晃君はいつもお母さんを探している
お星様の中に、お日様の光の中に、僕らを抱きしめる風の中に
それから…
晃君を見つめる時の僕の瞳の中に
神さまはどうして晃君からお母さんを取り上げてしまったんだろう。
晃君はこんなに優しいのに
晃君はこんなにお母さんを愛しているのに
神さまはどうして晃君に意地悪をしたんだろう
天使は僕が生まれたときからずっと傍にいて見守ってくれている
でも僕は知っているんだ
天使の視線の先にはいつだって晃君がいることを
ねぇ?
天使はお母さんなの?
どうして写真の中のお母さんとそっくりなの?
ねぇ?
どうして何も教えてくれないの?
晃君はいつもお母さんを探している
天使はいつも晃君を見つめている
僕はそんな二人を見ているとなんだかとても哀しくなる
どうして二人は見詰め合うことが出来ないんだろう
どうしてその手に触れる事が出来ないんだろう
ねぇ?神さま
せめて七夕の今日だけ、晃君にお母さんをください。
せめて一年に一度だけ、晃君とお母さんを会わせてあげてください
夢でも
まぼろしでも無い本当のお母さんと…。
今夜は七夕だからきっと願いは叶うよね?
神さま
僕は晃君とお母さんと三人で手を繋いで歩いてみたいです
+++ Fin +++
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【七夕の夜空に】の暁視点です。【七夕の夜空に】の感想を頂いて、ふと書きたくなって書き下ろしました。
暁…イイコだねぇ。この頃は(←ココポイント
この純粋さをどうして彼は失って…あ、いや、それはまた別のお話で…。
子供の純粋な心を感じて頂けると嬉しいです。
2006/07/08
朝美音柊花
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『大人の為のお題』より【まぼろし】 お提配布元 : 「女流管理人鏈接集」