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「うぁっ!」
突然、頭が白く弾け、呼吸も出来ないほどの快感に襲われる。
ベネッサが、サラ自身もまだ触れた事のない女芯を弾いたのだ。
何が起こったのかわからないまま、二度、三度と弾かれると、
狂おしい程の欲望に支配された腰がひくつき、甘い声が空気を震わせる。
「いや……ああっ、ん、……そ、れ……!」
声を出すことさえもあたらしい愉悦となり、新たな喘ぎ声が喉をつく。
サラの期待に応えるようにベネッサは最も敏感な肉の芽を優しくつまみ、
絶妙の指加減でひねりを加えた。
白くなった意識が元に戻ろうとする度、
少しずつ強い刺激に揺り返されて、サラは完全に翻弄されてしまっていた。
「ぁ…………?」
快感に慣らされ、次の快感を待ち望んでいた所に
突然、すっかり虜になっていた快感の波が引いていくのを感じてサラは困惑する。
思わず顔をひねると、そこには口元に薄く笑いを浮かべたベネッサの顔があった。
(わた、し……)
自分が何を言おうとしてるのか判ったサラは、
身体を硬直させてこれから来る恥ずかしさに備えると、
うっすらと口の端を涎で光らせながら、呆けたようにベネッサを見上げる。
頭の片隅に残ったほんのわずかの理性がなお抗おうとするが、もう限界だった。
「わかった……わよ」
弱々しい声で、サラは敗北を認める。
「貴女の勝ち……で……いいわ。だから……」
「だから?」
「……この……疼き……を……何とか……して……」
途切れ途切れに、絞り出すように懇願するサラに、
ベネッサは軽く頷くとロープを解いてやり、仰向けにした。
(今日はこれくらいで許してあげるわ)
サラのアイスブルーの瞳を覗きこむと、
そこにはもういつもの強固な意思は宿っておらず、
あるのは屈服した悔しさと、快感への期待に染まった淫らな色があるだけだった。
「サラ……はん……」
葵が甘えるようにサラに近寄って、両頬を挟みこむと、
漆黒の瞳に欲情の色を浮かべながら、そっと唇を触れさせる。
同性同士のキスは初めてだったが、不快感はなかった。
むしろ、葵の鼻からもれる小さな息と、ほのかに漂う髪の香が不思議な恍惚感を与える。
二度、ついばむように軽く唇を触れさせた後に
すぐに口をこじ開けるように伸びてきた葵の舌は、
その清楚な顔立ちからは想像も出来ないほど激しくサラに絡みついてきた。
時には舌の表面だけをなぞるように、
時には舌を引き抜こうとするかのように荒々しく動く葵の舌を、
サラはいつしか呼吸も忘れて味わっていた。
ベネッサには啖呵を切ってみせたものの、
今までそれほどこの手の経験をしてきた訳ではなかったし、
まだそれ自体あまり好きでもなかった。
しかし今日、ベネッサと葵が与えてくる快感はそれまでのどれよりも心地よく、
サラに新たな感覚を目覚めさせる。
少し意識が飛んでしまっていたのか、サラが気がついたのは葵がキスを止めた時だった。
「ん……」
葵がサラの上体を抱きかかえるように起こすと、背中をベネッサが支える。
薄い背中にベネッサの豊満な乳房が当たるのを感じて、
サラは恥ずかしさから少し身体を浮かせようとした。
「もっと……キス、したいんどすか……?」
しかしそれは正面にいる葵に自分から求めて行く格好になってしまい、
嬉しそうに囁いた葵に顔を上向かされると再び唇を塞がれる。
葵に舌を踊らされているうちに、次第にサラも不慣れな動きながら舌を絡め始めた。
柔らかく、包み込むようにうねる葵の舌がもたらす快感に、
考えるのさえ面倒くさくなり、触れ合っている肌と、
耳の中で直接しているような口内の音がサラの全てになっていった。
サラの上に膝立ちになった葵が更に奥深くまで舌を差し込むと自然に胸が密着して、
硬く尖った乳首同士が擦れあうとサラの身体に鋭い快感が走りぬけ、
思わず葵の身体を抱き締める。
「サラはんも……気持ち……ええんどすね……」
思ったよりも強い力に眉をしかめながらも、葵は愉悦の表情を浮かべてサラの頬に触れる。
顎の端にこぼれた唾液を掬って唇に塗りたくると、サラの肩が小さく震えた。
「こないな事が気持ちええんどすか?」
「わ、解らない……わ」
サラは何故これくらいの事で身が震えるほど感じてしまったのか自分でも解らなかったが、
葵は優しく叱るように下唇をつまむと口の中で軽く唾液を溜めて、サラの舌に乗せてやる。
「それなら、解るようにしてあげまひょ」
「ふ……ぁ……」
舌全体に塗り広げてやると、背中を抱いていたサラの腕が力尽きたように解け、
ぐったりとベネッサにもたれかかった。
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