楽園(6)







気がつけば朝だった。目が覚めると体中の筋肉が悲鳴を上げていた。
動かす度に、みしみしと悲鳴を上げているような気がする。
 門脇と目が合う。門脇はバツのわるそうな顔をして、
「すまん……止まらんかった……」
と謝ってきた。一度だけでは終わらなかったのだ。
何度も入れられて、しまいにはゴムが先になくなってしまって、それでも門脇は止まらなかった。
ゆっくりと身体を起こすと、夕べの残滓がとろりと零れる。髪はくしゃくしゃ。シーツも洗わないとどろどろだ。
しかし、瑞垣の身体は動きそうにない。
「……これだから体育会系は……恨むぞ、秀吾……!」
 恨み言を言う瑞垣の声もかすれている。何度も喘がされ、しまいにはねだる言葉さえ吐かされた。
けれども、こんなに溺れる程のセックスをした事は、他になかったのだ。
「……すまん。体育会系やから……でも、責任取ってな? 俺、月に一度はこっちに帰ってくるから。……好きじゃ、俊」
 抱き寄せられて口づけられる。……もしかしたら大変マズい事になってしまったのかもしれない。
好きだなんて、認めなければよかったと思っても、後の祭り。
 瑞垣はくっついて離れない恋人との今後を思って、深い溜息をついた。










あとがき
…最初の小説がこれってどうなのよ。すみませんすみません。 ちなみにミスというのは、「この時期は秋期大会の練習で忙しいはずなのに帰省なんてできるか!」です。 内容的にもまだ続きがあるので、冬はこれのリライト+後編が新刊になります。後編も原稿ができたらアップしますので。長い文章にお付き合い頂いてありがとうございました。