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気だるそうに大樹の幹に背を預け、三郎は浅い呼吸をくり返している。胸は大きくはだけられ、裾はしどけなく乱れている。角帯がかろうじて着物を三郎の身体に縫い止めていた。
桜の枝の隙間から、木漏れ日が主従の上に降り注いでいた。綿入れの着物ではさすがに暖かすぎ、三郎はこめかみに汗を滲ませて、小さく喘いでいた。
誠之進は無言で微笑みかけると、三郎の脇の下に両手をいれて立たせた。そのまま反転させると、桜の木と三郎の身体が向き合った。間を置かずに誠之進は地面に跪き、後ろから三郎の長着の裾をめくりあげた。
何をされるのか悟った三郎は、固く目を閉じて、大樹の幹に両てのひらをついた。
誠之進は三郎の下帯を緩めて取り去った。そのまま顔を寄せ、まろやかな双丘の谷間に舌を差し入れた。
「くっ……」
三郎は羞恥に身を揉みながらも、誠之進のなすがままに大人しくしている。誠之進が舌先で蕾をこじあけると、内股をかすかに震わせて堪えた。
ひと月ぶりの逢瀬なのだ。誠之進のものも、すでに下帯の中で雄々しく天を向いている。それでも、誠之進はなかなかひとつになろうとはしない。決して乱暴ではない仕種で、蕾をそっと指で押し開き、露になった入り口をほぐすように舐めあげていく。
「んっ…あっ…ああっ」
くぐもった声が誠之進の頭上から聞こえてきた。
愛しい三郎のよがり声に煽られ、誠之進は三郎の菊座を限界まで指で押し広げると、奥まで舌を差し入れて先端で肉襞をなぞった。
「そ、そのようなっ…あっ…」
三郎は悩ましく腰をくねらせ、桜の木にしがみついた。
もう…我慢できぬのではありませぬか?
あなたから私を欲しがってくださりませ…。
欲しいと言わねば、あげませぬぞ。
さあ、三郎ぎみ…。
「誠之進っ…いやじゃ…」
「…何か…お気に召しませぬのか?」
「ば、ばかものっ…」
掠れた声で叫び、三郎は肩ごしの誠之進を振り返った。
誠之進も動きを止め、跪いたまま主人の顔を見上げた。
熱く潤み切った、玻璃玉のような瞳。目尻には薄く涙が滲んでいる。
紅梅のごとく色をはいた唇が、もどかしげに震えていた。
「いかがされました…若…?」
今にも暴発しそうな己の欲望を押さえ、誠之進は三郎にそのひと言を言わせようとした。
誠之進はゆっくり立ち上がると、わざと緩慢な動作で自分も袴を脱ぎ捨てた。三郎の背後に身を寄せ、後ろから抱きしめる。左手でふたたび三郎の裾をめくりあげ、右手で己が裾を割り、下帯をずらして猛々しいものを取り出すと、三郎の後ろへあてがった。
誠之進はそのまま、突くでもない、撫でるでもない、曖昧な動作で三郎の菊座をなぶった。
「せ、誠之進っ…」
中途半端な刺激に耐えかねて、三郎が小さく頭を振った。
指先が焦れて桜の幹をかきむしっていた。
誠之進は三郎の手指を己が手で握り込み、
「なりませぬ。お手が傷付いてしまいます…」
耳朶に触れんばかりに囁きかけた。
「誠之進っ…も、もはや…」
「もはや…?」
「は、早う…っ」
三郎は耳まで紅に染めて、ようやく求める言葉を口にした。
誠之進は三郎の背後で満足気に微笑んだ。指で秘処が十分にほぐれたのを確かめると、ゆっくりと屹立をあてがった。万にひとつも傷つけることのないよう、慎重に腰をすすめる。先端のくびれまで埋め込むと、浅い抜き差しで愛しい主人の反応をうかがった。
三郎の秘処が思いがけない強さで、誠之進を離すまいと絡み付いてくる。
誠之進も思わず喘ぎながら、
「…これでは、足りませぬのか?」
一度身体を引いて尋ねた。
三郎はいやいやするように、首を振った。
答えなど聞かなくともわかっている。少し、三郎をいじめてみたかっただけだ。誠之進は後ろから耳朶を甘咬みすると、再びじわじわと侵入をはたした。熱い柔肉がぴっちりと誠之進を包み込む。たまらず奥まで突き入れると、
「あっ、あああっ一一」
三郎の弱い部分をかすめたらしい。
感極まった三郎が、背をしならせ、桜の幹に両手を突っ張った。
仰け反った瞬間、三郎の秘孔が誠之進をこれでもかと締め付けた。
(さ、三郎ぎみっ…)
今の今まで我慢していた誠之進も、急激に昂まり、精を漏らしそうになった。
「くっ…」
誠之進は唇を一文字に引き結び、どうにかやり過ごすと、三郎の胸の飾りに手を伸ばしながら、ゆっくりした動きを再開した。
「う…んんっ…あ…」
三郎の腰が妖しく揺れ、鼻にかかった喘ぎが間断なく洩れてくる。
今度は確実に狙いを定めて、誠之進は己のもので三郎の内壁をこすりあげた。
ときおり抉るように突き上げてみたり、ゆっくりと押しあてたまま、三郎の腰を両手で掴み、優しくゆすってやる…。またある時は小刻みに突いてみたり、誠之進はあらゆる表情を引き出すべく、手をつくして三郎を責めた。
三郎は眉根を寄せながら、乱れる息の合間に何度も誠之進の名を呼んだ。
波間を漂うがごとく、三郎は誠之進の動きに身をゆだね、陶然と瞳を潤ませている。
桜花の天蓋の下、ふたりで紡ぎ出す甘美な快感に、主従は時を忘れて酔いしれた。
おわり
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