コーディネーターがみんな私を見てる。
あんまり人のいるところに行きたくないよ。
でもクルーゼの声を聞いていないと不安になっちゃって、どうしようもなくて、
何かにすがりたくてでも何もない。
パパの声の、亡霊だけ。
顔に傷のあるコーディがいつも私に怒鳴る。
いやだ。私がナチュラルだからなのかな。
私がコーディが嫌いなように、あいつらもナチュラルが嫌いなんだ。
私のこと嫌いだって、気に食わないって視線が言ってる。
なにやってるのかわからない。
いっつもおどおどして、クルーゼのそばにいるだけ。
ママが死んで、パパも死んだし、友達も死んだ。
やっぱりキラも死んじゃったの。もう会えない。
みんなみんな死んじゃったのに、
私だけ生きてる。
私にはもう誰もいない。
ひとりぼっちで生きてる。
キラは会いにこれない。私はこんなところにいる。
キラが会いにこれないなら、私が会いにいけばいいのかもしれない。
待っててね、キラ。
もうすぐあえる。
きっとあえるわ。
その方法を見つけなくちゃ。
このごろそればっかり考えてる。
ぼうっとしてるって、コーディに怒られる。
あの傷のあるコーディは、私がぼうっとしてるとイライラするらしい。
よくわからないけど。
どうすればいいのかな、ねえ、キラ。
あなたが死ぬとき怖かった? やっぱり痛かった?
あのね、寝るときいつもキラの顔が浮かぶの。
夢の中で、キラ、いっつも笑ってるのよ。
変なの。
笑ってるキラより、泣いてるキラのほうが私はいっぱい見てきたのにね。
でも夢ではキラは私から離れたとこにいて、こっちを向いて笑ってるの。
そのあと私は融けちゃって、何も見えないし声も出せなくなって目が覚める。
目が覚めた後も真っ暗で見えなくて喉もふさがってるのに、涙だけは出てるの。
馬鹿みたい。
優しかったキラ。
キラはいつだって優しかったのに、どうして肝心なときに優しくしてくれなかったの?
死んじゃうなんて、ひどい。
でもそれも私のせいよね。
私があなたを死なせたようなものだから。
キラ、私のこと憎んでいいから。
泣かないで。
銃にしようって決めた。
でも回りに気づかれないように撃つのはけっこう難しい。
チャンスをうかがってるけど、もうちょっとかかりそう。
ごめんねキラ、なるべくはやくするから。心配いらないわ。
コーディたちはまだ怖いけど、もうすぐお別れできるからあんまり気にならなくなった。
でもそれがまた、あいつらの神経を逆なでするみたい。どうでもいいけど。
毎日がのろのろ過ぎるのに、寝るとすぐ次の日になっちゃうのはなんでかな?
夢の中で会えるだけでも嬉しい。
もうすぐほんとに会えると思うともっと嬉しい。
なのに起きたときかならずほほが濡れてて、
叫びだしたくてたまらなくなる。どうしてだかわかんない。
キラ、キラ、苦しいよ。
急がなきゃ。
気持ちばっかり空回りしてる。
その日がはやく来ればいい。
そうすればきっともう苦しくなんてないのに。
私がそっちに行ったら、キラ、夢のときみたいに私に笑ってね。
お願いだから、ね、キラ。