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右近の身体が瞬時にこわばった。
「何の…おつもりです…?」
震える問いを無視し、私は再び声を荒げた。
「仙之丞、さっさと参らぬか!」
右近は肩で息をつきながら、驚愕に満ちた眼で私を振りかえった。
戸惑うような間のあと、仙之丞が次の間の襖をあける音がした。畳の上を摺り足でやってくる。寝所の襖の前で仙之丞がふたたび膝をつく気配がした。
「仙之丞、入れ」
「惣一郎様っ!」
ほとんど悲鳴に近い声音で右近が叫んだ。
仙之丞もここまで来たものの、襖の向こうで逡巡しているのだろう。
狼狽しきった表情が目に見えるようだ。
「仙之丞、何をしておる。主人の命が聞こえぬか」
昏(くら)い情熱が私を突き動かしていた。
「な、なれど若殿…」
かすれた声でなおもためらう仙之丞に、
「命に従わねば手討ちにいたすぞ」
と低く呟いた。
「戯れごとはおやめなされっ」
今の今までされるがままになっていた右近が、私の腕から逃れようと懸命にもがき始めた。なれど、媚薬に蕩かされた身体は芯に力が入らず、私は上から押さえ込んで容易に右近の抵抗を封じた。
『悪ふざけはこのへんにしておけ』と内なる声が諭したが、私は己の暴走を止められなかった。
めちゃくちゃにしてやりたい一一。
仙之丞を巻き込んで、とことん右近を嬲ってやろうと思った。
右近の根元を片手で抑えたまま、胡座をかいた上に強引に引き上げ、蕩けきった秘処に己が楔を一息に捩り込んだ。
「あぁっ…あぁぁぁ一一!」
激しく頭を振りながら、右近が長く掠れた悲鳴をあげた。
「仙之丞!」
これで仙之丞が入ってこなければ、右近と繋がったまま襖を蹴倒してやろうか…。
だが、するすると襖が開き、低く頭を垂れた仙之丞の姿が現れた。
熱を持った肉襞にしっとりと包まれ、陶酔を覚えながら、私は満足げにうなずいてみせた。
この美しい生き物が己の所有物であることを、誰かに見せつけたかった。
仙之丞は右近を慕っている。響宴に加えてやるには格好の相手だった。
最初はふたりの閨を直視できなかった仙之丞が、やがて恐る恐る顔をあげた。右近は固く目をつぶったまま、羞恥と怒りに身を震わせている。右近の浅く切迫した息使いだけが閨に充満した。
私は仙之丞に見せつけるがごとく、ゆっくりと右近の胸の飾りを指の腹で嬲った。
「…いかがじゃ。中々の艶姿であろう?」
仙之丞の大きな瞳がさらに見開かれ、音をたてて喉が鳴った。
「ほれ、ここがこのように…」
二、三度つまんでひっぱると、
「すぐに硬く勃ち上がってくる…」
「若殿っ…」
仙之丞は狼狽しながらも右近から目が離せない。
初心な奴め…と私は鼻先で軽く笑った。
「何、遠慮はいらぬ。そなた、まだ誰とも肌を合わせたことがないのであろう? 後学のためによう見ておけ…」
仙之丞が戸惑いつつも確実に昂っていくのが、私にはよくわかった。
一方、右近は懸命に唇をひき結んでいた。仙之丞の前で決して声を洩らすまいとするのが憎らしい。それでも尖った乳首を執拗にこねまわすと、鼻から零れるように甘い息が洩れ、肉襞は熱くうねって私自身を奥へと誘い込んだ。
仙之丞の位置から見る右近はどうだろう。上気した肌が桜色に染っている。大きく脚を開き美しい刀身を仙之丞の目の前に曝し、胡座をかいた私の上にあられもない姿でまたがっている。秘処には深々と楔を穿たれ、もどかしいような疼きを懸命に耐えている表情…。
さぞやそそられるはずだ。
私が下からゆるく突き上げると、右近の唇から切なげな呻きがもれた。間断なく腰を揺らしながら、少し萎えてしまった右近のものを再び手で扱いてやると、仙之丞に見られているにも拘わらず、すぐに勢いよく天をついた。
それに気付いた右近が泣き出しそうな顔で唇をかんだ。
仙之丞は呼吸も忘れたように右近の姿に魅入られていた。
「仙之丞、前が淋しそうだ。慰めてやれ」
「わ、若殿…」
とんでもないとばかりに、仙之丞が後ずさった。
「早うせい」
「若殿っ…このようなこと…正気の沙汰ではござりませぬ。どうかっ…お許しくださりませ!」
仙之丞は激しく頭を振って拒んだ。
「ならぬ」
「右近様がお気の毒にござりますっ」
仙之丞が涙声で訴えたが、私は仙之丞の袴の下の異変を目ざとく見つけていた。
「何をいう。気の毒に思うなら早う慰めてやれ」
「若殿っ…」
最後は絞り出すような声音で呻き、仙之丞はがっくりと頭を垂れた。
*
もう長い間、右近を慕っていた仙之丞。
だが主人の寵愛を受ける右近に横恋慕して手を出せば、武家の習いでは即刻打ち首である。仙之丞も馬鹿ではないから当然わきまえていた。私と右近の関係は別として、己の敬愛する先輩に触れるなど不届千万と考えていたのやもしれぬ。
だがこうして私が許した以上、目の前で肌を染め、快楽に震える右近の姿を見せつけられ、男ならば我慢できるわけがなかった。
私はふと、仙之丞の想いをも弄ぶ自分に嫌気がさしたが一一。宴は始まってしまった。今宵は行き着くとこまで行くしかなかろう。
胡座の上に抱き込んだ右近の躯が、しっとりと汗ばんでくる。
菊座に私の楔を深々と穿たれたまま、右近は仙之丞に口淫されていた。
仙之丞が意を決して唇を寄せたとき、右近は私の腕の中で狂ったようにもがいた。だがいざ銜えられ、大切に唇や舌で愛撫されると、右近は涙を滲ませて拒絶しながらも、最後には陶然と眸を閉ざした。
羞恥が肉の愉悦に負けたのだ。
私が緩やかな律動を刻み、後ろから胸の飾りを弄ぶと、
「あ…、あ…、あぁぁぁぁ……」
右近の内奥が離すまいとたぐりついてくる。
「そんなに切ないか、右近」
耳もとに唇を寄せて囁けば、右近が息を震わせながら曖昧にうなずいた。
「仙之丞、そろそろ一度ぬいてやれ」
片頬で微かに笑って命じれば、仙之丞はこれまでにも増して熱心に勤め始めた。
右近自身を仙之丞が深く銜えこみ、唇で上下にしごけば、
「うっ…うう…はうっ…」
右近の唇から歓喜のすすり泣きが洩れ続けた。
右近を抱きかかえながら、右近の股間で蠢く仙之丞を眺める。
懸命に舌を使う仙之丞も陶酔の表情を見せている。
私は身の裡の異常な昂りを認めながらも、こんな気狂いじみた遊びは今宵限りと自分に言い聞かせた。
仙之丞が強く吸い上げると右近の呼吸が切なく速まり、
「くっ…ぁッ一一!」
押し殺したような叫びがもれ、総身に恍惚の痙攣が走った。
同時に右近の肉襞がうねるように私にからみついた。
私は眉を寄せて放出を堪えながら、右近の震える身体を後ろからきつく抱きしめていた。
仙之丞は右近の放ったものを最後の一滴まで受け止め嚥下した。仙之丞が右近のものを放してゆっくりと顔をあげた。右近は虚ろな双眸で仙之丞を捉え、そっと頬に手を伸ばした。右近の指先が仙之丞の頬からこめかみへと、愛おしむように撫で上げた。仙之丞は浅く息をつきながら、感極まったような瞳で右近を見上げている。
己がけしかけたくせに、果てたのちに目を見交わす右近と仙之丞に、私の中で猛烈な嫉妬がわき起こった。
「もうよい、下がれっ」
私は苦々しく叫ぶと仙之丞の肩を押し退けた。
一旦繋がりを解き、今度は右近を夜具の上に仰向けに押し倒した。
「前は満足したが、後ろはまだまだ鳴き足りぬだろう?」
右近の耳朶に唇を寄せて囁き、膝裏に手をかけて持ち上げた。
媚薬の効き目が頂点に達したのか、右近は朦朧と瞳を宙に泳がせ、浅い息をついている。
私は熱く猛るものを菊座に押し当てた。
そのまま膜が貼ったような右近の瞳の中を、しばし覗き込んだ。
私の身体の下で焦れたように右近の腰が揺れる。
懇願するような眼差しとともに、右近の両腕がふわりと私の首に絡んだ。
求められていると実感できるのは、この瞬間だけだ。
(まだわからぬか、右近。
Jき美しい刀身を仙之丞の目の前に曝し、胡座をかいた私の上にあられもない姿でまたがっている。秘処には深々と楔を穿たれ、もどかしいような疼きを懸命に耐えている表情…。
さぞやそそられるはずだ。
私が下からゆるく突き上げると、右近の唇から切なげな呻きがもれた。間断なく腰を揺らしながら、少し萎えてしまった右近のものを再び手で扱いてやると、仙之丞に見られているにも拘わらず、すぐに勢いよく天をついた。
それに気付いた右近が泣き出しそうな顔で唇をかんだ。
仙之丞は呼吸も忘れたように右近の姿に魅入られていた。
「仙之丞、前が淋しそうだ。慰めてやれ」
「わ、若殿…」
とんでもないとばかりに、仙之丞が後ずさった。
「早うせい」
「若殿っ…このようなこと…正気の沙汰ではござりませぬ。どうかっ…お許しくださりませ!」
仙之丞は激しく頭を振って拒んだ。
「ならぬ」
「右近様がお気の毒にござりますっ」
仙之丞が涙声で訴えたが、私は仙之丞の袴の下の異変を目ざとく見つけていた。
「何をいう。気の毒に思うなら早う慰めてやれ」
「若殿っ…」
最後は絞り出すような声音で呻き、仙之丞はがっくりと頭を垂れた。
*
もう長い間、右近を慕っていた仙之丞。
だが主人の寵愛を受ける右近に横恋慕して手を出せば、武家の習いでは即刻打ち首である。仙之丞も馬鹿ではないから当然わきまえていた。
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