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舞台「DEATH TRAP」

【愛知公演】
2017年8月1日(火)13:00開演/19:00開演
刈谷市総合文化センター 大ホール

【兵庫公演】
2017年8月3日(木)~8月6日(日)
兵庫県立芸術文化センター 阪急中ホール

配役

配役

DEATH TRAP

翻訳・演出:福田雄一

シドニー・ブルール:六代目 片岡愛之助
クリフォード・アンダーソン橋本良亮
マイラ・ブルール:高岡早紀
ヘルガ・テン・ドープ:佐藤仁美
ポーター・ミルグリム:坂田聡

データ

筋書

愛之助丈関連
4ページ:扮装写真(カラー)
6ページ:インタビュー(扮装写真あり、カラー)
7~9ページ:扮装写真(カラー)
26ページ:扮装写真(カラー)
32~36ページ:演出家&キャスト特別座談会(素顔写真×3、カラー)
37~42ページ:from Rehearsal Room(稽古場風景)(素顔写真×18、モノクロ)
47ページ:信和建設のチラシ

料金

【愛知公演】
S席:9,500円
A席:7,500円
※未就学児童入場不可

【兵庫公演】
9,500円
※未就学児童入場不可

筋書:1,500円

感想

感想

注意!! 思いっきりネタバレしています!!


8月1日の昼の部を前方上手寄りで観劇。

舞台はシドニー(愛之助丈)の部屋で、小さなバーカウンターや暖炉、机、椅子、甲冑、本棚等がある。
壁には舞台のポスターやアンティークの拳銃、手錠、豪華な装飾のナイフ、クロス・ボウ(っていうのかな? 猟に使う洋弓)等が飾られている。

劇作家のシドニーはスランプ中。彼の講座を受けたクリフォード(橋本良亮さん)から送られてきた「デストラップ」という作品を奪おうと決意する。
シドニーはクリフォードを部屋に呼んで殺害しようと企てる。それに気付いたクリフォードは「ここに来ることを女の子に知らせてきた」などと嘘をつくが、シドニーに見破られる。(後からわかるが、ここがそもそもお芝居。)
妻のマイラ(高岡早紀さん)は夫の人殺しを阻止しようとするが、シドニーは言葉巧みにクリフォードに手錠をかけ、背後から絞め殺す。いやー、高岡早紀さん、綺麗だわ~。細いし、脚が長いし、スタイル抜群。

マイラは近くに住む霊媒師のヘルガ(佐藤仁美さん)に犯行が見破られるのではないかと心配し、人を殺したシドニーから距離を置こうとする。
そこへ霊媒師のヘルガがやってきて、過去に起きたことを次々と当てる。今さらながら「お前、オカマだったろ」と半沢のオカマネタもあった。
ヘルガはナイフを手に取り、「黒髪の美女がこのナイフで人を殺そうとする」「ブーツの男(クリフォード)がお前(シドニー)を殺す。彼はお前(シドニー)をとても愛しているが殺す。壁にかかっているアンティークの武器を使って殺す」などと予言する。
ヘルガの話し方はいかにもお国訛りという感じで、いろんな地方の方言が混ざっていて、シドニーが「どこの出身なんだ」と呟いていた。すごくキョーレツなキャラだった。冷静な顔してお芝居を続ける愛之助丈と高岡早紀さん、すごいわー。

シドニーとマイラが仲直りしようとしているときに、庭側の扉が開いて、泥まみれのクリフォードが襲い掛かってくる。クリフォードは板(←実は違う)でシドニーを滅多打ちにし、シドニーが倒れる。
心臓の弱いマイラは恐怖のあまり発作を起こし、ショック死してしまう。
いやー、この時のクリフォードの顔の怖いこと怖いこと… 歯をむき出してニヤリと笑ってマイラに迫る顔の怖ろしいことといったら…(本当にジャニーズですか?) そりゃ、マイラの心臓も止まるわ。

ここで、殺されたはずのシドニーがむくっと起き上がる。
なんと、シドニーとクリフォードがグルになって、マイラをショック死させたのだ。
「これが最初のどんでん返しかー」と思いつつ、「実はクリフォードとマイラが不倫の関係で、マイラも死んだふりをしていて、ヘルガの予言通りに2人でシドニーを殺すんだろう」と思っていたが、違った。
ここでいったん休憩をはさむ。

マイラの死後、クリフォードはシドニーのアシスタントとして住み着いていた。
そこへシドニーの友人の弁護士・ポーター(坂田聡さん)がやってくる。この人もキャラが立っていた。
シドニーはクリフォードがゲイらしきことをほのめかす。
ポーターはクリフォードが買い物に行くとき(乳酸菌なしのヨーグルトを買いに行ったが、売ってなかった。←当たり前)、引き出しに鍵をかけていったことを指摘する。
そして「マイラが残した土地の値段が思ったほど高くない」という話のほかに「カッティングバレー(=刈谷)では自転車をケッタとかケッタマシーンという」とか「隣の施設のフードコートに入っているスガキヤでは3ドルほどで肉入りの拉麺を食べることができる」とか「スガキヤのスプーンは先がフォークみたいになっている」などという情報を提供してくれる。

ポーターは名残惜しいのか「客席のこちら側のお客さんに正面の顔を見せていない」とか「楽屋に戻っても水羊羹食べるだけ」とか「間があいたのにもう出番終わり?」とか「すごく待ったのに」とか、客席に挨拶した後で舞台の袖からはけようとしてシドニーに「そっちは壁だ」と突っ込まれたり、アドリブ(?)でかっ飛ばしまくり。客席も拍手で煽りまくり。
一番受けたのは、甲冑の手を取って、
ポーター「手をつないだだけです。一線は越えてません!」(会場大爆笑)
というあのネタだった。(ポーター曰く「絶対言ってやろうと思ってた」)

シドニーは「エリザベスによろしく」という“きっかけ台詞”(それをきっかけにポーターが退場するんだと思われる)を3回ほど言ってたぞ。ポーターは「エリザベスって僕の妻だよね?」などとぼけていた。
ポーターが去った後、シドニーが客席に向かって「甘やかさない(ように)」と言っていた。

シドニーはクリフォードが引き出しに隠していた原稿を読み、クリフォードがマイラ殺しを題材に台本を書いていることを知る。そんなことをされたら犯行が露見すると思い、シドニーはクリフォード殺害を決意する。
シドニーは狂気じみた感じがしないのに、あっさりと「邪魔=殺す」という考えになるところが怖ろしい。
再びヘルガが現れ、シドニーにクリフォードに気をつけるようにと注意する。
シドニーは正当防衛を装ってクリフォードを銃で撃ち殺し、クリフォードは倒れた… と思ったら、クリフォードが立ち上がって狂ったように笑い出す。これまた狂気じみていてコワイのなんの。
クリフォードは実弾をすり替えておいたのだ。

シドニーを手錠で椅子につなぎ、クリフォードは2階へ宝石を漁りに行く。ところが、手錠は簡単に外れ、シドニーは洋弓でクリフォードを射殺す。シドニーが警察に自首の電話(正当防衛を主張)をしていると、クリフォードが起き上がり、シドニーを滅多打ちにする。すでに何度も書いてるが、クリフォード、コワ過ぎる。これはアイドル稼業に影響出ないのかと余計な心配をしちゃったよ。動きがいいので、アクションが苦手(ご本人談)には見えなかった。
結局、クリフォードも力尽きて床に倒れ、舞台は暗転する。

舞台が明るくなり、ヘルガとポーターがこの事件を題材に脚本を書くことを話している。
ここでポーターが土地の値段を安く言って差分を自分の懐に入れようとしてたことが明らかになる。
2人のやり取りが面白い。ヘルガがナイフを手にしてポーターを追いかけた挙句「黒髪の美女って私?」と言っていた。
殺しの場面を引きずらず、最後に笑って明るい気分で家路に着けるようにという配慮かな。

カーテンコールがあり、愛知出身の佐藤仁美さんが一言ご挨拶して、愛之助丈がご挨拶して、幕。

いやー、面白かった。
愛之助丈はほぼ出ずっぱりだった。
周りのキャラが濃すぎてインパクトには欠けるが、変にインパクトの強いキャラよりはこういう役の方があっていると思う。
秋から冬にかけては歌舞伎の出演が続く(はず)ので楽しみだ。