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「姉様、拭いてさしあげます」
顔を姉に近づけた雛乃は、舌で精液を掬い取る。
屹立それ自身よりもはるかにきつい臭いが、雪乃の鼻腔に漂ってきた。
それは思考を麻痺させるほど強烈なもので、雪乃は妹が頬中を舐め回すのを大人しく受け入れていた。
妹の舌は丁寧に、そして淫靡に蠢き、肌に甘いさざめきを伝えてくる。
徐々に昂ぶっていく呼吸を一度、雛乃を妨げないようにそっと吐き出すと、
いきなりその唇が塞がれた。
「んッ……ぐっ、む、ぅ……」
不意を衝かれた雪乃の舌に、塊が乗せられる。
それは雛乃が掬い取った、龍麻の樹液だった。
「っ!!」
雪乃は目を見開いて吐き出そうとするが、非力なはずの妹は全く身動きを許さず、
嚥下させようと舌を絡めてくる。
生温かい舌と口の中に広がるすえた臭いに、雪乃はあえなく陥落してしまった。
「む、ぅ……」
塊は重く、しかも粘膜に張りつくかのようで、雪乃は唾と一緒に懸命に飲みくだす。
妹の唾液と共にようやく飲んだ精液は、灼熱感を腹の中にたゆたわせていた。
「んんぅ、っ、ふぅ……ん……」
息つく暇も与えられず、口の中をかき回される。
舌に広がる苦い味は、臭いと同じく、理性を削り取る効能を持っているかのようだった。
「雛も……汚れてんぞ」
精液を散々に舌になすりつけられた雪乃は、蕩けた笑みを浮かべ、妹に同じことをしてやる。
もちろん雛乃がそれを拒むことは無く、龍麻の膝の上で餌を求める雛鳥のように口を開け、
姉が拭き取った白濁を運んでくるのを待ち構え、受け入れるのだった。
「姉……様……うふぅっ」
「雛……ん、む……」
双子が濃厚なキスを交わすのを、龍麻は呆然と見ている。
くぐもった嬌声と蠢く桃色の舌は、精を放った屹立を休ませることは無かった。
あらかた姉の顔を拭き取った雛乃は、瞳に扇情を色濃く浮かべて龍麻を見やり、
姉と交わっていた唇を分け与えた。
もともと柔らかい唇は、雪乃のそれに甘くほぐされて、つきたての餅のような感触だった。
唇に、舌に吸いつき、ねっとりと捏ねあげるようなキスに、
龍麻はたちまちこの日三度目の絶頂を迎えそうになってしまう。
下腹の一点に集まっていく感覚に、抗うことなく身を委ねようとしていた龍麻だったが、
雛乃の唇はその寸前、悪魔的なタイミングで離れてしまった。
「龍麻様……よろしいですか?」
セーターはそのままで、ジーンズと下着だけを脱いだ雛乃は、返事を待たず跨る。
程なく熱いぬかるみが、確かな質感を伴って屹立を包み込んだ。
敏感な肉の柱を擦りあげる淫壁は柔らかく、
満ちている蜜のせいで得も言われぬ快感を龍麻にもたらす。
それは挿入が終わり、迎え入れた器官をもてなそうと淫肉が絡みはじめることで一層強くなった。
「雛……」
ためらいもせず自ら屹立を導き入れた雛乃を、雪乃は食い入るように見つめている。
いつもなら、どんな小さな声であっても、自分が呼べば必ず答える妹は、
余程快感に溺れているのか、こちらを見ようともしなかった。
膝とつま先で立ち、沈める量を調節している腰が、小さく揺れ始める。
その動きは小さなものとは言え、快感を貪ろうと自分から動く妹の姿は、
にわかには信じ難いものだった。
上半身はほとんど動かさず、腰だけを振りたてる雛乃は、
それだけでも淫猥過ぎるほどだったが、龍麻がそれに合わせ、
下から突き上げることでより淫奔さに満ちていく。
いつのまにかセーターの中に消えている龍麻の手は、
どんな動きをしているのか、想像さえ恥ずかしくなるような形を繊維に与えていた。
「龍、麻……様……」
「ん……んっ」
一時(をも惜しむかのように、龍麻と雛乃は唇を貪り、抽送を繰り返す。
その激しさに圧倒されていた雪乃は、無意識に身じろぎした時、
自分の下着がどうしようも無く濡れていることに気付いた。
「……っ」
一度意識してしまうと、蜜が溢れ出すのを抑えることが出来ない。
二人が放つ熱気に完全にあてられた雪乃は、ふらふらと交わっている二人に近づいた。
「龍麻」
今キスを終えたばかりの龍麻の顔を横に向けさせ、唇を奪う。
雛乃の温もりが残る口の中を、存分に味わいながら、雪乃は、
龍麻がジーンズを脱がし、冷たく、気持ち悪くなっている部分を快感に変えてくれるのを、
時遅しと待ち望んでいた。
「ふッ、ん……むっ」
その時が、来る。
ただし、雪乃のジーンズを脱がせたのは、龍麻一人ではなかった。
龍麻がやや手間取りながらボタンを外すと、雛乃が横合いから手を伸ばし、
くるりとお尻の方から剥いてしまったのだ。
そしてそのまま指を滑りこませ、お尻の割れ目を伝って濡れている部分に触ってくる。
「んッ!!」
身体の裏側から触られるのは、雪乃に、外で後ろから挿入された時の記憶を呼び起こさせた。
奥深くまで入ってきた時の気持ち良さを思いだし、雛乃の指先にそれを求める。
もちろん指では無理だし、体勢的にも難しいので雛乃は姉の期待には応えられなかったが、
替わりに指を巧みに動かし、ごく浅い部分を念入りに刺激してやった。
「んぁっ、ぅっ、ん……ふぅっ」
指先だけの愛撫にも、雪乃は身体をびくびくと震わせる。
それでも龍麻とのキスは決して止めようとせず、
それは雛乃の指先をごくわずかだけ意地悪に動かさせるのだった。
「ッ、う……っ!」
更に前からは、龍麻の二本の指が包まれている淫らな芽を探りあて、擦りたててくる。
水分にまみれた下着は既にくしゃくしゃで、責めを遮る何の手助けもしてくれなかった。
「……!! っあ……!!」
はしたなく睦みあう三人の中で、最初に絶頂を迎えたのは、雪乃だった。
包皮を剥きあげた龍麻が、下着にくっきりと浮かび上がっている小さな尖りを摘む。
少し乱暴な刺激にたまらず雪乃が仰けぞると、
それまで浅いところだけを触っていた雛乃の指がするりと入ってきた。
「やっ……! う、ぁ……っ」
それまで我慢していたものが一斉に弾けた雪乃は、
束ねた髪を大きく振り乱し、龍麻と雛乃の指に歓喜の蜜を浴びせかけて、静かに崩れ落ちていった。
残った龍麻と雛乃では、雛乃の方がわずかに早かった。
糸が切れたように伏した雪乃を見届けた二人は、武勲を称えるようにお互いの指を口に含む。
雪乃の滴で濡れている先端だけでなく、根元までもをねぶる。
それは等しく今まさに行っている淫戯を二人に連想させ、おのずと腰が蠢いた。
「雛……乃……俺、も、う……」
「は、い……わたく、し、も……ん、あっ、ぁぁ……っ」
締めつける雛乃の膣と、突き上げる龍麻の屹立と、お互いが快感を高めあう。
その臨界点に達したのは、意外にも雛乃の方が先だった。
全身で絶頂を露にした雪乃とは違い、雛乃は裡にたわめるように身体を丸め、小さく痙攣する。
しかしそれはあくまで見た目だけのことで、身体の中では解き放たれた淫肉が、
溢れんばかりの悦びに猛り狂っていた。
襲ってきた凄まじい快楽の入力に耐えられず、龍麻も果てを迎える。
「……ッ」
姉に続いて妹の膣を味わう。
たとえ避妊具越しといえども、それは充分に男のふしだらな欲を満足させるものだった
……話がここで終わったならば。
雛乃の身体から己を引きぬき、どろどろに汚れたそれを見て満足気に頷いた龍麻は、
上体を倒して仰向けになる。
傍らには雛乃が横たわり、その反対側には雪乃が。
至福を噛み締める龍麻だったが、長くは続かなかった。
「な……次はオレの番だよな」
陶然とした声に、龍麻はぎょっとして雪乃を見る。
「え……だって、雪乃、イッただろ」
「あんなのナシに決まってんだろ」
色欲をまとってそう囁いた雪乃は、妹がそうしていたように、龍麻の上に跨ってきた。
「へへ……お前の身体、やっぱあったかいな」
「わかった、わかったけどちょっと待っ……」
龍麻の懇願はキスにかき消される。
「ズボンが乾くまで休む」と言う約束だったが、
まだズボンが洗われてさえいないということに気付いていない龍麻だった。
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