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「そんなに気持ちいいのか?」
これほど正体を失った龍麻を見るのは初めての雪乃が、少し悪戯っぽく尋ねる。
「……悪かったな」
龍麻はぐったりとしていて、その声にも迫力は無い。
単純な快感、男が女にいいようにされる被虐、双子に想われる喜び……
それらのものが全て、龍麻を骨抜きにする要素となっていた。
「ふふ、龍麻様、もうこんなになさって」
龍麻を支えるように腰に腕を回した雛乃は股下へとその手を伸ばし、
ズボンの上から硬くなっているものを撫で擦った。
下から上へ、琴を弾くような優雅な手付きで擦りあげ、そのままズボンのボタンを外す。
「ん……っ」
片手で器用に外し、来た道を、今度はファスナーを摘んで帰っていく。
たちまちのうちに、つい今しがた雪乃と交わっていたものが、下着越しにその威容を表した。
更に雛乃は、どうして男物の下着の構造まで知っているのか、
全く視線を走らせることなく、用を足す為に開けられている部分から屹立を晒けだしてしまう。
「ちょ、雛……」
あまりに淀みなく事が運ばれたので、
何の心の準備もなく対面させられることとなった雪乃は、
どす黒く血管の浮き上がった器官を思いきり見てしまった。
その醜怪さは雪乃を挫くのに充分なもので、龍麻にすりよせていた身体も心持ち離してしまう。
ところが、雛乃はそんな姉にも構うことなく、左手で軽く抑えているそれに顔を近づけた。
「ご奉仕、致しますね」
言うなり、思い切り良く龍麻の腰に顔を埋め、反りかえっている屹立に口付ける。
姿勢を崩して龍麻の傍らに横になり、本格的にしゃぶり始めようとする妹に、
雪乃は尋ねずにいられなかった。
「雛……そんなことして気持ち悪くねぇのかよ」
「はい」
雛乃は短くこたえたきり、口淫を止めようとしない。
髪をかき揚げ、根元に手を添えながら、舌を一杯に伸ばして舐めあげる。
弓を引くのでさえも負担になっているのではないかという白い指先は、
見るも奇怪な器官をしごいている。
そして息もかからんばかりの距離でそれを見つめている妹の目は熱にうかされたようになっていて、
しかも舌だけでなく、唇さえもその器官に触れさせているようだった。
龍麻は余程気持ちいいのか、何も言わず雛乃の腰に掌を乗せ、目を閉じて浸っている。
二人の表情に、始めは驚きと嫌悪が勝っていた雪乃も、やがて興味が首をもたげてきた。
ちらりと龍麻を見て、こちらを見ていないことを確かめてから、恐る恐る手を伸ばす。
半ばは姉のことを忘れて舌を這わせていた雛乃も、
近づいて来た姉の手に気付くと、場所を空けてくれた。
そっと、指先のほんの一部分で軽く触れると、いきなり龍麻の上体がびくりと跳ねた。
「なッ、なんか……まずかったのか?」
驚いた雪乃の問いに、龍麻は目を閉じたまま答える。
「違う……気持ち、良かったんだ」
「気持ちいいって……ちょっと触っただけだぜ」
嘘をついているのではないかと思いながら、もう一度、今度はしっかりと触ってみた。
固く、びくびくと脈打っている、風呂のお湯にも近いくらいの熱さの塊は、
あまりに生々しく、眩暈すら覚えるほどだった。
想像以上の事態に固まってしまった雪乃の手を、妹が握る。
「いかがですか?」
「あ……熱くて……なんか……凄いな……」
うわごとのように答える雪乃の視線は、
握った自分の手の先から露出している傘のような部分から動くことがなかった。
そこは握っている部分とは異なり、赤黒く、痛々しい色をしている。
その中央は鈴のように割れており、たまらないグロテスクさを有していた。
にも関わらずそこから目が離せず、我知らず唾を飲む雪乃の前で、雛乃はゆっくりと舌を伸ばす。
「ぅ……ッ」
心地良さそうな龍麻の声が、雛乃が小さな粘質の音を立てるたびに上がった。
龍麻だけでない、目を閉じ、頬をうっすらと朱に染めて舌を動かす妹の表情も恍惚に色付いている。
その光景を瞬きもせずに見ている雪乃を、不意に雛乃が見上げた。
「……っ」
軽い上目遣いの妹の瞳は、誘いかけるような輝きを放っていた。
そしてその表情のまま、雛乃が小さな舌で龍麻に触れた時、
掌に伝わる鼓動がいや増したように思われて、気付けば雪乃は自分から顔を寄せていた。
鼻をつく臭いが嗅覚を満たす。
しかし、一度息を吐き、再び吸う時、雪乃は口を閉じ、
鼻腔の奥深くまでその臭いを吸いこんでいた。
雪乃は酒に酔ったことも無ければ、虜になるほど何かに熱中したことも無い。
だからこの臭いは、雪乃を初めて陶酔させるものだった。
次第に瞳の輝きを異なる色に変えて、妹が舌を這わせている肉柱に魅入った雪乃は、
軽く目を細めて舌を突き出す。
舌先に伝わった熱は、掌で感じていたものよりも熱かった。
まださっきの自分達の行為のかけらが残っているそこは、舌に張りつこうとしてくる。
それに抗って舌を剥がすと、龍麻の身体が大きく震えた。
「も、もうちょっと……優しくしてくれ」
「わ、悪ぃ」
謝った雪乃は、もう一度、今度は舌を湿らせてから触れる。
すると背中を掴んでいる龍麻の手が、きゅっと締まった。
また何か間違えてしまったかと思った雪乃だったが、そうでは無かった。
「そ……う……」
緩んだ手は、続きを促すように背中を撫でたのだ。
その動きと喘ぎに勢いづけられて、そろそろと舐める。
先端だけで触れていたのがだんだんと大胆になっていき、
舌の半分ほどを使って刺激を与えるようになっていた。
「雪、乃……」
呼ばれた名前が、心をくすぐる。
いつのまにか、こうしていることに抵抗が無くなっていた雪乃は、
何も言わず奉仕している妹に負けじと一層熱心に屹立を責めたて始めた。
「はっ、ん……ふッ、んふっ」
もう雪乃が舐めている部分は唾液と鈴口から染み出る分泌液で透明な膜がかかるまでになっていたが、
雪乃は行為に没頭し、動きは止めない。
その下では雛乃が袋の部分に手を添えながら、根元を丹念に刺激している。
女性二人、それも双子の姉妹に左右からフェラチオされているという境遇は、
もともとこの刺激に慣れていない龍麻をあっと言う間に追い詰めていた。
耳の時と同じ、たどたどしい雪乃の舌と、ねっとりと巻きつく雛乃の舌が、
左右から異なる快感を与える。
更に先端と根元、表側と裏側とを行き来する二人の舌は時折同じ部分を舐め、
二倍以上の快感となって龍麻を仰け反らせるのだった。
「んんっ、んふぅ、んう」
「はっ、はぁ……っ、ぅ、ん……」
二人の声が重なる。
快活で歯切れの良い雪乃の声と、しっとりと安らぎを与える雛乃の声は、
普段は双子とは思えないくらい違うものなのに、今はぴったりと揃い、
淫らなハーモニーを奏でていた。
二人がひたすらに奉仕を続ける昂ぶりは限界まで膨らみ、今にも弾けそうに脈動を繰り返す。
絡みつく舌は、持ち主にほとんど感覚を無くさせていた。
顎を上向け、何かを堪えるようにただ宙を見つめているだけの龍麻に、
急に空恐ろしい快感が襲いかかる。
全てが敏感な器官の中でも、特に弱い裏側のくびれを雪乃の舌が走ったのだ。
早回しのフィルムのように急激に身体を跳ねさせる龍麻に、
そこが男性の急所などとはつゆ知らない雪乃がもう一度刺激を与える。
雛乃一人の時でさえさほどの余裕がある訳ではないのに、そんな責めをされて保つわけが無かった。
「っ……!」
快美感と共に、屹立が爆ぜる。
支えられていなかった屹立は、その脈動を思い切り二人の顔に叩きつけた。
止まらない樹液が顔中を容赦無く汚し、双子の顔はたちまち白濁にまみれてしまった。
「うわ……っ、汚ねぇ」
思わず正直な感想を漏らす雪乃に、左半面を白く汚した雛乃が微笑む。
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