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芸術祭十月大歌舞伎 歌舞伎座

2019年10月2日(水)~10月26日(土)

配役

昼の部(11:00開演)

一、廓三番叟(くるわさんばそう)

傾城:三代目 中村扇雀
太鼓持:二代目 坂東巳之助
新造:四代目 中村梅枝

二、御摂勧進帳(ごひいきかんじんちょう)

武蔵坊弁慶:四代目 尾上松緑
斎藤次祐家:九代目 坂東彦三郎
源義経:三代目 坂東亀蔵
鷲尾三郎:二代目 尾上松也
駿河次郎:初代 中村萬太郎
山城四郎:初代 中村種之助
常陸坊海尊:四代目 片岡亀蔵
富樫左衛門:六代目 片岡愛之助

三、蜘蛛絲梓弦(くものいとあずさのゆみはり)
片岡愛之助五変化相勤め申し候

小姓寛丸、太鼓持愛平、座頭松市、傾城薄雲太夫、蜘蛛の精:六代目 片岡愛之助
碓井貞光:二代目 尾上松也
坂田金時:二代目 尾上右近
渡辺綱:初代 中村種之助
ト部季武:初代 中村虎之介
源頼光:三代目 市川右團次

四、江戸育お祭佐七(えどそだちおまつりさしち)

お祭佐七:七代目 尾上菊五郎
芸者小糸:五代目 中村時蔵
倉田伴平:九代目 市川團蔵
鳶の者すだれの芳松:四代目 河原崎権十郎
同巴の三吉:三代目 坂東亀蔵
鳶重太:初代 中村萬太郎
同柳吉:二代目 坂東巳之助
同長蔵:初代 中村種之助
同辰吉:二代目 大谷廣松
娘お種:二代目 尾上右近
踊りの勘平:寺嶋眞秀
同お軽:六代目 坂東亀三郎
同伴内:初代 市村橘太郎
小糸養母おてつ:六代目 嵐橘三郎
箱廻し九介:四代目 片岡亀蔵
遊人おででこ伝次:六代目 片岡市蔵
矢場女お仲:二代目 市川齊入
吉野屋富次郎:二代目 市村萬次郎
祭りの世話役太兵衛:初代 坂東楽善
鳶頭勘右衛門:四代目 市川左團次

夜の部(16:30開演)

一、通し狂言 三人吉三巴白浪(さんにんきちさともえのしらなみ)

和尚吉三:四代目 尾上松緑
お坊吉三:六代目 片岡愛之助
お嬢吉三:二代目 尾上松也(偶数日)
お嬢吉三:四代目 中村梅枝(奇数日)
手代十三郎:二代目 坂東巳之助
伝吉娘おとせ:二代目 尾上右近
釜屋武兵衛:初代 市村橘太郎
八百屋久兵衛:六代目 嵐橘三郎
堂守源次坊:三代目 坂東亀蔵
土左衛門伝吉:五代目 中村歌六

二、二人静(ふたりしずか)

静御前の霊:五代目 坂東玉三郎
若菜摘:六代目 中村児太郎
神職:九代目 坂東彦三郎


データ

筋書

愛之助丈関連
舞台写真:「御摂勧進帳」富樫左衛門:4枚
舞台写真:「蜘蛛絲梓弦」小姓寛丸:1枚
舞台写真:「蜘蛛絲梓弦」太鼓持愛平:1枚
舞台写真:「蜘蛛絲梓弦」座頭松市:1枚
舞台写真:「蜘蛛絲梓弦」傾城薄雲太夫:2枚
舞台写真:「蜘蛛絲梓弦」蜘蛛の精:5枚
舞台写真:「三人吉三巴白浪」お坊吉三:7枚
60~61ページ:「花競木挽賑」(1/3ページ)

舞台写真

愛之助丈は、
「御摂勧進帳」富樫左衛門が3種類(松緑丈の武蔵坊弁慶との2ショット1種類を含む)
「蜘蛛絲梓弦」小姓寛丸が1種類
「蜘蛛絲梓弦」太鼓持愛平が1種類
「蜘蛛絲梓弦」傾城薄雲太夫が1種類
「蜘蛛絲梓弦」蜘蛛の精が3種類
「三人吉三巴白浪」お坊吉三が9種類(松緑丈の和尚吉三と松也丈/梅枝丈のお嬢吉三との3ショット3種類を含む)

料金

1等席:18,000円
2等席:14,000円
3階A席:6,000円
3階B席:4,000円
1階桟敷席:20,000円
筋書:1,300円

感想

昼の部

20日に前方中央似て観劇。

廓三番叟

傾城(扇雀丈)、新造(梅枝丈)、太鼓持(巳之助丈)の舞踊。
まだ秋なのに、すっかりお正月気分になるめでたい踊りだった。

御摂勧進帳

斎藤次祐家(彦三郎丈)が安宅の関で義経(坂東亀蔵丈)を止めているところに弁慶(松緑丈)がやってくる。
弁慶の拵えは鳥居前や弁慶上使のような感じ。
さらに富樫左衛門(愛之助丈)も奥から登場。太刀持ちのお小姓は愛三朗丈だった。

弁慶が偽の勧進帳を読む場面で眼鏡を拭いている斎藤次と、一緒に除き込もうとしてる富樫がおかしい。
こちらの富樫も義経一行を逃がす役回りで、衣装も爽やかな二枚目だ。
斎藤次はぜがひでも弁慶を捕まえたいようで、手下に命じて弁慶を縛ってしまう。
弁慶は泣きべそをかいたりして時間稼ぎをしていたが、義経一行が逃げ切れるとわかったあたりで、本性を出して大暴れ。番卒の首がポンポン飛ぶところが、歌舞伎っぽいというか、なんというか…
絶対どこかでやるだろうと思っていたラグビーネタはここだった。
そんな大騒ぎしたら後から大事になるだろうなんて、突っ込むのが野暮なくらい豪快な一幕だった。


蜘蛛絲梓弦

貞光(松也丈)と金時(尾上右近丈)が宿直をしているところに小姓(愛之助丈)がすっぽんからお茶を持って登場。
綺麗だけど愛三朗丈のお小姓と比べると、薹が立っているのは仕方ない。
舞台の上で太鼓持ちに早替わりして、生け花の向こうに消えていく。

次は座頭になって、常磐津の台の下から登場。さらに、三味線をを渡してもらう。(エアー三味線だけどな。)
次は傾城薄雲に化けて、源頼光(右團次丈)の寝所に忍び込む。
最後は蜘蛛の精の本性を表して、糸を投げまくり、台の上で見得をして幕。
何度か見ている演目だが、ファンとしてはいろいろな愛之助丈が見られるので嬉しい。

江戸育お祭佐七

粋でいなせな江戸芝居なのだが、なんとも救いようのない話だった。
佐七(菊五郎丈)も小糸(時蔵丈)も、他にやりようはなかったんだろうか?
冒頭の劇中劇で、お軽勘平の寺嶋眞秀君と亀三郎丈が可愛かったなぁ。
周りが微笑ましく見守る中、倉田(團蔵丈)だけはつまらなそうな顔を崩さないのは流石だと思った。
菊五郎丈の江戸っ子はカッコいい。こんな江戸っ子ができる役者さん、この先他に出てくるだろうか?

夜の部

19日に客席中央辺りで観劇。

三人吉三巴白浪

愛之助丈のお坊吉三を見るのは久しぶり。
和尚を演じているのも見たことはあるが、やっぱりお坊の方が似合ってると思う。(というより、単に私の好みなだけ。)前見た時も和尚吉三は松緑丈だった。
お嬢吉三はダブルキャストで、私が見た日は梅枝丈。松也丈のお嬢も見てみたかった。

庚申丸と百両を巡る人間関係がよくできてるなぁと改めて思った。
吉祥院で書き置きを眺めて座っているお坊とお嬢の雰囲気が好きだなぁ。
火の見櫓の場面も、お坊のあさぎ色の着物とお嬢の赤い襦袢が映えて綺麗だった。
それにしても、5歳でかどわかされて、今でいう男の娘になってるお嬢を一目で息子と見抜いた八百屋久兵衛(橘三郎丈)はタダモノじゃない。
そして、土左衛門伝吉の歌六丈が渋くてかっこよかった。

大川端だけではなく、もっと通しでやってほしい。


二人静

若菜摘(児太郎丈)の元に静御前の霊(玉三郎丈)現れる。 歌舞伎で静御前といえば、お能風の衣装かお姫様みたいな衣装を着ているので、水干を着た静御前って初めてみたかも。
神職の彦三郎丈がめっちゃいい声だった。もっと台詞を喋って欲しかった。
しかし、この演目の玉三郎丈がいなかったら、完全に花形歌舞伎だよねぇ…

おまけ


↑夜の部の幕間は喫茶室「檜」でサンドイッチを食べた。


↑最中アイスも食べた。


↑昼の部の幕間は地下の「やぐら」で買ったお弁当(地雷也 徳川)を食べた。


↑スパークリングワインも飲んだ。


↑お土産は地下の「花見」で買った栗入りのどら焼き。