心に封印した言葉がある
―あなたがとても好きです―
決して口には出せないけれど…
哀しくなる位あなたが好き…
言葉に出したらこの友情が消えてしまいそうで
あなたが遠い存在になってしまいそうで
だから私はこの想いを決して告げる事はしない
いつだって一番の親友の顔をしてあなたの傍にいたいから
いつだって他の娘とは違う特別なポジションにいたいから
「おまえは一番の親友だよ」
そう言うあなたの笑顔がこんなにも辛いなんて、きっと思ってもいないんでしょうね
「早く彼氏作れよ」
そう言うあなたの言葉がこんなにも哀しいなんて、あなたは思ってもいないんでしょうね
私は親友以上にはなれないから
せめて、あなたの恋を応援するよ
彼女が実らない恋を忘れて、あなたと向き合ってくれるように、いつだって祈っているよ
拓巳…
どうしてあなたが好きなのは私の親友だったんだろう
陽歌…
どうしてあなたは届かない想いを追いかけ続けるんだろう
私なら拓巳の全てを受け入れて、何もかも捧げて愛するのに…
羨ましいほどに望まれているのは、私ではなく、隣にいる親友だなんて…
切なくて、時に潰れそうになる心を抱きしめて、二人を見守る事しか、私にはできない
苦しくて、時に張り裂けそうになる痛みに耐え、二人の親友を演じるしか、私にはできない
損な生き方かもしれない。
だけど、彼が好きなのが陽歌だったから、私は救われているのだと思う
二人とも大切な親友だから…
二人には誰よりも幸せになって欲しいから…
拓巳…あなたが好き
届かない想いなら、せめて誰よりも近い場所で、あなたの幸せを見つめ続けていたい
私は永遠にあなたの親友で在り続けられたら、それでいい
恋人にはなれなくても
この『友達の距離』だけははずっと保ち続けていたいの
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2005/10/07
2008/11/18 改稿