頭が痛い。おなかも。
わからなかったとはいえパパに銃を向けたりなんかしたから、ばちがあたったのかもしれない。
パパ、どこ?
私、急いで起きるから。
せっかくきてくれたのに、私ったらこんな状態で。
もういなくなったりしないでね。
私の目の前から、どこか遠くへなんて行ったりしないでね。
サイのこと説明しなくちゃ。
とても大切にしてくれたのに、私、彼と結婚はできないの。
わかって、パパ。
わかってくれる?
私、生まれて初めて、自分が本当に欲しいものを見つけたのよ。
パパがくれるものだけじゃなくて、自分で見つけたの。
キラが戻ったら、キラのこと、ちゃんと紹介するね。
パパ、お願いだから彼のこと殴ったりしないでね。
パパはコーディネーターが嫌いだから怒ると思うけど、ううん、私だってまだコーディネーターを憎んでるけど。
キラはね、特別なの。
なんていったら、パパ、もっと怒るかな。
キラ、私がキラのこと好きってパパに言うから。
キラ、あなたのことが好きってあなたにちゃんと言うから。
……聞いて、くれるよね?
パパじゃない。
パパじゃなかった。
声はすごく良く似てて、目をつぶればパパがそこにいるみたいだった。
でも、この人はパパじゃないんだ。
怖いよ、キラ。
目が覚めたら知らないコーディネイターがいっぱいいて。
怖いよ。
パパはやっぱり来てくれないの?
じゃあキラももう来てくれないの?
どうしようどうしよう、すごく怖い。
守ってくれる人が誰もいない。
ひとりぼっちなんてそんなの、
死んじゃって吹っ飛んでからだの欠片もないなんてそんなの。
パパじゃない人の口からパパの声が言う。
「フレイ、心配しなくていい」
クルーゼが私の肩を抱く。
私は目を閉じてその声を聞いた。
キラ、私どうしたらいい?