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「舞踊と狂言 ~現代に粋る、芸能の神々~」

2019年11月24日(日) 15:00 開演(14:15 開場)
会場:東海市芸術劇場 大ホール(愛知県)

配役

出演

日本舞踊 松の緑

六代目 片岡愛之助

狂言 二人袴

聟:茂山千之丞
舅:茂山あきら
兄:茂山宗彦
太郎冠者:増田浩紀

スペシャルトーク

聞き手:わかぎゑふ
六代目 片岡愛之助
茂山あきら
茂山宗彦
茂山千之丞

データ

料金

一般S席 6,000円

感想

感想


前方上手側にて観劇。
名古屋から名鉄の特急で15分くらいの劇場なのだが、客席が前半分くらいしか埋まっていなくて少し寂しかった。

松の緑

愛之助丈の素踊りを見るのは久しぶり。
藤色の紋付きに灰色の袴で、10分弱の舞踊だった。
後のトークショーで、「この劇場は初めて出るからおめでたい踊りにした」と話していた。

二人袴

簡単に言ってしまうと、聟(茂山千之丞さん)が舅(茂山あきらさん)に挨拶に行くのに、兄(茂山宗彦さん)についてきてもらうが、礼装用の袴が一つしかない状態で「2人一緒に挨拶に来い」と言われて困るお話。
袴を取り合っているうちに2つに裂けてしまい、前半分だけ袴をつけて2人でご挨拶するが、舞いを所望されてさあ大変… わかりやすいし、面白かった。
お能の間以外で狂言を見るのは初めてかも。

スペシャルトーク

聞き手にわかぎゑふさんを迎えてのトークショー。約45分くらいだったかな。
茂山あきらさんが優しい雰囲気と口調で少々暴走気味(?)で、わかぎさんに止められていた。
茂山宗彦さんが客席をじーっと見ている時の感じが、なんだかレーサーの脇阪寿一選手を思い出させたのだが、多分誰にも通じないだろう。茂山千之丞さんはおっとりした雰囲気の方だった。
愛之助丈は来年の大河で今川義元役をするのだが、例の事件での撮り直しはなかったそうだ。

愛之助丈は狂言のお稽古に興味津々らしく、どのようにお稽古しているのか聞いていたが、いまいちどんな感じでお稽古しているのか、私にはわからなかった。(各自でお稽古してきて合わせるスタイルっぽい)
他ジャンルとの他流試合について、宗彦さんが「女優さんはほんとうにきれい!」と力説。「狂言の楽屋はおっさんばっかり」「狂言できれいなのは野村萬斎さんくらい」だそうだ。
そんな宗彦さんは今度OSKとの舞台で「黒蜥蜴」の明智小五郎を演じるそうだ。
愛之助丈は「真田丸」でも軍議ばかりで女っ気がなく、女性と共演するとどこを触っていいかわからないのだそう。

千之丞さんは襲名して12月で1年になるのだそう。
狂言師は舞台の上で役名として役者の芸名を呼ぶこともあるようで、宗彦さんが「おじさんの名前を継いだのでやりにくい」みたいなことを話していた。
あきらさんは父の名前を息子が継ぐと呼び捨てにできるから継がなかったとかなんとか。
千之丞さんはオペラの演出をしたときにしきたりがわからず、「この辺りに立ってください」と言ったら、「そんなとこには立てない!」とイスラエル人の歌手に切れられたそう。ちなみに英語が話せるから通訳なしだったそうだ。

色々面白い話もあったが、最後は東海市で歌舞伎と狂言と2つ合わせた新作ができたらいいね、ときれいにまとまった。
また、古典芸能は今上演されているものが一番新しいという話が印象に残った。
最後は各自が持っている扇の大きさや形などを比べて見せてくれた。

田舎の劇場にありがちな光景だが、茶の間で見ているかのごとくくっちゃべってるオバハンは何とかならんもんかね。
それを抜かせば、見に行って良かったなぁと思える舞台だった。