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某月某日　晴れ アクア・アルタもまだ控えているのに、夏のような陽気の一日だった。 浮島が頑張りすぎなんじゃないかという人までいる。 水を飲めば汗だくになり、飲まなきゃ熱にうなされるで、こんな天気でも仕事のある先輩は大変そうだった。 日が傾き始めた頃に夕立が来る。逃げるまもなく大雨となり、揃ってずぶ濡れになった。 アリシアのところで服を乾かすついでで夕食をご馳走になる。 夕立の話で、この間の雨の日についての話をしたら新しい意見が聞けた。 なるほどと思ったけど、考えてみればアリシアが思いつきそうなことでもあり……。 それが、アリアカンパニーらしいところなんだろう、たぶん。

某月某日　晴れ もう夏なのかな。でも週末はアクアアルタの予報がある。 このところ暑い日が続いたので、さすがに体も慣れてきた。 今日も飽きずに舟を漕ぐ。そういえばなんで飽きないんだろう、という話をした。 両手袋の頃は思った通りに舟が進むだけで、はしゃいでた気がする。 今は水の上を滑るように行けたときが嬉しい。それにいい風が吹けば文句なし。 楽しい会話、合間に入る歌、いい天気にこの街。漕ぐことより舟から見つけるものが楽しいというアリシア。 歌だけじゃなく、お喋りや街から聞こえる音がないとつまらないかな、というアテナ。 一人前になるなら、何でも乗せて運べるような人になりたい。とアリシアは言っていた。 先輩の仕事姿を見ていると、そういうものかもしれないと思う。 いずれ、それが分かる日が来るんだろうか。 明日も変わらず練習。

某月某日　晴れ 暑さは少し和らいだ。今日も順調に舟は進んだ。 夏の本番を前に、通しで水先案内の練習をしてみる。 私の案内はもう少しゆっくりがいいかな、という意見が２人から出た。 調子よく話している間、微妙に舟の速度が上がってたかもしれない。 アテナはさり気なく左右を間違えてたかも。あと、橋にも１回頭をかすめた。 アリシアは一番上手かったと思う。よく通る場所で、意外な所に咲く花を紹介されたのは驚いた。 昔から妙なものに気づくとは思っていたけれど、その特技はこの仕事で存分に発揮されてるようだ。 練習の後はアテナが気に入っているというジェラートを食べに行く。 明日はアクアアルタの予報なので、別の練習を予定。 夜になって雨が降り出した。朝までには止むだろうか。

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