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第九回 永楽館歌舞伎(永楽館)

2016年11月4日(金)~11月11日(金)
1日2回公演(千穐楽は1回公演) 全15回公演
 1部 開場11:00 開演11:30 終演予定14:30
 2部 開場15:30 開演16:00 終演予定19:00

配役

第一部(11:30開演)/第二部(16:00開演)

一、信州川中島合戦(しんしゅうかわなかじまがっせん)輝虎配膳

長尾輝虎:六代目 片岡愛之助
勘助妻お勝:初代 中村壱太郎
直江山城守:二代目 片岡千次郎
直江妻唐衣:初代 片岡千壽
勘助母越路:六代目 上村吉弥

二、お目見得 口上(こうじょう)

幹部俳優出演

三、春重四海波(はるをかさねてしかいなみ)

一堺漁人 作「寿祝う四海波」より
水口一夫 脚色・演出

高砂頼母:六代目 片岡愛之助
沖津浪路:初代 中村壱太郎
沖津俊斎:初代 中村寿治郎
伯母磯路、越路娘八重:六代目 上村吉弥

データ

筋書

愛之助丈関連
16ページと17ページの間の折込(すべてカラー)  舞台写真「毛谷村」毛谷村六助、「鳴神」鳴神上人、「蜘蛛絲梓弦」蜘蛛の精、「封印切」丹波屋八右衛門
 裏はポスター:舞台写真「GOEMON」石川五右衛門(カラー)
17ページ:「勧進帳」富樫左衛門(カラー)

料金

11,000円(全席指定)
筋書:1,000円

雑誌

『演劇界』2017年1月号

愛之助丈関連
60ページ:舞台写真「輝虎配膳」長尾輝虎(カラーグラビア)
86~87ページ:舞台写真「輝虎配膳」長尾輝虎(モノクロ 5枚)
87ページ:舞台写真「口上」(モノクロ 1枚)
88ページ:舞台写真「春重四海波」高砂頼母(モノクロ 6枚)
103ページ:「第九回 永楽館歌舞伎」の劇評
演劇界 2017年 01 月号 [雑誌]

感想

感想


8日の一部を前方上手寄りで観劇。
知らずに花道を歩いてしまったおっさんとおばあちゃんが、お茶子さんに怒られていた。
まあ、普段歌舞伎を見てないとわからないよねぇ… おまけに、こじんまりとした小屋で花道近いし。

輝虎配膳

このお芝居は何度か見ている。
越路(吉弥丈)は威厳があって立派。お勝(壱太郎丈)のお琴も素晴らしかった。(が、お琴を弾く場面で笑いが起きたのはなぜだ? あそこは泣くところだぞ。)
千壽丈の唐衣、千次郎丈の直江山城守は永楽館ならではの配役。 そして、輝虎の愛之助丈もよかった。5枚くらい脱いでいたので、笑いが起きていた。(こんなに着込んでいる輝虎は初めて見たかも。)
やっぱり、古典歌舞伎はいいね。時代物は衣装とセットも豪華で、目の保養。

お目見得 口上

舞台上手から、吉弥丈、愛之助丈、壱太郎丈、寿治郎丈。
※一言一句↓の通りに喋っていたわけではありません。

愛之助丈。
最初の公演は8月で、温度計が42℃をさしていた。こんな温度は初めて見た。小屋に家庭用のクーラーを設置した。
輝虎が着物を脱ぐのは暑いからではなく、たくさん着込んでるのは偉い人だから。たくさん脱ぐことで位取りを表している。
地元の方は手を挙げてください。(手を挙げた人はちらほら。)ぜひ「コウノトリ育むお」米を買って帰ってください。

吉弥丈。
町で「吉弥さん、吉弥さん」名前を呼んでもらえるようになったが、何もいただけないのでwコーヒーの1本でもいただけたら。
(歌を披露し)こんな出石が大好きです。

寿治郎丈。
お練りで人力車に乗った。一度乗ってみたかった。
子供に「おじいちゃん」と言われたが、お兄さんやで。「バイバイ」と言われたが、今来たんやで。
吉弥さんの立派な歌の後なので、言うことがない。
六代目は出世する。吉弥さんも愛之助さんも六代目。今の雁治郎さんが4代目なので、誰かが5代目になったら、壱太郎さんが6代目。私は初代、ろくでなしにならないように。

壱太郎丈。
玄さん、おおちゃん、こーちゃんのグッズを紹介。
寿治郎さんはひいおじいさんの頃からのお弟子さんで、ひいおじいさん、おじいさん、父、私と4代に渡って仕えてくれているので、これからも5代、6代とお願いします。

春重四海波

幕が開き、グラマラスな腰元(愛一郎丈)と中間(翫政丈)が力比べを始める。
そこへ与八(吉太朗)を連れた高砂頼母(愛之助丈)が花道から、腰元(折乃助丈)を連れた浪路(壱太郎丈)が上手通路から登場。2人は惚れあっており、明日祝言だという。
ところが、浪路の父・俊斎(寿治郎丈)は「武芸で娘に勝てねば、婿とは認めない」と言う。
浪路の伯母・磯路(吉弥丈)も見守る中、2人は勝負を始める。
木刀を構えただけで「あ、頼母負けるわ」という感じで、あっさりと勝負が決まる。

頼母は武者修行の旅に出て、浪路はその帰りを待つという。
太陽(當吉郎丈)と月(當史弥丈)がめぐって20年。
45歳になった頼母が帰ってきた。
与八が「いざというときは、振りかけるとピンとしたものもヘナヘナになるというお土砂を使う」と言うが、頼母は「卑怯なことはしてくれるな」と諫める。

さて、勝負。 今回はなかなかいい勝負となったのだが、与八が間違ってお土砂を頼母に振りかけてしまい、コッキン、コッキン、コキコキコッキン♪という音とともに、頼母は気を失ってしまう。
お土砂を奪った浪路が、周りの人間と、舞台に乱入してきたチンピラ(當十郎丈)と、チンピラを止めようとするお茶子さんにお土砂を振りかけ、皆気絶してしまう。
開演前の花道事件のこともあり、一瞬本当に乱入者かと思ったよw(當十郎丈だと声でわかったのだが。)

「皆が気絶しているから、あなたが勝ったことにして祝言を…」という浪路に、「それはできない」と再び武者修行の旅に出る頼母。
再び太陽と月が巡って、25年。
花道から現れたのは、白髪頭のヨボヨボのおじいちゃんになった頼母をグラマラスな腰元の孫娘(愛一郎丈)が出迎える。そこへ白髪頭のヨボヨボのおばあちゃんになった浪路が現れる。
2人とも若いのに、老け役が上手い。
俊斎の位牌と磯路の娘・八重(吉弥丈)が見守る中、いざ勝負。

ようやく頼母が勝ちをおさめ、2人は喜び合い、むせび泣く。浪路の入れ歯落とす演技が秀逸。
俊斎の幽霊と与八の幽霊も現れ、皆で仲良く踊って幕。
最後はカーテンコールで一言ずつご挨拶。
吉太朗丈が「初めて出してもらったのは6年前。15歳になりました。これからも出させてもらえるよう頑張ります」と話していたのが印象的。あの小さかった子が大きくなったなぁ…(←気分は親戚のおばちゃん)

面白かった~。
笑いあり涙ありでほんわかしたいいお話だった。

おまけ


↑「山下」の皿そば。歌舞伎のチケットを見せると割引してくれる。
やっぱりお蕎麦を食べないと、出石に来た気がしない。


↑お土産。
「招月庭」の丹波の黒豆煮、栗きんとんきんつば、黒豆栗入りきんつば。
「花兆庵」の栗あんしぐれ。ドライブウェイで買ったげんこつ飴。
永楽館の近くのお土産物屋さん(←着物で行くと割引があるらしい)の黒豆グラッセ、黒豆煮。
「湖月堂」の権兵衛餅、栗むし羊羹。幕間にはワッフルと酒種饅頭も食べた。


↑届いていたお花。

余談。
お練りと初日に悪目立ちしまくってニュースになっていた“役者の妻”をこの日は全く見かけなかった。