて立つしかなかった。
美しい曲面を描いて突き出された、引き締まったお尻がわずかに震え、
そこからすらりと伸びた両足が三角形を形作り、その頂点は艶かしく濡れている。
その淫靡な光景に、もうたまらず手早く避妊具を付けようとした龍麻だったが、
ふと思い立ってそのまま腰を密着させた。
「んッ……!」
首をひねって不安げに龍麻を見ていた雪乃は、冷えた内腿に熱い肉塊が触れ、思わず声を上げる。
「どうしたの?」
「あ、熱、い……から……」
「何が?」
「何が……って……龍麻、の……!」
うわ言のように答えていた雪乃だったが、寸前で意識を取り戻し、きっと睨みつけた。
「俺の、何?」
「い、言えるか!」
「ちぇ、残念……入れるよ」
ぶつぶつ言いながら龍麻は避妊具を付け、切っ先で襞をこじ開ける。
行き場を失っていた蜜が一斉に降りかかり、受け入れる準備が整っていることを龍麻に教えた。
「いッ、いちいち言うなッ……んぁ……ッ」
「まだ先っぽだけだよ。少しずつ入ってくの、判る?」
「あ……はぁぁ……っ、う、ん……」
体内を割って入る異物に顔をしかめながらも、雪乃は腰をくねらせる。
龍麻の言う通り、姿勢のせいか、それとも辺りが寒いからか、
いつもよりもずっとはっきり屹立が入ってくる感覚がした。
脊髄を貫く快美感に背中が反りかえり、膝が笑い出す。
「姉様、こちらを向いてください」
「ぁ……? んうぅッ」
奪われた唇の中に雛乃の舌が入ってくるのと、体内に龍麻の屹立が収まったのはほとんど同時だった。
上下から身体をまさぐる熱いものに、感覚が支配される。
下腹に収まっている龍麻の脈動が、雛乃の舌でかき混ぜられ、
陶酔的な疼きが身体中に染み渡っていった。
龍麻がゆっくりと腰を動かし、逸物を引き抜く。
後壁を擦られる淫靡な刺激は、挿入時よりも抜かれる時により強く感じ、雪乃の頭の中で光が瞬いた。
「ふ、ぐッ……!」
龍麻も、雪乃の粘膜が、そうすることによって格段に激しく締め付けるのを知ると、
意識して後壁を擦りつける。
抜け落ちそうになるぎりぎりまで屹立を外気に晒すと、再び、今度は少し強く腰を打ちつけた。
「んあっ……! あぁ……やぁっ」
耐えきれなくなった雪乃はキスを止め、雛乃に全身でしがみつく。
するとしっかりと姉の身体を受け止めた雛乃が、ほんのりと染まったうなじに甘く吸いつくのだ。
「姉様……姉様……」
「はぁぁっ、雛乃……気持ち、いい……よ……」
雪乃の体内から零れた淫雫が雪を溶かす。
それは龍麻が欲望を叩きつける度にぽたぽたと落ち、いつしか水溜りを作るまでになっていた。
それでも龍麻は淫猥な腰使いを止めることなく行い、緩急を交えたストロークで雪乃を追い詰めていく。
「はっ、はぅ、はっ、はっ」
緩やかなところで一息つくのがやっとで、すぐに激しく膣壁を抉られて切れ切れに喘ぐ。
苦しかったが、それよりも男のされるがままになる悦楽が勝り、雪乃は幸福に身を委ねていた。
淫肉の蠢きも最高潮に達し、入ってくる屹立を締め上げて歓迎し、
出て行こうとすると絡みついて離さない。
それに合わせて昂ぶりを覚えた龍麻は、セーターの中に腕を入れ、雪乃の上体を少し起こした。
「ぅあ、あっ……! ん、っくぅ……っ」
膣路の角度が変わり、新たな淫悦が雪乃を襲った。
それはあまりに強烈で、雪乃は顎を跳ね上げ、雛乃にしがみつかせた指先の爪を食いこませる。
「姉様……もう……達するのですか?」
芳しい姉の体香を鼻腔に収めながらの、雛乃のけしかけるような囁きにも、
小さく頭を振るので精一杯だった。
雛乃はうなじに軽く歯を立て、雪乃の、龍麻が支配していない方の乳房を握る。
龍麻の律動の為に揺れるそれを、やや乱暴に揉み潰した。
「い、た……! くぅっ、あぁ……んぁあっ」
急に与えられた痛みに、雪乃の全身がぎゅっと締まる。
それは予期しない蠢きを媚肉にも与え、龍麻は予定よりも早く限界を迎えさせられてしまった。
もういくらも保たないことを悟った龍麻は、一際強い一撃を雪乃に与える。
「や、ぁ……ああぁぁっ……っ、っ!」
もう決壊する寸前だった堤防はそのひと撃ちで限界を迎え、淫らな情の奔流が溢れ出す。
昇り詰め、意識を遥か遠くに押し流して下腹へと戻ってきたそれは、
雪乃の肢体を緊張から解き放ち、弛緩させていった。
龍麻が身体を離すと、たちまち雪乃はふにゃふにゃと崩れおちてしまった。
慌てて抱き起こしてやると、雛乃が手際良く後始末をしてやる。
ジーンズまで履かせてやった雛乃を見て、龍麻も自分のズボンを履くと、
当然と言うべきか、それは濡れてしまっていてとても履いたまま帰れるものではなかった。
「……ズボンがびしょ濡れだ」
「洗って差し上げますから、乾くまでゆっくりなさってはいかがですか?」
「いいの?」
「ええ。次はわたくしの番ですし」
さりげなく告げられ、龍麻はぎょっとしたようにお淑やかな織部の次女を見た。
「え、今日……するの?」
「いけませんか?」
「いえ、いけなくないです」
穏やかな口調の中に潜むものを感じ取った龍麻が背を伸ばして答えると、
微笑んだ雛乃に被せるように雪乃が声を上げた。
「その次は、またオレな」
「ゆ、雪乃は……もういいだろ」
「何言ってんだよ。お前今日は帰れると思うなよッ」
「こんな日は参拝に来る方もおられないでしょうし、よろしくお願いしますね」
さすが双子と言うべきか、一糸乱れぬコンビネーションで迫る姉妹に、
龍麻はたじたじとなるしかないのだった。
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