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「雪乃、おしっこでしょ。ここでしちゃいなよ」
「だッ、ばッ、出来るワケねェだろ!! なぁ、本当にマズいんだって、止めて……ッ!!」
「ほら、そんな風にしたら手が汚れちゃうだろ」
「そうですわ姉様、足ももっと開かないと、かかってしまいます」
「お前ら、どうしてこういう時だけチームワーク抜群なんだよッ」
「どうしてって」
「ねぇ」
「雪乃が」
「姉様が」
「可愛いからだよ」
「可愛いからですわ」
前後から見事にシンクロした二人の囁きにあっけにとられた雪乃は、
瞬間、我慢するのを忘れてしまう。
慌ててお腹をへこませて防ごうとしたが、時既に遅かった。
「ちょッ……! 見るな、見ないでッ……!!」
色づいた液体が、勢い良く足の間から飛び出す。
陽光に煌く白雪の反射を受けて全く場違いな美しさを放ち、
弧を描いて雪面に湯気を立てる雪乃の小水を、龍麻も雛乃も食い入るように見つめていた。
雪乃はもちろん見たくなどなかったが、両手の自由は龍麻に奪われていて目を閉じるしかできず、
熱い迸りが雪の上に落ちる、みっともない音までは塞ぐことが出来なかった。
黄金色の水滴が作っていく穴から立ち上る異臭を、龍麻は嗅ぐともなく嗅いでいる。
アブノーマルな性癖など持ってはいないつもりだったが、
こういう風にその道に入っていくのか、と納得してしまうくらい昂ぶりを抑えられなかった。
雛乃はもう少し自分を客観視出来ていたから、
今更龍麻のように自己を省みることなどしなかったが、興奮することに変わりはない。
二人は排出される液体に劣らないほど熱い眼差しで雪乃の排泄を見届けていた。
最後の一滴が滴り落ちて、静寂が訪れる。
すぐに、それに代わって鼻をすすりあげる音が辺りに響き始めた。
「……ひどい、よ……」
雪乃は体操座りのように膝を立て、ようやく自由になった両手で顔を覆って泣き出してしまう。
龍麻が慰めるようにうなじに口付けても、いやいやをするばかりだ。
上はセーターで下は裸の雪乃が泣いているという組合せは、
龍麻と、特に雛乃にとって鼻血が出そうなほど興奮するシチュエーションだったが、
このまま放っておく訳にもいかず、雛乃は龍麻に謝るよう視線で促した。
「……ごめん。ちょっとやりすぎちゃった。……でも、可愛いって思ったのは本当だよ」
「すみません、姉様。少し悪ふざけが過ぎました」
しかし、最も恥ずかしいところを見られた雪乃が
当然ちょっとやそっと謝ったところで許すはずがなく、膝の間に顔を埋め、頑なに首を振るばかりだ。
「いっつも……いっつもオレにばっかり酷いことして……」
「それは……」
なだめようとした雛乃は、龍麻が言った方が効果があると考え直し、再び目で合図する。
出来れば言いたくなかった龍麻だったが、言うからにはどもったりしてはいけない。
軽く喉の調子を整え、可能な限りの真剣さを含ませた声で囁いた。
「それはさ、俺も雛乃も雪乃のことが……好きだからだよ」
雪乃の肩がぴくりと動く。
しかし天の岩戸からは顔を出させるにはもう少し足りないようで、
龍麻はこっぱずかしさに耐えて更に説得を続けなければならなかった。
もちろん、雪乃の受けた恥ずかしさに較べれば全然大したことはないのだが。
「ほら、本当に好きな女の子には意地悪するって言うだろ?」
「…………すき……?」
「あっ、あぁ。だからさ、機嫌直して」
ようやく嗚咽を収めた雪乃が、ぽそりと呟く。
ここぞとばかりに必死に謝りたおす龍麻を、ポニーテールを揺らし、
泣き腫らした目で訴えかけるように見つめた。
「ほんとうに……?」
「うん。大好きだよ、雪乃」
雛乃とは違う、ほんの少しだけ濃い茶色が混じった瞳を涙に濡らした、
無防備に頼りきった表情に見惚れてしまった龍麻は、こみ上げる情動のまま唇を合わせてやる。
掬い上げるようなキスの後、目許を拭ってやると、
雪乃はさっきまでの泣き顔が嘘のように笑みを浮かべていた。
一安心した龍麻だったが、今度は別の方向からじっとりとした念を感じて、慌てて顔を上げる。
「わたくしにはそんな言葉をかけてくださったことはありませんのに」
「ひ……雛乃にはそのうちね」
「ふふ、お待ちしております」
雛乃がそれ以上追求しなかったので胸を撫で下ろした龍麻は、雪乃を抱いた腕に力を込めた。
「あ……」
下半身に感じる冷気が、ひどく中途半端な所で終わっていたことを雪乃に思い出させる。
一所懸命に点した淫らな灯火は消えかけてはいたものの完全に消えてはおらず、
龍麻と雛乃は再び焚き付けるのに精を出すことにした。
雛乃が姉の恥部に触れる。
そこはまだ後始末をしておらず、雪乃は止めさせようとするが、
白い指先はそれよりも先にするりと入りこんでしまった。
「待って、汚……い……んっ」
膣口の内側の弱い場所をなぞり、水分を含ませたところで指を抜いた雛乃は、
恍惚とした表情で濡れ光る自分の指を眺め、そっと咥えた。
その肩が小さく震えるのを見逃さなかった龍麻が、興味津々で尋ねる。
「どんな味だった?」
「どうぞ、お確かめになってください」
「ん……」
雛乃の指についた雪乃の味は格別だった。
そうためらいなく思ってしまう辺り、龍麻はやはり、もう充分に道を踏み外しているのだろう。
根元まで指を吸い上げた龍麻を見て、雪乃が諦めたように呟いた。
「……お前ら、やっぱり意地悪だな」
「雪乃には、そうかも」
「……」
大きくため息をついた雪乃の背後で笑いを堪えた龍麻は、今度はセーターの上から乳房を撫でる。
「あっ……」
ブラはもう脱がされてしまっているから、
セーターの毛がちくちくと先端を刺してどちらかというと不快だったが、
それでも何度も撫でられるうち、甘い痺れが身体を包んでいった。
雪乃がまた感じ始めたのを確認した龍麻は、やや焦って愛撫を続ける。
雪乃はさっきからずっと下半身裸のままで、
このままでは風邪を引いてしまうのではないかと変な所で気を回したのだ。
「ね、もう……いいでしょ?」
「…………うん」
本当を言えばもう少し龍麻の腕の中に居たかったけれど、雪乃は大人しく頷いた。
ところが、龍麻はとんでもないことを言い出したのだ。
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