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京の年中行事 當る酉歳
吉例顔見世興行 東西合同大歌舞伎(先斗町歌舞練場)
五代目 中村雀右衛門襲名披露
2016年11月30日(水)~2016年12月25日(日)
配役
第一部(11:00開演)
第一、源平布引滝 実盛物語(さねもりものがたり)
九郎助住家の場
斎藤別当実盛:六代目 片岡愛之助
瀬尾十郎兼氏:二代目 中村亀鶴
葵御前:六代目 上村吉弥
小万:八代目 大谷友右衛門
第二、仮名手本忠臣蔵 道行旅路の嫁入(みちゆきたびじのよめいり)
戸無瀬:四代目 坂田藤十郎
奴可内:四代目 中村鴈治郎
小浪:七代目 中村芝雀 改め 五代目 中村雀右衛門
第二部(14:00開演)
第一、 菅原伝授手習鑑 車引(くるまびき)
梅王丸:四代目 中村鴈治郎
松王丸:六代目 片岡愛之助
桜丸:初代 片岡孝太郎
第二、夕霧 伊左衛門 廓文章(くるわぶんしょう) 吉田屋
藤屋伊左衛門:十五代目 片岡仁左衛門
扇屋夕霧:七代目 中村芝雀 改め 五代目 中村雀右衛門
吉田屋喜左衛門:初代 坂東彌十郎
女房おきさ:二代目 片岡秀太郎
第三、三升曲輪傘売(みますくるわのかさうり)
傘売り三すじの綱吉 実は石川五右衛門:十一代目 市川海老蔵
第三部(17:45開演)
第一、双蝶々曲輪日記 引窓(ひきまど)
八幡里十次兵衛住居の場
南与兵衛後に南方十次兵衛:十五代目 片岡仁左衛門
女房お早:初代 片岡孝太郎
母お幸:六代目 上村吉弥
濡髪長五郎:初代 坂東彌十郎
第二、京鹿子娘道成寺(きょうかのこむすめどうじょうじ)
鐘供養より押戻しまで
白拍子花子:七代目 中村芝雀 改め 五代目 中村雀右衛門
大館左馬五郎:十一代目 市川海老蔵
データ
筋書
愛之助丈関連
舞台写真:「実盛物語」斎藤別当実盛:5枚
舞台写真:「車引」松王丸:5枚
舞台写真
愛之助丈は、
「実盛物語」斎藤別当実盛が6種類
「車引」松王丸が4種類
料金
1等席(一階全席・二階正面桟敷・二階右桟敷):16,500円
1等席B(二階左桟敷):14,500円
2等席(二階正面):10,000円
3等席(二階正面):7,500円
雑誌
『演劇界』2017年2月号
愛之助丈関連
24ページ:舞台写真「鳴神」鳴神上人(モノクロ 1枚)
26ページ:舞台写真「輝虎配膳」長尾輝虎(モノクロ 1枚)
28ページ:舞台写真「GOEMON」石川五右衛門(モノクロ 1枚)
42ページ:舞台写真「実盛物語」斎藤別当実盛(カラーグラビア)
66ページ:舞台写真「連獅子」親獅子の精(カラーグラビア)←松竹歌舞伎舞踊公演
68~69ページ:舞台写真「実盛物語」斎藤別当実盛(モノクロ 6枚)
71ページ:舞台写真「車引」松王丸(モノクロ 2枚)
94ページ:舞台写真「御目見得 ご挨拶」(モノクロ 1枚)←松竹歌舞伎舞踊公演
95ページ:舞台写真「連獅子」狂言師右近(モノクロ 3枚)、親獅子の精(モノクロ 2枚)←松竹歌舞伎舞踊公演
98~100ページ:「吉例顔見世興行」の劇評
110ページ:「松竹歌舞伎舞踊公演」の劇評
→演劇界 2017年 02 月号 [雑誌]
感想
第一部
今年の顔見世は南座ではなく、先斗町歌舞練場。
24日に前方花道寄りにて観劇。
実盛物語
実はこの演目、私の中では石切り梶原と並んで“なぜか苦手な演目 トップ2”だったりする。
登場人物はさわやか、後味も悪くない。史実が上手く織り込んであって話としても面白い。それなのに、なんとなく苦手なのである。
そのため、愛之助丈が実盛を演じると知って、嬉しい気持ち半分、複雑な気持ち半分という感じだった。
見終わった感想は「結局、好きな役者が出てればなんでもいいよね」に尽きる(←おい)。
歌舞伎は(好きな)役者を見るものだというのを実感した。
愛之助丈の実盛も亀鶴丈の瀬尾もよかった。トンボで倒れる瀬尾って初めて見たよ。
吉弥丈は葵御前で、綺麗な役なのが嬉しい。
九郎助の松之助丈はいつもいい味出してるなぁ。
前に見たときは、実盛が馬に乗って花道を去っていったように記憶しているが、歌舞練場の花道は短く、天井が低いせいか、舞台中央で馬に乗ったまま幕が下りた。
最近、歌舞伎以外のお仕事が増えて、「ちょっと浮ついちゃってるんじゃないのー?」と心配していたが(←何様?)、この調子なら来年も追っかけることができそうだと一安心。
道行旅路の嫁入
戸無瀬(藤十郎丈)と小浪(雀右衛門丈)が連れ立って旅をしている。
途中、奴さん(鴈治郎丈)が現れる。
いつもながら、踊りはわからないので、ぼけーっと見ているだけ。(←10年間進歩なし)
最後、藤十郎丈が雀右衛門丈の襲名披露をして幕。
第二部
24日に後方花道寄りにて観劇。
車引
まず、梅王丸(鴈治郎丈)の刀を数えて、上方の型だということを確認した。
さらに、編み笠をとった桜丸(孝太郎丈)が隈取をしていないのを見て、「やっぱり上方の型だ」と思う。
松王丸(愛之助丈)が登場すると、「あれ!? 松王丸って、こんなカニの足みたいな鬘してた!?」「衣装がやけに白いんだけど、他の2人と同じ紫の格子柄の着物を下に着てなかったっけ?」と混乱した。(今まで梅王丸=愛之助丈ばかり見ていたことが丸わかりですな。)
愛之助丈の松王丸は初役かと思ったら、私がファンになる前の浪花花形歌舞伎で演じていた。
てっきり全員赤い襦袢なのかと思いきや…
梅王丸の襦袢は赤地に梅模様でいつも通り。
桜丸の襦袢は赤地に桜模様… ではなく、ピンク地に桜模様。
松王丸の襦袢は白地に松模様… ではなく、水色地に松模様。
なんでこんなカラフルなの?(←激しく混乱中)
これはこれで綺麗なのだが、梅王丸と桜丸が赤、松王丸が白の方が、絵的にしまって見えるように思う。
吉田屋
伊左衛門(仁左衛門丈)は可愛らしく、夕霧(雀右衛門丈)は美しい。
喜左衛門(彌十郎丈)とおきさ(秀太郎丈)のやり取りもさすがの安定感。
劇中で襲名披露口上があり、上手から秀太郎丈、仁左衛門丈、雀右衛門丈、友右衛門丈、彌十郎丈が並んでご挨拶。
年の瀬にこういう演目がある、と華やかでいい。
三升曲輪傘売
男伊達が「石川五右衛門が傘売りに身をやつしている」と、傘売りを探している。
そこへ傘売り(海老蔵丈)が現れ、海老様マジックショーの開幕。
やたらめったら傘が出てくるけど、どうやって出してるのかさっぱりわからない。
折乃助丈(純弥丈が名代昇進)、千壽丈の新造コンビがきれいで可愛い。
最後は海老様のどや顔で幕。
おまけ
↑幕間に食べたどら焼き。
↑お土産に買った夕霧。
↑ロビーが狭いから(?)、竹馬はこんな感じ。
↑六盛さんから愛之助丈への竹馬。
↑南座のまねき。
どんなお弁当が売ってるかわからず、お手洗いの数が少ないことはわかっていたので、今回はおにぎりを持参した。やっぱり幕間に温かい物が食べたいなぁ。