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御園座四月公演 陽春花形歌舞伎

2019年4月1日(月)~4月25日(木)

配役

昼の部(11:00開演/夜の部(16:00開演)

通し狂言 南総里見八犬伝(なんそうさとみはっけんでん)

犬山道節、網干左母二郎:八代目 中村芝翫
犬飼現八:四代目 尾上松緑
犬塚信乃、赤岩一角:六代目 片岡愛之助
犬村大角:三代目 坂東亀蔵
伏姫、犬坂毛野:四代目 中村梅枝
浜路、雛衣:初代 坂東新悟
犬川荘助:四代目 中村橋之助
犬田小文吾、安西景連の亡霊:三代目 中村福之助
犬江親兵衛:五代目 中村玉太郎
伏屋:四代目 中村梅花
蟇六、馬加大記:初代 市村橘太郎
扇谷定正:九代目 坂東彦三郎
丶大法師:六代目 中村松江
滸我成氏:八代目 大谷友右衛門


データ

筋書

愛之助丈関連
舞台写真:「南総里見八犬伝」犬塚信乃:8枚
舞台写真:「南総里見八犬伝」赤岩一角:3枚
30ページ:扮装写真「南総里見八犬伝」犬塚信乃
31ページ:インタビュー(扮装写真「南総里見八犬伝」赤岩一角)

料金

S席:18,000円
A席:15,000円
B席:9,000円
C席:4,500円
筋書:2,000円

感想

1回目

7日に昼の部を前方花道寄りで観劇。

建て替え後、初めての御園座。お手洗いが真っ赤で驚いた。
幕間に座席でお弁当を食べられるようになったのはよかった。

通し狂言 南総里見八犬伝

今まで何度か歌舞伎で八犬伝を見たが、取り上げられる場面はだいたい同じで、原作にアレンジが加えられている。
今回は筋書を買っていないので、細かい部分は記憶違いがあるかも。

発端の場はだいたいいつも山の中。
伏姫(梅枝丈)は安西景連(福之助丈)の呪いで交わらずして八房の子供を身ごもってしまう。
金碗大輔(後の丶大法師・松江丈)が八房と一緒に伏姫(梅枝丈)を鉄砲で撃ってしまい、伏姫が自害すると、体内から8つの宝玉が飛び出す。

続く場面もだいたいいつもの大塚村。
愛之助丈は、今回は犬塚信乃。芝翫丈、松緑丈と一緒だと優男役が回ってくるのね。
蟇六(橘太郎丈)がいい味を出していた。手水鉢の上でのシャチホコ?のポーズがお見事だった。
「令和」ネタや「春の選抜、東邦高校優勝おめでとうございます」という地元ネタもあった。

網干左母二郎(芝翫丈)は小悪党にしては貫禄ありすぎで、ラスボスでもおかしくないくらい。
浜路(新悟丈)が刺された後、犬山道節(芝翫丈)が火柱の中から現れる。
早替わりが売りではないとはいえ、もろに吹き替えとわかるのはいただけない。道節が登場するまでは、別人だとわからないようにしてほしい。
八犬士の5人が現れ、だんまりの後に幕が閉まる。ここで終わるかと思ったら、すっぽんから道節が出てきて、派手に六方を踏んで去っていった。

場面は滸我成氏(友右衛門丈)の館に移る。
宝剣村雨丸が偽物だと発覚し、信乃は芳流閣に逃れ、犬飼現八(松緑丈)が捕り手として差し向けられる。
定式幕が開いて、浅黄幕が落とされるかと思ったら、花道から道八が登場して、幕の内側に入っていった。
なかなか幕が落ちず、やけにじらすと思ったら、幕の内側から「まっすぐ!」という声が聞こえてきて、定式幕が戻された。セットの不備だろうか? 時間がかかってもかまわないので、安全第一でお願いしたい。


ようやく浅黄幕が落ち、芳流閣の屋根の上で信乃と捕り手の立ち回りが始まる。(愛治郎丈は立ち回りで活躍するからか、若旦那と一緒の場面ではいつもいいポジションにいるね。)
現八と信乃の立ち回りの後、がんどう返しで場面が変わる。松緑丈も愛之助丈も涼しい顔でまっすぐ立っていたが、身体能力が高くないとあれは無理だなぁ。

2人は屋根から落ち、小舟に乗って流される。
たどり着いた先で、犬田小文吾(福之助丈)、犬江親兵衛(玉太郎丈)と合流し、道節はまたもすっぽんからド派手な金の衣装で現れた。(すっぽんって、人ならざるものが出入りするところじゃないんか? まあ、火遁の術を使うけど。)
丶大法師から宝玉のことを聞き、犬川荘助(橋之助丈)が浜路殺しの罪を着せられて処刑されると知った5人は、荘助の救出に向かう。

5人に犬坂毛野(梅枝丈)が加勢し、道節が村雨丸の威徳で雨を降らせ、火炙りの刑にされた荘助を救う。(荘助の処刑場の場面は初めて見たかも。)
7人は残り1人の犬士を探しに旅に出る。

現八は犬村角太郎(後の大角・坂東亀蔵丈)を訪ね、大角の父・赤岩一角(愛之助丈)が実は化け猫だと判明する。
老人の拵えにネコミミついてるけど、誰得やねん。
そして、雛衣(新悟丈)、あのでかい宝玉を誤飲するとかおかしいだろ。
大角と現八で化け猫にとどめを刺すのかと思いきや、対峙したところで場面転換だった。

さて、場面は対牛楼。 馬加大記(橘太郎丈)が扇谷定正(彦三郎丈)を招き、女田楽師の旦開野(実は毛野)が舞いを舞っている。
彦三郎丈の声がすごくいい。場内に美声が響きわたっていた。
旦開野が正体を表し、馬加大記を刺して仇を射つ。
定正の手下と八犬士の立ち回りかと思ったら、定正が捕り手に囲まれていた。
最後、勢揃いした八犬士は「お家を再興するまで勝負を預ける」ということで、定正+八犬士で見得をして、幕。

原作と違う部分はあるが、まあ正統派の八犬伝だったと思う。

そうそう、前方で「愛之助!」と声をかける無粋なおっさんにまたも遭遇したが、せめて「松嶋屋!」とかけてくれないかな。

おまけ 1回目


↑開演前に食べた最中アイス(桜味)。


↑入場前に御園小町で買ったお弁当。

2回目

20日の昼の部を前方中央で観劇。
筋書に舞台写真が入っていたので購入した。(しかし、2,000円はさすがに高い。南座の顔見世並み。)

通し狂言 南総里見八犬伝

あらすじは前回書いた通り。
前回は気付かなかったが、芳流閣の屋根に金鯱が乗っていた。
愛之助丈の化け猫はちゃんと猫メイクだった。(ただし、萌え要素は皆無。)

ものすごく面白いというわけではないが、舞台向けの場面を集めてあるので、2回目でも楽しく見れた。
役者さんはそれぞれ役に合ってるし、見せ場もある。が、特に突っ込みどころがないので、改めて書くことは少ない。

御園座の空席問題が記事になっていたが、私は休日の昼に観劇したからか、客席はそれなりに埋まっていた。
名古屋の劇場は次々となくなってしまったし、御園座には頑張っていただきたい。

おまけ 2回目


↑今回も開演前に最中アイスの桜味(季節限定らしい)を食べた。


↑幕間に食べたお弁当。御園小町で購入。


↑お土産に買ったきんつば。
劇場で焼きたてを売っているので、その場で食べればあたたかい。さめても美味しかった。