「すまない、待ったか?」
「いいえっ!」
駅での待ち合わせ、現れたクリスに思い切り飛びつきそうになるのを、沢村は必死で我慢した。
折角久しぶりに会えたのだというのに、初っ端から怒られたくは無いから。
「……飛びついて来ないんだな」
それなのに、クリスの方がそんなことを言う。
「先輩が飛びついてもいい、って言ってくれるなら飛びつくっすけど。久しぶりに会えたのに、いきなり怒られて、クリス先輩を不機嫌にさせちゃったら、すごく勿体無いじゃないですか」
ちょっと悔しくて本音を言えば、クリスは苦笑した。
「飛びつかれそうだ、と予想していたからな。そうなったら叱れなさそうで、どうしようかとここに来るまで悩んでいた」
「え?」
「だから待ち合わせをもっと人が居ないところにすれば良かったか、と思っていたんだが……駄目だな、その必要があったのはどうも俺の方らしい」
急にクリスが沢村の腕を掴む。
そのまま歩き出したクリスに引っ張られて、沢村は歩きながらクリスを見上げた。
「ク、クリス先輩?」
クリスは無言のまま早足で歩き、袋小路のコインロッカースペースの中へと入っていく。強く腕を引かれて、ロッカーの陰になる場所に壁に背中をつけるように押し付けられた。どうしたのか、と尋ねる前にクリスが覆いかぶさるように沢村を抱き締める。
「ク……」
「静かにしてろ」
あまりにも予想外のクリスの行動に、どうしていいのか分からない。
寮にクリスが居た頃は、人の居る場所で沢村がクリスに飛びついては、クリスに叱られるのがいつものことになっていたのに。
ロッカースペースの外をせわしなく通り過ぎていく通行人からは、沢村の姿は見えないだろうけれど、もしもロッカーを利用しようとした人がスペース内に入ってくれば、一発でばれる。
そんな場所で、普通なら人目を気にするクリスが、こんなことを。
心臓がとんでもない勢いでバクバクしてきた。
嬉しいには、嬉しいのだけど。
そっと、クリスの背中に手を回してみる。
クリスのシャツの背中をきゅっと握ると、クリスが沢村を抱き締める腕に力を篭め、それからすぐに身体を離した。
「……すまなかった」
もう、声も出ない。心臓が頑張りすぎて破裂しそうな勢いだ。
ふるふると首を横に振って、謝る必要は無いことだけはなんとか伝えようとする。
「真っ赤だぞ」
クリスが沢村の頬に触れて笑った。誰のせいですか!!苦情を言いたくても、まだ心臓が痛くて声が出ない。
「俺のせいだな」
言葉に出来ていないのに、クリスが沢村の言わんとするところを察して苦笑する。
「相変わらず、考えていることが全部表情に出るな。声を出さないでも、何を言いたいのかが全部分かる」
「……そんなにぜーんぶ分かっちゃうのなんか、クリス先輩だけですよ?」
「そうか? さて、そろそろ行くか。晩飯はまだなんだろう?」
「はいっ」


クリスが青道を卒業して1ヶ月半。新入生も入り、沢村は2年生になった。一方でクリスは、進学して大学で野球を続けている。
明日は休日で、更に青道の野球部はオフ。その休日を利用して、一人暮らしのクリスの部屋に、沢村が泊まりに行くことになったのだ。
久しぶりに、本当に久しぶりにゆっくりクリスを感じられる時間。
どうしようもなく嬉しくて、沢村は電車の中で隣に立つクリスをじっと見つめた。
「……どうした?」
視線に気がついたらしいクリスが微笑む。
「へへっ。何か、色々すげー久しぶりで嬉しいなって思って」
「……そうだな」
顔を見るのが久しぶり、どころか、ゆっくり話をすることすら久しぶりなのだ。
すごく飛びついたり触れたりしたい気持ちもあるが、その前に沢山話をしたい気持ちもあるし、それどころかじっと顔を見れるだけでも幸せになれる。
どうしたらいいのか分からなくて、ただただじっとクリスの顔を見上げると、クリスは少し困った顔をして首を傾げた。
「今日は、あまり喋らないんだな」
「え? あ、えーと、その。何ていうか、もうクリス先輩の顔みてるだけで幸せで胸いっぱいで、言葉が出てこないっていうか」
へへへ、と笑えば、クリスは口に手を当ててなんとも言えないような表情をする。それから、ゆっくりと沢村の耳元に顔を寄せた。
「俺は、お前の声をもっと聞きたいんだけどな?」
耳に息がかかるほどの距離で囁かれた、低く、小さく、けれどどこか甘さを含んだ声。耳を掠めた温かな風に思わず身を竦ませる。
クリスが無言で立ち位置をずらし、鞄を沢村の身体に押し付けた。その陰で、他の乗客からは見えないようにそっと手を掴まれる。
「クリス先輩……?」
照れくさくて、恥ずかしくて、でも嬉しくて。どうして?と問いかけるように見上げても、クリスは微笑むだけだ。
また胸がドキドキしてきて、どうにも言葉が出てこなくなる。
「次の駅で降りるぞ。それまで……な」
頷くと、クリスが沢村の耳元に再び顔を寄せた。
「そんなに真っ赤な顔をしていては、ばれるだろう?」
「そ……んなこと、いったってっ……!」
「お前、自分からするときはそんなに照れないだろう」
「だ、だって俺からですもん……」
クリスの方からされるから恥ずかしいのだ。
クリスは微笑みながら繋いだ手の親指で、沢村の手の甲を撫でている。
なんだか、今日のクリスはいつもと違う。クリスがこんな風に気持ちを表してくれる事は、あまり多くはなかったのに。
それでも十分に幸せを感じていたのに、こんなにされてしまっては幸せで頭がいっぱいになってしまう。
優しい目で見つめられて、手を繋がれて、その手の甲を撫でられて。
どうにもたまらなくなって、沢村はぎゅっと目を瞑った。そうすれば、どんな風に見つめられているかは見なくて済む。
見たくない訳ではない、むしろ嬉しいけれど、このままではこの場で抱きついてキスをねだってしまいそうだったから。
「……あんまり煽らないでくれないか?」
低く、密やかな声が笑みを含んで耳に届く。
「え……?」
「そんな顔をされたら、こんな場所でキスしてしまいそうだ」
耳のごく近くで囁かれた声は熱っぽくて。沢村は思わず身体を竦めた。
「そんな、だって、だって先輩が……!」
ヤバイのはこっちの方なのに。
もう頭は真っ白で、どうしたらいいのか分からない。
と、急に電車が減速し、沢村はバランスを崩してクリスの胸に倒れかかった。
「おっと」
クリスが難なく沢村を受け止める。
「着いたな」
あっさりとクリスは繋いだ手を離した。沢村も慌てて身体を放そうとする。クリスの手がくしゃりと沢村の髪をかき混ぜ……
「行くぞ」
今、手を頭から放す間際に唇が額を掠めた。偶然のふりをしていたけれど、絶対にわざとだと思いながら、沢村は額を押さえた。

 
「何か今日、クリス先輩いつもと違わないですか?」
流石に気になり、クリスの家へ向かう道すがらに尋ねてみる。
何というか、あまりにも積極的過ぎて戸惑ってしまう。
「そうか?」
「そうっすよ。いつもなら、俺の方がべたべたしようとして、クリス先輩は怒るか仕方ないなって笑うかのどっちかだったのに」
「そう……か。そうかもしれないな」
クリスは顎に手を当てて首を捻った。
「クリス先輩?」
「……いや、意識していなかったんでな。言われてみれば、そうかもしれない」
考え込むような様子のクリスが不思議で、沢村は並んで歩きながら横のクリスを見上げる。
「……この一ヶ月、しみじみ感じたことがある」
クリスは遠くの空を見つめていた。
「いつでも顔が見れて、声が聞けて、傍に居られる状況と言うのは随分恵まれていたんだな」
「クリス先輩……」
「離れてみて、お前が俺の一日のどれほどを占めていたのかを思い知らされたよ」
苦笑したクリスの手が、沢村の頭に乗せられる。
「頭では理解していたつもりだったが結局分かっていなかったんだな。当たり前のようにお前がいつも傍に居たから、それが無くなるのはどういうことなのか。この一ヶ月、本当に苦しくて堪らなかった」
ゆっくりと頭の上で動かされる手の感触は、あまりにも優しくて。
「お前に、会いたくて。顔がみたくて、声が聞きたくて、触れたくて仕方が無かった」
「…っ、お、俺もですっ!! スゲークリス先輩に会いたくてっ」
必死ですがりつくようにクリスの顔を見上げる。自分もずっと、同じ気持ちだったと分かって欲しくて。
クリスの優しい視線が沢村を捉えた。そっと手が伸びてきて、指先が頬をくすぐる。
「欲求が満たされないで募るばかりだと、いざこうして向き合うと無意識に想いが暴走してしまうものだな」
驚いてつい目を見開くと、クリスは苦笑して沢村の腕を引いた。
「このマンションだ。中に入るぞ」
「あ、はい」
急に歩みを速めたクリスにあわせ、半分走るようにしてマンションに足を踏み入れる。
階段を登り、一つのドアの前で足を止めたクリスが、かなりの速さで部屋の鍵を開けた。玄関のドアを開けるなり、急に部屋の中に引きずり込まれる。
「え!?」
驚く間も無く、力強い腕に抱きすくめられ、唇が重ねられた。
「んっ……」
驚いて半開きだった口の中に、すぐに温かい濡れた感触が侵入してくる。戸惑いながらもその舌に応えようと思ったが、性急な動きに翻弄されるしか出来なかった。
「ん……んむ……」
貪るような激しさで唇を求められ、沢村はクリスの背にすがりつく。何度も何度も角度を変え、その度に魂まで吸い尽くすかのように貪られ、あっという間に何も考えられなくなった。
「は……あ、ん……」
一瞬唇が離れても、すぐに再び塞がれる。
もう力が入らない。
力強いクリスの腕に支えられ、覆いかぶさるようにその胸の中に囲い込まれ、クリスの唇を味わい、ごく近くから香るクリスの匂いを感じ、薄く目を開ければ視界には伏せられたクリスの長い睫しかない。
沢村の世界の全てがクリスで占められている。
溢れそうになった唾液をどうにか飲み込むと、ようやく唇が放された。
「……すまない。顔を見てからずっと、キスをしたくてたまらなかったんだ」
唇を動かせば触れるような距離で、甘く甘く囁かれる。
「あ……やまん、ないで……くださ、い……」
なんとか呟くように答えると、軽く2度ほど唇が触れ、下唇を音をたてて啄ばまれた。
これは、いつものクリスのキス。
「声も顔も、今にも溶けそうだぞ、お前」
「先輩が……溶かしたん、でしょう?」
ちゅ、と唇を触れさせ返せば、クリスは微笑んだ。
「もっと、全身余すところ無く溶かされ尽くしてみるか?」
ぐっと腰を抱き寄せられ、何もかもを見透かすような瞳で目を覗き込まれる。もう片方のクリスの手がドアの鍵に伸び、鍵がかちりと音を立てたのが聞こえた。
「あっ……」
下半身が密着する感覚に、緊張と興奮が入り混じって身体を駆け抜ける。
溜まらず目を閉じようとすると、その途端に沢村の腹の虫が派手な音を立てた。
お互いに目を見開いて一瞬沈黙する。そしてクリスが苦笑した。
「その前に、腹ごしらえが必要だな」
「すっすみません!」
どうしようもなく恥ずかしくなって俯く。と、クリスの唇が額に触れた。
「謝らなくていい。お前を食ってるときに腹が減ったと言い出されるより余程いいぞ?」
「えっ?」
はっとして顔を上げる。クリスは抱き締めた腕を解き、まだ履いたままだった靴を脱いで室内に上がった。
沢村も慌ててその後に従う。
「さて、じゃあ何か作るか」
「ええ!? クリス先輩が作ってくれるんですか!?」
「まあ、一人暮らしだからな。ある程度のものしか作れないが……お前好き嫌いは無かったはずだな?」
「は、はい!!」
「じゃあ、大人しく待っていろ」
……と言われたものの、じっと座って待っているのは性に合わない。
野菜を冷蔵庫から出し、包丁を当てたクリスの周囲をウロウロしながら手元を覗き込んでいると、クリスが苦笑した。
「こら。邪魔だ」
「だって、見たいんスよ」
「危ないだろう」
そう言いながら、クリスは片腕をあげて沢村をくぐらせ、腕の中に入れる。
「ちょっと離れたところで大人しく見てることも出来ないのか、お前は」
そのまま頬と頬を重ね合わせて擦り付けられ、沢村はくすぐったくて笑った。
クリスは言っていることとやっていることが正反対だけれど、嬉しいから沢村は頬を擦り付け返してわがままをいってみる。
「だって、1秒でも離れてるのが嫌なんですもん」
「まったく。可愛い奴だ」
クリスの口から出た予想外の単語に、沢村はぎょっとした。
「え、えええ!? その、仕方の無いやつだ、じゃ無いんですか!? いつもはそうなのに……!」
「言っておくが、お前に向かって仕方の無いやつだと言うときは、まず可愛いやつだと同義で言っているんだぞ」
「ええええええっ!?」
「人前では仕方の無いやつだと言うしかないからな」
わたわたと慌てる沢村に、クリスはくすくす笑っている。
でも、『仕方の無いやつ』という言葉は相当な回数言われている気がする。それが全部『可愛い』と言われていたのだとすると……?
一気に頬が熱くなった。
「どうした?」
「や、だ、だって……!」
それでは、いつもいつも、ずっと可愛い奴だと言われ続けてきたことになってしまう。
恥ずかしくてクリスの肩に顔を埋めると、クリスは包丁と野菜を置いて沢村を抱きしめた。
「しかしまあ、これでは危ないのは事実だな。怪我をさせたくは無いし」
「うう〜……」
もう何を言っていいのか分からない。
「そうだな、ビデオでも見ているか?」
「ビデオ……ですか?」
「ああ。この間少しだけ試合に出てな、その時のビデオが……」
「本当ですか!?」
ばっと顔を上げると、クリスは微笑んでいた。
「3回だけ出してもらえたんだ。それなりに自分では結果を出したと思っているんだが」
「見たいっす! っていうか、試合に出るなら呼んでくださいよ、生で見たかったのに……」
ぶーと膨れれば苦笑したクリスの唇が額に下りてくる。
「連絡しようとは思ったんだけどな。試合の直前に決まったせいで、連絡がつかなかった」
「あ……そっか、携帯……」
クリスは携帯をもっていない。そのため、ちょっとした時間に電話をかけるとか、メールで送っておくとかそういう簡単な連絡手段がとれないのだ。
お互いハードなトレーニングの日々をおくる身で、そう簡単に空いている時間は被らない。確実に空いている時間となると早朝又は深夜となり、あまり電話をかけるのが躊躇われるような時間になってしまう。
そのせいでろくに電話も出来ず、中々声を聞くこともままならない生活になり、今回の泊まりの話も連絡をとるのに本当に苦労した。
「ああ、そうだ、言い忘れていたがそれで昨日携帯を買ったんだ」
「え、ええっ!? マジですか!?」
「それほど驚くことか?」
「だってクリス先輩、高校のときはキャプテンとか丹波先輩とかにアレだけ携帯買えって言われても買わなかったのに!」
クリスの携帯不所持は、部内で非常に不評だった。携帯を買うように言った人間は一人や二人ではない。が、クリスは「多少不便でも無くてはならないという物ではない」と言って、どうしても携帯を買おうとはしなかった。
「あの頃は本当に必要だとは思わなかったんだ。最近その重要性がよく分かったよ」
「ほへ〜……。大学生って大変なんですね〜」
「そうじゃない。携帯があれば、もっと頻繁にお前の声を聞けるだろうからな」
「ふえっ!?」
反射的に妙な声をあげてしまった沢村に、クリスのキスが下りてくる。
「さっきも言っただろう。会えなくて辛かった、と。せめて、声くらいもっと聞きたいと思っても、おかしくないだろう?」
「は、はぁ、いえ、はい、その、えっと、俺も正直クリス先輩が携帯持ってくれれば、もっと声聞けるのになって思ってました……」
でも、それは自分の勝手なワガママだと思っていたから、言わなかっただけで。
まさか、自分の為に携帯を持つようになってくれるなんて、考えたこともなかった。
「……だからこれからは、1日1回くらいは、声が聞けそうだ」
「は、はいっ!!」
嬉しくて顔を見上げれば、クリスは微笑んで強く沢村を抱き締めた。
「それで、まだメールアドレスを決めていないんだが、……こんなかんじにしようかと思っていてな」
クリスがポケットから取り出した携帯の画面には「chris_eijun@xxxx」という文字列が表示されている。
「う、うわ!? え、えっと、これって!?」
思わず赤面しても、クリスは特に気にする風もない。
「ある程度長いものの方がいいと聞いたんだが。これではまずいか?」
「いいいいえそのっ、すっげー嬉しいですけど、あの」
「何だ」
「……実は俺、メアドこれなんです」
沢村はポケットから自分の携帯を取り出して、メールアドレスを表示した。
そのアドレスは「chrissenpaiv@xxxx」。
「俺、このメアドに変更した時、倉持先輩に教えたら、馬鹿って200回くらい言われたんスよ」
その言葉に、クリスはようやく思い当った表情をする。
「ああ、そうか。メールアドレスは、他人に見せる必要があるのか」
「そうっす」
「じゃあ、流石にこれではまずいか。そうだな、それなら……」
クリスが携帯を操作する。
「これでどうだ?」
その画面には「moving_catch@xxxx」の文字。
「ムービング、って」
「お前を表すには、一番的確な単語だろう?」
微笑んだクリスに、ちょっと照れくさくて沢村は首を傾げる。
「いいんですか? 多分、えっと御幸先輩とか倉持先輩とか……あとOBの人たちとか。気づくかもしれませんよ?」
「気づくだろうな。でもまあ、その辺りの連中には、今更だろう」
クスクス笑っているクリスは、どうやらそれは構わないと思っているらしい。
「お前が構わないなら、これにする。いいか?」
「はいっ!」
「じゃあ、任せる」
手のひらに携帯を乗せられ、沢村は携帯とクリスの顔を見比べた。
「へ?」
「ビデオを見ながら、メールアドレスの登録と、あとお前の番号の登録をしておいてくれ。その間に料理をしてしまうから」
「はい。あ、でも俺が携帯の中見ちゃって大丈夫ですか?」
恋人同士でも、携帯の中は見られたくないなんていうのはよく聞く話で。
沢村は平気な性質でも、クリスは嫌がってもおかしくはない。
「大丈夫も何も。まだ何も入っていないからな、その電話」
「へ?」
笑ったクリスが沢村の頭を撫でる。
「お前に最初に教えようと思っていたから、まだ、携帯を持ったことを親父にも連絡していないんだ。だから隠すも何も、真っ白だ。まあ、これから色々増えたところで、隠すようなことはないだろうけどな」
それは、本当にそれだけ特別扱いされているということでもあり。
沢村は嬉しくなって携帯を強く握り締めた。
「じゃあ、大人しくビデオを見ているんだぞ」
「はいっ!!」


えー……
「クリス先輩が限界まで甘い話にチャレンジ!」がコンセプトです。
いちゃいちゃいちゃいちゃいちゃいちゃいちゃしてるだけで、えっらい長くなったのでここで一度切ります。
でもこの後も多分いちゃいちゃいちゃいちゃいちゃいちゃいちゃするだけなんですが。

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